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36 うっ血性心不全でみられるのはどれか。
1. 咳嗽
2. 皮膚紅潮
3. 頸動脈雑音
4. 心胸郭比40 %
5. 初期の体重減少
解答:1
解説
心不全は心臓のポンプ機能低下のため末梢組織の酸素需要に見合った血液量を供給できない状態である。肺循環系にうっ血が著明なものを左心不全、体循環系にうっ血が著明なものを右心不全という。体液の著明やうっ血を生じ、主な症状として呼吸困難、咳嗽、チアノーゼ、血性・泡沫状喀痰(ピンクの痰)などがある。
心拍出量の低下を起こす原因として、
・左心不全:肺循環系にうっ血が著明なもの(呼吸困難、起座呼吸、尿量減少など)
・右心不全:体循環系にうっ血が著明なもの(頸静脈怒張、胸水・腹水、下腿浮腫、肝腫大など)
右室拡張末期圧の上昇(体循環の静脈系のうっ血)により右心不全は引き起こされる。
1.〇 正しい。咳嗽は、うっ血性心不全でみられる。他にも、頸動脈怒張・胸水・肝肥大・腹水・下肢の浮腫が症状として出る。
2.× 「皮膚紅潮」ではなくチアノーゼ(蒼白)となる。なぜなら、心拍出量低下が起こるため。
3.× 「頸動脈雑音」ではなく頸静脈怒張が起こる。ちなみに、頸動脈雑音は血管の閉塞や動脈硬化などで生じる。
4.× 「心胸郭比40%」ではなく心胸郭比拡大(50%以上)する。なぜなら、体内水分貯蓄量が増加するため。
5.× 「初期の体重減少」ではなく体重増加する。なぜなら、浮腫(体液の貯留)が増加するため。
37 工場生産労働者の腰痛対策として、産業理学療法の観点から優先度が低いのはどれか。
1. 作業姿勢の評価
2. 作業方法の変更
3. 職場の配置転換
4. ストレスの軽減
5. 労働生産性の維持
解答:3
解説
産業理学療法は、就労者の職業に関連する健康増進と労働災害、職業病などの予防を目的としている。2013年に厚生労働省から19年ぶりに改訂された「職場における腰痛予防対策指針」が出された。この中で、重量物取扱作業、立ち作業、座り作業、福祉・医療分野などにおける介護・介護作業、車両運転などの作業について腰痛予防策を示している。
1.4.〇 作業姿勢の評価/ストレスの軽減は、優先度は高い。なぜなら、腰痛対策として、姿勢や精神のケアは大切であるため。
2.5.〇 作業方法の変更/労働生産性の維持は、優先度は高い。なぜなら、労働生産性を維持したまま、作業方法を変更し労働者の健康(腰痛対策)を守っていくことが大切であるため。
3.× 職場の配置転換は、優先度が低い。なぜなら、腰痛対策として配置転換をすると誰もその業務を行えなくなってしまうため(労働生産性の低下につながるため)。労働生産性を維持したまま、作業方法を変更し労働者の健康(腰痛対策)を守っていくことが大切である。
38 超音波治療が可能なのはどれか。
1. 金属プレートによる骨折固定部位
2. 血友病性関節症
3. 小児の大腿骨下端部
4. 深部静脈血栓症
5. 転移性骨腫瘍部位
解答:1
解説
1.〇 正しい。金属プレートによる骨折固定部位は、超音波治療が可能である。
2~5. × 血友病性関節症/小児の大腿骨下端部/深部静脈血栓症/転移性骨腫瘍部位は、いずれも禁忌である。他の超音波の禁忌として、①眼への照射(眼に超音波を照射すると組織の空洞化を起こす)、②成長時の骨端(今回の問題の3.にあたる)、③心臓、生殖器官、内分泌器官、④良性または悪性腫瘍、麻痺部、⑤ペースメーカーの入っている部位(ペースメーカーを損傷する可能性)、⑥脊髄疾患(多発性硬化症、脊髄灰白質炎、脊髄空洞症)である。ちなみに、禁忌である理由として、血友病性関節症(出血傾向の部位)は、大量出血の恐れがあるため。小児の大腿骨下端部は、骨端線の移乗成長を起こすため。深部静脈血栓症は、血栓により肺塞栓など重篤な合併症を招く可能性があるため。また、循環障害がある場合は、血流が改善しにくく、熱の逃げ場がないので熱傷をきたしやすいため。転移性骨腫瘍部位は、腫瘍細胞が活性化してしまうため。
