第51回(H28) 作業療法士国家試験 解説【午後問題21~25】

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21 関節可動域測定の運動方向と参考可動域角度(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 肩関節水平伸展:30 度
2. 肘関節屈曲:120 度
3. 手関節伸展:50 度
4. 股関節外旋:45 度
5. 足関節屈曲:20 度

解答1/4

解説
1.〇 正しい。肩関節水平伸展の参考可動域は、30度である。
2.× 肘関節屈曲の参考可動域は、「120度」ではなく145度である。
3.× 手関節伸展の参考可動域は、「50度」ではなく70度である。
4.〇 正しい。股関節外旋の参考可動域は、45度である。
5.× 足関節屈曲の参考可動域は、「20度」ではなく45度である。

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【暗記確認用】ROMのランダム問題

 

 

 

 

 

 

22 QOLの評価法はどれか。2つ選べ。

1. CDR
2. FIM
3. Katz index
4. PGCモラールスケール
5. SF-36

解答4/5

解説
1.× CDR(Clinical Dementia Rating:認知症の重症度評価法)は、認知症の重症度を総合的に評価する場合に用いられる。記憶、見当識、判断力と問題解決、社会適応、家族状況及び趣味、介護状況の6項目について、患者の診察や周囲の人からの情報で評価する。それらを総合して、健康(SDR0)、認知症の疑い(SDR0.5)、軽度認知症(SDR1)、中等度認知症(SDR2)、高度認知症(SDR3)のいずれかに評価する。
2.× FIM(Functional Independence Measure:機能的自立度評価法)は、日常生活動作の指標である。介護負担度の評価を目的として、実際に「しているADL」を評価する。
3.× Katz index(カッツインデックス)は、日常生活動作の指標である。①入浴、②更衣、③トイレへの移動、④移乗、⑤排尿・排便コントロール、⑥食事の6項目について自立・依存の2段階で評価する。
4.〇 正しい。PGCモラールスケールは、高齢者のQOL評価尺度であり、主観的幸福感を評価できる。高齢者が自分の人生に対してどの程度幸福に感じているかを測定するものとなっている。
5.〇 正しい。SF-36(MOS 36-Item Short-Form Health Survey)は、健康関連QOLの指標である。質問紙法により評価する。以下の8つの健康概念を測定する。①身体機能、②日常役割機能(身体)、③体の痛み、④全体的健康感、⑤活力、⑥社会生活機能、⑦日常役割機能(精神)、⑧心の健康。

 

 

 

 

 

 

23 陶芸の作業工程において粘土の水分量を均一にするために行うのはどれか。

1. 荒練り
2. 菊練り
3. 施釉
4. 手びねり
5. 天日干し

解答1

解説

陶芸の工程として主に9つ(①土もみ、②成形、③装飾、④乾燥、⑤素焼き、⑥絵付け、⑦施釉、⑧再乾燥、⑨本焼き)あるが、様々な方法や代用手段を用いることが可能である。

1.〇 正しい。荒練りとは、粘土の水分量を均一化する作業である。
2.× 菊練り(ねじりもみ)とは、土の空気を抜く作業である。
3.× 施釉(せゆう)とは、薬品塗りの作業(コーティング作業)である。陶磁器などを製作する際、粘土などを成形した器の表面にかける粕薬(ゆうやく)という薬品があり、それをコーティングする。
4.× 手びねりとは、成形の作業である。ひも作り、たたら作り、板作りなどがある。
5.× 天日干しとは、素焼き前に行う乾燥工程である。

 

 

 

 

 

 

24 多発性硬化症について正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 男性に多い。
2. 発症は50代に多い。
3. 脱髄病変がみられる。
4. 視力低下が出現する頻度が高い。
5. 運動負荷に制限を設ける必要はない。

解答3/4

解説

多発性硬化症とは?

 多発性硬化症は、中枢神経系の慢性炎症性脱髄疾患であり、時間的・空間的に病変が多発するのが特徴である。病変部位によって症状は様々であるが、視覚障害(視神経炎)を合併することが多く、寛解・増悪を繰り返す。視力障害、複視、小脳失調、四肢の麻痺(単麻痺、対麻痺、片麻痺)、感覚障害、膀胱直腸障害、歩行障害、有痛性強直性痙攣等であり、病変部位によって異なる。寛解期には易疲労性に注意し、疲労しない程度の強度及び頻度で、筋力維持及び強化を行う。脱髄部位は視神経(眼症状や動眼神経麻痺)の他にも、脊髄、脳幹、大脳、小脳の順にみられる。有痛性強直性痙攣(有痛性けいれん)やレルミット徴候(頚部前屈時に背部から四肢にかけて放散する電撃痛)、ユートホフ現象(体温上昇によって症状悪化)などが特徴である。若年成人を侵し再発寛解を繰り返して経過が長期に渡る。視神経や脊髄、小脳に比較的強い障害 が残り ADL が著しく低下する症例が少なからず存在する長期的な経過をたどるためリハビリテーションが重要な意義を持つ。

(参考:「13 多発性硬化症/視神経脊髄炎」厚生労働省様HPより)

1.× 「男性」ではなく女性に多い。
2.× 発症は、「50代」ではなく15~50歳に多い。その中でも20~30歳代が発症のピークである。
3.〇 正しい。脱髄病変がみられる。多発性硬化症は、中枢神経に時間的(多発性空間的(多巣性に病変を生じる脱髄疾患である。
4.〇 正しい。視力低下が出現する頻度が高い視神経炎
5.× 運動負荷に制限を設ける。なぜなら、疲労や体温上昇は症状の悪化を招くため(ユートホフ現象)。

 

 

 

 

 

 

25 集団遊びの発達段階のうち「平行遊び」の説明として正しいのはどれか。

1.1人で遊び、他の子供がいても話しかけたりしない。
2. 他の子供の遊びを見て過ごし、声をかけることはあっても遊びには入らない。
3. 他の子供のそばで同じような玩具で遊ぶが、他の子供への働きかけはない。
4. 他の子供と一緒に遊ぶが、役割分担はみられない。
5. 目的のもとに組織化されたグループで遊び、役割分担がある。

解答3

解説

 平行遊びとは、同じ場所で他児と同じような行動をしているが、お互いには関係なくばらばらに遊ぶことである。

1.× 1人で遊び、他の子供がいても話しかけたりしないのは、一人遊びである。
2.× 他の子供の遊びを見て過ごし、声をかけることはあっても遊びには入らないのは、傍観遊びである。
3.〇 正しい。他の子供のそばで同じような玩具で遊ぶが、他の子供への働きかけはないのは、平行遊びである。
4.× 他の子供と一緒に遊ぶが、役割分担はみられないのは、連合遊びである。
5.× 目的のもとに組織化されたグループで遊び、役割分担があるのは、ルールのある集団遊びであり、協調遊びのことである。

 

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