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理学療法士国家試験 運動学習ついての問題8選「まとめ・解説」

※問題の引用:厚生労働省HPより、作業療法士国家試験の問題および正答について
※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

 

第44回 午後22問

運動学習について正しいのはどれか。

1.理学療法士は患者に内在的フィードバックを与える。
2.内部モデルの形成には感覚フィードバックが必要である。
3.感覚情報がなくても新たな運動課題を学習することができる。
4.フィードフォワードは遂行中の運動の軌道修正に使用される。
5.指導者が与えるフィードバックは運動学習の成立に必須である。

解答2
解説
1.× 理学療法士は患者に内在的フィードバックではなく、外在的フィードバックを与える。内在的フィードバックは自己の感覚情報によるものである。外在的フィードバックの例は、フォームの修正や賞賛など。
2.〇 正しい。内部モデルの形成には感覚フィードバックが必要である。内部モデルとは、運動に見合った運動指令を出力するシステムのことである。内部モデルの構築には運動学習が必要であり、運動学習には運動から得られる感覚からの内在的フィードバックが重要である。
3.× 運動学習には、運動中や運動の帰結から得られる感覚情報が必要である。視覚や体性感覚、聴覚がない状態では、運動の結果を受け取る方法はない。
4.× 遂行中の運動の軌道修正に使用されるのはフィードバック制御である。フィードフォワードとは、目標を先に決めて外部要因を評価しつつ、達成に向けて修正を加える制御である。フィードバックの対象は、過去・現在であるのに対し、フィードフォワードの対象は未来である。
5.× 指導者が頻回に与えるフィードバックは、運動反応の過剰修正を引き起こすことがある。また、学習者のフィードバックへの依存を招き、学習が形成されにくくなる。

 

 

 

 

第47回 午前31回

練習方法の説明で正しいのはどれか。

1.1つのスキルを試行間で速度を変えずに練習するのは恒常練習である。
2.1つのスキルを様々な速度で練習するのはランダム練習である。
3.練習時間を短時間に分けて練習するのは部分練習である。
4.1つのスキルを細分化して練習するのは分散練習である。
5.複数のスキルを混ぜて練習するのは多様練習である。

解答1
解説
運動学習の方法についての問題。
1.〇 恒常練習とは、同じ動きを繰り返して練習することである。野球の素振りなどがこれにあたる。
2.× ランダム練習とは、複数のスキルを混ぜて交互に練習する方法である。例えば、短距離歩行練習→長距離歩行練習などである。
3.× 部分練習とは間違いやすい部分を徹底的に繰り返し練習することである。移乗の立ち上がりを繰り返すといったもの。
4.× 分散練習とは休憩時間をはさみながら行う練習方法である。一回の練習を短く、試行回数を少なくして、練習回数を増やす練習方法である。例えば、縄跳びを朝・昼・夜に10回やるといったようなもの。
5.× 多様練習とは1つのスキルを多様な方法で練習することである。例えば、移乗練習でベッドを変えて練習したり、歩行練習を屋外やでこぼこ道・坂道などに行ったりして練習すること。

 

 

 

第49回 午前48問

運動学習が成立する過程で起こるのはどれか。2つ選べ。

1.誤差の平均値が減少する。
2.誤差のばらつきが大きくなる。
3.課題遂行に向ける注意の量が増大する。
4.結果の知識(KR)への依存度が増大する。
5.練習効果の翌日への持越しが容易になる。

解答1,5
解説
運動学習による変化の問題である。結果の知識(KR)とは、付加的フィードバック(FB)と同義語としてとらえられる。『うまくいったか?否か?』
1.〇 正しい。誤差の平均値が減少する。学習が進むと運動の正確性が増し、誤差及び誤差の平均値は減少していく。
2.× 学習が進み、誤差のばらつきが小さくなることで、課題を正確に試行できるようになる。
3.× 注意の集中は、学習が進むにつれて徐々に必要なくなってくる。
4.× 学習がある程度進むと、自己の感覚情報を利用し、結果の知識(KR)がなくても自己修正できるようになる。
5.〇 学習が進むにつれて、課題を正確に試行できるようになり、運動効果も持ち越しが容易になる。

