第50回(H27) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題91~95】

 

91 急性心筋梗塞の発症後の血液検査所見でないのはどれか。

1. 白血球数増加
2. トロポニンⅠ上昇
3. クレアチニン上昇
4. 乳酸脱水素酵素(LD)上昇
5. クレアチンキナーゼ(CK)上昇

解答3

解説

 急性心筋梗塞の発症後の血液検査所見で、WBC(白血球数)、CK(クレアチンキナーゼ)、AST(肝機能検査の代表)、LD(乳酸脱水素酵素:急性肝炎、肝硬変、心筋梗塞、悪性貧血、白血病や癌など)、CRP(C反応性蛋白)、心筋トロポニンIとT(心筋細胞の蛋白)の上昇がみられる。この際、WBC、CKの異常が最も早く出現する。

 よって、選択肢3.クレアチニン上昇が急性心筋梗塞の発症後の血液検査所見ではない。クレアチニンの上昇は腎機能低下が起こる腎不全時などにみられる。

 

 

 

 

 

92 筋強直性ジストロフィーにみられるのはどれか。2 つ選べ。

1. 痙縮
2. 下垂足
3. 斧状顔貌
4. ジストニア
5. 有痛性けいれん

解答2/3

解説

1.× 痙縮は、上位運動ニューロンの障害でおこる。
2/3.〇 正しい。下垂足(鶏歩)斧状顔貌は、筋強直性ジストロフィーにみられる。
4.× ジストニアは、錐体外路徴候である。
5.× 有痛性けいれんは、多発性硬化症でみられる。

筋強直性ジストロフィーとは?

筋強直性(筋緊張性)ジストロフィーとは、進行性筋ジストロフィー内の一種で、常染色体優性遺伝(男女比ほぼ1:1)で大人で最も頻度の高い筋ジストロフィーである。そもそも進行性筋ジストロフィーとは、骨格筋の変性及び壊死を主病変とし、進行性の筋力低下や萎縮をきたす遺伝性疾患である。

【筋強直性ジストロフィーの特徴】
①中枢神経症状(認知症状、性格変化、傾眠)
②顔面筋の筋萎縮により西洋斧様顔貌(顔の幅が狭くなった顔貌)、嚥下障害、構音障害
③前頭部若禿(前頭部の脱毛)
④遠位優位の筋委縮
⑤ミオトニア(舌の叩打・母指球・把握)
⑥心伝導障害(房室ブロックなど)
⑦軽症例:糖尿病(耐糖能異常)、白内障がみられる。

(参考:「筋疾患分野|筋強直性ジストロフィー」難病情報センター様HPより)

 

 

 

 

93 Guillain-Barré症候群について正しいのはどれか。

1. 顔面神経麻痺から発症する。
2. 髄液中の蛋白が上昇する。
3. 自律神経障害はみられない。
4. 呼吸筋麻痺はみられない。
5. 再発と寛解とを繰り返す。

解答2

解説

”Guillain-Barré症候群とは?”

Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群は、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。一般的には細菌・ウイルスなどの感染があり、1~3週後に両足の筋力低下(下位運動ニューロン障害)や異常感覚(痺れ)などで発症する。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。初期症状として、歩行障害、両手・腕・両側の顔面筋の筋力低下、複視、嚥下障害などがあり、これらの症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要になる。症状が軽い場合は自然に回復するが、多くの場合は入院により適切な治療(免疫グロブリン静注療法や血液浄化療法など)を必要とする。症状は6か月から1年程度で寛解することが多い。臨床検査所見として、①髄液所見:蛋白細胞解離(蛋白は高値,細胞数は正常)を示す。②電気生理学的検査:末梢神経伝導検査にて、脱神経所見(伝導ブロック、時間的分散、神経伝導速度の遅延、複合筋活動電位の低下など)がみられる。複合筋活動電位が消失あるいは著明な低下し、早期から脱神経所見を示す症例は、一般に回復が悪く機能的予後も不良である。

