第47回(H24) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題66~70】

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66 心拍数が減少するのはどれか。

1.貧血
2.脱水
3.低体温
4.長期臥床
5.甲状腺機能亢進

解答3

解説

1.× 貧血は、心拍数が増加する。なぜなら、貧血による酸素不足を心拍出量の増加で補おうとするため。
2.× 脱水は、心拍数が増加する。なぜなら、体内の水分量の減少し、血圧が低下(1回心拍出量が減少)するため。血圧を上げようとして心拍数を増大させる。
3.〇 正しい。低体温は、心拍数が減少する。なぜなら、低体温により全身(臓器など)からの酸素要求が少なくなるため。ちなみに、低体温とは、直腸温が35℃以下に低下した状態である。
4.× 長期臥床は、心拍数が増加する。なぜなら、長期臥床により静脈還流量の減少による心拍出量の減少するため。他の長期臥床による影響としては、骨からのカルシウム遊離、最大酸素摂取量の減少などがあげられる。
5.× 甲状腺機能亢進は、心拍数が増加する。なぜなら、甲状腺機能亢進(甲状腺ホルモンの作用)では、代謝の亢進に働くため。

 

 

 

 

 

 

67 排尿機構で誤っているのはどれか。

1.外尿道括約筋は陰部神経支配である。
2.内尿道括約筋は交感神経支配である。
3.脊髄排尿中枢は第2〜4仙髄節にある。
4.副交感神経を刺激すると膀胱は弛緩する。
5.膀胱体部からの求心性神経は骨盤神経である。

解答4

解説

1.〇 正しい。外尿道括約筋は、陰部神経支配(S3〜4:体性神経)である。外尿道括約筋は、随意的に尿を止める。
2.〇 正しい。内尿道括約筋は、交感神経支配(T12〜L2:下腹神経)であり、内尿道口を閉鎖する(収縮)ことにより失禁を防ぐ(蓄尿)。ちなみに、副交感神経(S2〜4:骨盤内臓神経)により、排尿に働く。
3.〇 正しい。脊髄排尿中枢は、第2〜4仙髄節(骨盤内臓神経)にある。
4.× 副交感神経を刺激すると膀胱は、「弛緩」ではなく収縮する。膀胱が収縮することにより排尿する。
5.〇 正しい。膀胱体部からの求心性神経は、骨盤(内蔵)神経である。膀胱内に尿が蓄積すると、骨盤(内蔵)神経を介して排尿中心に情報が伝わる。

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

【共通のみ】腎・泌尿器(解剖)についての問題「まとめ・解説」
【共通問題のみ】排尿・排便(過程・神経)についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

68 成長ホルモンについて誤っているのはどれか。

1.蛋白質である。
2.下垂体前葉で合成される。
3.下垂体前葉から分泌される。
4.成人になると分泌が停止する。
5.小児期の分泌不全によって低身長をきたす。

解答4

解説

成長ホルモンとは?

合成・分泌:下垂体前葉
作用:成長促進作用や代謝作用など。

1.〇 正しい。蛋白質である。アミノ酸191個からなるタンパク質であり、働きとして①骨を中心に脳以外の全組織・器官の成長を促進させる、②タンパク質の素となるアミノ酸の取り込みを促し、細胞内のタンパク質合成を盛んにして体を発育させる。
2〜3.〇 正しい。下垂体前葉で合成・分泌される。
4.× 成人になっても分泌し続ける。なぜなら、身長の増加以外にも、肝臓や脂肪組織などの代謝促進の作用があるため。
5.〇 正しい。小児期の分泌不全によって、低身長をきたす。これを成長ホルモン分泌不全性低身長(下垂体性小人症)という。

類似問題です↓
【共通のみ】ホルモンについての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

 

69 力学について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.力は加速度に反比例する。
2.運動量は速度に比例する。
3.トルクは力の2乗に比例する。
4.運動エネルギーは速度の2乗に比例する。
5.摩擦力は接触面に作用する力の水平分力に比例する。

解答2/4

解説
1.× 力は加速度に、「反比例」ではなく比例する。なぜなら、カ【F】 = 質量【m】 × 加速度【a】であるため。ちなみに、単位はニュートン【N】となる。
2.〇 正しい。運動量は、速度に比例する。なぜなら、運動量= 質量【m】× 速度【v】であるため。
3.× トルクは、「力の2乗」ではなく力に比例する。なぜなら、仕事(トルク、エネルギー)=力【F】 × 距離【a】であるため。トルクは、関節を軸とした回転力の大きさである。ちなみに、仕事の単位はジュール【J】である。
4.〇 正しい。運動エネルギーは、速度の2乗に比例する。なぜなら、運動エネルギー【E】=1/2 × 質量【m】× 速度【v】2であるため。
5.× 摩擦力は、接触面に作用する力の「水平分力」ではなく、垂直抗力(垂直分力)に比例する。垂直抗力(垂直分力)とは、物体が接触している他の物体や地面等の固体の面を押しているとき、その力の面に垂直な成分に対し、同じ大きさで反対向きの、固体の面が物体を押し返す力のことである。 ちなみに、水平分力という言葉は、磁力に関する用語である。

 

 

 

 

 

 

70 前腕の回内と回外の両方に働くのはどれか。

1.上腕二頭筋
2.上腕筋
3.腕橈骨筋
4.肘筋
5.長母指外転筋

解答3

解説
1.× 上腕二頭筋の作用は、肘関節屈曲・回外(長頭:肩関節外転、短頭:肩関節内転)である。
2.× 上腕筋の作用は、肘関節屈曲である。
3.〇 正しい。腕橈骨筋の作用は、肘関節屈曲、回内位での回外・回外位での回内である。ちなみに、【起始】上腕骨外側縁の下部、外側上腕筋間中隔、【停止】橈骨遠位下端、茎状突起である。
4.× 肘筋の作用は、肘関節の伸展を助けるである。
5.× 長母指外転筋の作用は、母指外転、手関節橈屈である。

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