 

 

 

 

第46回 午前48問

運動学習が進んだ段階で生じる変化で誤っているのはどれか。

1.視覚的手がかりへの依存度が減る。
2.別の課題への転移が容易になる。
3.注意の集中がより必要になる。
4.試行間のばらつきが減少する。
5.自己修正の精度が高くなる。

解答3
解説
運動学習による変化についての問題である。
1.〇 正しい。視覚的手がかりへの依存度が減る。運動学習が進むことで、視覚的なもの以外にも様々な手がかりを種々のものから得られるようになる。
2.〇 正しい。別の課題への転移が容易になる。ある場面で学んだことを別の場面にも応用することができるようになる。
3.× 注意の集中は学習が進むにつれて徐々に必要なくなってくる。
4.〇 正しい。試行間のばらつきが減少する。学習が進み得意・不得意の差がなくなることで、課題を均一に試行できるようになる。
5.〇 正しい。自己修正の精度が高くなる。知識の集積や経験から、自己修正の精度は高くなる。

 

 

 

 

第48回 午前41問

運動学習理論で練習の後に与えられるのはどれか。

1.言語教示
2.ガイダンス
3.結果の知識
4.ハンドリング
5.デモンストレーション

解答3
解説
1.× 言語教示は、練習の前に与えられる。例えば、初めて平行棒で歩く患者さんに対して、言語のみで説明して歩いてもらうことをいう。
2.× ガイダンスとは、不慣れで事情のわからない者に対して、初歩的な説明・指導をすることである。練習前、 または練習中に与えられる。
3.〇 正しい。何らかの運動学習をした際、運動がうまくいったか否かのフィードバックがある。そして結果の知識(Knowledge of Results)を得る。結果の知識(KR)とは、付加的フィードバック(FB)と同義語としてとらえられる。
4.× ハンドリングとは、運動者の動きを徒手的に誘導する援助技術のことである。練習中に与えられる。
5.× デモンストレーションとは、実物に即して示すことである。例えば、患者さんが平行棒で歩く前に、セラピストが歩く手本を見せるといったことに使う。練習前に与えられる。

 

 

 

第45回 午前50問

指導者が与えるKR (Knowledge of Results)の持つ作用でないのはどれか。

1.運動反応の変化を引き起こす。
2.運動感覚への注意を喚起する。
3.指導者への依存心を誘発する。
4.学習者の動機付けを高める。
5.認知的負荷を高める。

解答2
解説
1.〇 正しい。運動反応の変化を引き起こす。運動の結果に関する情報を得ることで、運動反応の変化を引き起こす。
2.× 結果の知識(KR)とは、付加的フィードバック(FB)と同義語としてとらえられる。『運動感覚』という単語自体の意味がよく分からないが、『感覚』は内在的フィードバックである。指導者が与えるものではない。また結果の知識を与え、学習が進むにつれて運動・感覚への注意は低下し、特に意識しなくとも運動可能になる。
3.〇 正しい。指導者への依存心を誘発する。KRが頻回に与えられると学習者はKRに依存的になり、運動反応生成のための内在的な情報処理に十分な注意を向けなくなる。
4.〇 正しい。学習者の動機付けを高める。KRには動機付けの働きがある。
5.〇 正しい。認知的負荷を高める。結果の知識を与えることによって、学習者に「考える」ことを要求し、認知的負荷は高くなる。

 

 

 

 

第48回 午後40問

運動学習の転移が関係していると考えられるのはどれか。

1.ゆっくりした歩行を練習した後に速い歩行が改善した。
2.温熱療法で痙縮を軽減させた後に階段昇降動作が改善した。
3.片麻痺患者にCI療法を行った後に麻痺側上肢の機能が向上した。
4.椅子からの立ち上がり練習を行った後に下肢伸筋群の筋力が向上した。
5.ハムストリングスを徒手的に伸張した後にプッシュアップ動作が改善した。

