第45回(H22) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題91~95】

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91.障害によって翼状肩甲をきたすのはどれか。

1.肩甲上神経
2.肩甲背神経
3.肩甲下神経
4.長胸神経
5.内側胸筋神経

解答4

解説

翼状肩甲とは?

翼状肩甲とは、肩甲骨内側縁が後方に突出して鳥の翼のような形状をとることをいう。原因として、長胸神経の障害である。長胸神経支配の前鋸筋麻痺や三角筋拘縮(短縮)症でみられる。過去問より肩甲背神経、長胸神経の両方を選択する問題があったため、両方を正解と考えても良さそうであるが、一般的であるのは長胸神経の障害である。

1.× 肩甲上神経は、棘上筋・棘下筋支配である。
2.× 肩甲背神経は、肩甲挙筋・菱形筋支配である。菱形筋麻痺により翼状肩甲をきたすとされてきたが、今回の厚労省の発表では選択肢4.長胸神経のみが正解であった。以前の過去問より、肩甲背神経・長胸神経の両方を選択する問題があったため、両方を正解と考えても良さそうであるが、一般的であるのは長胸神経の障害である。
3.× 肩甲下神経は、肩甲下筋・大円筋支配である。
4.〇 正しい。長胸神経の障害によって翼状肩甲をきたす。翼状肩甲とは、肩甲骨内側縁が後方に突出して鳥の翼のような形状をとることをいう。原因として、長胸神経の障害である。長胸神経支配の前鋸筋麻痺や三角筋拘縮(短縮)症でみられる。
5.× 内側胸筋神経は、胸筋支配である。

 

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92.胸郭出口症候群の成因に関係するのはどれか。2つ選べ。

1.胸骨
2.鎖骨
3.上腕骨
4.第1肋骨
5.第1胸椎

解答2.4

解説

MEMO

胸郭出口症候群は、胸郭出口付近における神経と動静脈の圧迫症状を総称したものである。症状として、上肢のしびれ、脱力感、冷感などが出現する。原因として、①前斜角筋と中斜角筋の間で圧迫される斜角筋症候群、②鎖骨と第一肋骨の間で圧迫される肋鎖症候群、③小胸筋を通過するときに圧迫される小胸筋症候群、④頭肋で圧迫される頸肋症候群などがある。

1.3.5.× 胸骨/上腕骨/第1胸椎は、胸郭出口症候群の成因に関係しない。
2,4.〇 正しい。鎖骨/第1肋骨は、胸郭出口症候群の成因に関係する。原因として、①前斜角筋と中斜角筋の間で圧迫される斜角筋症候群、②鎖骨第一肋骨の間で圧迫される肋鎖症候群、③小胸筋を通過するときに圧迫される小胸筋症候群、④頭肋で圧迫される頸肋症候群などがある。

 

 

 

 

93.急性心筋梗塞で誤っているのはどれか。

1.喫煙は危険因子である。
2.不整脈を伴うことが多い。
3.心電図ではST上昇がみられる。
4.血中の白血球数の増加がみられる。
5.ニトログリセリンの舌下投与が治療に有効である。

解答5

解説

1.〇 正しい。喫煙は危険因子である。他にも、高血圧・糖尿病・高脂血症などが危険因子である。
2.〇 正しい。不整脈を伴うことが多い。心筋梗塞の急性期合併症として不整脈を伴うことが多い。したがって、危険な不整脈が出現しないことが、リハビリテーション負荷試験の判定基準としてあげられている。
3.〇 正しい。心電図ではST上昇がみられる。T波の増高が最も早く見られ、時間の経過と共に「ST上昇→異常Q波→陰性T波」がみられるようになる。ちなみに、狭心症でST低下する。
4.〇 正しい。血中の白血球数(WBC)の増加がみられる。他にも、血液検査で CK(クレアチン)、 AST(アスパギン酸アミノトランスフェラーゼ)、 LDH(乳酸)、CRPの上昇がみられる。
5.× ニトログリセリンの舌下投与が治療に有効であるのは、「急性心筋梗塞」ではなく狭心症である。なぜなら、ニトログリセリン舌下投与は冠動脈が拡張する作用を持つため。心筋梗塞は、心筋が壊死を起こしているため血管を拡張しても心筋に血流が行かないため効果はない。心筋梗塞に対する治療として、再灌流療法(t-PAなど血栓溶解薬)を行う。

