この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
46.重症筋無力症のクリーゼについて誤っているのはどれか。
1.嚥下障害を認める。
2.咳嗽機能が低下する。
3.閉塞性換気障害をきたす。
4.発症率は20 %以上である。
5.ステロイドの急激な減量が原因となる。
解答:3
解説
重症筋無力症とは、末梢神経と筋肉の接ぎ目(神経筋接合部)において、筋肉側の受容体が自己抗体により破壊される自己免疫疾患のこと。全身の筋力低下、易疲労性が出現し、特に眼瞼下垂、複視などの眼の症状をおこしやすいことが特徴(眼の症状だけの場合は眼筋型、全身の症状があるものを全身型と呼ぶ)。嚥下が上手く出来なくなる場合もある。重症化すると呼吸筋の麻痺をおこし、呼吸困難を来すこともある。日内変動が特徴で、午後に症状が悪化する。クリーゼとは、感染や過労、禁忌薬の投与、手術ストレスなどが誘因となって、急性増悪し急激な筋力低下、呼吸困難を呈する状態のことである。直ちに、気管内挿管・人工呼吸管理を行う。
【診断】テンシロンテスト、反復誘発検査、抗ACh受容体抗体測定などが有用である。
【治療】眼筋型と全身型にわかれ、眼筋型はコリンエステラーゼ阻害 薬で経過を見る場合もあるが、非有効例にはステロイド療法が選択される。胸腺腫の合併は確認し、胸腺腫合併例は、原則、拡大胸腺摘除術を施行する。難治例や急性増悪時には、血液浄化療法や免疫グロブリン大量療法、ステロイド・パルス療法が併用 される。
(※参考「11 重症筋無力症」厚生労働省HPより)
1.〇 正しい。嚥下障害を認める。なぜなら、急激な筋力低下が起こるため。
2.〇 正しい。咳嗽機能が低下する。なぜなら、急激な筋力低下が起こるため。
3.× 「閉塞性換気障害」ではなく、混合性換気障害をきたす。
4.△ 発症率は、20 %以上はなく、10~14.8%である。(参考文献:重症筋無力症ガイドライン2014)ただ、文献によってデータは様々なようである。厚生労働省の正式回答では、解答は選択肢3となっている。選択肢3は、明らかに誤りであるため、そちらが優先した。
5.〇 正しい。ステロイドの急激な減量が原因となる。他の原因として、感染や過労、禁忌薬の投与、手術ストレスなどがあげられる。
類似問題です↓
【PT/OT/共通】重症筋無力症についての問題「まとめ・解説」
47.GMFCSレベルⅡの痙直型脳性麻痺児にする運動指導で最も適しているのはどれか。
1.車椅子の駆動練習
2.割り座での座位練習
3.歩行補助具なしでの歩行練習
4.バニーホッピングによる四つ這い移動練習
5.スタンディングボードを用いての立位練習
解答:3
解説
レベルⅠ:制限なしに歩く。
レベルⅡ:制限を伴って歩く。
レベルⅢ:歩行補助具を使用して歩く。
レベルⅣ:制限を伴って自力移動、電動の移動手段を用いてもよい。
レベルV :自力移動が非常に制限される。手動車椅子によって移送される。
1.×:車椅子の駆動練習は、レベルⅣ相当で行う練習である。
2.×:割り座での座位練習(車椅子の利用も限られる状態であると考えられる)は、レベルⅣ~Ⅴ相当で行う練習である。
3.〇:正しい。歩行補助具なしでの歩行練習は、レベルⅡで行う。
4.×:バニーホッピングによる四つ這い移動練習は、レベルⅣ相当で行う練習である。バニーホッピングとは、割り座の姿勢から殿部を少し持ち上げて上肢に体重をあずけ、移動を繰り返すことである。
5.×:スタンディングボードを用いての立位練習は、レベルⅣ~Ⅴ相当で行う練習である。
苦手な人向けにまとめました。良かったらどうぞ↓↓
48.脳卒中後の在宅高齢者について、ICFにおける活動の評価に最も関連する情報はどれか。
1.住環境
2.家族関係
3.認知機能
4.外出時の交通手段
5.活用可能なインフォーマルサービスの有無
解答:4
解説
1.× 住環境は、環境因子(物的環境)に当たる。
2.× 家族関係は、環境因子(人的環境)に当たる。
3.× 認知機能は、心身機能・身体構造に当たる。
4.〇 正しい。外出時の交通手段は、活動に当たる。
5.× 活用可能なインフォーマルサービスの有無は、環境因子に当たる。
インフォーマルサービスとは、法律や制度に基づいて自治体や医療機関、介護事業所が提供するサービス(フォーマルサービス)ではなく、家族や友人、地域住民、NPO、ボランティアなどによって有償・無償を問わず提供されるサービスを指す。
49.介護予防における二次予防事業について正しいのはどれか。
1.介護予防に関するボランティアを養成する。
2.基本チェックリストによって対象者を決定する。
3.要支援認定者を対象に運動機能向上教室を開催する。
4.居宅を訪問し要介護度改善のための理学療法を行う。
5.介護予防に関するパンフレットによる啓発活動を行う。
解答:2
解説
疾病の進行段階に対応した予防方法を一次予防、二次予防、三次予防と呼ぶ。
- 一次予防:「生活習慣を改善して健康増進し、生活習慣病等を予防すること」
- 二次予防:「健康診査等による早期発見・早期治療」
- 三次予防:「疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ること」と定義している。
(※健康日本21において)
1.× 介護予防に関するボランティアを養成するのは、一次予防の「地域介護予防活動支援事業」である。
2.〇 正しい。基本チェックリストによって対象者の決定は、介護予防における二次予防事業である。基本チェックリストによる対象者決定は、各自治体が行う介護予防事業について、近い将来に要支援・要介護状態となる恐れがある高齢者で介護認定を受けていない人(二次予防事業対象者)を選定するものである。つまり、「生活機能低下の早期発見、早期対応」を目的とする。
3.× 要支援認定者を対象に運動機能向上教室を開催するのは、三次予防の「要介護状態の改善・重症化予防」である。
4.× 居宅を訪問し要介護度改善のための理学療法を行うのは、三次予防の「要介護状態の改善・重症化予防」である。
5.× 介護予防に関するパンフレットによる啓発活動を行うのは、一次予防の「介護予防普及啓発事業」である。
50.標準予防策(standard precautions)において、操作の後だけに手指衛生が必要なのはどれか。
1.気管吸引
2.血圧測定
3.脈拍測定
4.体温測定
5.ベッド栅の操作
解答:5
解説
標準予防策(standard precaution)とは、院内感染の防止策として推奨されている方法であり、感染の有無に関わらず入院患者すべてに適用される予防対策であり、患者の血液や体液、分泌、排泄されるすべての湿性物質、粘膜、創傷の皮膚は感染のおそれがあるとみなして、対応、行動する方法である。
1~4.× 気管吸引/血圧測定/脈拍測定/体温測定は、実際に患者に触る「前」にも手洗いをする必要がある。
5.〇 正しい。ベッド栅の操作においては、操作の「後」だけに手指衛生が必要である。なぜなら、「WHO医療における手指衛生ガイドライン2009」において、医療における手指衛生のタイミングとして、①患者に接触する前、②清潔・無菌操作の前、③体液暴露リスクの後、④患者に接触した後、⑤患者環境に触れた後、の5つを上げているため。