第47回(H24) 理学療法士国家試験 解説【午前問題21~25】

 

21 個人情報の保護に関する法律で個人情報として扱われるのはどれか。

1.趣味
2.年齢
3.血液型
4.出生地
5.電話番号

解答5

解説

個人情報保護法とは?

個人情報保護法とは、個人情報の保護に関する法律の略称である。個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とした個人情報の取扱いに関連する日本の法律である。定義(第2条)には、「この法律において『個人情報』とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述などにより特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む)をいう」とされている。

1~4.× 趣味/年齢/血液型/出生地は、個人情報の保護に関する法律で個人情報として扱われない。なぜなら、これらから個人を特定することは難しいため。ただし、インターネットの普及により、これら情報からも個人を特定されやすくなってきているため、法律に関わらず、情報の扱いは慎重に行う。
5.〇 正しい。電話番号は、個人情報の保護に関する法律で個人情報として扱われる。なぜなら、電話番号から個人を特定することが容易であるため。

 

 

 

 

 

 

22 2群間の差を統計学的に検定する際に、有意差が得られやすくなる要因はどれか。

1.サンプル数が少ない。
2.検出力の設定が大きい。
3.データの妥当性が高い。
4.群内の標準偏差が小さい。
5.順序尺度のデータである。

解答4

解説

有意差とは?

有意差とは統計学の指標の一つである。 仮説と標本の観察による結果の差が出たとき、その差が「誤差の範囲内」なのか「誤差では済まされない意味のある差」なのかを明らかにする必要がある。 つまり、「確率的に偶然とは考えにくく、意味があると考えられる」ことを指す。

1.× サンプル数が少ないのは、有意差が得られにくい。なぜなら、群内での標準偏差が大きくなるため。
2.× 検出力の設定を大きくしても、有意差は変わらない。なぜなら、検出力(第二種の過誤を犯さない確率)とは、誤った帰無仮説を正しく棄却することのできる確率であるため。ちなみに、第二種の過誤(偽陰性)とは、対立仮説が実際には真であるのに、帰無仮説を採用してしまう過誤である。
3.× 一概にデータの妥当性が高くても、有意差が得られやすくなるとはいえない。なぜなら、データの妥当性が高くても、サンプル数が少なかったり、そもそも患者への適応に結びつかなかったりする場合があるため。
4.〇 正しい。群内の標準偏差が小さいと、有意差が得られやすくなる。標準偏差とは、分散の正の平方根のことである。
5.× 順序尺度のデータであるのは、有意差が得られにくい。なぜなら、順序尺度とは、大小や強弱の意味がある一方、その間隔には意味がない数値を割り当てたものである。MMTの他にも、ADL評価尺度や各種の成績順位などがあげられる。

覚えておきたい用語

・疾病を有するものを正しく疾病ありと診断する確率を「感度」という。
・疾病を有さないものを正しく疾病なしと診断する確率を「特異度」という。

・検査陽性者のうち実際に疾病を有する者の割合を「陽性反応的中度(陽性的中立)」という。
・検査陰性者のうち実際に疾病を有さない者の割合を「陰性反応的中度(陰性的中立)」という。

・疾病なしだが、検査結果は陽性と判定される割合を「偽陽性率」という。
・疾病ありだが、検査結果は陰性と判定される割合を「偽陰性率」という。

 

 

 

 

 

 

23 母指の関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で第1中手骨が基本軸であるのはどれか。

1.橈側外転
2.尺側内転
3.掌側外転
4.屈曲 (MCP関節)
5.伸展 (IP関節)

解答4

解説
1~2.× 橈側外転/尺側内転は、【基本軸】示指(橈骨の延長上)、【移動軸】母指、【測定部位及び注意点】運動は手掌面とする以下の手指の運動は、原則として手指の背側に角度計を当てる。
3.× 掌側外転は、【基本軸】示指(橈骨の延長上)、【移動軸】母指、【測定部位及び注意点】運動は手掌面に直角な面とする。
4.〇 正しい。屈曲(MCP関節)は、【基本軸】第1中手骨、【移動軸】第1基節骨である。
5.× 伸展(IP関節)は、【基本軸】第1基節骨、【移動軸】第1末節骨である。

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24 Danielsらの徒手筋力テストにおいて、筋力を抗重力位で判定するのはどれか。2つ選べ。

1.膝関節伸展
2.肩関節屈曲
3.股関節外転
4.肘関節伸展
5.体幹伸展

解答2/5

解説
1.× 膝関節伸展は、側臥位(検査側上)で重力の影響を最小限にして実施する。
2.〇 正しい。肩関節屈曲は、座位(抗重力位で実施する。
3.× 股関節外転は、背臥位で重力の影響を最小限にして実施する。
4.× 肘関節伸展は、座位(肩関節90°外転・内外旋中間位で上肢全体が床面に水平位)で重力の影響を最小限にして実施する。
5.〇 正しい。体幹伸展は、腹臥位(抗重力位)で実施する。

 

 

 

 

 

 

25 心筋梗塞の既往と拘束性呼吸障害とを有する患者にDanielsらの徒手筋力テストを行う際に、呼吸や血圧への影響が少ないのはどれか。
 ただし、検査は段階4以上とする。

1.肩関節屈曲
2.肘関節屈曲
3.股関節屈曲
4.股関節外転
5.膝関節屈曲

解答4

解説

本症例のポイント

拘束性換気障害は、%肺活量80%未満のことである。
設問の「呼吸や血圧への影響が少ない」ということは、「呼吸苦が生じるだけではなく、呼吸をしやすくなることも含まれる」。また、検査肢位になるまでの体位変換も考慮する。「呼吸や血圧への影響が少ない」=「呼吸や血圧が変わらない(影響がわずか)」選択肢を選ぶ。

1~2.× 肩関節屈曲/肘関節屈曲は、座位で測定する。座位への体位変換は、呼吸に関しては内臓の下降により呼吸しやすくなる。また、座位での腕を挙げる動作は、血中酸素飽和度が低下しやすい。血圧に関しては、心臓のポンプ機能の弱化により血圧低下しやすくなるが、上肢の等尺性収縮は下肢よりも血圧上昇させやすい。したがって、座位での測定は、呼吸・血圧とも影響が出やすいと考えられる。他の選択肢を優先する。
3.× 股関節屈曲は、座位で測定する。座位への体位変換は、呼吸に関しては内臓の下降により呼吸しやすくなるが、股関節屈曲は上肢で体を支え、腹圧もかかる測定となるため呼吸・血圧に変化の幅が大きいと考えられる。他の選択肢を優先する。
4.〇 正しい。股関節外転は、選択肢の中で最も呼吸・血圧への影響が少ない。なぜなら、側臥位での測定であり、体位変換が最も容易である。また、検査側の胸郭の動きは制限されないので呼吸への影響が少ない。
5.× 膝関節屈曲は、腹臥位で測定する。腹臥位は、医学的に呼吸しやすくなるとしても、心筋梗塞や拘束性呼吸障害(心臓部を下にすること)への心理的な負担がかかりやすい。また、体位変換の難易度を側臥位と比較すると呼吸苦を生じやすいといえる。

 

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