第45回(H22) 理学療法士国家試験 解説【午後問題26~30】

 

26.CPM(continuous passive motion)の目的として適切でないのはどれか。

1.拘縮の予防
2.筋力の強化
3.血行の改善
4.可動域の改善
5.軟骨変性の予防

解答2

解説

CPM (Continuous Passive Motion)とは

CPM (Continuous Passive Motion)とは機械を用いた持続的他動運動である。 ①関節可動域の拡大・維持、②血行の促進、③関節内代謝物の排泄促進などの効果があるとされている。

1.3~5.〇 拘縮の予防/血行の改善/可動域の改善/軟骨変性の予防は、CPMの目的となる。機械を用いた持続的他動運動を行うことでそれらを予防・改善できる。
2.× 筋力の強化は、CPMの目的とならない。なぜなら、機器を用いた関節運動は、他動的に行うため。逆に関節可動域改善の阻害となる防御的収縮が入っていないか確認する必要がある。

 

(※写真引用:酒井医療株式会社様HP「膝用CPMシリーズ」)

 

 

 

 

 

27.Williams体操に含まれているのはどれか。2つ選べ。

1.頭位挙上訓練
2.腹筋強化訓練
3.背筋伸張訓練
4.骨盤前傾訓練
5.股関節伸展筋伸張訓練

解答2.3

解説

Williams体操とは?

Williams体操の目的は、腰痛症に対して腰部の負担を軽減すること。方法として、腹筋強化・大殿筋強化・ハムストリングス強化・背筋群のストレッチングを行う。

1.4.5.× 頭位挙上訓練/骨盤前傾訓練/股関節伸展筋伸張訓練は含まれない。むしろ、骨盤前傾や股関節伸展筋伸張は、腰椎前弯を促し、より腰痛を増強する可能性が高い。
2~3.〇 正しい。腹筋強化訓練/背筋伸張訓練は含まれる。腹筋群の強化はウイリアムス体操の中で腰椎前弯を改善するために行う。

 

 

 

 

 

28.末梢神経障害における症状で正しい組合せはどれか。2つ選べ。

1.顔面神経:開眼障害
2.副神経:肩甲骨下制障害
3.橈骨神経:前腕回外障害
4.閉鎖神経:股関節内転障害
5.脛骨神経:足関節背屈障害

解答3.4

解説
1.× 顔面神経は、開眼障害ではなく、閉眼障害が起こる。開眼障害は、動眼神経麻痺で起こる。
2.〇 正しい。副神経は、肩甲骨挙上障害が起こる。なぜなら、副神経は胸鎖乳突筋僧帽筋を支配しているため。
3.× 橈骨神経は、前腕回内障害ではなく、前腕回外障害(回外筋を支配しているため)が起こる。前腕回内障害は、正中神経障害で起こる。
4.× 閉鎖神経は、股関節外転障害ではなく、股関節内転障害(股関節内転筋群を支配しているため)が起こる。
5.〇 正しい。脛骨神経は、足関節底屈障害が起こる。なぜなら、脛骨神経は下腿三頭筋などを支配しているため。

 

 

 

 

 

 

29.脳卒中による片麻痺の上肢に対するCI療法(constraint-induced movement therapy)で正しいのはどれか。

1.健側上肢を拘束する。
2.慢性期例は適応とならない。
3.理学療法士の近位監視下で行う。
4.他動的関節可動域訓練を長時間行う方法である。
5.患側手指がBrunnstrom法ステージⅡで適応となる。

解答1

解説

CI療法とは?

CI療法とは、脳卒中による片麻痺患者に対して、非麻痺側(健側肢)の運動を制限することで麻痺側の運動を促す方法である。

1.〇 正しい。健側上肢(非麻痺側)を拘束する。CI療法とは、脳卒中による片麻痺患者に対して、非麻痺側(健側肢)の運動を制限することで麻痺側の運動を促す方法である。
2.× 慢性期例にも適応となる。発症後1年経過した慢性期例で も運動機能の回復を認めることもある。
3.× 理学療法士の近位監視下で行う必要はない。常に近位監視下である必要はないが、理学療法士/作業療法士が随時アドバイスをできた方が望ましい。ちなみに、CI療法の適応は、①血圧の安定や認知機能が正常であること、②施設や病院に入所しておらず自宅で生活していることが条件となる。
4.× 他動的関節可動域訓練を長時間行う方法ではない。CI療法とは、脳卒中による片麻痺患者に対して、非麻痺側(健側肢)の運動を制限することで麻痺側の運動を促す方法である。
5.× 患側手指は、Brunnstrom法ステージⅡではなくⅣ程度で適応となる。なぜなら、麻痺側手関節の随意的伸展が20°以上可能なこと、母指を含めた3本指のIP、MP関節の随意的伸展が10°以上可能なことなどが適応基準であるため。

 

 

 

 

 

30.Parkinson病のYahrの重症度分類ステージVにおける運動療法で適切なのはどれか。2つ選べ。

1.四つ這い位保持
2.膝立ち位保持
3.立位保持
4.呼吸訓練
5.嚥下訓練

解答4.5

解説

Hoehn&Yahr の重症度分類ステージ

ステージⅠ:片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
ステージⅡ:両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
ステージⅢ:歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる。
ステージⅣ:日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
ステージⅤ:寝たきりあるいは車いすで、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。

1~2.× 四つ這い位保持/膝立ち位保持は、主にステージⅢ程度で行う。
3.× 立位保持は、ステージⅠ~Ⅲ程度で行う。
4~5.〇 正しい。呼吸訓練/嚥下訓練は、ステージVで行う。具体的な介入法として、①2~3時間ごとの体位交換、②関節可動域訓練、③座位保持、④座位バランス、⑤移乗動作の指導、⑥呼吸理学療法、⑦嚥下訓練などがある。

 

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