【PT専門】Guillain-Barré症候群についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

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【OT専門】Guillain-Barré症候群についての問題「まとめ・解説」

【共通問題のみ】Guillain-Barré症候群についての問題「まとめ・解説」

 

45回 午前33

33.Guillain-Barré症候群で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.筋力低下は体幹に初発する。
2.急性期は廃用症候群を予防する。
3.血清CK値を運動量の目安とする。
4.回復期は過用性筋力低下に注意する。
5.軸索変性型は機能予後が良好である。

解答2.4

解説

”Guillain-Barré症候群とは?”

Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群は、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。一般的には細菌・ウイルスなどの感染があり、1~3週後に両足の筋力低下(下位運動ニューロン障害)や異常感覚(痺れ)などで発症する。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。初期症状として、歩行障害、両手・腕・両側の顔面筋の筋力低下、複視、嚥下障害などがあり、これらの症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要になる。症状が軽い場合は自然に回復するが、多くの場合は入院により適切な治療(免疫グロブリン静注療法や血液浄化療法など)を必要とする。症状は6か月から1年程度で寛解することが多い。臨床検査所見として、①髄液所見:蛋白細胞解離(蛋白は高値,細胞数は正常)を示す。②電気生理学的検査:末梢神経伝導検査にて、脱神経所見(伝導ブロック、時間的分散、神経伝導速度の遅延、複合筋活動電位の低下など)がみられる。複合筋活動電位が消失あるいは著明な低下し、早期から脱神経所見を示す症例は、一般に回復が悪く機能的予後も不良である。

(※参考:「重篤副作用疾患別対応マニュアル ギラン・バレー症候群」厚生労働省様HPより)

1.× 筋力低下は、「体幹」ではなく下肢遠位(四肢遠位)に初発する。
2.〇 正しい。急性期は、廃用症候群を予防する。廃用症候群を予防しながら、かつ適度な運動を提供する。過度な近視用は筋力低下につながるため注意が必要である。
3.× 血清CK値を運動量の目安とならない。なぜなら、Guillain-Barré症候群は免疫・炎症性ニューロパチーの代表的疾患であり、急性の運動麻痺を主徴とする多発根ニューロパチー(末梢神経障害)であるため。血清CK値は筋ジストロフィー症など筋組織の損傷で上昇する。
4.〇 正しい。回復期は過用性筋力低下に注意する。急性期・回復期も一貫して廃用症候群と過用には注意が必要である。末梢神経障害の患者に対して高負荷の筋力増強訓練を行うと、逆に筋力低下してしまうため、低負荷高頻度の筋持久力訓練を行う。
5.× 軸索変性型は機能予後が、「良好」ではなく不良である。Guillain-Barré症候群は、①軸索変性を伴う軸索型、②脱髄型がみられる。ちなみに、我が国では、軸索障害型の方が脱髄型よりも多い。

 

 

 

48回 午前38

38 軸索変性型のGuillain-Barré症候群で適切なのはどれか。

1.発症後1週間経過すれば高負荷の訓練は可能である。
2.γ-グロブリン大量療法中に運動療法は行わない。
3.下垂足に対して軽量の短下肢装具を作製する。
4.手内筋麻痺は3か月以内で回復する。
5.発症後6か月間で症状は固定する。

解答3

解説

”Guillain-Barré症候群とは?”

Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群は、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。一般的には細菌・ウイルスなどの感染があり、1~3週後に両足の筋力低下(下位運動ニューロン障害)や異常感覚(痺れ)などで発症する。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。初期症状として、歩行障害、両手・腕・両側の顔面筋の筋力低下、複視、嚥下障害などがあり、これらの症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要になる。症状が軽い場合は自然に回復するが、多くの場合は入院により適切な治療(免疫グロブリン静注療法や血液浄化療法など)を必要とする。症状は6か月から1年程度で寛解することが多い。臨床検査所見として、①髄液所見:蛋白細胞解離(蛋白は高値,細胞数は正常)を示す。②電気生理学的検査:末梢神経伝導検査にて、脱神経所見(伝導ブロック、時間的分散、神経伝導速度の遅延、複合筋活動電位の低下など)がみられる。複合筋活動電位が消失あるいは著明な低下し、早期から脱神経所見を示す症例は、一般に回復が悪く機能的予後も不良である。

