第50回(H27) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題96~100】

 

96 Alzheimer型認知症と比較してLewy小体型認知症に特徴的なのはどれか。

1. 常同行動
2. 取り繕い
3. 物盗られ妄想
4. 繰り返される幻視
5. 初期からの記憶障害

解答4

解説

 Lewy小体型認知症の特徴的な症状として、幻視・パーキンソニズム・睡眠障害・起立性低血圧などである。よって、選択肢4.繰り返される幻視が正しい。

 

1.× 常同行動は、前頭側頭型認知症に特徴的な症状である。常同行動とは、同じ行動を何度も繰り返し続けることや時刻表的生活などを指す。
2.× 取り繕いは、アルツハイマー型認知症に特徴的な症状である。取り繕いとは、自己の能力低下を否認して、日常生活に何も問題がないかのように答える(取り繕う)こと。
3.× 物盗られ妄想は、アルツハイマー型認知症に特徴的な症状である。物盗られ妄想とは、記銘力障害により物を置いた場所を忘れてしまい、そのことを誰かが物を盗ったと妄想的に考えることで成立する。
5.× 初期からの記憶障害は、アルツハイマー型認知症に特徴的な症状である。一方、Lewy小体型認知症の初期には記憶障害は目立たない。

 

 

 

 

 

97 統合失調症で通院中の女性が壁を凝視したまま動かない。両上肢を挙上させるとそのままの姿勢をとり続けた。
 考えられるのはどれか。

1. アカシジア
2. 悪性症候群
3. 急性ジストニア
4. 緊張病症候群
5. 薬剤性パーキンソニズム

解答4

解説

1.× アカシジア(鎮座不能症とも)とは、ムズムズした感覚が下肢を中心に起こり,じっと座っていることができなくなる症状である。抗精神病薬による錐体外路症状として起こる。抗精神病薬の投与初期に起こりやすく、薬剤性パーキンソニズムの一種である。
2.× 悪性症候群は、抗精神病薬での治療中に、薬の急な増量や、急な中止の際に発症することがある。高熱・発汗・血圧上昇・嚥下困難・流涎・筋強剛などが急激に出現して、処置をしないと死亡するおそれのある重篤な副作用である。
3.× 急性ジストニアとは、錐体外路症状の一種である。抗神病薬の投与初期に起こりやすい。
4.〇 正しい。緊張病症候群は、統合失調症うつ病などでみられる意思生涯を主とする精神運動障害である。緊張病症候群は、昏迷・カタレプシー・常同・反響動作・拒絶症などを呈する。本文中の「壁を凝視したまま動かない=昏迷」と「両上肢を挙上させるとそのままの姿勢をとり続けた:カタレプシー」である。
5.× 薬剤性パーキンソニズムは、抗精神病薬投与などによってパーキンソン病症状が起こることをいう。

 

 

 

 

 

98 双極性障害について正しいのはどれか。

1. 発症率は女性が2倍多い。
2. 気分安定薬が用いられる。
3. Ⅱ型では重度の躁状態がみられる。
4. 単極性うつ病より遺伝的素因が少ない。
5. 同一個人では躁病相の回数はうつ病相の回数より多い。

解答2

解説

1.× 発症率に男女差はない大うつ病性障害の発症率は、女性の方が2倍多い。
2.〇 正しい。通常、治療には気分安定薬が用いられる。
3.× Ⅱ型では重度ではなく、軽度の躁状態がみられる。
4.× 単極性うつ病より遺伝的素因が多い。双極性障害は、遺伝的素因が発症に関与していることがわかっている。
5.× 躁病相とうつ病相の回数は決まっていない。双極性障害は、一般的にうつ病相の期間の方が繰病相よりも長い。

 

 

 

 

 

99 強迫性障害について誤っているのはどれか。

1. 曝露反応妨害法が用いられる。
2. 強迫行為はさせられ体験による。
3. 対称性へのこだわりがみられる。
4. 不合理な観念が繰り返し浮かぶ。
5. 選択的セロトニン再取り込み阻害薬が用いられる。

解答2

解説

1.〇 正しい。曝露反応妨害法が用いられる。曝露反応妨害法とは、患者を強迫行為をひき起こす刺激に曝露させ、強迫行為を行うことを禁止して(反応妨害)、不安や不快感に段階的に慣れさせていき、患者は不安を解消するために強迫行為が必要でないことを学習し、強迫行為を行わなくなるという方法である。
2.× 強迫行為は、させられ体験によらない。強迫行為とは、必要ないとわかっているのに繰り返し行ってしまう行為である。統合失調症においてみられるさせられ体験(作為体験)とは、他者によって行動させられているような体験である。
3.〇 正しい。強迫性障害は、対称性正確性へのこだわりがみられる。
4.〇 正しい。不合理な観念が繰り返し浮かぶ。その観念を打ち消せずに繰り返し行動してしまう。
5.〇 正しい。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が用いられる。これは、うつ病の治療薬であるが、強迫性障害に対する第一選択薬でもある。また、ほかにパニック障害・社会不安障害などにも用いられる。

 

 

 

 

 

100 12歳の女児。寝不足の朝、突然に顔面や上肢にぴくつきが生じて物を落とす。
このときに意識消失はない。脳波で光過敏性を認める。
 考えられるのはどれか。

1. 覚醒時大発作てんかん
2. 若年性ミオクロニーてんかん
3. 小児欠神てんかん
4. 側頭葉てんかん
5. Lennox-Gastaut症候群

解答2

解説

1.× 覚醒時大発作てんかん(強直間代発作)は、呼吸停止眼球上転咬舌などの症状が起こるため不適切である。
2.〇 正しい。若年性ミオクロニーてんかんである。若年性ミオクロニーは、突然全身あるいは四肢や体幹の一部にけいれんが起こるもので、1~10歳が後発年齢である。意識は保たれ、光刺激で誘発されやすい。
3.× 小児欠神てんかんは、過呼吸により誘発されやすい。
4.× 側頭葉てんかんの発作中の意識記憶は欠如している。
5.× Lennox-Gastaut症候群(レノックス・ガストー症候群)は、3~5歳で発症し、急に四肢が硬くなり脱力発作が起こる。

 

 

※問題の引用:第50回理学療法士国家試験、第50回作業療法士国家試験の問題および正答について

※注意:著者は理学療法士で、解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究・自己研鑽のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。またコメントにて解き方等教えてくださると幸いです。

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