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※問題の引用:厚生労働省より
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。
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46回 午後65
65.IgEが関与しないのはどれか。
1.気管支喘息
2.ツベルクリン反応
3.アトピー性皮膚炎
4.アレルギー性鼻炎
5.アナフィラキシーショック
解答2
解説
アレルギー反応の分類法としては、免疫反応による組織傷害の機序から分類したGellとCoombsの分類が使われることが多い。本分類はその反応に関与する抗体や細胞の違いにより分類されるが、現象的には皮膚反応出現にかかる時間と反応の性状により分けられる。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ型は血清抗体が関与する体液性免疫(humoral immunity)、Ⅳ型は感作リンバ球による細胞性免疫(cellularimmunity)と大別される。
(※引用:「アレルギー総論」厚生労働省HPより)
1.3〜5.〇 気管支喘息/アトピー性皮膚炎/アレルギー性鼻炎/アナフィラキシーショックは、IgEが関与する。IgEが関与するのはⅠ型アレルギー(即時型)である。特徴は、抗体(アレルゲン)が体内に侵入すると即時的に反応が起こる。反応時間としては15〜30分である。ちなみに、アナフィラキシーショックとは、アレルギー反応で起こるショックのことである。主にⅠ型アレルギー反応の結果、血管拡張や血管透過性の亢進による血漿漏出が生じ、循環血液量の減少をきたすことで起こる。アナフィラキシーショックの症状として(頻脈、血圧低下、意識障害、喉頭浮腫、呼吸困難)を引き起こす。
2.× ツベルクリン反応は、Ⅳ型アレルギー(T細胞依存型、遅延型)が関与する。抗原感作を受けたT型リンパ球が、組織障害を起こす。反応時間としては1〜2日である。主な症状は、①臓器移植の拒否反応、②結核、③接触皮膚炎である。
48回 午後76
76 Ⅰ型アレルギーはどれか。
1.自己免疫性溶血性貧血
2.アナフィラキシー
3.ツベルクリン反応
4.ループス腎炎
5.重症筋無力症
解答2
解説
アレルギー反応の分類法としては、免疫反応による組織傷害の機序から分類したGellとCoombsの分類が使われることが多い。本分類はその反応に関与する抗体や細胞の違いにより分類されるが、現象的には皮膚反応出現にかかる時間と反応の性状により分けられる。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ型は血清抗体が関与する体液性免疫(humoral immunity)、Ⅳ型は感作リンバ球による細胞性免疫(cellularimmunity)と大別される。
(※引用:「アレルギー総論」厚生労働省HPより)
1.× 自己免疫性溶血性貧血は、Ⅱ型アレルギー(細胞損傷型)である。
2.〇 正しい。アナフィラキシーは、Ⅰ型アレルギーである。Ⅰ型アレルギー(即時アレルギー・アナフィラキシー型アレルギー)の主な症状は、気管支喘息・アトピー・花粉症・鼻炎。胃腸アレルギーである。アナフィラキシーショックとは、アレルギー反応で起こるショックのことである。主にⅠ型アレルギー反応の結果、血管拡張や血管透過性の亢進による血漿漏出が生じ、循環血液量の減少をきたすことで起こる。アナフィラキシーショックの症状として(頻脈、血圧低下、意識障害、喉頭浮腫、呼吸困難)を引き起こす。
3.× ツベルクリン反応は、Ⅳ型アレルギー(T細胞依存型)である。
4.× ループス腎炎は、Ⅲ型アレルギー(免疫複合体型)である。ループス腎炎とは、全身性エリテマトーデス(SLE)に伴う腎障害(糸球体障害)である。
5.× 重症筋無力症は、Ⅱ型アレルギー(細胞損傷型)である。
全身性エリテマトーデスとは、皮膚・関節・神経・腎臓など多くの臓器症状を伴う自己免疫性疾患である。皮膚症状は顔面の環形紅斑、口腔潰瘍、手指の凍瘡様皮疹である。10~30歳代の女性に好発する多臓器に障害がみられる慢性炎症性疾患であり、寛解と再燃を繰り返す病態を持つ。遺伝的素因を背景にウイルス感染などが誘因となり、抗核抗体などの自己抗体産生をはじめとする免疫異常で起こると考えられている。本症の早期診断、早期治療が可能となった現在、本症の予後は著しく改善し、5年生存率は95%以上となった。主な治療法として、①非ステロイド系消炎鎮痛剤、②ステロイド剤などである。
