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41.脊髄小脳変性症の患者で、歩行可能であるが伝い歩きが主であり、方向転換時に不安定となってしまう場合の歩行補助具として適切なのはどれか。
1.T字杖
2.歩行車
3.交互型歩行器
4.ウォーカーケイン
5.ロフストランド杖
解答:2
解説
- 下肢への免荷
- 歩行バランスの向上
- 重心移動の代償
1.5.× T字杖/ロフストランド杖の適応は、失調症が初期の患者である。本症例は、伝え歩きが主であり初期とはいいにくい。また、小脳系の障害がある患者に対し、方向転換時の杖をつくのタイミングや操作が逆に不安定性を招く場合もある。
2.〇 正しい。歩行車は、前腕をつき体重をかけることができ、他の歩行器と比較し使用時の操作も容易である。
3.× 交互型歩行器は、他の歩行器と比較しても操作がやや難しく、失調症の患者には方向転換にさらに難渋する場合があるため不適切である。
4.× ウォーカーケインは、側方に置き歩行補助に使う四点杖の一種である。片麻痺患者が非麻痺側でこれを使用する。立ち上がりなどにも非常に有効である。
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【PT】脊髄小脳変性症についての問題「まとめ・解説」
42.変形性膝関節症の理学療法介入方法について、理学療法診療ガイドライン第1版(日本理学療法士協会)で推奨グレードが最も低いのはどれか。
1.協調運動
2.減量療法
3.有酸素運動
4.筋力増強運動
5.ホットパック
解答:5
解説
1~4.× 協調運動/減量療法/.有酸素運動/筋力増強運動は、推奨グレードAである。
5.〇 正しい。ホットパックは、推奨グレード C1で、推奨グレードが最も低い。
43手関節背屈位で手をついて転倒した患者のエックス線単純写真を示す。この病態として正しいのはどれか。
1.chauffeur’s骨折
2.Colles骨折
3.Galeazzi骨折
4.Monteggia骨折
5.Smith骨折
解答:2
解説
1.× chauffeur’s骨折(ショーファー骨折)とは、橈骨茎状突起骨折のことである。手を伸ばして転倒した時に生じやすい。舟状月状骨間靭帯損傷の合併が多い。
2.〇 正しい。Colles骨折(コーレス骨折)は、橈骨遠位端骨折で、遠位骨片が背側に転位しているのが特徴である。手掌をついて転倒した際に起こりやすい骨折である。外見上フォーク上変形を呈する。治療中に正中神経麻痺。長母指伸筋腱の比か断裂、Sudeck骨萎縮などを認めることがある。骨折後の固定は、手関節軽度掌屈位とする。2~3週間後に中間位にしてギプスを巻きなおす。拘縮予防から中手指節(MP)関節は運動できるように固定する。骨癒合を妨げないため、等尺性収縮にて関節運動を起こさずに筋力維持を行うことが必要である。
3.× Galeazzi骨折(ガレアッジ骨折)は、橈骨骨幹部骨折に、尺骨頭の脱臼を伴うのが特徴である。(選択肢4と逆)
4.× Monteggia骨折(モンテジア骨折)は、尺骨骨幹部骨折に、橈骨頭の脱臼を伴うのが特徴である。(選択肢3と逆)
5.× Smith骨折(スミス骨折)は、橈骨遠位端骨折で、遠位骨片が掌側に転位しているのが特徴である。(選択肢2と逆)
44.重度の片麻痺を生じた脳梗塞患者に対する急性期の理学療法で正しいのはどれか。
1.立位練習には装具を用いない。
2.非麻痺側の筋力増強運動は行わない。
3.神経症候の増悪がなければ離床練習を開始する。
4.深部静脈血栓症の予防目的で弾性ストッキングは使用しない。
5.安静時に収縮期血圧が140mmHgを超えている場合は実施しない。
解答:3
解説
1.× 立位練習は、装具を積極的に用いる。意識障害がないかもしくは軽度(JCS1桁)であれば、座位練習や装具を用いた立位練習は行われる。
2.× 非麻痺側の筋力増強運動も行う。なぜなら、下肢装具や杖を用いた歩行では、非麻痺側下肢の筋力が十分にあることが重要であるため。
3.〇 正しい。神経症候の増悪がなければ離床練習を開始する。
4.× 深部静脈血栓症の予防目的で弾性ストッキングを使用する。なぜなら、脳梗塞患者は身体活動が少なり、深部静脈血栓ができやすくなるため。他にも、ワーファリンの内服(降圧剤)、早期リハビリテーション開始などで対応する。
5.× 安静時に収縮期血圧が、「140mmHg」ではなく200mmHgを超えている場合は実施しない。
- JCS1桁。
- 運動の禁忌となる心疾患や合併症がない。
- 神経症候の増悪がないこと。
45.外傷性の前頭葉損傷による高次脳機能障害の患者に対する動作指導として適切なのはどれか。
1.床からの起き上がりは、起き上がる方向を次々と変えながら練習する。
2.歩行では、股・膝・足関節の運動に同時に注意を払おうよう指導する。
3.車椅子操作は、手順を1つずつ確認しながら進めるよう指導する。
4.動作の手順を間違えた場合は、自分で気付くまで指摘しない。
5.更衣動作では、上衣と下衣を交互に練習する。
解答:3
解説
運動学習とは、訓練や練習を通して獲得される運動行動の変化で、状況に適した協調性が改善していく過程のことをいう
1~2.5.× 注意障害があるため、一つの課題に集中させることが好ましい。そのため、床からの起き上がりは、起き上がる方向を次々と変えながら練習する。歩行では、股・膝・足関節の運動に同時に注意を払おうよう指導する。更衣動作では、上衣と下衣を交互に練習するのは、不適切である。
3.〇 正しい。車椅子操作は、手順を1つずつ確認しながら進めるよう指導する。前頭葉損傷による高次脳機能障害では、遂行機能障害(物事を段取りよく進められなくなる状態)が認められるため、諸動作の指導に当たっては、手順を一つずつ単純で分かりやすいものにする。
4.× 動作の手順を間違えた場合は、「自分で気付くまで指摘しない」のではなく、その都度、指摘するのが好ましい。なぜなら、思考・判断力の低下や病識がなく、動作の間違いそのものに気が付かないことが多いため。
前頭葉の障害は、発動性・意欲・創造性・判断力の低下、注意障害、脱抑制、易怒性、病識の欠如などが起こる。