第50回(H27) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題86~90】

 

86 HIV(ヒト免疫不全ウイルス)について誤っているのはどれか。

1. HIV感染によりニューモシスチス・カリニ肺炎の発症率が上昇する。
2. AIDS(後天性免疫不全症候群)はHIV感染によって生じる。
3. AIDS発症の抑制に有効な治療薬がある。
4. HIVは喀痰から感染する危険が高い。
5. HIVはTリンパ球を死滅させる。

解答4

解説

1.〇 正しい。HIV感染によりニューモシスチス・カリニ肺炎の発症率が上昇する。ニューモシスチス・カリニ肺炎は日和見感染症のーつである。HIV感染→AIDSにて免疫不全になるため、日和見感染症は発症しやすい。
2.〇 正しい。AIDS(後天性免疫不全症候群)は、HIV感染によって生じる。HIVは、CD4陽性Tリンパ球をはじめとする細胞に感染し、破壊・減少させることで、細胞性免疫不全を主体とするAIDS(後天性免疫不全症候群)を引き起こす。
3.〇 正しい。AIDS発症の抑制に有効な治療薬(多剤併用療法:ART、HAART)がある。
4.× HIVは喀痰ではなく、性行為、感染者の血液の輸血、注射針の使いまわし、母子感染などといった体液を介して感染する危険が高い。
5.〇 正しい。HIVはTリンパ球を死滅させる。HIVは、CD4陽性Tリンパ球をはじめとする細胞に感染し、破壊・減少させることで、細胞性免疫不全を主体とするAIDS(後天性免疫不全症候群)を引き起こす。

 

 

 

 

 

87 原始反射とその説明の組合せで正しいのはどれか。

1. Moro反射 — 両上肢の挙上
2. 緊張性迷路反射 — 腹臥位での四肢の伸展
3. 非対称性緊張性迷路反射 — 顔を向けた側の上下肢屈曲
4. Galant反射 — 刺激側が凸になる体幹の側屈
5. 台のせ反応 — 刺激側足関節の底屈

解答1

解説

1.〇 正しい。Moro反射は、両上肢の挙上である。背臥位の子どもの後頭部に手をやって15 cmほど頭を持ち上げ、頭を落下させると、両上肢が伸展、外転し、続いて内転が起こる。
2.× 緊張性迷路反射は、腹臥位での四肢の伸展ではなく、屈曲である。背臥位では伸展緊張が促通され、腹臥位では屈曲緊張が促通される。新生児を抱えて、一方の下肢を支え、他方の足背を机の端にこすり上げると、刺激した下肢が屈曲し、足を机の上に持ち上げる。
3.× 非対称性緊張性迷路反射(ATNR:非対称性緊張性頸反射)は、顔を向けた側の上下肢屈曲ではなく、伸展である。背臥位にした子どもの顔を他動的に一方に回すと、頸部筋の固有感覚受容器の反応により、顔面側の上下肢が伸展し、後頭側の上下肢が屈曲する。
4.× Galant反射は、刺激側が凸ではなく、凹になる体幹の側屈である。脊柱の外側に沿って上から下へこすると刺激側の背筋が収縮して側屈する。
5.× 台のせ反応は、刺激側足関節の底屈ではなく、背屈である。新生児を抱えて、一方の下肢を支え、他方の足背を机の端にこすり上げると、刺激した下肢が屈曲し、足を机の上に持ち上げる。

 

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

【暗記用】姿勢反射を完璧に覚えよう!

 

 

 

 

 

88 小児の正常発達で最も早く可能になるのはどれか。

1. 手掌握り
2. 高這い移動
3. 1人で座る
4. つかまり立ち
5. バイバイをする

解答1

解説

1.〇 正しい。手掌握りである。尺側握り(3か月~)→手掌握り(6か月~)→橈側握り(8か月~)である。
2.× 高這い移動(膝をつけず両手両足を使って移動する方法)はハイハイのーつであり、ハイハイ自体は8か月頃に可能になる。
3.× 1人で座るは、7か月頃に可能になる。
4.× つかまり立ちは、9か月頃に可能になる。
5.× バイバイをするは、10か月頃に可能になる。

 

 

 

 

 

89 加齢に伴い増加するのはどれか。

1. 速筋線維
2. ビタミンD
3. 成長ホルモン
4. a運動神経細胞
5. 炎症性サイトカイン

解答5

解説

1.× 速筋線維(白筋)は、瞬発的な収縮が可能である。加齢に伴い減少する。
2.× ビタミンDは減少する。なぜなら、ビタミンDは紫外線により皮膚で合成、または食べ物から摂取後、腸管から吸収され、腎臓で活性型に変換されるが、加齢にも伴い摂食量の低下や、外出機会の減少(紫外線を浴びる機会の減少)のため。
3.× 成長ホルモンは減少する。なぜなら、成長ホルモンは成長期に多くされ加齢に伴い減少する特徴を持つため。
4.× a運動神経細胞は、筋を直接支配し収縮を引き起こす遠心性の神経線維である。加齢に伴い変化がないこともあるが、筋萎縮などが原因で減少することがある。少なからず増加することはない。
5.〇 正しい。炎症性サイトカインは加齢に伴い増加する。炎症反応を促進する働きを持つサイトカインのことである。 免疫に関与し、細菌やウイルスが体に侵入した際に、それらを撃退して体を守る重要な働きをする。増加した結果、動脈硬化、メタボリックシンドロームなど、老化に関連した疾患の頻度も増加する。

 

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

理学療法士国家試験 加齢に伴う生理学的変化についての問題7選「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

90 骨折の名称と部位の組合せで正しいのはどれか。

1. Monteggia骨折 — 上腕骨
2. Cotton骨折 — 橈骨
3. Malgaigne骨折 — 骨盤
4. Jefferson骨折 — 大腿骨
5. Bennett骨折 — 脛骨

解答3

解説

1.× Monteggia骨折(モンテジア骨折)は、上腕骨ではなく、尺骨骨幹部骨折橈骨頭の脱臼が同時に起きたものである。
2.× Cotton骨折(コットン骨折)は、橈骨ではなく、足関節果部骨折のうち、内果・外果・後果の三果の同時骨折(脛骨・腓骨の同時骨折)を指す。
3.〇 正しい。Malgaigne骨折(マルゲーニュ骨折)は、骨盤の不安定骨折である。
4.× Jefferson骨折(ジェファーソン骨折)は、大腿骨ではなく、第一頸椎(環椎)の前弓・後弓の破裂骨折(椎体の前方の壁だけではなく、後方の壁も割れる骨折で、脊髄症状を生じる骨折)を指す。
5.× Bennett骨折(ベネット骨折)は、脛骨ではなく、第1中手骨基部の関節内骨折である。

 

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