49回 午後77
77 移植後の拒絶反応について正しいのはどれか。
1. 自家移植で生じる。
2. T細胞が活性化される。
3. Ⅰ型アレルギー反応である。
4. 抗体が移植片の細胞を損傷する。
5. 宿主と移植片のHLAが一致すると起こりやすい。
解答2
解説
1.× 自家移植(ある個体の組織を同一の個体に移植すること)では、移植後の拒絶反応は起こりにくい。移植免疫は、遺伝子が異なるものに対して起きるものである。HLA(ヒトの主要組織適合遺伝子複合体)が同一の場合、移植後の拒絶反応が起きにくい特徴をもつ。つまり、自家移植は移植組織の遺伝子は完全一致しているため、拒絶反応は起きにくい。
2.〇 正しい。T細胞が活性化される。移植後の拒絶反応は、T細胞(活性型T細胞)によるⅣ型アレルギー(遅延型アレルギー)である。
3.× 「Ⅰ型アレルギー」ではなくⅣ型アレルギー反応である。
4.× 「抗体」ではなく、細胞傷害性T細胞が移植片の細胞を損傷する。移植後の拒絶反応は、細胞免疫によって起こる現象である。
5.× 宿主と移植片のHLA(ヒトの主要組織適合遺伝子複合体)が一致すると起こりにくい。
アレルギー反応の分類法としては、免疫反応による組織傷害の機序から分類したGellとCoombsの分類が使われることが多い。本分類はその反応に関与する抗体や細胞の違いにより分類されるが、現象的には皮膚反応出現にかかる時間と反応の性状により分けられる。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ型は血清抗体が関与する体液性免疫(humoral immunity)、Ⅳ型は感作リンバ球による細胞性免疫(cellularimmunity)と大別される。
(※引用:「アレルギー総論」厚生労働省HPより)
54回 午前76
76. アレルギーの分類と組織障害の機序との組み合わせで正しいのはどれか。
1. Ⅰ型アレルギー:即時型過敏症
2. Ⅱ型アレルギー:細胞性免疫による組織障害
3. Ⅱ型アレルギー:免疫複合体病
4. Ⅲ型アレルギー:抗体による機能亢進
5. Ⅳ型アレルギー:補体活性化による細胞障害
解答1
解説
1. 〇:正しい。Ⅰ型アレルギー(IgE)は、即時型過敏症である。主な症状として、気管支喘息・アトピーなどである。抗原(アレルゲン)が体内に侵入し、肥満細胞に付着したIgE抗体に抗原が結合し(抗原抗体反応)、即時的に反応が起こる。
2. 3. ×:Ⅱ型アレルギー(IgG、IgM)は、細胞傷害型である。細胞膜に付着している抗原(アレルゲン)と、抗体が結合して反応する。溶血性貧血・血小板減少症、重症無力筋症などである。
4. ×:Ⅲ型アレルギー(IgG)は、免疫複合体型である。血清病、リウマチ、腎炎などである。抗原抗体反応の結果産生された抗原-抗体複合体が、小血管壁に付着することにより起こる。
5. ×:Ⅳ型アレルギー(T細胞マクロファージ)は、T細胞依存型・遅延型である。臓器移植の拒否反応・結核などである。抗原感作を受けたT型リンパ球がリンホカインを産生し、組織障害を起こすものである。
アレルギー反応の分類法としては、免疫反応による組織傷害の機序から分類したGellとCoombsの分類が使われることが多い。本分類はその反応に関与する抗体や細胞の違いにより分類されるが、現象的には皮膚反応出現にかかる時間と反応の性状により分けられる。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ型は血清抗体が関与する体液性免疫(humoral immunity)、Ⅳ型は感作リンバ球による細胞性免疫(cellularimmunity)と大別される。
(※引用:「アレルギー総論」厚生労働省HPより)
58回 午前65
65.Ⅰ型アレルギーに関与する抗体はどれか。
1.IgA
2.IgD
3.IgE
4.IgG
5.IgM
解答3
解説
(※引用:「アレルギー総論」厚生労働省HPより)
1.× IgAとは、体内では2番目に多い免疫グロブリンで、鼻汁、涙腺、唾液、消化管、膣など、全身の粘膜に存在している。IgAは、粘膜の表面で病原体やウイルスと結合し、病原体やウイルスが持っている毒素を無効化して感染しないように阻止する働きがある。
2.× IgDとは、扁桃腺および上気道にある抗体を産生する形質細胞から放出され、呼吸器系の免疫に作用していると考えられている。 IgAやIgGと比較しても微量しか存在していない免疫グロブリンである。