(※参考:「重篤副作用疾患別対応マニュアル ギラン・バレー症候群」厚生労働省様HPより)

1.× 発症後1週間の時点では、両側上下肢の運動麻痺や四肢の感覚障害が進行中である。また、高負荷の訓練は末梢神経障害に対して行うと更なる筋力低下を招くことになる。そのため、低負荷高頻度の筋持久力訓練を行う。
2.× γ-グロブリン(免疫グロブリン)大量療法中であっても、運動療法(ベッド上やベッドサイドで行う運動)は取り入れていく。活動能力の低下や廃用予防となる。
3.〇 正しい。下垂足に対して軽量の短下肢装具を作製する。筋力低下を考慮して、プラスチック製短下肢装具など軽量のものが望ましい。
4.× 手内筋麻痺などの症状の回復は、「3か月以内」ではなく6か月~1年程度で寛解する。運動麻痺は、近位部から回復する傾向にあり、また、脱髄型に比べ軸索型が予後不良である。
5.× 症状の固定は、発症後「6か月間」ではなく約1か月程度である。

 

 

 

50回 午後8

8 25歳の男性。Guillain-Barré症候群。発症後3日で運動麻痺は進行しており、呼吸筋麻痺のため人工呼吸器管理中である。
 理学療法で適切でないのはどれか。

1. 体位変換
2. 筋力増強運動
3. 胸郭ストレッチ
4. 関節可動域運動
5. 30°程度のリクライニング位

解答2

解説

”Guillain-Barré症候群とは?”

Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群は、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。一般的には細菌・ウイルスなどの感染があり、1~3週後に両足の筋力低下(下位運動ニューロン障害)や異常感覚(痺れ)などで発症する。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。初期症状として、歩行障害、両手・腕・両側の顔面筋の筋力低下、複視、嚥下障害などがあり、これらの症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要になる。症状が軽い場合は自然に回復するが、多くの場合は入院により適切な治療(免疫グロブリン静注療法や血液浄化療法など)を必要とする。症状は6か月から1年程度で寛解することが多い。臨床検査所見として、①髄液所見:蛋白細胞解離(蛋白は高値,細胞数は正常)を示す。②電気生理学的検査:末梢神経伝導検査にて、脱神経所見(伝導ブロック、時間的分散、神経伝導速度の遅延、複合筋活動電位の低下など)がみられる。複合筋活動電位が消失あるいは著明な低下し、早期から脱神経所見を示す症例は、一般に回復が悪く機能的予後も不良である。

(※参考:「重篤副作用疾患別対応マニュアル ギラン・バレー症候群」厚生労働省様HPより)

1.〇 正しい。体位変換にて、褥瘡予防・喀痰排出を行う。
2.× 筋力増強運動は行わない。Guillain-Barré症候群は、神経根や末梢神経の脱髄が主要病態のため、逆に筋力低下をきたし呼吸苦の助長を促してしまう。
3.5.〇 正しい。胸郭ストレッチ/30°程度のリクライニング位にて、呼吸をしやすくする。初期症状として、歩行障害、両手・腕・両側の顔面筋の筋力低下、複視、嚥下障害などがあり、これらの症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要になる。
4.〇 正しい。関節可動域運動にて、関節拘縮を予防する。

 

 

51回 午前31

31 Guillain-Barré 症候群でみられにくいのはどれか。

1.誤嚥
2.運動時痛
3.温痛覚脱失
4.起立性低血圧
5.拘束性換気障害

解答3

解説

”Guillain-Barré症候群とは?”

Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群は、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。一般的には細菌・ウイルスなどの感染があり、1~3週後に両足の筋力低下(下位運動ニューロン障害)や異常感覚(痺れ)などで発症する。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。初期症状として、歩行障害、両手・腕・両側の顔面筋の筋力低下、複視、嚥下障害などがあり、これらの症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要になる。症状が軽い場合は自然に回復するが、多くの場合は入院により適切な治療(免疫グロブリン静注療法や血液浄化療法など)を必要とする。症状は6か月から1年程度で寛解することが多い。臨床検査所見として、①髄液所見:蛋白細胞解離(蛋白は高値,細胞数は正常)を示す。②電気生理学的検査:末梢神経伝導検査にて、脱神経所見(伝導ブロック、時間的分散、神経伝導速度の遅延、複合筋活動電位の低下など)がみられる。複合筋活動電位が消失あるいは著明な低下し、早期から脱神経所見を示す症例は、一般に回復が悪く機能的予後も不良である。

(※参考:「重篤副作用疾患別対応マニュアル ギラン・バレー症候群」厚生労働省様HPより)

 Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群は、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。比較的太い有髄線維主体の障害がみられる。温痛覚は、無髄神経線維なので比較的よく保たれることが多い。よって、選択肢3.温痛覚脱失が正しい。

1.× 誤嚥は、Guillain-Barré症候群でみられる。球麻痺(Ⅸ、Ⅹ、Ⅻの障害)により嚥下障害・構音障害がみられる。
2.× 運動時痛は、Guillain-Barré症候群でみられる。末梢神経に障害が生じ、脱力・しびれ・痛みなどの症状が現れる。
4.× 起立性低血圧は、Guillain-Barré症候群でみられる。自律神経の障害で、頻脈・高血圧がみられる。
5.× 拘束性換気障害は、Guillain-Barré症候群でみられる。運動麻痺により呼吸筋が障害され起こる。

 

 

 

52回 午後19

19 42歳の男性。Guillain-Barré症候群。発症後3日目。四肢体幹の重度な麻痺と呼吸筋麻痺のため人工呼吸器管理の状態である。
 この時期に行う理学療法で適切なのはどれか。

1. 体位排痰
2. 痙縮の抑制
3. 体幹の漸増抵抗運動
4. 上下肢の高負荷の筋力増強運動
5. 上下肢の過伸張を伴うストレッチ

解答:1

解説

”Guillain-Barré症候群とは?”

Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群は、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。一般的には細菌・ウイルスなどの感染があり、1~3週後に両足の筋力低下(下位運動ニューロン障害)や異常感覚(痺れ)などで発症する。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。初期症状として、歩行障害、両手・腕・両側の顔面筋の筋力低下、複視、嚥下障害などがあり、これらの症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要になる。症状が軽い場合は自然に回復するが、多くの場合は入院により適切な治療(免疫グロブリン静注療法や血液浄化療法など)を必要とする。症状は6か月から1年程度で寛解することが多い。臨床検査所見として、①髄液所見:蛋白細胞解離(蛋白は高値,細胞数は正常)を示す。②電気生理学的検査:末梢神経伝導検査にて、脱神経所見(伝導ブロック、時間的分散、神経伝導速度の遅延、複合筋活動電位の低下など)がみられる。複合筋活動電位が消失あるいは著明な低下し、早期から脱神経所見を示す症例は、一般に回復が悪く機能的予後も不良である。

(※参考:「重篤副作用疾患別対応マニュアル ギラン・バレー症候群」厚生労働省様HPより)

1.〇 正しい。体位排痰である。なぜなら、体位排痰は肺炎予防・喀痰排出のため。呼吸筋群が侵され、呼吸困難を呈し、人工呼吸管理を必要とすることもある。
2.✖ 痙縮の抑制は不適切である。なぜなら、Guillain-Barré症候群は、弛緩性麻痺が特徴であるため。痙縮は生じない。
3~5.✖ 体幹の漸増抵抗運動/上下肢の高負荷の筋力増強運動/上下肢の過伸張を伴うストレッチは、発症後3日目の時点(症状進行中)では、末梢神経障害に対して高負荷の訓練を行うと筋力低下を招くことになるため不適切である。弛緩性麻痺に対し、過伸張を伴うストレッチは軟部組織の損傷につながる。それらだけでなく、呼吸苦を生じるため不適切である。急性期は廃用症候群の予防と改善(低負荷・高頻度)、代償動作の獲得を行う。

 

 

 

