第53回(H30) 作業療法士国家試験 解説【午後問題1~5】

 

※問題の引用:第53回理学療法士国家試験、第53回作業療法士国家試験の問題および正答について

※注意:著者は理学療法士で、解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究・自己研鑽のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。またコメントにて解き方等教えてくださると幸いです。

 

 

1 換気障害の分類を図に示す。閉塞性換気障害と拘束性換気障害の組み合わせで正しいのはどれか。

解答4

解説

(※図引用:「呼吸機能検査 フロー・ボリューム曲線」医學事始様HPより)

Aは拘束性換気障害、Bは正常、Cは混合性換気障害、Dは閉塞性換気障害である。よって、選択肢4.D:閉塞性換気障害、A:拘束性換気障害が正しい。

 

 

 

 

 

 

 

2 関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。
 2つ選べ。(※不適切問題:解3つ)

解答1/3/5

解説

1.〇 正しい。肩甲帯下制では、【基本軸】両側の肩峰を結ぶ線、【移動軸】肩峰と胸骨上縁を結ぶ線である。測定器を背面から当てると、胸骨上縁が確認できないが、【測定部位及び注意点】には「背面から測定する」という記載がある。
2.× 肩関節外転では、【基本軸】肩峰を通る床への垂直線、【移動軸】上腕骨である。【測定部位及び注意点】体幹の側屈が起こらないように、90°以上になったら前腕を回外することを原則とする。図では、肩関節外転90° 以上になったら前腕回外することができていない。
3.〇 正しい。肩関節内旋では、【基本軸】肘を通る前額面への垂直線、【移動軸】尺骨、【測定部位及び注意点】①上腕を体幹に接して、肘関節を前方90°に屈曲した肢位で行う。②前腕は中間位とする。本問題の図は、別法を取っており、基本軸・移動軸は上記と同様であるが、【測定部位及び注意点】①前腕は中間位とする。②肩関節は90°外転し、かつ肘関節は90°に屈曲した肢位で行うとなっている。
4.× 膝関節屈曲では、【基本軸】大腿骨、【移動軸】腓骨(腓骨頭と外果を結ぶ線)である。【測定部位及び注意点】屈曲は股関節を屈曲位で行う。図では、測定は股関節屈曲位で行うところができていない。
5.〇 正しい。足関節背屈では、【基本軸】腓骨への垂直線、【移動軸】第5中足骨である。【測定部位及び注意点】膝関節を屈曲位で行う

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【暗記確認用】ROMのランダム問題

 

 

 

 

 

 

 

3 関節リウマチ患者に選択する用具として適切でないのはどれか。

解答5

解説

関節保護の原則とは?

関節リウマチ患者に対する日常生活の指導は、関節保護の原則に基づき行う。関節保護の原則とは、疼痛を増強するものは避けること、安静と活動のバランスを考慮すること、人的・物的な環境を整備することがあげられる。変形の進みやすい向きでの荷重がかからないように手を使う諸動作において、手関節や手指への負担が小さくなるように工夫された自助具が求められる。

1.〇 長柄ブラシは、肩・肘関節などの可動域制限によるリーチ制限を代償するための自助具である。
2.〇 台付き爪切りは、関節リウマチによる手指変形の場合や握力低下時でも弱い力で切れる爪切りである。他にも、両側上肢の切断などの患者に適応となる。
3.〇 プラットフォーム杖とは、前腕支持部のついた杖のことである。リウマチなどの手指、手関節に大きな負荷がかけられない場合や肘関節に伸展制限がある場合などに使用する。
4.〇 グリップ包丁は、ユニバーサルデザインで作られたため、関節リウマチ患者でも使用できる。
5.× 適切ではない。マウススティックは、利用者の口腔機能に合わせてストレートの棒状のものや口に含む部分がU型になっているものがある。頸髄損傷などにより首から下の機能を失った場合、パソコン入力などができ、生活の質の向上につながる。関節リウマチ患者には一般に用いられない。

”関節リウマチとは?”
関節リウマチは、関節滑膜を炎症の主座とする慢性の炎症性疾患である。病因には、遺伝、免疫異常、未知の環境要因などが複雑に関与していることが推測されているが、詳細は不明である。関節炎が進行すると、軟骨・骨の破壊を介して関節機能の低下、日常労作の障害ひいては生活の質の低下が起こる。関節破壊(骨びらん) は発症6ヶ月以内に出現することが多く、しかも最初の1年間の進行が最も顕著である。関節リウマチの有病率は0.5~1.0%とされる。男女比は7:3前後、好発年齢は40~60歳である。
【症状】
①全身症状:活動期は、発熱、体重減少、貧血、リンパ節腫脹、朝のこわばりなどの全身症状が出現する。
②関節症状:関節炎は多発性、対称性、移動性であり、手に好発する(小関節)。
③その他:リウマトイド結節は肘、膝の前面などに出現する無痛性腫瘤である。内臓病変は、間質性肺炎、肺線維症があり、リウマトイド肺とも呼ばれる。
【治療】症例に応じて薬物療法、理学療法、手術療法などを適宜、組み合わせる。

(※参考:「関節リウマチ」厚生労働省HPより)

 

 

 

勉強頑張ろう!

 

 

 

 

 

4 嚥下造影検査の嚥下反射終了後の静止画像を下図に示す。咳反射はない。
 認める所見はどれか。

1.誤嚥
2.声門閉鎖
3.頸椎前弯
4.口腔内残留
5食道入口部開大

解答1

解説

嚥下造影検査とは?

嚥下造影検査は、造影剤(または,造影剤を含む食物)を下させてレントゲン透視によりその状態を観察、評価する検査である。通常は2方向から動画で記録する。

【検査の目的と適応】
摂食嚥下障害の疑われる患者に行い,検査することによって摂食嚥下に関する何らかの情報が得られ,それ
を治療方針に生かすことができる場合に適応とされる.このため,VF を行うに当たっては,検査の目的を明確にし,得られた情報をどのように生かすかを検査前に十分検討することが重要である.検査の目的は以下の 2 つである.
①症状と病態の関係を明らかにする
②食物・体位・摂食方法などの調節により治療に反映させる

(※参考:「嚥下造影の検査法(詳細版) 日本摂食嚥下リハビリテーション学会医療検討委員会 2014 年度版」日本摂食嚥下リハビリテーション学会医療検討委員会より)

1.〇 正しい。誤嚥が認める所見である。頸椎の前方(腹側)の透亮像は気管であり、そこに造影剤が流入しているので誤嚥と診断できる(図参照)。
2~5.× 声門閉鎖/頸椎前弯/口腔内残留/食道入口部開大は認められない。ちなみに、嚥下の際に食道入口部開大が起こり、誤嚥を防止するが、本症例の嚥下造影検査の静止画像を見ると、食道入口部の開大不全が認められる。

 

 

 

 

 

 

 

5 鉛筆把持の写真を下図に示す。
 発達順序で正しいのはどれか。

1.① → ② → ③
2.② → ③ → ①
3.② → ① → ③
4.③ → ② → ①
5.③ → ① → ②

解答2

解説

 把持機能の発達は、②尺側握り(4か月ごろ)③橈側握り(8か月ごろ)①指尖つまみ(12か月ごろ)の順に発達する。よって、解答は選択肢2.② → ③ → ①となる。

 

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