第45回(H22) 作業療法士国家試験 解説【午後問題1~5】

 

※問題の引用:第45回理学療法士国家試験、第45回作業療法士国家試験の問題および正答について

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。コメント欄にて誤字・脱字等、ご指摘お待ちしています。よろしくお願いいたします。

 

1 スパイログラムの結果を図に示す。
 1秒率を示すのはどれか。

解答

解説

(※図引用:看護roo!様HP)

1秒率とは、息を努力して吐き出したときに呼出される空気量のうち最初の一秒間に吐き出された量の割合である。

1秒率(FEV1.0%) = 1秒量(FEV1.0) ÷ 努力性肺活量(FVC) × 100で求められる。

したがって、選択肢5.1秒量/⑤×100が1秒率を示す。

ちなみに、1秒量は④にあたる。

①は1回換気量、②は予備吸気量、③は最大吸気量である。

 

 

 

 

 

 

2 普通の速さで立ち上がるときの立ち上がり動作を図に示す。
 動作初期の足部に対する矢状面での床反力の方向はどれか。

解答

解説

床反力とは?

床反力とは、足底が床面に対して加えた力と同等の力を床面から正反対の方向に受けるものをいう。

立ち上がり動作の重心は、殿部から足底へ移動する動作である。特に、設問の図の離殿時は、体幹を前傾させ重心を足底へ移動したあと膝関節伸展し立位へと移る。このとき、足底は床に対して前下方に向かって力を加えるため、床反力は反対の後上方に向かって作用する。したがって、選択肢2の床反力の方向(後上方)が正しい。

 

 

 

 

 

 

3 図に示す体性感覚領域で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.①第4頸髄節
2.②第7頸髄節
3.③第12胸髄節
4.④第3腰髄節
5.⑤第5腰髄節

解答4・5

解説

(図引用:日本終末期ケア協会様HPより)

1.× ①は、第4頸髄節ではなく「第5頸髄節」である。
2.× ②は、第7頸髄節ではなく「第8頸髄節」である。
3.× ③は、第12胸髄節ではなく「第10胸髄節」である。
4.〇 正しい。④は、第3腰髄節である。
5.〇 正しい。⑤は、第5腰髄節である。

 

 

 

 

 

 

4 脳卒中患者の握り・つまみ動作を下図に示す。
 各握り・つまみが初めてできるBruntrom法ステージはどれか。2つ選べ。

1.①:Ⅲ
2.②:Ⅳ
3.③:Ⅳ
4.④:Ⅴ
5.⑤:Ⅴ

解答2・4

解説
1.× ①(球にぎり)は、Ⅲではなく「」である。
2.〇 正しい。②(横つまみ)は、である
3.× ③(指の集団屈曲による全指同時握りや鉤型握り)は、Ⅳではなく「」である。
4.〇 正しい。④(指腹つまみ)は、Ⅴである。
5.× ⑤(母指と中指によるつまみ:対立つまみ)は、Ⅴではなく「」である。

 

 

 

 

 

 

5 作業療法中に動悸を訴えたため、心電図のモニター監視を開始した。意識は清明。心電図を図に示す。
 対応として適切なのはどれか。

1.作業療法を継続する。
2.安静にして様子をみる。
3.心臓マッサージを行う。
4.直ちに主治医に連絡する。
5.直ちに自動体外式除細動器(AED)を使用する。

解答

解説

本症例のポイント

P波が認められず、幅広い変形したQRS波がみられる。したがって、心室性期外収縮を疑える。心室性期外収縮とは、本来の洞結節からの興奮より早く、心室で興奮が開始していることをいう。図は3連発であり、Lown分類Grade4b(3連発以上、心室頻拍VT)に相当するため、すぐに医師に連絡し適切な指示を仰ぐ必要がある。また、多源性による心室性期外収縮の連発やRonTなどを伴うものはVT(心室性頻拍)を経てVF(心室細動)に移行しやすく突然死の原因となる。緊急治療の対象となる。

1.× 作業療法を継続する優先度は低い。なぜなら、多発、連続する心室性期外収縮は、生命予後を悪化させる可能性もあるため。すぐに医師に連絡し適切な指示を仰ぐ必要がある。
2.× 安静にして様子をみるより、優先度の高いものが他にある。なぜなら、本症例は設問から「業療法中に動悸を訴え、心電図に治療を要する不整脈が認められている」状態であるため。安静するのは正しいが、「様子をみる」のではなく「すぐに医師に連絡」する。
3.× 心臓マッサージを行う優先度は低い。なぜなら、心臓マッサージ (胸骨圧迫)は、心肺停止状態に適応となるため。
4.〇 正しい。直ちに主治医に連絡する。図は3連発であり、Lown分類Grade4b(3連発以上、心室頻拍VT)に相当するため、すぐに医師に連絡し適切な指示を仰ぐ必要がある。また、多源性による心室性期外収縮の連発やRonTなどを伴うものはVT(心室性頻拍)を経てVF(心室細動)に移行しやすく突然死の原因となる。緊急治療の対象となる。
5.× 直ちに自動体外式除細動器(AED)を使用する優先度は低い。なぜなら、自動体外式除細動器(AED) は、①心室細動 (VF)、②無脈性心室頻拍(VT)に適応となるため。電気ショックを与え、洞調律と有効な心拍出を回復する(正常なリズムに戻す)心肺蘇生のための機器である。

Lownの分類(心室性期外収縮の重症度評価)

Grade0:心室性期外収縮なし
Grade1:散発性(1個/分または30個/時間未満)
Grade2:散発性(1個/分または30個/時間以上)
Grade3:多源性(期外収縮波形の種類が複数あるもの)
Grad4a:2連発
Grade4b:3連発以上
Grade5:短い連結期(R on T現象)

 

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