第52回(H29) 理学療法士国家試験 解説【午前問題56~60】

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56 二重神経支配の筋はどれか。

1. 長内転筋
2. 大内転筋
3. 中間広筋
4. 半膜様筋
5. ヒラメ筋

解答:2

解説

1. ✖ 長内転筋は、閉鎖神経である。
2. 〇 正しい。大内転筋は、閉鎖神経と坐骨神経である。
3. ✖ 中間広筋は、大腿神経である。
4. ✖ 半膜様筋は、坐骨神経(脛骨神経)である。
5. ✖ ヒラメ筋は、脛骨神経である。

 

 

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

【暗記用】下肢筋の起始・停止・作用・神経を完璧に覚えよう!

 

 

 

 

 

57 脳血管とその還流域の組合せで正しいのはどれか。

1. 前大脳動脈:黒質
2. 中大脳動脈:海馬
3. 後大脳動脈:視床
4. 脳底動脈:Broca野
5. 椎骨動脈:中心前回

解答:3

解説

1. ✖ 前大脳動脈は、前頭葉・頭頂葉の内側面を支配する。黒質は、後交通動脈・後大脳動脈が支配する。
2. ✖ 中大脳動脈は、前頭葉・側頭葉・頭頂葉の外側面を支配する。海馬は内頚動脈からの穿通枝である前脈絡叢動脈が支配する。
3. 〇 正しい。後大脳動脈は、後頭葉・側頭葉の内側面と下面を支配する。視床は、後交通動脈・後大脳動脈の穿通枝が支配する。
4. ✖ 脳底動脈は、前下小脳動脈・上小脳動脈に分岐して小脳を還流し、直接穿通枝を出して、橋・視床、視床下部を支配する。さらに、後大脳動脈に分岐して、後頭葉を支配する。Broca野は中大脳動脈が支配する。
5. ✖ 椎骨動脈は、後下小脳動脈に分岐して小脳下部に還流した後、左右が合流して脳底動脈となる。つまり、延髄を支配する。中心前回は中大脳動脈が支配する。

 

 

 

 

58 大脳辺縁系とその働きの組合せで正しいのはどれか。

1. 海馬:体温調節
2. 嗅球:内分泌
3. 視床下部:長期記憶
4. 帯状回:運動学習
5. 扁桃体:短期記憶

解答:

解説

1. ✖ 海馬は、記憶情報の取捨選択、陳述記憶などを司る。体温調節の中枢は視床下部にある。
2. ✖ 嗅球は、嗅覚情報処理などを司る。
3. ✖ 視床下部は、自律神経の中枢、内分泌の中枢などを司る。長期記憶は、大脳新皮質に保存される。
4. 〇 正しい。帯状回は、運動学習のほかにも呼吸器の調節、意思決定、共感、感情による記憶に関与する。
5. ✖ 扁桃体は、情動に伴う現象などを司る。短期記憶は、海馬に一時的に蓄えられる。

大脳辺縁系とは?

大脳辺縁系は脳梁を取り囲むように大脳の内側部に存在し、本能・情動・記憶などを司る構造物の総称である。構成要素としては、辺縁葉(梁下野、帯状回、海馬傍回)、海馬、扁桃体、乳頭体、中隔核などがあげられる。

 

 

 

 

 

59 同一の臓器から分泌されるホルモンの組合せで誤っているのはどれか。

1. アルドステロン:コルチゾール
2. インスリン:グルカゴン
3. エリスロポエチン:レニン
4. オキシトシン:バソプレシン
5. カルシトニン:パラトルモン

解答:5

解説

1.〇 正しい。アルドステロン、コルチゾールは、副腎皮質から分泌される。
2.〇 正しい。インスリン、グルカゴンは、膵臓(ランゲルハンス島)から分泌される。
3.〇 正しい。エリスロポエチン、レニンは、腎臓から分泌される。
4.〇 正しい。オキシトシン、バソプレシンは、下垂体後葉から分泌される。
5.× カルシトニンは甲状腺から、パラトルモンは副甲状腺から分泌される。

 

 

 

 

 

60 視覚器で正しいのはどれか。

1. 毛様体には血管がない。
2. 虹彩には瞳孔散大筋がある。
3. 眼動脈は外頸動脈の分枝である。
4. 眼球壁外膜は強膜と内膜からなる。
5. 角膜には血管が多数分布している。

解答:2

解説

1.5.× 血管がないのは、①角膜、②水晶体、③硝子体である。なぜなら、光が通るため。
2.〇 正しい。虹彩には瞳孔散大筋がある。瞳孔の大きさを調整する副交感神経の瞳孔括約筋と交感神経支配の瞳孔散大筋がある。
3.× 眼動脈は、「外頸動脈」ではなく内頚動脈の分枝である。
4.× 眼球壁外膜は、「強膜と内膜」ではなく強膜と角膜からなる。ちなみに、胸膜は角膜と連続している。

 

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