解答1
解説
運動学習とは、訓練や練習を通して獲得される運動行動の変化で、状況に適した協調性が改善していく過程である。学習の転移とは、以前行った学習が、後に行う学習に影響を与えることをいう。
1.〇 正しい。ゆっくりした歩行を練習した後に速い歩行が改善したことは、以前行った学習がのちに行う学習に影響を与えた学習の転移である。前の学習が後の学習を促進しており、正の転移である。
2.× 温熱療法で痙縮を軽減させた後に階段昇降動作が改善したのは、温熱療法が影響している。温熱療法は物理療法であり運動学習ではない。物理療法による効果がみられたと考えられる。
3.× CI療法は非麻痺側の運動を制限することで麻痺側の運動を促す方法である。片麻痺患者にCI療法を行った後に麻痺側上肢の機能が向上したのは、様々な運動課題をこなしていくうちに運動を獲得するのであり、運動の学習が転移することではない。
4.× 学習の転移とは、以前行った学習が、後に行う学習に影響を与えることをいうことを覚えておく。椅子からの立ち上がり練習自体は運動学習である。しかし、その練習で下肢伸筋群の筋力が向上したのは、学習の転移の『後に行う学習に影響』を与えていない。下肢伸筋群の筋力向上は、運動学習の転移ではない。
5.× ハムストリングスを徒手的に伸張した後にプッシュアップ動作が改善したのは、ストレッチ効果であり、運動の学習でない。

 

 

 

 

第53回 午後74問

運動学習について正しいのはどれか。

1.動機がけが高いほどパフォーマンスが向上する。
2.覚醒レベルが高いほどパフォーマンスが向上する。
3.学習によるパフォーマンスの向上は直線的に起こる。
4.2種類の運動課題間に類似性があるほど転移の影響は大きくなる。
5.パフォーマンスの向上がみられなくなることは運動学習の停止を意味する。

解答:4
解説
1.△:動機付けとはモチベーションのことである。個人的な満足感や喜びに基づく内的動機付けと、物品などの報酬による外的動機付けがある。動機づけがあるとパフォーマンスは向上する。動機がけの高さは関係ない。(ただ中村隆一らによる基礎運動学からすると、パフォーマンスに対して動機づけと技能は相乗効果を示し、パフォーマンス=動機づけ×技能の式で示される。とも書かれている。過去問を見るとこれまで100%で×である。)
2.×:覚醒レベルとパフォーマンスの関係を「逆U字曲線」で表せる。パフォーマンスは覚醒レベルが中等度の時に最大となり、覚醒レベルが低すぎても高すぎても低下する。
3.×:学習曲線にはいろいろの型がある。代表的な型として、学習初期に勾配が急で後期にゆるやかになる負の加速度曲線、学習の初期に勾配がゆるやかで後期に急になる正の加速度曲線、学習の初期および後期に勾配がゆるやかで、中期には急なS字型曲線などがあげられる。
4.〇:正しい。
5.×:運動学習の最終相では、運動は空間的、時間的に統合され、無駄なく早く滑らかになる。手続きは自動化され、運動に対する注意は減少していく。忘却しにくくなったりと運動学習に停止はない。

 

 

 

 

覚えておこう!!

●運動学習による変化の問題である。結果の知識(KR)とは、付加的フィードバック(FB)と同義語としてとらえられる。『うまくいったか?否か?』

■運動技能学習
①初期相(認知相)
何を行うかを理解し、技能獲得のための戦略を立てる時期。

②中間相(連合相)
個々の運動が滑らかな協調運動へと融合して系列動作へと移行する。初期の理解の誤りが見出され、修正され余剰の運動は省かれる。

③最終相(自動相)
運動は空間的・時間的に統合され、無駄がなく、速く滑らかになる。手続きは自動化され、運動に対する注意は減少していく。運動技能は完成に近づくが、さらに高度な技能を身につけたい場合には過剰学習にって下位技能を身につけなければならない。

●運動学習とは、訓練や練習を通して獲得される運動行動の変化で、状況に適した協調性が改善していく過程である。学習の転移とは、以前行った学

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