急性心筋梗塞に対する急性期リハビリテーション負荷試験の判定基準

①胸痛・動悸・呼吸困難などの自覚症状が出現しないこと。
②心拍数が120/分以上にならないこと。または40/分以上増加しないこと。
③危険な不整脈が出現しないこと。
④心電図上1mm以上(0.2mV以上)の虚血性ST低下、または著明なST上昇がないこと。
⑤室内便器使用時までは20mmHg以上の収縮期血圧上昇・低下がないこと。
(2週間以上経過した場合、血圧に関する基準は設けない)

(引用:「2021年改訂版心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」日本循環器学会様より)

 

 

 

 

 

94.内分泌機能と疾患との組合せで正しいのはどれか。

1.甲状腺機能低下:尿崩症
2.下垂体前葉機能亢進:クレチン病
3.下垂体後葉機能低下:糖尿病
4.副腎皮質機能亢進:Cushing症候群
5.副腎髄質機能亢進:Basedow病

解答4

解説

1.× 甲状腺機能低下は、「尿崩症」ではなく主に橋本病クレチン病を生じる。ちなみに、尿崩症の原因は、バソプレシン(抗利尿ホルモン)分泌障害、もしくは反応性低下により生じる。下垂体後葉より分泌される。
2.× 下垂体前葉機能亢進は、「クレチン病」ではなく主に末端巨大症を生じる。ちなみに、クレチン病は先天性の甲状腺機能低下症であり、独特の顔貌と低身長、知能低下を来たす。
3.× 下垂体後葉機能低下は、「糖尿病」ではなく主に下垂体性小人症を生じる。ちなみに、糖尿病はインスリン作用の絶対的もしくは相対的不足によって引き起こされる糖質代謝を主とする種々の代謝異常をきたす疾患群である。
4.〇 正しい。副腎皮質機能亢進は、Cushing症候群(クッシング症候群)をきたす。副腎皮質ホルモンであるコルチゾールの過剰分泌により起こる内分泌系疾患である。満月様顔貌や中心性肥満などの特徴的な症状を呈する。主に、副腎腺腫、副腎癌、副腎過形成、ACTH産生下垂体腺腫などによりコルチゾールの過剰分泌が起こる。
5.× 副腎髄質機能亢進は、「Basedow病(バセドウ病)」ではなく主にクロム親和細胞腫(褐色細胞腫)を生じる。この腫瘍細胞はカテコールアミンを多量に含み、血液中に放出するので、持続的な血圧亢進を伴うことが多い。大部分は良性であるが,治療は手術で摘除する。ちなみに、Basedow病(バセドウ病)は甲状腺機能亢進症を起こす疾患である。

 

 

 

 

 

95.加齢によって増加するのはどれか。

1.夜間尿量
2.腰椎骨密度
3.左室駆出率
4.動脈血酸素分圧
5.最大酸素摂取量

解答1

解説

1.〇 正しい。夜間尿量は、加齢によって増加する。原因として、加齢により膀胱が萎縮し、さらに夜間、臥床すると心臓への還流血流量が増えるため腎血流量も増え夜間尿量が増加する。
2.× 腰椎骨密度は、加齢によって低下する。したがって、圧迫骨折や骨粗鬆症が生じる。
3.× 左室駆出率は、加齢によって低下する。左室駆出率とは、心臓の収縮力を示す値である。心臓の拡張時の左室容積から収縮時の左室容積を差し引いたもの(駆出量)の拡張期の左室容積に対する割合である。駆出率/左室容積×100で求められる。
4.× 動脈血酸素分圧は、加齢によって低下する。動脈血酸素分圧(PaO2)は、肺における血液酸素化能力の指標である。肺機能が低下するため起こる。
5.× 最大酸素摂取量は、加齢によって低下する。肺機能が低下するため起こる。

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