第47回(H24) 理学療法士国家試験 解説【午後問題21~25】

 

21 ICFのコード分類で、d「活動・参加」の第1評価点(小数点以下第1位の数値)が示す困難度はどれか。

1.能力
2.実行状況
3.心身機能の影響
4.個人因子の影響
5.環境が与える影響

解答2

解説
1.× 能力は、小数点以下第2位で示される。
2.〇 正しい。実行状況は、小数点以下第1位で示される。実行状況は小数点以下第1位で示される。「」.0であれば、「困難なし」 、「.1」であれば「軽度の困難」、「.2」であれば「中等度の困難」などと示される。
3.× 心身機能の影響は、「b」から始まるコードで分類される。
4.× 個人因子の影響は、 ICF分類に含まれない。なぜなら、個人因子は背景因子の構成要素であるが、社会的・文化的に大きな相違があるため。
5.× 環境が与える影響は、「e」から始まるコードで分類される。

ICFのコード分類

構成要素第1評価点第2評価点
心身機能(コードb)機能障害の程度、大きさなし
身体構造(コードs)構造障害の程度や大きさ性状
活動と参加(コードd)実行状況能力
環境因子(コードe)阻害因子と促進因子なし

 

 

 

 

 

 

22 運動学習について正しいのはどれか。

1.理学療法士は患者に内在的フィードバックを与える。
2.内部モデルの形成には感覚フィードバックが必要である。
3.感覚情報がなくても新たな運動課題を学習することができる。
4.フィードフォワードは遂行中の運動の軌道修正に使用される。
5.指導者が与えるフィードバックは運動学習の成立に必須である。

解答2

解説
1.× 理学療法士は患者に、内在的フィードバックではなく、外在的フィードバックを与える。外在的フィードバックは、例えば、100m走のタイムの確認、体操競技における採点結果の確認、フォームを動画で確認することなどである。ちなみに、内在的フィードバックは、自己の感覚情報によるものである。
2.〇 正しい。内部モデルの形成には、感覚フィードバック(内在的フィードバック)が必要である。内部モデルとは、運動に見合った運動指令を出力するシステムのことである。つまり、運動学習が必要不可欠となり、そのためには感覚フィードバック(内在的フィードバック)が必要になる。
3.× 感覚情報がない場合は、新たな運動課題を学習できない。なぜなら、運動学習には感覚フィードバック(内在的フィードバック)が必要であるため。
4.× 遂行中の運動の軌道修正に使用されるのは、フィードフォワードではなく、フィードバックである。ちなみに、フィードバックは、結果を受けて調節する振り返り型の制御である。ちなみに、フィードフォワードは、目標を先に決めて外部要因を評価しつつ、達成に向けて修正を加える制御である。
5.× 指導者が与えるフィードバックは、運動学習の成立に必ずしも必須とはいえない。なぜなら、指導者が頻回に与えるフィードバックは、時に運動反応の過剰修正を引き起こすことがあるため。また、学習者のフィードバックへの依存を招きかねない。つまり、運動学習の成立の妨げになるときもある。

 

 

 

 

 

 

23 関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)において前腕回内位で測定するのはどれか。

1.肩屈曲
2.肩外旋
3.肘屈曲
4.手掌屈
5.手尺屈

解答5

解説
1.× 肩屈曲は、前腕中間位で測定する。ちなみに、【基本軸】肩峰通る床への垂直線(立位または坐位)、【移動軸】上腕骨、【測定部位及び注意点】①前腕は中間位とする体幹が動かないように固定する、②脊柱が前後屈しないように注意するである。
2.× 肩外旋は、前腕中間位で測定する。ちなみに、【基本軸】肘を通る前額面への垂直線、【移動軸】尺骨、【測定部位及び注意点】①上腕を体幹に接して、肘関節を前方90°に屈曲した肢位で行う、②前腕は中間位とするである。
3.× 肘屈曲は、前腕回外位で測定する。ちなみに、【基本軸】上腕骨、【移動軸】橈骨、【測定部位及び注意点】前腕は回外位とするである。
4.× 手掌屈は、前腕中間位で測定する。ちなみに、【基本軸】橈骨、【移動軸】第二中手骨、【測定部位及び注意点】前腕は中間位とするである。
5.〇 正しい。手尺屈は、前腕回内位で測定する。ちなみに、【基本軸】前腕の中央線、【移動軸】第三中手骨、【測定部位及び注意点】前腕を回内位で行うである。ちなみに、前腕を回内位で行うのは、手関節橈・尺屈のみである。

 

覚えなおしたい方はこちら↓

【理学療法評価】関節可動域表示ならびに測定法(ROM)の暗記用。

 

 

 

 

 

 

24 腹臥位で膝関節の屈曲を指示したところ、膝関節はわずかに屈曲し、同時に股関節は軽度内転した。
 代償運動を行っている筋はどれか。

1.腸腰筋
2.薄筋
3.縫工筋
4.大腿四頭筋
5.腓腹筋

解答2

解説
1.× 腸腰筋は、腸骨筋と大腰筋の2筋からなる。腸骨筋の作用は、股関節屈曲・外旋である。大腰筋の作用は、股関節屈曲である。
2.〇 正しい。薄筋の作用は、①股関節内転、②膝関節屈曲と内旋である。設問の代償運動を行っている筋と合致する。
3.× 縫工筋の作用は、①股関節屈曲・外転・外旋、②膝関節屈曲・内旋である。
4.× 大腿四頭筋の作用は、膝関節伸展である。
5.× 腓腹筋の作用は、①膝関節屈曲、②足関節底屈・踵の挙上である。

 

覚えなおしたい方はこちら↓

【暗記用】下肢筋の起始・停止・作用・神経を完璧に覚えよう!

 

 

 

 

 

 

25 転子果長の測定に影響を与えるのはどれか。2つ選べ。

1.脊柱の側弯
2.大腿骨頸部骨折
3.膝関節の腫脹
4.膝関節の伸展制限
5.足関節の背屈制限

解答3/4

解説

下肢長の測定方法

①棘果長:上前腸骨棘から内果まで。
→骨盤の影響を含む。

②転子果長:大転子から外果まで。
→骨盤の影響は含まない。

1.× 脊柱の側弯は、転子果長の測定に影響を与えない。なぜなら、大転子(大腿骨)から測定するため。
2.× 大腿骨頸部骨折は、転子果長の測定に影響を与えない。なぜなら、大腿骨頸部は、大転子(大腿骨)より近位であるため。
3~4.〇 正しい。膝関節の腫脹/膝関節の伸展制限は、転子果長の測定に影響を与える。転子果長は、膝の腫脹が生じていれば延長し、膝関節伸展制限があれば短縮する。
5.× 足関節の背屈制限は、転子果長の測定に影響を与えない。なぜなら、外果までの測定であり外果は腓骨であるため。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)