53回 午前9

9. 42歳の女性。感冒症状が出現して1週後から対称性に両手のしびれを自覚し、脱力が急速に近位部へ広がったため神経内科を受診した。上肢遠位部優位の脱力と四肢の深部腱反射消失を認め、Guillain-Barre症候群と診断された。
 検査所見として正しいのはどれか。

1.髄液検査で細胞数が増加する。
2.頚髄MRI検査で髄内信号異常を認める。
3.末梢神経伝導検査で伝導速度が低下する。
4.未梢神経の連続刺激でM波の振幅が漸増する。
5.未梢神経刺激で誘発されるF波の潜時が短縮する。

解答:3

解説

本症例のポイント

・42歳の女性(Guillain-Barre症候群
・感冒症状が出現して1週後から対称性に両手のしびれを自覚し、脱力が急速に近位部へ広がった。
・上肢遠位部優位の脱力と四肢の深部腱反射消失を認めた。
→Guillain-Barré症候群とは?
 Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群は、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。一般的には細菌・ウイルスなどの感染があり、1~3週後に両足の筋力低下(下位運動ニューロン障害)や異常感覚(痺れ)などで発症する。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。初期症状として、歩行障害、両手・腕・両側の顔面筋の筋力低下、複視、嚥下障害などがあり、これらの症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要になる。症状が軽い場合は自然に回復するが、多くの場合は入院により適切な治療(免疫グロブリン静注療法や血液浄化療法など)を必要とする。症状は6か月から1年程度で寛解することが多い。臨床検査所見として、①髄液所見:蛋白細胞解離(蛋白は高値,細胞数は正常)を示す。②電気生理学的検査:末梢神経伝導検査にて、脱神経所見(伝導ブロック、時間的分散、神経伝導速度の遅延、複合筋活動電位の低下など)がみられる。複合筋活動電位が消失あるいは著明な低下し、早期から脱神経所見を示す症例は、一般に回復が悪く機能的予後も不良である。

(※参考:「重篤副作用疾患別対応マニュアル ギラン・バレー症候群」厚生労働省様HPより)

1.× 髄液検査では、細胞数が増加は伴わず、蛋白上昇(蛋白細胞解離)が認められる。脳や脊髄に病気や異常があると、髄液に変化がみられ、この髄液を採取し調べ病気の診断、治療、予後を判定するのが髄液検査である。
2.× 頚髄MRI検査で髄内信号異常は認めない。なぜなら、Guillain-Barre症候群(ギランバレー症候群)は末梢神経の障害であるため。ちなみに、頚髄MRI検査で髄内信号異常を認めるのは、脊髄空洞症や視神経脊髄炎などである。
3.〇 正しい。末梢神経伝導検査で伝導速度が低下する
4.× 未梢神経の連続刺激でM波の振幅が漸増ではなく、低下する
5.× 未梢神経刺激で誘発されるF波の潜時が短縮ではなく、延長する

 

 

54回 午前2

2. 32歳の女性。下痢症状の後に四肢の脱力が出現した。Guillain-Barré症候群で、入院2週間後のGuillain-Barré障害スコアが5(人工呼吸管理)であった。グラフは表の3項目の合計点と歩行の関係を示す。この患者が発症6か月後の歩行不可能な確率はどれか。

1. 20%
2. 30%
3. 60%
4. 80%
5. 90%

解答

解説

 表から、3項目の合計点を求める。本症例は、32歳(年齢は40歳以下なので評価点0点)、下痢症状あり(発症に先立つ下痢症状の有無がありなので評価点1点)、入院2週間後のGuillain-Barré障害スコアが5(障害スコア5は評価点5点)。よって、3項目の合計点は、「0点+1点+5点=6点」となる。次に、グラフに着目し、3項目の合計点が6点である発症6か月後の歩行不可能な確率を見ると、選択肢3. 60%であることが分かる。よって、解答は選択肢3. 60%である。

 ちなみに、本問に示されているスコアは、EGOS(Erasmus GBS Outcome Scale)という。Guillain-Barré 症候群の予後因子(発症6か月後に歩行可能か?)に使用されるものである。今回の問題は、問題文から必要情報を拾って点数を求め、グラフに当てはめることで解答は容易に行える。

”Guillain-Barré症候群とは?”

Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群は、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。一般的には細菌・ウイルスなどの感染があり、1~3週後に両足の筋力低下(下位運動ニューロン障害)や異常感覚(痺れ)などで発症する。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。初期症状として、歩行障害、両手・腕・両側の顔面筋の筋力低下、複視、嚥下障害などがあり、これらの症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要になる。症状が軽い場合は自然に回復するが、多くの場合は入院により適切な治療(免疫グロブリン静注療法や血液浄化療法など)を必要とする。症状は6か月から1年程度で寛解することが多い。臨床検査所見として、①髄液所見:蛋白細胞解離(蛋白は高値,細胞数は正常)を示す。②電気生理学的検査:末梢神経伝導検査にて、脱神経所見(伝導ブロック、時間的分散、神経伝導速度の遅延、複合筋活動電位の低下など)がみられる。複合筋活動電位が消失あるいは著明な低下し、早期から脱神経所見を示す症例は、一般に回復が悪く機能的予後も不良である。

(※参考:「重篤副作用疾患別対応マニュアル ギラン・バレー症候群」厚生労働省様HPより)

 

 

 

 

 

55回 午前18

18 32歳の女性。2週前に上気道炎を発症し、5日前から四肢末端の異常感覚を自覚した。その後、徐々に四肢の脱力を認めたGuillain-Barré症候群と診断され、直ちにγ-グロブリン大量静注療法を開始した。入院時の四肢筋力はMMTで段階4であったが、入院2日後には顔面筋麻痺と構音・嚥下障害が出現し、翌日には痰が多く呼吸困難が出現したため、気管挿管され人工呼吸器管理となった。四肢筋力は近位筋で段階1、その他は段階2~3に低下している。
 現時点で優先される治療はどれか。

1.機能的電気刺激
2.筋力増強運動
3.座位練習
4.自発呼吸練習
5.排痰練習

解答
解説

MEMO

・32歳の女性(Guillain-Barré症候群)。
・入院時:四肢筋力MMT段階4。
・入院2日後:顔面筋麻痺と構音・嚥下障害が出現。
・翌日:人工呼吸器管理四肢筋力近位筋段階1、その他は段階2~3に低下。
→本症例は、Guillain-Barré症候群の進行期~プラトー期の移行期と考えられる。症状が軽い場合は自然と回復することが多いが、重症例は呼吸筋を侵し呼吸困難を呈するため、気道確保や呼吸管理し楽な状態に保てるようにかかわっていく。

1.× 機能的電気刺激(FES)とは、筋もしくは末梢神経を刺激して麻痺筋を収縮させることで、その筋の随意性及び消失した機能を代償させることを目的とした治療法のことをいう。適応症例は、脳卒中脊髄損傷等により運動麻痺を呈している方である。Guillain-Barré症候群(ギランバレー症候群)のような末梢神経障害では、電気刺激が可溶性筋力低下をきたす可能性があるため積極的には用いない。
2.× 筋力増強運動は、四肢筋力の低下進行中であるため不適当である。また末梢神経障害に対して、高負荷の訓練を行うと筋力低下を招くことがあるため、行うのであれば低負荷高頻度の筋力維持程度の訓練に抑える。
3.× 座位練習のリハビリテーションの開始基準として、障害(意識障害、運動障害、ADL障害)の進行がとまっていることがあげられる。また、現時点での筋力では過負荷になる可能性が高い。そのため、現在は不適当といえる。肺痰目的でのギャッジアップ座位などは有効である。
4.× 自発呼吸とは、自身の能力によって行われる呼吸を意味する。自発呼吸に対して、外部から圧力をかけることによって行われる呼吸は「人工呼吸」と呼ばれる。本症例は、痰が多く呼吸困難が出現したため、気管挿管され人工呼吸器管理直後である。また、今後の症状悪化の可能性があげられる。そのため、自発呼吸練習の実効性は期待できず優先度は低い。
5.〇 正しい。排痰訓練は、現時点で最も優先される治療である。本症例は球麻痺による嚥下障害・構音障害がみられるため痰が多いと考えられる。誤嚥・肺炎の予防や呼吸をしやすいよう排痰練習の実施が優先される。

”Guillain-Barré症候群とは?”

Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群は、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。一般的には細菌・ウイルスなどの感染があり、1~3週後に両足の筋力低下(下位運動ニューロン障害)や異常感覚(痺れ)などで発症する。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。初期症状として、歩行障害、両手・腕・両側の顔面筋の筋力低下、複視、嚥下障害などがあり、これらの症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要になる。症状が軽い場合は自然に回復するが、多くの場合は入院により適切な治療(免疫グロブリン静注療法や血液浄化療法など)を必要とする。症状は6か月から1年程度で寛解することが多い。臨床検査所見として、①髄液所見:蛋白細胞解離(蛋白は高値,細胞数は正常)を示す。②電気生理学的検査:末梢神経伝導検査にて、脱神経所見(伝導ブロック、時間的分散、神経伝導速度の遅延、複合筋活動電位の低下など)がみられる。複合筋活動電位が消失あるいは著明な低下し、早期から脱神経所見を示す症例は、一般に回復が悪く機能的予後も不良である。

(※参考:「重篤副作用疾患別対応マニュアル ギラン・バレー症候群」厚生労働省様HPより)

 

 

 

56回 午後35

35 Guillain-Barré症候群について正しいのはどれか。

1.四肢の深部腱反射が亢進する。
2.欧米に比べて日本では軸索型が多い。
3.脳神経症状がみられるのは5%以下である。
4.先行感染から24時間以内に神経症状が出現する。
5.約90%の症例で神経症状のピークは1週間以内である。

解答

解説

”Guillain-Barré症候群とは?”

Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群は、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。一般的には細菌・ウイルスなどの感染があり、1~3週後に両足の筋力低下(下位運動ニューロン障害)や異常感覚(痺れ)などで発症する。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。初期症状として、歩行障害、両手・腕・両側の顔面筋の筋力低下、複視、嚥下障害などがあり、これらの症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要になる。症状が軽い場合は自然に回復するが、多くの場合は入院により適切な治療(免疫グロブリン静注療法や血液浄化療法など)を必要とする。症状は6か月から1年程度で寛解することが多い。臨床検査所見として、①髄液所見:蛋白細胞解離(蛋白は高値,細胞数は正常)を示す。②電気生理学的検査:末梢神経伝導検査にて、脱神経所見(伝導ブロック、時間的分散、神経伝導速度の遅延、複合筋活動電位の低下など)がみられる。複合筋活動電位が消失あるいは著明な低下し、早期から脱神経所見を示す症例は、一般に回復が悪く機能的予後も不良である。

(※参考:「重篤副作用疾患別対応マニュアル ギラン・バレー症候群」厚生労働省様HPより)

1.× 四肢の深部腱反射が「亢進」ではなく、減弱もしくは消失する。
2.〇 正しい。欧米に比べて日本では軸索型が多い。ただし、日本全体としてみると脱髄型の方が多い(脱髄型57.6%、軸索型18.5%)。人口10万人当たり年間1~2人が発症すると推定されている。どの年齢層の方でもかかることがあるが、平均発症年齢は39歳で、男性の患者さんの方がやや多い。日本では特定疾患に指定されている。
3.× 脳神経症状がみられるのは、「5%以下」ではなく、約50%である。脳神経症状は、①顔面神経麻痺、②球麻痺、③眼球運動障害であった。(引用データ:ギラン・バレー症候群 – 日本神経学会より)
4.× 神経症状が出現するのは、先行感染から「24時間以内」ではなく、1~2週間後である。発症1~3週間前に①感冒様症状、②下痢、③腹痛などが見られ、その後1~2週間で急性に神経症状(下肢から上行する左右対称性の弛緩性運動麻痺)をきたす。
5.× 約90%の症例で神経症状のピークは、「1週間以内」ではなく、2~3週間以内である。急に(1日から数日の経過で)腕や脚がしびれて力が入らなくなり、たいていは2~3週間以内に症状がピークとなり、その後回復するという経過をとることが多い。

 

 

57回 午後6-7

次の文により6、7の問いに答えよ。
 28歳の男性。2週前にGuillain-Barré症候群と診断された。γグロブリン大量静注療法を実施され、症状の進行は停止した。本日実施した右上肢の運動神経伝導検査の結果を表に示す。

6 最も障害されていると考えられる運動はどれか。

1.母指対立
2.示指MP関節伸展
3.中指DIP関節伸展
4.環指PIP関節屈曲
5.小指外転

解答

解説

運動神経検査とは?

