第53回(H30) 作業療法士国家試験 解説【午後問題46~50】

 

46 PTSD(外傷後ストレス障害)への作業療法画面での対応で適切なのはどれか。

1.外傷体験数ヶ月以降は、その体験について触れないようにする。
2.外傷体験直後は、予防のためにその体験を詳しく話してもらう。
3.外傷体験期に起こる一般的な反応について患者に説明する。
4.外傷体験の慣れが生じないようにする。
5.治療が短期間で完結させる。

解答3

解説

 PTSD(Post Traumatic Stress Disorder:心的外傷後ストレス障害)は、強烈なショック体験、強い精神的ストレスが、こころのダメージとなって、時間がたってからも、その経験に対して強い恐怖を感じるものである。 震災などの自然災害、火事、事故、暴力や犯罪被害などが原因になるといわれている。

1.4× 外傷体験数ヶ月以降、その体験について触れたり思い出して、危険がないことを感じることは回復につながる。PTSDの治療法の一つである持続的エクスポージャー法(PE)では、安心でる環境でトラウマの記憶を繰り返し想起させ、それに向き合うことで、思った怖感や過度の無力感などの情動の修正を図る。
2.× 外傷体験直後は、予防のためにその体験を詳しく話してもらうことは必要ない。外傷体験の直後に体験の詳細を思い出させることは、不安が強まり症状が悪化する可能性がある。
3.〇 正しい。外傷体験期に起こる一般的な反応について患者に説明する。PTSDは心的外傷を経験した後、急性ストレス障害に引き続いて、もしくは週間~数カ月の潜伏期間を経て発症することがあるので、あらかじめ症状を知っておくことは大切である。
5.× PTSD(Post Traumatic Stress Disorder:心的外傷後ストレス障害)の回復には個人差が大きく、短期で治療を完結させることが難しい場合が多い。

 

 

 

 

 

 

 

47 精神科病院の入院について定めている法律はどれか。

1.医療法
2.障害者基本法
3.精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)
4.障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)
5.心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)

解答3

解説

1.× 医療法は、日本の医療供給体制の基本となる法律であり、医療機関について規定を定めている
2.× 障害者基本法は、障害者施策について基本事項を定め、障害者の自立を参加を総合的かつ計画的に推進することを目的としている。
3.〇 正しい。精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)は、精神障害者の入院について5つの入院形態(任意入院・医療保護入院・応急入院・措置入院・緊急措置入院)を定めている。
4.× 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)は、すべての国民が障害の有無によって分け隔てられること
なく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的としている。
5.× 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律は、心神喪失または心神耗弱の状態で重大な他害行為を行った人に対して適切な医療を提供し、社会復帰を促進することを目的としている。

 

 

 

 

勉強頑張ろう!

 

 

 

 

48 作業療法士が訪問支援を行う際に適切なのはどれか。

1.部屋の様子をよく観察する。
2.患者本人に病識の獲得を促す。
3.同じ職場のスタッフと訪問する。
4.作業療法士であることを強調する。
5.家族が本人の前で話す愚痴に耳を傾ける。

解答1

解説

 訪問支援の役割は、患者のQOLの向上のために何が必要かを考えて、情報の提供・相談・助言を行うことである。

1.〇 正しい。部屋の様子をよく観察する。部屋の整理整頓ができていなかったり、布団が敷きっぱなしであったりすれば、精神症状の悪化の可能性が高い、部屋の観察は重要である。
2.× 患者本人に病識の獲得を促すのは心理教育等で行う。訪問支援でも心理教育の内容確認は行われるが、優先順位は選択肢1より低い。
3.× 同じ職場のスタッフではなく、他職種のスタッフと訪問し、様々な視点から患者の状態を把握し、支援を行う。
4.× 作業療法士であることを強調することで、患者が恐縮し、信頼関係を築くことが難しくなりうる可能性がある。優先度は低い。
5.× 家族の心理的サポートも重要ではあるが、患者本人の前で家族が話す愚痴に耳を傾けるのは、患者に対する配慮に欠けている。

 

 

 

 

勉強頑張ろう!

 

 

 

 

49 精神患者の就労支援方法と実施期間の組み合わせで正しいのはどれか。

1.リワーク:ハローワーク
2.職業準備支援:地域障害者福祉センター
3.職場適応訓練:精神保健福祉センター
4.トライアル雇用:障害者就業・生活支援センター
5.ジョブガイダンス:地域包括支援センター

解答2

解説

1.× リワークは、復職前の準備段階として、実際の仕事で使うスキル (パソコン操作やプレゼンテーションなど)に慣れていくためのプログラムを提供するものであり、医療機関が中心となって行っている。ハローワーク(公共職業安定所)とは、主に職業紹介事業を行っている。
2.〇 正しい。地域障害者福祉センターは、①障害者に対する職業準備訓練、②事業主が障害者を雇用する際の相談・援助、③地域の関係機関に対する助言・援助行う。
3.× 職場適応訓練は、実際の事業所で作業することにより、作業環境に適応することを目的として実施するもの。ハローワークが窓口となる。精神保健福祉センターとは、精神障害者の福祉の増進を図るために設置された機関である。
4.× トライアル雇用とは、原則として3ヵ月の間、常用雇用への移行を目指して試行雇用することである。ハローワークが窓口になる。障害者就業・生活支援センターとは、国及び県から委託を受けた地域の社会福祉法人等が運営する障害者の就労支援機関である。 
5.× ジョブガイダンスとは、医療機関等の連携施設にハローワーク職員が出向いて、就職活動に関する知識や方法を教えるものである。地域包括支援センターとは、介護保険法で定められた、地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関である。

 

 

 

 

 

 

 

50 初回の作業療法面接において適切でないのはどれか。

1.開いた質問(オープン・クエスチョン)から始める。
2.非言語的表現に注意を向ける。
3.患者の課題を指摘する。
4.相づちを活用する。
5.患者名を確認する。

解答3

解説

1.〇 正しい。開いた質問(オープン・クエスチョン)から始める。患者の気持ち・考えをできるだけ多く引き出すためである。患者が質問の意図を理解しづらいときや、考えるのが大変そうなときにはクローズド・クエスチョンで答えやすくして一緒に問題解決方法を考える。
2.〇 正しい。非言語的表現に注意を向ける。患者への理解を深める手がかりにするためである。
3.× 信頼関係がまだできていない初回の面接から患者の課題を指摘するのは不適切である。
4.〇 正しい。相づちを活用する。相づちは、非言語的表現の一つであり、活用することで、患者への傾聴的態度共感が伝わりやすくなる。
5.〇 正しい。患者名を確認する。患者名を確認し、なるべく患者の個人名で話しかけると患者も好感を持ちやすい。

 

 

51問目からは、理学療法士・作業療法士【共通問題】となります。タイトルが「第53回(H30) 理学療法士国家試験 解説」となっていますが、ご了承ください。

 

 

※問題の引用:第53回理学療法士国家試験、第53回作業療法士国家試験の問題および正答について

※注意:著者は理学療法士で、解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究・自己研鑽のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。またコメントにて解き方等教えてくださると幸いです。

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