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81 前頭葉機能検査はどれか。
1. SCT
2. TEG
3. MMPI
4. MMSE
5. WCST
解答5
解説
1.× SCT(Sentence Completion Test:文章完成テスト)は、人格全般を調べる検査である。用紙にはいくつかの単語や未完成の短文があり、その続きを患者が書き込み、文章を完成させ、そこから患者の人格を読み取る形式である。
2.× TEG(Tokyo University Egogram:東大式エゴグラム)は、個人の人格を知ることに特化している検査である。53の質問項目からなり、被験者の回答によりエゴ(自我)の状態を調べる。
3.× MMPI(Minnesota Multiphasic Personality Inventory:ミネソタ多面人格目録)は、質問紙法による人格検査である。550の項目にyes/noで答えさせる。
4.× MMSE(Mini-Mental State Examination)は、認知障害(認知症、せん妄、健忘性障害)の検査である。
5.〇 正しい。WCST(Wisconsin Card Sorting Test:ウィスコンシンカード分類テスト)は、前頭葉の機能を調べる検査であり、主に高次脳機能障害の評価に用いられる。4つの色と形が描かれた4枚のカードがあらかじめ並べられていて、被験者が手元にあるカードを分類カテゴリーに従って順次並べていくものである。
82 病態と薬物療法の組合せで正しいのはどれか。
1. 肩手症候群 ― 免疫グロブリン製剤
2. 視床痛 ― A型ボツリヌス毒素製剤
3. 症候性てんかん ― 抗血小板薬
4. 深部静脈血栓症 ― 抗凝固薬
5. 夜間せん妄 ― 睡眠導入薬
解答4
解説
1.× 肩手症候群は、「免疫グロブリン製剤」ではなく、主にステロイド(炎症抑制)などが使われる。免疫グロブリン製剤は、抗生物質では効かない重い感染症、血小板が減少する病気、川崎病などで使用される。
2.× 視床痛(脳卒中などで視床が障害された後、数週から数か月経過して病側と対側の上下肢に生じる焼けつくような痛みのこと)に対する薬物療法は現在確立されていない(薬物に対して保険適応外である)。A型ボツリヌス毒素製剤は、眼瞼や片側顔面痙攣、脳卒中や脳性麻痺の痙縮を軽減する目的に用いられる。
3.× 症候性てんかんは、「抗血小板薬」ではなく抗てんかん薬が用いられる。抗血小板薬は、血栓形成予防に用いられる。
4.〇 正しい。深部静脈血栓症は、抗凝固薬(ヘパリン持続静注)などが行われる。
5.× 夜間せん妄は、「睡眠導入薬」ではなく抗精神病薬を用いる。睡眠導入薬は、不眠症などに用いられる。
83 臥床による筋への影響として正しいのはどれか。
1. 最大筋腹の太さは保たれる。
2. 手内筋は数日で著明な筋力低下が生じる。
3. 上肢筋に比べ下肢筋で筋力低下が大きい。
4. 下肢筋では1週間に50%の筋力低下が生じる。
5. 筋細胞膜のアセチルコリン感受性の増強が生じる。
解答3
解説
1.× 最大筋腹の太さは細くなる。なぜなら、臥床により筋線維径が萎縮するため。
2.× 手内筋(小さな筋)の筋力低下は、比較的保たれやすい。手内筋よりも抗重力筋(大きな筋)の方が、著明な筋力低下を認める。
3.〇 正しい。上肢筋に比べ下肢筋で筋力低下が大きい。なぜなら、上肢筋より下肢筋の方が抗重力筋が多く存在するため。
4.× 下肢筋では1週間に、「50%」ではなく、10~15%の筋力低下が生じる。ちなみに、臥床期間(寝たきり期間)が、1週間で20%程度、3~4週間で50%以上の筋力低下を起こす。
5.× 筋細胞膜のアセチルコリン感受性の増強は、神経原性筋萎縮(筋肉そのものに原因があって、筋肉が萎縮したり、力が弱くなったりする病気は筋原性疾患)の場合に生じる。代表的な疾患は、筋ジストロフィーである。
神経原性筋萎縮とは、脊髄の運動ニューロン(脊髄の前角にある運動性神経細胞)や脊髄から出る末梢神経が障害されて筋肉が萎縮する状態の病気である。筋萎縮性側索硬化症があげられる。
筋原性疾患とは、筋肉そのものに原因があって、筋肉が萎縮したり、力が弱くなったりする病気である。筋ジストロフィーがあげられる。
84 抗Parkinson病薬の長期投与によって生じうる症状として誤っているのはどれか。
1. 高血圧
2. on-off現象
3. 精神症状の出現
4. wearing-off現象
5. 不随意運動の増強
解答1
解説
1.× 「高血圧」ではなく、(起立性)低血圧が副作用である。
2.〇 正しい。on-off現象(治療薬の服薬時間や血中濃度によらず、急激な症状の増悪と軽快が繰り返される現象)は、長期治療による合併症の一つである。
3.〇 正しい。精神症状の出現(不安、うつ、幻覚、妄想など)は、L-dopaの長期使用による副作用である。
4.〇 正しい。wearing-off現象(薬効時間が短縮し、内服してから短時間でパーキンソニズムが出現する現象)は、抗Parkinson病薬の長期使用による副作用である。
5.〇 正しい。不随意運動の増強(ジスキネジアなど)は、長期使用による副作用である。以前、L-dopaの長期投与によるものと考えられていたが、近年は線条体シナプスの変性によると考えられている。
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85 改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査(JDDST-R)において90%通過率が6〜8か月なのはどれか。
1. 手に持ったビスケットを自分で食べる。
2. 手に持ったコップから自分で水を飲む。
3. 声(呼びかけ)に振り向く。
4. つたい歩きができる。
5. 人の顔を見つめる。
解答1
解説
1.〇 正しい。手に持ったビスケットを自分で食べるのは、7~8か月である。
2.× 手に持ったコップから自分で水を飲むのは、15~16か月である。
3.× 声(呼びかけ)に振り向くのは、5~6か月である。
4.× つたい歩きができるのは、11か月である。
5.× 人の顔を見つめるのは、1か月である。