3.〇 正しい。IgEは、Ⅰ型アレルギーに関与する抗体である。IgEとは、肥満細胞や好塩基球の細胞表面に存在している。ヒスタミン遊離によりアレルギー疾患を引き起こす。生後6か月以降の乳幼児では、しばしばアトピー性アレルギー疾患の進行に伴って血清中のIgE抗体が上昇する。したがって、Ⅰ型反応(即時型、アナフィラキシー型)のアレルギー反応に関与する。
4.× IgGとは、分子量が最も小さい抗体であるため、唯一、胎盤を通過する免疫グロブリンである。IgMが生成された後に生成され始め、血中で最も多く存在する抗体である。一般的に抗体検査というとこのIgGを調べることが多い。比較的長期間持続されるとされており、その期間は数ヶ月〜数年とウイルスによって異なる。
5.× IgMとは、新生児由来であり、児に感染が起きたときに産生される免疫グロブリンである。しかし、感染防御力は低い。出生直後の新生児の血中IgMが高値の場合は、胎内または分娩時の感染が示唆される。感染の初期に発現し、生体防御の初段階を担うのはこのIgMに属するいずれかの抗体で、それらは症状が進むと再び発現するようになる。
アナフィラキシーショックとは、アレルギー反応で起こるショックのことである。主にⅠ型アレルギー反応の結果、血管拡張や血管透過性の亢進による血漿漏出が生じ、循環血液量の減少をきたすことで起こる。アナフィラキシーショックの症状として(頻脈、血圧低下、意識障害、喉頭浮腫、呼吸困難)を引き起こす。
59回 午前66
66 免疫グロブリンで正しいのはどれか。
1.IgGは胎盤を透過する。
2.IgMは唾液に含まれる。
3.IgDは肥満細胞を活性化する。
4.IgAは血漿中に占める割合が最も多い。
5.T細胞が抗原の刺激を受けて産生する。
解答1
解説
(※引用:「アレルギー総論」厚生労働省HPより)
1.〇 正しい。IgGは胎盤を透過する。なぜなら、分子量が最も小さい抗体であるため。IgGは、IgMが生成された後に生成され始め、血中で最も多く存在する抗体である。一般的に抗体検査というとこのIgGを調べることが多い。比較的長期間持続されるとされており、その期間は数ヶ月〜数年とウイルスによって異なる。
2.× 「IgM」ではなくIgAは唾液に含まれる。IgAとは、体内では2番目に多い免疫グロブリンで、鼻汁、涙腺、唾液、消化管、膣など、全身の粘膜に存在している。IgAは、粘膜の表面で病原体やウイルスと結合し、病原体やウイルスが持っている毒素を無効化して感染しないように阻止する働きがある。ちなみに、IgMとは、新生児由来であり、児に感染が起きたときに産生される免疫グロブリンである。しかし、感染防御力は低い。出生直後の新生児の血中IgMが高値の場合は、胎内または分娩時の感染が示唆される。感染の初期に発現し、生体防御の初段階を担うのはこのIgMに属するいずれかの抗体で、それらは症状が進むと再び発現するようになる。
3.× 「IgD」ではなくIgEは肥満細胞を活性化する。IgEとは、肥満細胞や好塩基球の細胞表面に存在している。ヒスタミン遊離によりアレルギー疾患を引き起こす。生後6か月以降の乳幼児では、しばしばアトピー性アレルギー疾患の進行に伴って血清中のIgE抗体が上昇する。したがって、I型反応(即時型、アナフィラキシー型)のアレルギー反応に関与する。ちなみに、IgDとは、扁桃腺および上気道にある抗体を産生する形質細胞から放出され、呼吸器系の免疫に作用していると考えられている。 IgAやIgGと比較しても微量しか存在していない免疫グロブリンである。
4.× 「IgA」ではなくIgGは血漿中に占める割合が最も多い。生後3~6か月には母体由来のIgGは減少・消失し、児のIgG自己産生能も未熟であるため、濃度は最低レベルとなる。5~6歳で成人並みとなる。
5.× 「T細胞」ではなくB細胞(形質細胞)が抗原の刺激を受けて産生する。形質細胞は、B細胞が抗原認識によって分化した抗体産生細胞である。形質細胞とは、B細胞が成熟したもので、抗体を作って自然免疫の働きを助ける。つまり、体に侵入したウイルスや細菌などの異物を排除する作用を持つ蛋白質(抗体)を産生する。ちなみに、T細胞とは、血液中を流れている白血球のうち、リンパ球と呼ばれる細胞の一種である。胸腺(thymus)でつくられるため、頭文字を取ってT細胞と名付けられた。T細胞は膠原特異的な免疫応答である獲得免疫に関与する。免疫応答を促進するヘルパーT細胞、逆に免疫反応を抑制するサプレッサーT細胞、病原体に感染した細胞や癌細胞を直接殺すキラーT細胞などに分類される。