第45回(H22) 理学療法士国家試験 解説【午後問題21~25】

 

21.関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で測定肢位の指定に立位が含まれているのはどれか。(※解3つ)

1.肩関節屈曲
2.肘関節屈曲
3.頸部屈曲
4.頸部側屈
5.胸腰部側屈

解答1.2.5(複数の選択肢を正解とする)

解説

1.〇 正しい。肩関節屈曲は、特に指定はなく立位でも測定可能である。ちなみに、【基本軸】肩峰通る床への垂直線(立位または坐位)、【移動軸】上腕骨、【測定部位及び注意点】①前腕は中間位とする。②体幹が動かないように固定する。③脊柱が前後屈しないように注意する。
2.〇 正しい。肘関節屈曲は、特に指定はなく立位でも測定可能である。ちなみに、【基本軸】上腕骨、【移動軸】橈骨、【測定部位及び注意点】前腕は回外位とする。
3.× 頸部屈曲は、原則として腰掛座位とする。ちなみに、【基本軸】肩峰を通る床への垂直線、【移動軸】外耳孔と頭頂を結ぶ線、【測定部位及び注意点】頭部体幹の側面で行う原則として腰かけ座位とする。
4.× 頸部側屈は、腰かけ座位とする。ちなみに、【基本軸】第7頸椎棘突起と第一仙椎の棘突起を結ぶ線、【移動軸】頭頂と第7頸椎棘突起を結ぶ線、【測定部位及び注意点】①体幹の背面で行う。②腰かけ座位とする。
5.〇 正しい。胸腰部側屈は、腰かけ座位または立位で行う。ちなみに、【基本軸】ヤコピー線の中点に立てた垂直線、【移動軸】第1胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線、【測定部位及び注意点】①体幹の背面で行う。②腰かけ座位または立位で行う。

 

参考にどうぞ↓

【暗記確認用】ROMのランダム問題

 

 

 

 

 

22.関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で距離(cm)として測定できないのはどれか。

1.指外転
2.指屈曲
3.母指対立
4.胸腰部屈曲
5.膝関節屈曲

解答5

解説
1.〇 指外転(内転)は距離(cm)を測定する。ちなみに、【基本軸】第3指中手骨延長線、【移動軸】第2,4,5指軸、【測定部位及び注意点】中指先端と第2,4,5指先端との距離(㎝)で表示する。
2.〇 指屈曲は距離(cm)を測定する。指尖と近位手掌皮線または遠位手掌皮線との距離(cm)で表示する。
3.〇 母指対立は距離(cm)を測定する。母指先端と小指基部(または先端)との距離(㎝)で表示する。
4.〇 胸腰部屈曲は距離(cm)を測定する。最大屈曲は、指先と床の間の距離(㎝)で表示する。
5.× 膝関節屈曲は距離(cm)を測定できない。ちなみに、【基本軸】大腿骨、【移動軸】腓骨(腓骨頭と外果を結ぶ線)、【測定部位及び注意点】屈曲は股関節を屈曲位で行う。

 

参考にどうぞ↓

【暗記確認用】ROMのランダム問題

 

 

 

 

 

23.転子果長の左右差を生じるのはどれか。

1.骨盤の傾斜
2.大転子高位
3.股関節の内転拘縮
4.膝関節の屈曲拘縮
5.足関節の尖足拘縮

解答4

解説
1.3.5.× 骨盤の傾斜/股関節の内転拘縮/足関節の尖足拘縮は左右差を生じない。なぜなら、転子果長は、【起点】大転子の最上端部から【終点】外果の外側突出点までであるため。したがって、転子果長が左右差に影響を与えるのは、大腿骨大転子から外果までの間で何らかの問題が起きている場合である。骨盤や足部の状態は影響しない。
2.× 大転子高位とは、小児期のペルテス病や股関節脱臼の治療後の名残の変形である。股関節を45°屈曲位にしたとき上前腸骨棘、大転子、坐骨結節が一直線(ローザーネラトン線)にならず、中枢に偏位することである。これは変形性股関節症などの股関節に病変が生じたときに起こるものである。つまり、大転子が高位へ偏位しても、下肢全体が高位へ変位するのみであるため、左右差は生じない。
4.〇 正しい。膝関節の屈曲拘縮は、転子果長の左右差を生じる。なぜなら、転子果長は、【起点】大転子の最上端部から【終点】外果の外側突出点までであるため。したがって、転子果長が左右差に影響を与えるのは、大腿骨大転子から外果までの間で何らかの問題が起きている場合である。

