第48回(H25) 理学療法士国家試験 解説【午後問題1~5】

 

※問題の引用:第48回理学療法士国家試験、第48回作業療法士国家試験の問題および正答について

※注意:著者は理学療法士で、解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究・自己研鑽のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。またコメントにて解き方等教えてくださると幸いです。

 

 

1 Danielsらの徒手筋力テストで正しいのはどれか。2つ選べ。(不適切問題:解3つ)

1.肩関節屈曲
2.肩関節外転
3.肘関節屈曲
4.股関節伸展
5.膝関節伸展

解答1/3/4

解説

1.〇 正しい。肩関節屈曲(前方挙上)は、図のように患者は前腕回内位で、体幹が動かないよう行う。
2.× 肩関節外転(側方挙上)は、代償運動(体幹の反対側への側屈)が出ないように行う。
3.〇 正しい。肘関節屈曲は、図のように行える。前腕回内位(上腕筋)・中間位(腕橈骨筋)・回外位(上腕二頭筋)で行える。
4.〇 正しい。股関節伸展は、図のように腹臥位で、腸骨の上後腸骨棘の部分に当てて骨盤を固定する。
5.× 膝関節伸展は、膝関節屈筋群の緊張をゆるめるために、患者に身体を後ろに傾けさせるのが良い。

 

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理学療法士国家試験 ROMについての問題6選「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

2 体幹屈筋群が最も活動する肢位はどれか。

解答5

解説

 力(下肢の重さ)は変わらないことから、股関節から下肢の重心位置までの垂直距離が長くなるのが一番、股関節伸展モーメント(トルク)が大きくなり、それに抗するように体幹屈筋群が働く。モーメント(トルク)を求めるには、【M= F×l】で求められる。(M:モーメント[N・m]、F:力[N]、l:距離(下腿の長さ)[m])である。したがって、重心線までの垂直距離が長い選択肢5が正解となる。

 

 

 

 

 

3 関節可動域の測定結果を表に示す。
 この結果から判定できるのはどれか。

1.右ハムストリングスに筋力低下がある。
2.右ハムストリングスに収縮時痛がある。
3.筋以外の関節軟部組織の疼痛はない。
4.右大腿直筋の伸張痛はない。
5.右大腿直筋の短縮はない。

解答1

解説

1.〇 正しい。右ハムストリングスに筋力低下がある。なぜなら、股関節伸展位の自動可動域と他動可動域の測定差が顕著であるため。
2.× 右ハムストリングスに収縮時痛はない。なぜなら、股関節伸展位の自動可動域時に痛みが伴っていないため。
3.× 筋以外の関節軟部組織の疼痛の確実な判断は行えない。なぜなら、検査結果に痛み(P)が発生しているのは分かるが、どこがどのようにまた、どれぐらいの強さかなどが記載されていないためである。
4~5.× 右大腿直筋の伸張痛はある。/右大腿直筋の短縮はある。なぜなら、自動・他動(特に他動)において疼痛が認められているため。

 

 

 

 

 

4 心電図(下図)を別に示す。
 異常の原因となっている部位はどれか。

1.心房
2.洞結節
3.ヒス束
4.房室結節
5.プルキンエ線維

解答4

解説

 本症例の心電図は、P波とQRS波の出現するタイミングのずれ(PR間隔が徐々に延長)がみられる。また、P波の一部がその前のT波に被っている。最後に、心室興奮を示すQRS波が脱落し、これを繰り返しているため、2度房室ブロック(ウェルニッケ型:モビッツⅠ型)である。

 

1.× 心房の興奮(P波)の出現は正常である。一定にP波が出ていることが読み取れる。
2.× 洞結節は正常であり、心房への伝導(P波)は正常である。
3.× ヒス束は正常であり、心室へ興奮(QRS波)は伝わっている。ヒス束が異常である場合、PR間隔の延長はなく、突然P波の後のQRS波が脱落する『モビッツ型Ⅱ度房室ブロック』が起こる。
4.〇 正しい。房室結節。心房から心室の伝導(PR間隔)が延長しており、ついには心室への興奮(QRS波)が脱落している。
5.× プルキンエ線維は、心臓全体の心室内膜下に至り、心室心筋に刺激を伝導する。心室の興奮(QRS波)自体は正常である。

 

 

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15分でマスターする理学療法士国家試験の心電図問題の勉強の仕方

 

 

 

 

 

5 20歳の女性。下肢機能障害のために血管造影検査を行った。図の矢印の部位(第8胸髄レベル)の閉塞が認められた。
 機能が維持されると考えられるのはどれか。

1.位置覚
2.痛覚
3.触覚
4.筋力
5.排尿機能

解答1

解説

血管造影検査から読み取れる血管は「前脊髄動脈」である。前脊髄動脈が閉塞された疾患を、前脊髄動脈症候群という。前脊髄動脈症候群とは、支配領域である脊髄腹側約2/3の領域に血流障害が生じ、急速に発現する対麻痺ないし四肢麻痺、病変レベル以下での解離性感覚障害(温痛覚のみが障害され、触覚、振動覚、位置覚は保たれる)、膀胱直腸障害などを特徴とする。

 

1.〇 正しい。位置覚は、後索路を通るため機能が維持されると考えられる。後索路は、脊髄後角から同側の後索を通り、延髄でニューロンを換え、左右交差し、内側毛帯を通り、視床という経路となる。
2~3.× 痛覚/触覚は、脊髄視床路を通る。脊髄視床路は、脊髄後根から脊髄後角でニューロンを換え、左右交差し、反対の前側索を通過し、視床という経路になる。
4~5.× 筋力/排尿機能は、皮質脊髄路(錐体路)を通る。錐体路は、大脳皮質運動野→放線冠→内包後脚→大脳脚→延髄→(錐体交叉)→脊髄側索(胸髄レベルでは腹側を走る)→脊髄前角細胞という経路をたどる。

 

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