 運動神経伝導検査とは、末梢神経を電気刺激した際に、神経やその支配筋から発生する活動電位を記録したものである。主として末梢神経の機能評価に用いられる。神経に問題があれば、機能する神経線維の数の減少に伴い、①振幅が低下し、②持続時間は短縮する。

1.× 母指対立(筋)は、正中神経支配である。
2.× 示指MP関節伸展(総指伸筋、示指伸筋)は、橈骨神経支配である。
3.× 中指DIP関節伸展(総指伸筋)は、橈骨神経支配である。ちなみに、DIP関節伸展には背・掌側骨間筋も関与し、これらは尺骨神経支配である。総指伸筋が一部、代償的に作用するため、中指DIP関節伸展が選択肢の中で最も障害すると断定できない。
4.× 環指PIP関節屈曲(浅指屈筋)は、正中神経支配である。
5.〇 正しい。小指外転は、最も障害されていると考えられる運動である。なぜなら、小指外転(小指外転筋、短小指屈筋、小指対立筋など)は、尺骨神経支配であるため。本問題では、運動神経検査により、右上肢の神経の伝達速度が遅くなっているか調べている。尺骨神経に振幅(mV)の低下を認める。したがって、尺骨神経領域の運動が障害されていると考える。

”Guillain-Barré症候群とは?”

Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群は、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。一般的には細菌・ウイルスなどの感染があり、1~3週後に両足の筋力低下(下位運動ニューロン障害)や異常感覚(痺れ)などで発症する。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。初期症状として、歩行障害、両手・腕・両側の顔面筋の筋力低下、複視、嚥下障害などがあり、これらの症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要になる。症状が軽い場合は自然に回復するが、多くの場合は入院により適切な治療(免疫グロブリン静注療法や血液浄化療法など)を必要とする。症状は6か月から1年程度で寛解することが多い。臨床検査所見として、①髄液所見:蛋白細胞解離(蛋白は高値,細胞数は正常)を示す。②電気生理学的検査:末梢神経伝導検査にて、脱神経所見(伝導ブロック、時間的分散、神経伝導速度の遅延、複合筋活動電位の低下など)がみられる。複合筋活動電位が消失あるいは著明な低下し、早期から脱神経所見を示す症例は、一般に回復が悪く機能的予後も不良である。

(※参考:「重篤副作用疾患別対応マニュアル ギラン・バレー症候群」厚生労働省様HPより)

 

 

 

 

 

次の文により6、7の問いに答えよ。
 28歳の男性。2週前にGuillain-Barré症候群と診断された。γグロブリン大量静注療法を実施され、症状の進行は停止した。本日実施した右上肢の運動神経伝導検査の結果を表に示す。

7 現時点で最も導入を検討すべき装具はどれか。

1.長対立装具
2.ナックルベンダー
3.IP関節伸展補助装具
4.母指Z変形用スプリント
5.コックアップ・スプリント

解答

解説
1.× 長対立装具は、正中神経高位麻痺に使用する。母指対立不能、母指・示指の屈曲障害を生じた際に用い、母指を対立位に保持する。
2.〇 正しい。ナックルベンダーは、現時点で最も導入を検討すべき装具である。なぜなら、ナックルベンダー(MP関節屈曲装具)は、尺骨神経麻痺に適応となるため。MP関節を屈曲位(背屈位)に矯正する。ちなみに、尺骨神経障害により鷲手変形(小指、環指のDIP関節の屈曲、PIP関節の屈曲、MP関節の過進展)をきたす
3.× IP関節伸展補助装具は、ボタン穴変形の予防・矯正に用いられる。ピアノ線とゴムバンドを工夫して作られているものが主流である。
4.× 母指Z変形用スプリントは、その名の通り母指Z変形(リウマチ)に用いられる。母指Z変形とは、親指のIP関節が伸展し、MP関節が屈曲する変形である。
5.× コックアップ・スプリントは、手関節の背屈困難な橈骨神経麻痺で使用する装具である。