 

 


 

 

 

24.modified Ashworth scaleの定義で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.1:筋緊張の増加がない。
2.1+:可動域の終わりでわずかな抵抗感がある。
3.2:可動域の1/2以下の範囲で引っかかるような抵抗感がある。
4.3:筋緊張の著しい増加で他動的に動かすことが困難である。
5.4:全く動きがない。

解答4.5

解説

modified Ashworth scaleの判定基準

0:筋緊張の亢進がない
1:軽度の筋緊張亢進があり、ひっかかりや可動域の終末でわずかな抵抗がある
1+:軽度の筋緊張亢進があり、ひっかかりと引き続く抵抗感が残りの可動域(1/2以内)にある
2:さらに亢進した筋緊張が可動域ほぼ全域にあるが、他動運動は可能
3:顕著な筋緊張亢進があり、他動運動は困難
4:他動運動では動かない。

1.× 1:「筋緊張の増加がない」のではなく、「軽度の筋緊張亢進があり、ひっかかりや可動域の終末でわずかな抵抗がある」である。ちなみに、「筋緊張の増加がない」は、である。
2.× 1+:「可動域の終わりでわずかな抵抗感がある」のではなく、「軽度の筋緊張亢進があり、ひっかかりと引き続く抵抗感が残りの可動域(1/2以内)にある」である。「可動域の終わりでわずかな抵抗感がある」のは、である。
3.× 2:「可動域の1/2以下の範囲で引っかかるような抵抗感がある」のではなく、「さらに亢進した筋緊張が可動域ほぼ全域にあるが、他動運動は可能」である。ちなみに、「可動域の1/2以下の範囲で引っかかるような抵抗感がある」のは、1+である。
4.〇 正しい。3:筋緊張の著しい増加で他動的に動かすことが困難である。
5.〇 正しい。4:全く動きがない

 

 

 

 

 

25.エビデンスに基づく理学療法を実践する場合に最初に行うのはどれか。

1.検証
2.適用
3.情報収集
4.批判的吟味
5.問題点の定式化

解答5

解説

エビデンスに基づく理学療法のステップ

EBM (Evidence Based Medicine) は「根拠に基づいた医療」の意味で、医師や医療従事者の経験ではなく、根拠に基づいて臨床判断を下すことをいう。ヘルスケア関連職にも「根拠に基づいた実践(EBP)」として、類似の手法が紹介されており、リハビリテーション領域でも、EBM/EBPTが叫ばれている。

ステップ①:問題点の定式化
ステップ②:情報収集
ステップ③:批判的吟味
ステップ④:適用
ステップ⑤:検証となる。

1.× 検証はステップ⑤である。ステップ①~④の判断が正しかったかどうかを事後評価し、今後のプロセス改善につとめる。
2.× 適用はステップ④である。批判的吟味した情報の患者への適応をする。問題解決に向けて、得られた医学的情報のほかに、一般常識や患者の希望を含めて、最良の選択肢を相談する。
3.× 情報収集はステップ②である。定式化した問題を解決する情報の検索をする。ステップ①の問題の定式化を解決できる情報を収集する。
4.× 批判的吟味はステップ③である。検索して得られた情報の批判的吟味を行う。具体的な情報(主に論文)を手にしてその評価を行う。
5.〇 正しい。問題点の定式化は最初に行う。目の前の患者についての問題の定式化を行う。患者にとって何が一番重要か、現在対処しなければいけない課題の中から、どのような情報が必要か問題点を抽出する。このとき、①どんな患者に、②何をすると、③何と比較して 、④どうなるかが問題定式化の4要素とされる。

 

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