第45回(H22) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題56~60】

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56.正しいのはどれか。

1.眼球外膜は角膜と強膜とからなる。
2.眼球運動は4種類の外眼筋が行う。
3.水晶体は虹彩の前面にある。
4.毛様体は強膜の外側にある。
5.網膜は硝子体の全面を覆っている。

解答1

解説

(※画像引用:看護roo!様HP~看護師イラスト集~より)

1.〇 正しい。眼球外膜は、角膜強膜(しろめ)とからなる。強膜は角膜と連続している。眼球の膜は外膜(角膜と強膜)、中膜(脈絡膜またはブドウ膜)、内膜(網膜)からなる。
2.× 眼球運動は、「4種類」ではなく6種類の外眼筋が行う。4直筋(上直筋、下直筋、内側直筋、外側直筋)と2斜筋(下斜筋、上斜筋)によって行われる。
3.× 水晶体は、虹彩の「前面」ではなく後面にある。
4.× 毛様体は、強膜の「外側」ではなく内側にある。
5.× 網膜は、硝子体の「全面」ではなく後面を覆っている。網膜は眼球壁の内層を覆っているが、虹彩に至らずに終わる。

類似問題です↓
【共通問題のみ】視覚器についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

57.正しいのはどれか。2つ選べ。

1.リンパ管には弁機構が存在しない。
2.毛細リンパ管は単層の内皮細胞からなる。
3.胸管は右側の静脈角に合流する。
4.右腰リンパ本幹は右リンパ本幹に入る。
5.脾臓はリンパ性器官の1つである。

解答2.5

解説
1.× リンパ管には、弁機構が存在する。なぜなら、リンパ管には動脈にとっての心臓のような駆動装置がないため。これによってリンパ液の逆流を防いでいる。
2.〇 正しい。毛細リンパ管は、単層の内皮細胞からなる。ちなみに、毛細血管も同様に単層の内皮細胞からなる。
3.× 胸管は、「右側の静脈角」ではなく左静脈角に合流する。胸管は最大のリンパ本幹であり、左上半身と下半身全体のリンパ液を集める。
4.× 右腰リンパ本幹は、「右リンパ本幹」ではなく左リンパ本幹に入る。胸管を経由する。
5.〇 正しい。脾臓は、リンパ性器官の1つである。リンパ性器官とは、リンパ球をつくる組織を中心として構成されているものである。脾臓や胸腺がそれにあたる。

 

参考にどうぞ↓

【共通のみ】リンパ系ついての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

58.正しいのはどれか。2つ選べ。

1.気管支には線毛がある。
2.気管支の分岐角は左よりも右が大きい。
3.細気管支でガス交換が行われる。
4.壁側胸膜が肺表面に接している。
5.縦隔には食道が通っている。

解答1.5

解説
1.〇 正しい。気管支には線毛がある。線毛の働きは、呼吸によって体内に入った異物や細菌を追い払い、気管支をきれいに保つ。呼吸細気管支の近位部分では線毛細胞が存在するが、末梢側へ移行するにつれて減少し消失する。
2.× である。気管支の分岐角は、右(25°)よりも左(45°)が大きい。そのため吸い込まれた異物は、右気管支に入りやすい。その結果として、誤嚥性肺炎は右側に多い。
3.× ガス交換が行われるのは、「細気管支」ではなく肺胞(肺胞上皮細胞である。 細気管支は空気の通り道であり、ガス交換は行われない。構造として、呼吸細気管支→肺胞管→肺胞嚢→肺胞となり、肺胞でガス交換が行われる。
4.× 肺表面に接しているのは、「壁側胸膜」ではなく臓側胸膜である。ちなみに、壁側胸膜は胸壁(胸郭の内側)を覆う。
5.〇 正しい。縦隔には食道が通っている。縦隔とは、両側を肺の間の空間のことで、前が胸骨、後ろが椎体となる。縦隔内にある主な臓器としては①胸腺、②気管、③食道、④心臓、⑤上大静脈、⑥大動脈弓、⑦上行大動脈などがある。

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【共通問題のみ】胸部・気管支の解剖についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

59.内分泌腺とその位置との組合せで誤っているのはどれか。

1.上皮小体:甲状腺の前面
2.下垂体:トルコ鞍上面
3.松果体:間脳の背面
4.副腎:腎臓の上面
5.胸腺:胸骨の背面

解答1

解説
1.× 上皮小体(副甲状腺)は、「甲状腺の前面」ではなく、甲状腺の左右の葉の後面に上下2つずつ存在する。
2.〇 下垂体は、トルコ鞍上面にある。視交叉の下に位置する。トルコ鞍とは、頭蓋底にある蝶形骨の中央部には深いくぼみである。
3.〇 松果体は、間脳の背面(後方)にある。松果体は、第3脳室の後壁が背側へ膨隆してできた構造をしている。間脳は①視床上部、②視床、③視床下部から構成される。
4.〇 副腎は、腎臓の上面にある。甲状軟骨の下に輪状軟骨があり、その直下に甲状腺の峡部がある。
5.〇 胸腺は、胸骨の背面にある。つまり、心臓の前方にある。

 

 

 

 

 

60.外胚葉から発生するのはどれか。2つ選べ。

1.松果体
2.甲状腺
3.上皮小体
4.乳腺
5.卵巣

解答1.4

解説

各胚葉に由来する器官

外胚葉:神経(脳・脊髄)・表皮(毛・爪)・感覚器(視・聴覚)
中胚葉:骨格(軟骨)・筋・循環器系(心臓・血管・リンパ)・泌尿生殖器(腎臓・精巣・子宮・卵巣)
内胚葉:消化器(胃・腸)・呼吸器(気管・肺)・尿路系(膀胱・尿道)

1.4.〇 正しい。松果体/乳腺は、外胚葉から発生する。
2~3.× 甲状腺/上皮小体は、内胚葉から発生する。
5.× 卵巣は、中胚葉から発生する。

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【共通のみ】発生(胚葉)についての問題「まとめ・解説」

 

2 COMMENTS

Q60の【外胚葉から発生するものはどれか2つ選べ】の問題ですが、

回答は甲状腺と上皮小体は内胚葉から発生するものだと思うのですがどうでしょうか?

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大川 純一

コメントありがとうございます。
ご指摘通り間違えておりました。
修正致しましたのでご確認ください。
今後ともよろしくお願いいたします。

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