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36. GMFMで正しいのはどれか。
1. GMFM-88は間隔尺度として使用される。
2. 各項目は0~4の5段階評価で判定する。
3. 脳性麻痺のための標準化された発達評価である。
4. 健常5歳児であれば達成可能な項目で構成される。
5. Item Mapの使用により認知機能の判定が可能である。
解答4
解説
粗大運動能力尺度(gross motor function measure;GMFM)は、脳性麻痺児を対象とし粗大運動能力の経時的な変化および医療的な介入の効果をみるために考案された評価尺度である。
1. ×:GMFM-88は、「間隔尺度」ではなく評価尺度として使用される。ちなみに間隔尺度としてしようされるものは、GMFM-66である。
2. ×:各項目は、「0~4」ではなく0~3の4段階である。0:全くできない、1:少しだけできる、2:部分的にできる、3:完全にできるの4段階である。ちなみに、GMFCS(粗大運動能力分類システム)は、レベルⅠ~Ⅴの5段階評価で判定する。
3. ×:「標準化された発達評価」ではなく脳性麻痺の粗大運動及び移動能力の障害程度を分類するものである。知的レベル・ADLなどを含めた発達評価ではない。
4. 〇:正しい。健常5歳児であれば達成可能な項目で構成される。運動課題88項目の達成度を観察し判定する。
5. ×:Item Mapとは、粗大運動能力における課題項目と到達可能性を明確にするものであり、認知機能の判定はできない。縦軸が「スコアの点数」、横軸は「年齢」で、成長曲線が示されている。今後の介入の参考にできるものとなっている。
教育・心理検査は「標準化」という手続きを経て作成されている。「標準化」とは、簡単に言うと、その検査が測りたいものをきちんと測れるものになっているようにするため、あらかじめ実験をしてたくさんのデータを集めて良い問題だけを残すこと、またそのデータを利用して結果を解釈する基準(尺度)まで兼ね備えることができるようにするための、一連の手続きのことをいう。
それら一連の手続きを標準化といい、標準化の手続きを経て作られた検査を標準検査という。標準化には大変な手間とコストがかかるが、こうして標準化された標準検査には、「妥当性」と「信頼性」が備わっている。この「妥当性」と「信頼性」が備わっていることが、標準検査の条件であり、また最大の特質ということができる。
(一部改変引用:図書文庫様HPより)
37. NYHA分類で正しいのはどれか。
1. 5段階である。
2. 自覚症状により重症度を分類する。
3. Ⅰ度では心疾患を有し、日常生活で疲労、呼吸困難がある。
4. Ⅱ度では日常生活以下の労作で疲労、呼吸困難がある。
5. Ⅳ度では安静時に心不全症状はみられない。
解答2
解説
NYHA(New York Heart Association)分類は、心不全の程度を問診から推測する際に用いる評価尺度であり、Ⅰ~Ⅳ度までの4段階で評価する。
1. ×:「5段階」ではなく4段階である。
2. 〇:正しい。問診から推測するため、自覚症状(疲労・動悸・息切れ・胸痛)により重症度を分類する。
3. ×:Ⅰ度では、心疾患はあるが、通常の身体活動では症状がない状態である。心疾患を有し、日常生活で疲労、呼吸困難があるのは、Ⅱ度からである。
4. ×:日常生活以下の労作で疲労、呼吸困難があるのは、「Ⅱ度」ではなくⅢ度である。
5. ×:Ⅳ度では、安静時にも心不全症状(呼吸困難)を示す。
Ⅰ度:心疾患があるが、身体活動には特に制約がなく日常労作により、特に不当な呼吸困難、狭心痛、疲労、動悸などの愁訴が生じないもの。
Ⅱ度:心疾患があり、身体活動が軽度に制約されるもの。安静時または軽労作時には障害がないが、日常労作のうち、比較的強い労作(例えば、階段上昇、坂道歩行など)によって、上記の愁訴が発言するもの。
Ⅲ度:心疾患があり、身体活動が著しく制約されるもの。安静時には愁訴はないが、比較的軽い日常労作でも、上記の主訴が出現するもの。
Ⅳ度:心疾患があり、いかなる程度の身体労作の際にも上記愁訴が出現し、また、心不全症状、または、狭心症症候群が安静時においてもみられ、労作によりそれらが増強するもの。
38. 成人に対する一次救命処置で正しいのはどれか。
1. 胸骨圧迫は1分間に100~120回のテンポで行う。
2. 胸骨圧迫は胸骨が1cm程度沈む強さで圧迫する。
3. AEDによる電気ショック後には胸骨圧迫を行わない。
4. 人工呼吸(口対口呼吸)の吹込みは続けて10回以上行う。
5. 胸骨圧迫しながらAEDによる電気ショックを与える。
解答1
解説