血友病とは、血液を固めるのに必要な「血液凝固因子(第Ⅷ因子または第Ⅸ因子)が不足・活性低下する病気のことである。
【概念】
伴性劣性遺伝(男児に多い):生まれつき発症することがほとんどであるため、幼少期から①些細なことで出血する、②出血が止まりにくいといった症状が繰り返される。
血友病A:第Ⅷ凝固因子の活性低下
血友病B:第Ⅸ凝固因子の活性低下
【症状】関節内出血を繰り返し、疼痛、安静により関節拘縮を起こす。(筋肉内出血・血尿も引き起こす)肘・膝・足関節に多い。鼻出血、消化管出血、皮下出血等も起こす。
【治療】凝固因子製剤の投与、関節拘縮・筋力低下に対するリハビリテーション
(※参考:「血友病」Medical Note様HP)
39 脳卒中片麻痺者の応用歩行練習について麻痺側から行う場合が多いのはどれか。
1. エスカレーターに乗るとき
2. 低い障害物をまたぐとき
3. 急なスロープを上るとき
4. 階段を上るとき
5. バスに乗るとき
解答:2
解説
1.3~5.× エスカレーターに乗るとき/急なスロープを上るとき/階段を上るとき/バスに乗るときは、非麻痺側から行う。ちなみに、エスカレーターは上り下りどちらとも、非麻痺則から行う。一方で、階段を下りるときは、麻痺側から行う。
2.〇 障害物をまたぐとき、麻痺側(悪い方)→健側(いい方)の順で出すのが基本である。ただし、麻痺側の足を前に振り出せないようであれば健側から出す。杖を使う場合は、足を出す前に杖を出し前に体重がかかるようにする。
40 部分損傷をきたした靱帯と強化すべき筋の組合せで適切なのはどれか。
1. 二分靱帯:後脛骨筋
2. 三角靱帯:短腓骨筋
3. 前脛腓靱帯:前脛骨筋
4. 前距腓靱帯:長腓骨筋
5. リスフラン靱帯:下腿三頭筋
解答:4
解説
内返し・外返しのどちらかの捻挫で損傷しやすい靭帯か整理しておく(例:内返し捻挫時は、足関節外側にある靭帯が損傷しやすい)。その拮抗する筋を強化する。
1.× 二分靱帯(Y靭帯)は、内返し捻挫時に損傷しやすい。そのため、外返し作用のある筋を鍛える必要がある。したがって、「後脛骨筋」ではなく主に長腓骨筋を鍛える。
2.× 三角靱帯(内側靭帯)は、外返し捻挫時に損傷しやすい。そのため、内返し作用のある筋を鍛える必要がある。したがって、「短腓骨筋」ではなく主に後脛骨筋を鍛える。
3.× 前脛腓靱帯は、内返し捻挫時に損傷しやすい。そのため、外返し作用のある筋を鍛える必要がある。したがって、「前脛骨筋」ではなく主に長腓骨筋を鍛える。
4.〇 正しい。前距腓靱帯は、長腓骨筋を鍛える。なぜなら、前距腓靱帯は、外側靭帯の1つであり、底屈位にて内反力が加わったときに損傷が生じるため。強化訓練では、長・短腓骨筋を強化することで外反を強めて、外側靭帯の代償効果を目的とする。
5.× リスフラン靱帯は、足関節過底屈位で体重が乗り、足先からの外力で損傷しやすい。そのため、「下腿三頭筋」ではなく足関節背屈筋を鍛える。ちなみに、リスフラン靱帯は、第2中足骨と内側楔状骨を足背で連結して、アーチの保持に関与する。
足部の構造についてまとめました。参考にどうぞ。
【PT/OT/共通】足関節の構造についての問題「まとめ・解説」
39 脳卒中片麻痺者の応用歩行練習について麻痺側から行う場合が多いのはどれか。
についての解説ですが、エスカレーターは上り下りどちらとも、非麻痺則からではないでしょうか?
コメントありがとうございます。
非常に分かりにくい解説になっており失礼しました。
修正致しましたのでご確認ください。
今後ともよろしくお願いいたします。
36 うっ血性心不全でみられるのはどれか
という問題の解説で、
頸動脈雑音ではなく、頸動脈怒張が起こる
と記載がありますが、頸静脈怒張の間違いではないですか?
コメントありがとうございます。
ご指摘通り間違えておりました。
修正いたしましたのでご確認ください。
今後ともよろしくお願い致します。