 

 

 

 

58回 午前45

45.Guillain-Barré症候群の治療で正しいのはどれか。

1.ステロイド投与が第一選択である。
2.筋力低下の進行期には関節可動域練習より筋力増強運動を優先する。
3.人工呼吸管理の場合、早期から胸郭ストレッチを行う。
4.筋力低下の進行が停止すれば、早期から漸増抵抗運動を開始する。
5.約半数が発症6か月後の歩行障害に長下肢装具を必要とする。

解答

解説
1.× 第一選択は、「ステロイド投与」ではなく、安静(確定した治療法なし)である。なぜなら、時間の経過とともに自然に回復することが一般的であるため。しかし、治療はギラン・バレー症候群の症状を改善し、病期を短縮することはできる。支持療法は呼吸、心拍数、血圧の管理などです。患者の呼吸する力が低下する場合は、通常、人工呼吸器を装着し、不整脈、感染、血栓、高血圧や低血圧などの合併症に対する監視する。この疾患が自己免疫疾患の特性をもつこと考えて、通常、急性期には血液から抗体を除去する血漿交換免疫グロブリン点滴療法で治療する。症状の出現後7~14日で(治療を)開始したときには、ほとんどの患者で効果がある(※一部引用:「ギラン・バレー症候群について」厚生労働省HPより)。
2.× 逆である。筋力低下の進行期には、「筋力増強運動」より「関節可動域練習」を優先する。この時期のリハビリテーションは、①拘縮予防、②関節可動域の維持と増大、③良肢位保持を行う。一方、筋力運動は過用性の筋力低下が起こる可能性があるため注意する。
3.〇 正しい。人工呼吸管理の場合、早期から胸郭ストレッチを行う。なぜなら、呼吸筋が麻痺してしまい自発呼吸が不能もしくは減弱してしまうことによって換気障害が生じ、二次的に肺・胸郭のコンプライアンスが低下することでさらに換気障害が助長されるため。呼吸リハビリテーションの目的は、①人工呼吸器の早期離脱、②気道内分泌物の除去、③換気と酸素化の改善、④呼吸困難の軽減、⑤人工呼吸による合併症の予防と改善、⑥精神的サポートとなる。
4.× 筋力低下の進行が停止すれば、早期から漸増抵抗運動を開始する必要はない。なぜなら、高負荷の筋力増強訓練(漸増抵抗運動など)を行うと、逆に過用性の筋力低下を起こしてしまうため。したがって、低負荷・高頻度の筋持久力訓練を行う。急性期を脱した後に筋力低下が持続する場合には、患者は筋肉を強化し動きを回復するためのリハビリテーション療法を必要とすることもある。
5.× 約半数が発症6か月後の歩行障害に、長下肢装具は必要しない。なぜなら、時間の経過とともに自然に回復することが一般的であるため。15~20%が重症化し、致死率は2~3%である。

”Guillain-Barré症候群とは?”

Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群は、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。一般的には細菌・ウイルスなどの感染があり、1~3週後に両足の筋力低下(下位運動ニューロン障害)や異常感覚(痺れ)などで発症する。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。初期症状として、歩行障害、両手・腕・両側の顔面筋の筋力低下、複視、嚥下障害などがあり、これらの症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要になる。症状が軽い場合は自然に回復するが、多くの場合は入院により適切な治療(免疫グロブリン静注療法や血液浄化療法など)を必要とする。症状は6か月から1年程度で寛解することが多い。臨床検査所見として、①髄液所見:蛋白細胞解離(蛋白は高値,細胞数は正常)を示す。②電気生理学的検査:末梢神経伝導検査にて、脱神経所見(伝導ブロック、時間的分散、神経伝導速度の遅延、複合筋活動電位の低下など)がみられる。複合筋活動電位が消失あるいは著明な低下し、早期から脱神経所見を示す症例は、一般に回復が悪く機能的予後も不良である。

(※参考:「重篤副作用疾患別対応マニュアル ギラン・バレー症候群」厚生労働省様HPより)

 

 

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