第51回(H28) 理学療法士国家試験 解説【午前問題31~35】

 

31 Guillain-Barré 症候群でみられにくいのはどれか。

1.誤嚥
2.運動時痛
3.温痛覚脱失
4.起立性低血圧
5.拘束性換気障害

解答3

解説

 末梢神経障害(ニューロパチー)の代表疾患であるGuillain-Barré症候群は、比較的太い有髄線維主体の障害がみられる。温痛覚は、無髄神経線維なので比較的よく保たれることが多い。よって、選択肢3.温痛覚脱失が正しい。

 

1.× 誤嚥は、球麻陣(Ⅸ、Ⅹ、Ⅻの障害)により嘩下障害・構音障害がみられる。
2.× 運動時痛は、末梢神経に障害が生じ、脱力・しびれ・痛みなどの症状が現れる。
4.× 起立性低血圧は、自律神経の障害で、頻脈・高血圧がみられる。
5.× 拘束性換気障害は、運動麻痺により呼吸筋が障害され起こる。

Guillain-Barré症候群

①手足の先のしびれ感で始まり、急性に手足の筋力低下を左右対称性にきたすことが多い。

②脳神経麻痺(顔面神経麻痺・眼球運動障害、構音・嚥下障害)

③呼吸筋麻痺

④自律神経障害(血圧変動・不整脈)など。

⑤深部腱反射が低下~消失することが多い。

⑥軸索変性を伴う軸索型のほうが、脱髄型よりも予後不良である。

 

 

 

 

 

 

 

32 末梢性めまいに対する理学療法で適切なのはどれか。

1. めまいを生じないよう服薬後に運動療法を行う。
2. 椎骨脳底動脈循環不全に準じた運動療法を行う。
3. Ménière病にはEpley法が有効である。
4. 回復期には注視眼振が出現しやすいので固視を促す運動を行う。
5. 寝返りや振り向き動作などによる回転刺激で前庭代償を促す。

解答5

解説

 めまいは中枢性末梢性に分類される。末梢性めまいには、良性発作性頭位眩暈(めまい)症(BPPV)、メニエール病、前庭神経炎がある。

1.× めまいを生じないよう服薬後に運動療法を行うのは不適切である。末梢性めまいには、良性発作性頭位眩暈(めまい)症(BPPV)、メニエール病、前庭神経炎があり、Ménière病(メニエール病)、前庭神経炎は運動療法は行わず、安静と薬物療法で対応する。良性発作性頭位眩暈(めまい)症(BPPV)は、Epley法(エプリー法)を用いて理学療法を行う。
2.× 椎骨脳底動脈循環不全によるめまいは中枢性のめまいである。
3.×  Ménière病にはEpley法ではなく、安静薬物療法が有効である。Epley法が有効であるのは、良性発作性頭位眩暈(めまい)症(BPPV)である。Epley法は、浮遊している耳石片を卵形嚢内に戻すことを目的とした方法である。
4.× 注視眼振が出現した場合、中枢性めまい(小脳・脳幹)が疑われる。末梢性めまいの場合、注視眼振が出現しにくい。
5.〇 正しい。Epley法では、寝返りや振り向き動作などによる回転刺激で前庭代償を促す。

注視眼振検査

眼の前に注視するものを置き、上下左右を注視してもらい、異常な眼の揺れや動きがないかどうかを調べる。

平衡器官に異常があるときは、眼振といって規則的な眼の揺れがでる。

内耳が悪いときには眼振の方向は、眼がどちらを見ても右向きか左向きに一定していますが、脳に障害があるときには注視する方向によって眼振の方向が変わったり、色々な種類の眼振がでることがある。

 

 

 

 

 

 

33 脊髄損傷患者(第5頸髄節まで機能残存)が可能な動作はどれか。2つ選べ。

1. 肩関節外転
2. 肘関節伸展
3. 前腕回外
4. 手関節背屈
5. 指伸展

解答1/3

解説

 第5頚髄節まで機能が残存していることから、主な残存筋は三角筋・上腕二頭筋・上腕筋である。運動機能は、肩関節屈曲・外転・伸展・内旋・外旋、肘関節屈曲・前腕回外である。移動は車椅子駆動可能(平地:ハンドリムに要工夫)であり、自立度は重度介助レベルである。よって、選択肢1.3肩関節外転/前腕回外が正しい。

 

2.× 肘関節伸展は、第7頚髄節まで機能が残存(上腕三頭筋)している必要がある。
4.× 手関節背屈は、第6頚髄節まで機能が残存(長橈側手根伸筋)している。
5.× 指伸展は、第7頚髄節まで機能が残存(総指伸筋)している。

 

 

 

 

 

 

34 関節リウマチに合併しやすいのはどれか。

1. 内反足
2. 脊椎分離症
3. Heberden結節
4. Dupuytren 拘縮
5. 指伸筋腱皮下断裂

解答5

解説

1.× 内反足ではなく、扁平足・外反足をきたしやすい。
2.× 脊椎分離症ではなく、環軸椎亜脱臼をきたしやすい。脊椎分離症は、椎間関節の基部の骨が分離して起こる腰痛症である。
3.× Heberden結節(へバーデン結節)とは、指の第1関節(DIP関節)が変形し曲がってしまう原因不明の疾患である。関節リウマチとの鑑別が必要な疾患である。
4.× Dupuytren 拘縮(デュピュイトラン拘縮)とは、手掌腱膜の肥厚による指の屈曲拘縮である。進行性であり、中年以降の男性に多く、原因は不明。
5.〇 正しい。指伸筋腱皮下断裂である。特にPIP背側の伸筋腱断裂による変形をボタンホール変形、DIP背側の伸筋腱断裂による変形をスワンネック変形という。

 

 

 

 

 

 

35 遠城寺式乳幼児分析的発達検査において、つたい歩きをする時期に可能なのはどれか。

1. 2語言える。
2. ボールを前に蹴る。
3. まねて直線を引く。
4. 積み木を2つ重ねる。
5. コップを自分で持って飲む。

解答5

解説

つたい歩きができるのは、10~11か月ごろである。

1.× 2語言えるのは、1歳0~2か月ごろである。
2.× ボールを前に蹴るのは、1歳9か月~2歳ごろである。
3.× まねて直線を引くのは、2歳3~6か月ごろである。
4.× 積み木を2つ重ねるのは、1歳2か月~4か月ごろである。
5.〇 正しい。コップを自分で持って飲むのは、10~11か月ごろである。

 

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