(※参考:「重篤副作用疾患別対応マニュアル ギラン・バレー症候群」厚生労働省様HPより)

1.× 顔面神経麻痺からではなく、多くは下肢のしびれふらつきから発症する。
2.〇 正しい。髄液中の蛋白が上昇する。髄液は、蛋白が上昇するにもかかわらず細胞数は変化しない蛋白細胞解離がみられる。
3.× 自律神経障害(頻脈、高血圧、起立性低血圧など)がみられる。
4.× 呼吸筋麻痺がみられ、重症例では人工呼吸器管理となる。
5.× 再発と寛解とを繰り返すのは、多発性硬化症の特徴である。Guillain-Barré症候群は、発症後2週間以内にピークとなり、数週~数か月以内に治癒することが多い。

多発性硬化症とは?

 多発性硬化症は、中枢神経系の慢性炎症性脱髄疾患であり、時間的・空間的に病変が多発するのが特徴である。病変部位によって症状は様々であるが、視覚障害(視神経炎)を合併することが多く、寛解・増悪を繰り返す。視力障害、複視、小脳失調、四肢の麻痺(単麻痺、対麻痺、片麻痺)、感覚障害、膀胱直腸障害、歩行障害、有痛性強直性痙攣等であり、病変部位によって異なる。寛解期には易疲労性に注意し、疲労しない程度の強度及び頻度で、筋力維持及び強化を行う。脱髄部位は視神経(眼症状や動眼神経麻痺)の他にも、脊髄、脳幹、大脳、小脳の順にみられる。有痛性強直性痙攣(有痛性けいれん)やレルミット徴候(頚部前屈時に背部から四肢にかけて放散する電撃痛)、ユートホフ現象(体温上昇によって症状悪化)などが特徴である。若年成人を侵し再発寛解を繰り返して経過が長期に渡る。視神経や脊髄、小脳に比較的強い障害 が残り ADL が著しく低下する症例が少なからず存在する長期的な経過をたどるためリハビリテーションが重要な意義を持つ。

(参考:「13 多発性硬化症/視神経脊髄炎」厚生労働省様HPより)

 

 

 

 

 

94 大腸癌について誤っているのはどれか。

1. 食生活が発症に影響する。
2. 組織型は腺癌が最も多い。
3. 転移は肺転移が最も多い。
4. 我が国では胆管癌より有病率が高い。
5. 便潜血陽性が診断上重要な所見である。

解答3

解説

1.〇 正しい。食生活が発症に影響する。特に高脂肪食が危険因子である。
2.〇 正しい。組織型は腺癌が最も多い。約95%が高~中分化腺癌である。
3.× 転移は、肺転移ではなく、肝転移(血行転移)が最も多い。
4.〇 正しい。我が国では胆管癌より有病率が高い。大腸癌は、男性では1位:胃癌、2位:肺癌、3位:大腸癌である。女性は、1位:乳癌、2位:大腸癌である。胆管癌は、2~3%である。
5.〇 正しい。便潜血陽性が、早期発見の診断上重要な所見である。確定診断には、大腸内視鏡検査が有用である。

 

 

 

 

 

95 肝硬変の患者が多量の吐血をした場合の原因として可能性が高いのはどれか。

1. 出血性胃炎
2. 吻合部潰瘍
3. 食道静脈瘤
4. アカラシア
5. 逆流性食道炎

解答3

解説

 肝硬変は、門脈の血流がうっ滞し、その側副血行路である胃・食道静脈に瘤が生じやすい。その瘤が破裂した場合には大量吐血をきたす。よって、選択肢3.食道静脈瘤が正しい。

 

1~2.× 出血性胃炎/吻合部潰瘍は、食道静脈瘤ほどの大量出血まで至らない。
4.× アカラシアとは、食道が狭窄する疾患である。主症状は嚥下障害であり、出血とは関係がない。
5.× 逆流性食道炎は、胃内容物が食道に逆流する疾患である。主症状は食後の胸やけであり、出血とは関係がない。

 

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