第50回(H27) 理学療法士国家試験 解説【午前問題36~40】

 

36 膝離断義足のソケットの利点で誤っているのはどれか。

1. 断端での体重負荷が可能
2. 膝継手の設定の簡便性
3. 回旋方向の安定性
4. 前後方向の安定性
5. 良好な懸垂機能

解答2

解説

1.〇 正しい。断端での体重負荷が可能である。
2.× 膝継手の設定は、簡便(簡単で便利)ではなく、設定が多く難しく面倒である。膝継手は、膝関節以上で切断した場合に必要となり、膝の役割を果たす。膝離断は、膝継手の位置や種類が限定される。
3~5.〇 正しい。回旋方向の安定性/前後方向の安定性/良好な懸垂機能は、利点である。膝離断は、近位部よりも大腿骨顆部に膨隆があり、懸垂や回旋防止など、義足の安定化を図ることができる。

個人的な意見と要望です(+_+)

 利点・欠点とは、「良いところと悪いところ ・ 強みと弱み」といった意味です。私は、利点・欠点は比較対象があって初めて使える言葉だと考えています。今回の問題のように、ソケットの利点は?と聞かれても、何と比較しての利点なのだろうか?と考えてしまいます。今回の問題の答え、選択肢2. 膝継手の設定の簡便性も、足継手・股継手・肘継手どれと比べての簡便性なのか?、また高齢者・小児・健常者など人によっても簡便性の定義が異なります。つまり、曖昧さが強い問題であるような気がして、この問題は個人的に嫌いです・・・( ;∀;)笑。正直、解説を書いてみましたが、うまく説明できているのかも分かりません・・・。もしうまく説明できる方いたらコメント欄にて教えてください。

 

 

 

 

 

37 尺骨神経麻痺による鷲手変形に対する上肢装具はどれか。

1. ナックルベンダー
2. パンケーキ型装具
3. Thomas型懸垂装具
4. Oppenheimer型装具
5. Rancho型長対立装具

解答1

解説

1.〇 正しい。ナックルベンダーは、尺骨神経麻痺による鷲手変形に対する上肢装具である。
2.× パンケーキ型装具は、脳血管障害による痙性手や、上腕骨顆上骨折後のフォルクマン拘縮などに対する上肢装具である。
3.× Thomas型懸垂装具(トーマス型懸垂装具)は、橈骨神経麻痺による下垂手に対する上肢装具である。
4.× Oppenheimer型装具(オッペンハイマー型装具)は、橈骨神経麻痺による下垂手に対する上肢装具である。
5.× Rancho型長対立装具(ランチョ型型長対立装具:長対立スプリント)は、正中神経麻痺による猿手に対する上肢装具である。

 

 

 

 

 

38 小児疾患と補装具の組合せで正しいのはどれか。

1. 二分脊椎 — Denis Browne スプリント
2. Perthes病 — 股関節外転装具
3. 大腿骨頭すべり症 — 交互歩行装具(RGO)
4. 発育性股関節形成不全 — S.W.A.S.H.装具(standing, walking and sitting hip orthosis)
5. Duchenne型筋ジストロフィー — 背屈制限付短下肢装具

解答2

解説

1.× Denis Browne スプリントは、二分脊椎ではなく、先天性内反足に用いられ、尖足・内反足・内転足・下腿内捻などの変形を矯正する装具である。
2.〇 正しい。股関節外転装具は、Perthes病で適応となる。Perthes病は、股関節外転免荷装具・トロント装具を用いる。大腿骨頭が常に寛骨臼に収まるように保持し、大腿骨頭の形態を保つようにする働きを持つ。
3.× 交互歩行装具(RGO)は、大腿骨頭すべり症ではなく、二分脊椎などの対麻痺患者に用いる。大腿骨頭すべり症は、手術適応である。
4.× S.W.A.S.H.装具(standing, walking and sitting hip orthosis)は、発育性股関節形成不全ではなく 、脳性麻痺児にみられる”はさみ肢位”に対する股関節装具である。屈曲位で外転角度が強くなるため、座位での補正がより安定する。発育性股関節形成不全は、リーメンビューゲル装具を用いる。
5.× 背屈制限付短下肢装具は、Duchenne型筋ジストロフィーではなく、主に立脚時の膝伸展補助(膝折れ予防)を必要とする患者に用いられる。Duchenne型筋ジストロフィーは、体幹・近位筋の筋力低下から進行するため、長下肢装具を用いる。

 

 

 

 

 

39 運動負荷テストによって得られた最大酸素摂取量が2.10L/分であった。
 最大運動時の代謝当量(METs)はどれか。
 ただし、被検者の体重は50.0kg とする。

1. 6METs
2. 8METs
3. 10METs
4. 12METs
5. 14METs

解答4

解説

 代謝当量(METs)の単位は、「1MET = 3.5mL/min/kg」である。

計算で表すと、MET = 酸素摂取量/3.5mL/min/kg で表せる。

次に、非検査の体重と最大運動時の1分当たりの酸素消費量は、

2.10L/min ÷ 50kg

=0.042L/min/kg

=42mL/min/kg

よって、

MET= 42mL/min/kg ÷ 3.5mL/min/kg

  =12METs

したがって、選択肢4.12METsが正しい。

 

 

 

 

 

40 運動後に低血糖症状を起こしやすい薬物治療中の糖尿病患者への運動療法として適切なのはどれか。

1. 段階的に運動量を増やす。
2. 運動の頻度を週1回とする。
3. 食後30分以内に運動を開始する。
4. インスリン注射直後に運動を開始する。
5. 高強度の筋力トレーニングを主体とする。

解答1

解説

1.〇 正しい。段階的に運動量を増やす。なぜなら、急激に運動をすると低血糖になりやすいため。
2.× 運動の頻度を週1回ではなく、週3回以上とする。その方が、定期的な有酸素運動によりインスリン抵抗性が改善するため。
3.× 食後30分以内ではなく、食後1時間後に運動を開始する。食後1時間後は、血糖が最も高くなるため運動開始に適している。
4.× インスリン注射直後に運動開始は適切ではない。なぜなら、食前インスリン注射直後の運動は、低血糖を生じる危険があるため。
5.× 高強度の筋力トレーニングではなく、有酸素運動(Borg指数11~13の「楽である~ややきつい」程度の運動)を主体とする。30分以上の有酸素運動が効果的であり、具体例としてウォーキング水泳自転車エルゴメーターなどが推奨される。

 

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