第48回(H25) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題76~80】

 

76 重症筋無力症を合併することが多いのはどれか。

1.肺癌
2.乳癌
3.中皮腫
4.胸腺腫
5.食道癌

解答4

解説

 

重症筋無力症とは?

 重症筋無力症とは、末梢神経と筋肉の接ぎ目(神経筋接合部)において、筋肉側の受容体が自己抗体により破壊される自己免疫疾患のこと。全身の筋力低下、易疲労性が出現し、特に眼瞼下垂、複視などの眼の症状をおこしやすいことが特徴(眼の症状だけの場合は眼筋型、全身の症状があるものを全身型と呼ぶ)。嚥下が上手く出来なくなる場合もある。重症化すると呼吸筋の麻痺をおこし、呼吸困難を来すこともある。日内変動が特徴で、午後に症状が悪化する。クリーゼとは、感染や過労、禁忌薬の投与、手術ストレスなどが誘因となって、急性増悪し急激な筋力低下、呼吸困難を呈する状態のことである。
【診断】テンシロンテスト、反復誘発検査、抗ACh受容体抗体測定などが有用である。
【治療】眼筋型と全身型にわかれ、眼筋型はコリンエステラーゼ阻害 薬で経過を見る場合もあるが、非有効例にはステロイド療法が選択される。胸腺腫の合併は確認し、胸腺腫合併例は、原則、拡大胸腺摘除術を施行する。難治例や急性増悪時には、血液浄化療法や免疫グロブリン大量療法、ステロイド・パルス療法が併用 される。

(※参考「11 重症筋無力症」厚生労働省HPより)

1.× 肺癌がみられる神経筋接合部疾患は、重症筋無力症ではなく、Lambert-Eaton症候群(ランバート・イートン症候群)である。
2.5.× 重症筋無力症を合併することが多いのは、乳癌/食道癌ではなく、胸腺腫である。
3.× 中皮腫は、アスベスト(石綿)の吸入歴のある人にみられやすい。重症筋無力症と直接的な因果関係は薄い。
4.〇 正しい。胸腺腫である。胸腺腫の有無で治療法が変わってくるため非常に大切な合併症である。

 

 

 

 

 

77 ウイルスによる感染症はどれか。

1.トキソプラズマ症
2.ジフテリア
3.カンジダ症
4.トラコーマ
5.帯状疱疹

解答5

解説

1.× トキソプラズマ症とは、トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)による原虫感染症である。
2.× ジフテリアは、ジフテリア菌が原因となる。
3.× カンジダ症は、カンジダ属の真菌(かび)による感染症である。
4.× トラコーマは、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis:細菌)によって引き起こされる長期に渡る結膜の炎症である。
5.〇 正しい。帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスが原因であり、水痘の回帰感染である。

 

 

 

 

 

78 くる病の症状でないのはどれか。(※不適切問題:採点対象外)

1.低身長
2.漏斗胸
3.骨痛
4.円背
5.O脚

解答 解答なし(採点対象外)
理由:選択肢において正解を得ることが困難であるため。

解説

くる病とは?

くる病とは、小児期に見られる骨の石灰化不全であり、主に成長障害と骨の弯曲が起こる疾患である。ビタミンDの代謝あるいは感受性の障害により、骨に石灰化が起こらず、強度が不足する病気である。 成人期ではビタミンD依存性骨軟化症と呼ばれる。小児期には成長も障害され、骨X線検査で特徴的な所見を呈し、ビタミンD依存性くる病とも呼ばれる。

1.低身長は、くる病の症状である。低身長は、骨端軟骨の成長が障害されるため生じる。
2.漏斗胸は、くる病の症状である。漏斗胸とは、前胸壁が陥没し、あたかも漏斗のような外観を示す変形である。骨強度の減弱により生じる
3.骨痛は、くる病の症状である。骨痛は、骨折などに生じる直接的な症状である。狂病は、骨強度の減弱により、骨折しやすく骨痛の原因となる。
4~5.円背/O脚は、くる病の症状である。円背・O脚は、成長障害により骨が変形しやすくなるため生じる。

骨軟化症

骨軟化症は、骨化の過程における石灰化障害が生じた結果、石灰化していない骨基質が増加し、骨強度が減弱することにより生じる。骨端線閉鎖前の小児期に発症したものをくる病という。

 

 

 

 

 

 

79 葛藤が麻痺や失声などの神経症状となって現れるのはどれか。

1.解離
2.昇華
3.心気
4.転換
5.抑圧

解答4

解説

 葛藤とは、1人の人間が2つ以上の相反する感情を同時に持つ不安定な状態をいう。この状態が長く続くことに人は耐えられないので、何らかの「心の働き」により葛藤を解消しようとする。これを「防衛機制」という。

 

1.× 解離とは、意識あるいは人格の統合性が一時的に失われた状態である。
2.× 昇華とは、強い性衝動や支配欲など、社会的に不適応になりうる欲求を社会的・文化的に、より価値の高い目標に向け変えることである。
3.× 心気とは、器質的な要因が存在しないにもかかわらず、重い病気にかかっているのではないか、自分自身の外見に醜形・奇形などが存在するのではないか、などのとらわれがあり、現在の症状の基底に身体疾患や異常が存在しないという、数人の異なる医師の保証を受け入れようとしないことである。
4.〇 正しい。転換は、葛藤が麻痺や失声などの神経症状となって現れる。転換とは、自分では解決できないストレスや葛藤、欲求不満や、精神的につらい出来事が引き金となり、それが知覚・運動障害などに置き換えられる障害である。
5.× 抑圧とは、欲求・願望などを無意識のうちに抑えつけることである。

 

 

 

 

 

80 Eriksonによる発達段階と獲得すべき課題の組合せで正しいのはどれか。

1.学童期:親密
2.青年期:生産性
3.成人期:勤勉性
4.中年期:同一性
5.老年期:統合

解答5

解説

1.× 学童期は、親密ではなく、勤勉である。親密は、成人期である。
2.× 青年期は、生産性ではなく、同一性である。生産性(生殖性)は、中年期である。
3.× 成人期は、勤勉性(学童期)ではなく、親密である。勤勉性は、学童期である。
4.× 中年期は、同一性ではなく、生殖性である。同一性は、青年期である。
5.〇 正しい。老年期は、統合である。

エリクソン発達理論

乳児期(0歳~1歳6ヶ月頃):基本的信頼感vs不信感
幼児前期(1歳6ヶ月頃~4歳):自律性vs恥・羞恥心
幼児後期(4歳~6歳):積極性(自発性)vs罪悪感
児童期・学童期(6歳~12歳):勤勉性vs劣等感
青年期(12歳~22歳):同一性(アイデンティティ)vs同一性の拡散
前成人期(就職して結婚するまでの時期):親密性vs孤立
成人期(結婚から子供が生まれる時期):生殖性vs自己没頭
壮年期(子供を産み育てる時期):世代性vs停滞性
老年期(子育てを終え、退職する時期~):自己統合(統合性)vs絶望

 

2 COMMENTS

大川 純一

コメントありがとうございます。
分かりにくくなっていたため解説を修正致しました。
不適切問題であるため、明確な解説は書けないのですが、わかる方いらっしゃったらコメント欄にて教えてください。
今後ともよろしくお願いいたします。

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