第50回(H27) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題81~85】

 

81 訓練療法はどれか。

1. 催眠療法
2. 絵画療法
3. 森田療法
4. 精神分析療法
5. 来談者中心療法

解答3

解説

1.× 催眠療法は、暗示操作によって患者を特殊な意識状態に導き、その状態で教示を与えた後に覚醒させ、症状を改善するものである。
2.× 絵画療法は、患者に絵を描いてもらい、言語化できない患者の精神内界を表現させる。それについて患者と言語的あるいは非言語的に交流することにより症状の改善を図るものである。
3.× 森田療法は、目的・行動本位の作業を繰り返すことにより、症状にとらわれず、症状をあるがままに受け入れながら生活できるようにする方法である。訓練療法とは、治療者が患者に直接的な指導を行うことにより、適応的な行動がとれるようにするものである。代表例が森田療法である。
4.〇 正しい。精神分析療法は、患者の心に浮かんだ一連の連想から心の奥底を分析する方法である。自由連想法が用いられる。
5.× 来談者中心療法は、治療者が来談者を権威で従属させることなく、来談者の話を聞き、来談者自らが洞察を得るように導く。

 

 

 

 

 

82 院内感染対策として適切でないのはどれか。

1. 二次感染の防止
2. 感染経路の把握
3. ガウンテクニック
4. 抗菌薬の予防的投与
5. 院内ガイドラインの作成

解答4

解説

1.〇 正しい。二次感染(ある病原体に感染した人から他の人に感染すること)の防止は、院内感染対策である。
2.〇 正しい。感染経路の把握は、院内感染対策である。感染経路には、①経気道感染、②経胎盤感染、③経産道感染(出産時)などがある。病原体によってそれぞれ感染経路を有しているため感染経路を把握することは必要である。
3.〇 正しい。ガウンテクニックは、院内感染対策である。ガウンテクニックとは、ガウン(予防衣)の着用により感染を防ぐことである。
4.× 抗菌薬の予防的投与は、院内感染対策にならない。抗菌薬の予防投与は、耐性菌を出現させる働きを持つが、デメリットとして菌交代現象(細菌が増殖し病原性を持つようになる現象)のため、易感染患者が出るおそれがある。
5.〇 正しい。院内ガイドラインの作成は、院内感染対策である。院内ガイドラインとは、院内感染対策を標準化できるように作成しているもの。

 

 

 

 

 

83 介護保険法の特定疾病に含まれるのはどれか。

1. 筋ジストロフィー
2. 多発性硬化症
3. 多発性筋炎
4. ポリオ後症候群
5. Parkinson病

解答5

解説

全16疾患ある。特定疾患の特徴として、身体上または精神上の障害で、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病である。

 

1~4.× 筋ジストロフィー/多発性硬化症/多発性筋炎/ポリオ後症候群は、加加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病でないため、特定疾患に含まれていない。
5.〇 正しい。Parkinson病は、介護保険法の特定疾患である。

 

 

 

 

 

84 出血部位と出現しやすい症候の組合せで正しいのはどれか。

1. 被殻 — 作話
2. 皮質下 — 複視
3. 視床 — 注意障害
4. 小脳 — 反響言語
5. 橋 — 半側空間無視

解答3

解説

1.× 被殻出血の特徴的症状は、①病側の共同偏視、②優位半球障害時に運動失語、③劣位半球障害時に失行・失認などである。作話(欠如した記憶を埋めるために周囲の情報から虚構の話をつくる)は、主にKorsakoff症候群(コルサコフ症候群)などでみられ、これはビタミンB1の欠乏によって起こる。
2.× 皮質下出血の特徴的症状は、①頭痛、②発生部位に一致した症状(高次脳機能)が現れる。複視(ものが二重に見える)は、外眼筋麻痺やMLF(内側縦束)症候群などの脳幹の障害で見られる。
3.〇 正しい。視床出血の特徴的症状は注意障害が出現しやすい。他にも、①対側の片麻痺、②感覚障害、③錐体路徴候が現れる。注意障害(注意散漫、集中困難といった症状の総称)は、右大脳半球(劣位半球)の前頭葉一下部頭頂葉一視床と脳幹のネットワークが関与している。
4.× 小脳出血の特徴的症状は、①回転性めまい、②嘔吐、③歩行障害などが現れる。反響言語(オウム返しのように検者が言った言葉を繰り返す)は、前頭側頭型認知症で特徴的な症状である。
5.× 橋出血の特徴的症状は、①突然の意識障害、②眼球の正中位固定、③縮瞳などが現れる。半側空間無視(大脳半球の障害により一側からの情報を認識できなくなる症状)とは、劣位半球頭頂葉の障害でみられる。

 

 

 

 

 

85 結核について正しいのはどれか。

1. 病変は肺に限局する。
2. 菌は胃酸の中では死滅する。
3. 初期から閉塞性換気障害を呈する。
4. 我が国では新規発症は年間100例未満である。
5. 診断した医師は保健所に届け出なければならない。

解答5

解説

1.× 病変は肺だけでなく、結核は全身のいろいろなところに病気を作るのが特徴(肺外結核)。
2.× 菌(結核菌)は、酸性の強い胃液中でも生存可能である。
3.× 初期から閉塞性換気障害ではなく、拘束性換気障害を呈する。なぜなら、肺野に滲出性病変(しんしゅつせい:血管の透過性が高まり、血液や組織液が病巣に出てくる)や乾酪性病変(かんらくせい:生物組織の壊死の一形態)を来すため。
4.× 我が国では新規発症は、年間100例未満ではなく、年間約2万ほどある。
5.〇 正しい。診断した医師は保健所に届け出なければならない。なぜなら、結核は2類感染症に指定されているため。

 

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