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第54回(H31) 理学療法士国家試験 解説【午後問題76~80】

 

76. アレルギーの分類と組織障害の機序との組み合わせで正しいのはどれか。

1. Ⅰ型アレルギー———即時型過敏症
2. Ⅱ型アレルギー———細胞性免疫による組織障害
3. Ⅱ型アレルギー———免疫複合体病
4. Ⅲ型アレルギー———抗体による機能亢進
5. Ⅳ型アレルギー———補体活性化による細胞障害

解答
解説
1. 〇:正しい。Ⅰ型アレルギー(IgE)は、即時型過敏症である。主な症状として、気管支喘息・アトピーなどである。
2. 3. ×:Ⅱ型アレルギー(IgG、IgM)は、細胞障害型である。細胞膜に付着している抗原(アレルゲン)と、抗体が結合して反応する。溶血性貧血・血小板減少症、重症無力筋症などである。
4. ×:Ⅲ型アレルギー(IgG)は、免疫複合体型である。血清病、リウマチ、腎炎などである。
5. ×:Ⅳ型アレルギー(T細胞マクロファージ)は、T細胞依存型、遅延型である。臓器移植の拒否反応・結核などである。

 

 

 

77. 急性期のくも膜下出血の診断に最も有用なのはどれか。

1. MRI T1強調像
2. MRI T2強調像
3. 頸動脈超音波像
4. 単純CT像
5. 単純エックス線写真

解答
解説
1. 2. ×:MRIは、軟部組織の病変(ヘルニア)や、小さな病変(脳腫瘍、小梗塞、脱髄巣など)の診断能力に優れている。T1強調像は、高信号(白)は脂肪(亜急性期の出血)・低信号(黒)は水(慢性期の出血)となる。脳回の萎縮、側室の拡大といった解剖構造を診るのに適している。T2強調像は、高信号(白)は水・脂肪(ほとんどの病変)・低信号(黒)は空気(慢性期の出血、線維化、石灰化)となる。多くの病変を鋭敏に診るのに適している。
3. ×:頸動脈超音波像は、頸動脈における動脈硬化を評価することに用いられる。
4. 〇:正しい。単純CT像は、急性期の脳出血や石灰化などに適している。MRIでも病巣の確認は行えるが、撮影時間を比較すると、CTは数秒、MRIは数分~数十分かかるためCTを選択されることが多い。
5. ×:単純エックス線写真は、基本的な撮影メカニズムはCTと同じだが基本的に胸部や骨折部位の特定など一枚の撮影に用いられることが多い。断層として見ることができない。

 

 

 

78.創傷治癒を遅延させるのはどれか。

1. 亜鉛
2. アミノ酸
3. 酸素
4. ビタミンC
5. 副腎皮質ステロイド

解答
解説
慢性創傷は、創傷の内部の状況(局所的因子)だけでなく、患者の全身状態(全身性因子)によっても影響を受ける。ゆえに創傷治療では、常に総合的な治療アプローチが求められる。創傷治癒を遅延させる要因として、主に以下があげられる。
【局所的因子】細菌の定着、フィブリンコーティングおよび壊死、創感染創傷の衛生状態不良、血液の供給不良、低酸素飽和状態、破片、残骸、圧力
【全身性因子】心臓血管疾患、神経障害(糖尿病)、代謝性疾患、低栄養状態、投薬(例:ステロイオド)、免疫活性剤、高齢、喫煙などが考えられる。よって、5. 副腎皮質ステロイドが正しい。

 

 

 

79. 障害受容で誤っているのはどれか。

1. 社会環境によって影響される。
2. 障害者同士の交流により促進される。
3. 抑うつ状態の患者には積極的な指導を行う。
4. 混乱している患者の怒りは医療者にも向く。
5. ショックを受けている状態の患者は安全に見守る。

解答
解説
1. 〇:正しい。社会環境によって影響される。例えば、社会への疎外感が強い環境では、劣等感を感じやすく適応に長時間要する。
2. 〇:正しい。障害者同士の交流により促進される。また、家族・友人の支援によっても受容は促進される。
3. ×:抑うつ状態とは、気分が落ち込んで活動を嫌っている状況のことをいう。そのような患者には積極的な指導は控える。
4. 〇:正しい。混乱している患者の怒りは医療者にも向く。これを転移という。
5. 〇:正しい。ショックを受けている状態の患者は安全に見守る。

 

 

 

80. 認知行動療法で対象となるうつ病の自動思考のうち「極端な一般化」にあたるのはどれか。

1. そのときの感情に基づいて現実を判断する。
2. すべてに対して白黒をつけて割り切ろうとする。
3. 着目していることだけから短絡的に結論付ける。
4. 「こうするべきだ」と行動を制限して自分を責める。
5. 少数の事実からすべてが同じ結果になると結論付ける。

解答
解説
自動思考とは、主に認知行動療法で用いられる用語で、状況に対応して非常にすばやく、自分の意志とは関係なく自動的に湧き出る思考を指す。
うつ状態における代表的なゆがんだ考え方の例を以下に示す。
【感情の合理化】感情状態だけに基づいて結論ないし推論してしまうこと。
【過剰な一般化】1回だけ、あるいはごくわずかな経験で得られた事実から、より広い意味を持つ間違った結論に至ってしまうこと。
【すべてか無か思考】複雑な、あるいは連続的な結果を、訳もなく両極端に分けてしまうこと。
【心の先読み】他人の考え・意図・あるいは動機に対して、否定的に推論すること。
【個別化】ある出来事・状況・行動などに際して、それが特別に、あるいは個人的に、自分の否定的な面を示していると考えてしまうこと。
【~すべきだ思考】自分自身に対して、かたくなに基準を指示したり、外の出来事に対して実際には無理なくらいにコントロールできるはずだと思いこんで、命令的な言い方をすること。
【占い】早まった、あるいは誤った悲観的な考え方。あるいは昔失敗したのだから今度も失敗するはずだと予想してしまうこと。
【ラベリング】人あるいは物事の好ましくない特徴によって、その人や物事を決めつけてしまうこと。
1. ×:そのときの感情に基づいて現実を判断するのは、感情の合理化である。
2. ×:すべてに対して白黒をつけて割り切ろうとするのは、すべてか無か思考である。
3. ×:着目していることだけから短絡的に結論付けるのは、極端な一般化の意味とは逆になる。
4. ×:「こうするべきだ」と行動を制限して自分を責めるのは、~すべきだ思考である。
5. 〇:正しい。少数の事実からすべてが同じ結果になると結論付けるのは、極端な一般化にあたる。

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