1. 〇:正しい。胸骨圧迫は1分間に100~120回のテンポで行う。
2. ×:胸骨圧迫は胸骨が、「1cm程度」ではなく約5cm以上6cm未満沈む強さで圧迫する。
3. ×:AEDによる電気ショック後には胸骨圧迫を再開する。心臓が拍動を再開し脈が触れたり、正常な呼吸が観察できれば胸骨圧迫を中止して良い。
4. ×:人工呼吸(口対口呼吸)の吹込みは続けて、「10回以上」ではなく2回行う。30回の心臓マッサージと2回の人工呼吸のサイクル(30:2)を繰り返す。
5. ×:胸骨圧迫しながらAEDによる電気ショックを与えてはならない。なぜなら、感電を避けるため。AEDによる電気ショックを与えているときは、患者に手を触れないようにする。AEDから電気ショックを与える前に「離れてください」と指示が流れる。また、傷病者が身につけているネックレスなどがパットに触れないようにし、可能な限り外しておく。
39. 筋力増強トレーニングの効果で正しいのはどれか。
1. 自動介助運動では効果は得られない。
2. 筋肥大が生じるまで効果は得られない。
3. 最大抵抗を用いれば月1回の運動で効果が得られる。
4. 等運動性運動ではトレーニングに用いた運動速度付近で大きな効果が得られる。
5. 最大筋力に対して極めて弱い抵抗運動であっても回数を増やすことで効果が得られる。
解答4
解説
1. ×:自動介助運動でも、最大筋力の2/3の負荷であれば筋力増強効果が得られる。自動介助運動とは、自発的に筋の収縮を行わせながら、セラピストあるいは器具の補助によって関節運動を行うことである。
2. ×:筋力増強の初期の効果は、活動する運動単位の増加や複数の運動単位の活動の同期化など、中枢神経系の働きによることが多い。そのため、筋肥大が生じるまで効果は得られないのは間違いである。また、筋肥大は訓練を続けて3~5週以降に起こる。
3. ×:最大抵抗を用いても、月1回の運動では不足しており、週2~4回の運動で効果が得られる。
4. 〇:正しい。等運動性運動(等速性運動)は、機械を使用しなければ行えない特徴を持つ。等運動性運動では、トレーニングに用いた運動速度付近で大きな効果が得られる。なぜなら、特異性の原則のため。トレーニングと同一の収縮様式における筋力の増加率は、他の収縮様式より大きいとされている。つまり、低速度の等運動性運動(等速性運動)を行えば、低速度の等速性筋力が最も増加する。
5. ×:極めて弱い抵抗運動は、回数を増やしても、筋持久力に対し効果がある。筋力増強の基本条件として、過負荷の原則が適応される。筋肥大を見込むためには、1RMに対する負荷量75~80%で、反復回数は8~10回とされている。最大筋力に対して極めて弱い抵抗運動は、筋力増強を見込めない。
40. 超音波療法で正しいのはどれか。(※解答2つあり)
1. 強度は0.5~2.5W/cm2が推奨される。
2. 透過深度は周波数に反比例して浅くなる。
3. 照射される超音波は小さな導子ほど拡散する。
4. ビーム不均等率が高い場合、導子をゆっくり動かす。
5. 温熱効果を目的とする場合には照射時間率5%を選択する。
理由:複数の正解があるため複数解答となる(厚生労働省)。
解説
1. 〇:正しい。強度は、0.5~2.5W/cm2が推奨される。温熱効果を得るためには、1.0~2.5W/cm2(連続波)、非温熱効果を得るためには0.5~1.0W/cm2の強度が推奨される。
2. ×:透過深度は周波数に比例して浅くなる。周波数が低いほど深く、高いほど浅い。皮膚表面から2cmまでの深さでは3MHz、2~5cmでは1 MHzを使用する。
3. 〇:正しい。照射される超音波は小さな導子ほど拡散する。
4. ×:ビーム不均等率(BNR)とは、超音波の平均強度(W/cm2)に対する最大強度の比である。ビーム不均等率は、1~5がよいとされ、6以上では最大ビーム付近に熱点が生じ、組織損傷する可能性がある。これを空洞化現象という。導子の移動速度は、ビーム不均等率が5以下であれば、1 cm/秒、6以上で行う場合には、導子は4cm/秒で移動させる。つまり、ビーム不均等率が高い場合、導子を早く動かす。
5. ×:照射時間率(デューティ比)とは、照射している時間と照射してない時間の割合を示すものをいう。照射時間率を変更させることにより治療の種類が変わる。一般的に照射時間率100%を「連続」と言い、温熱効果を見込め、照射時間率が5~50%の場合は「パルス(間欠)」と言い、非熱効果(機械的効果)が得られる。つまり、温熱効果を目的とする場合には照射時間率100%を選択する。
54a-36の問題のGMFMは0から3の4段階、1から5段階はGMFCS(粗大運動能力分類システム)
コメントありがとうございます。
修正しました。
今後ともよろしくお願いいたします。