【共通問題のみ】頸動脈小体(頸動脈洞反射、呼吸生理)についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

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【OT/共通】呼吸(生理・運動など)についての問題「まとめ・解説」

 

46回 午前64

64.循環生理で正しいのはどれか。

1.Valsalva(バルサルバ)試験中は一回拍出量が増加する。
2.Aschner(アシュネル)試験では心拍数が増加する。
3.頸動脈洞マッサージでは心拍数が増加する。
4.右心房への静脈還流は吸気時に増加する。
5.臥位と立位では静脈還流に大きな変化はない。

解答4

解説

副交感神経優位となる試験

①Valsalva試験(バルサルバ:息こらえ)、②頸動脈洞マッサージ、③顔面浸水、④Aschner試験(アシュネル:眼球圧迫)

1.× Valsalva(バルサルバ)試験中は一回拍出量が、「増加」ではなく低下する。Valsalva(バルサルバ)試験とは、呼気時に息をこらえることである。胸腔内圧が上昇し、圧受容器の刺激により、迷走神経が刺激される。
2.× Aschner(アシュネル)試験では心拍数が、「増加」ではなく低下する。Aschner(アシュネル)試験とは、両側の眼球を圧迫した時に起こる眼球心臓反射(徐脈)を診る試験のことである。機序として、眼球圧迫→眼神経より延髄の副交感神経中枢→同側の迷走神経が刺激される。
3.× 頸動脈洞マッサージでは心拍数が、「増加」ではなく低下する。頸動脈洞マッサージは、頚動脈洞反射(ツェルマーク・ヘーリング反射)により迷走神経が刺激される。機序として、頚動脈洞圧迫→迷走神経が過剰な反射を起こす。徐脈となり、血圧が低下し、脳幹へ行く血液が少なくなり脳幹での酸素量減少で失神状態に陥ることもある。
4.〇 正しい。右心房への静脈還流は、吸気時に増加する。なぜなら、呼吸性洞性不整脈が関係するため。呼吸性洞性不整脈とは、心拍数は呼気時に減少し、吸気時に増加することである。吸気時は、迷走神経が抑制(心拍数が増加)され、右心房への静脈環流は増加する。
5.× 臥位と立位では、静脈還流に「大きな変化はない」とは一概にいえない。そもそもどの程度が大きな変化と定義付けるのか曖昧である。臥位では下肢の血流が心臓に戻りやすくなるため静脈還流量は増加する。一方、立位では重力により下肢に血液が流れるため静脈還流量は減少する。静脈還流とは、どれだけ心臓に血液が戻ってくるか、つまり大静脈から右心房に流入する血液量を表す。

 

 

 

 

47回 午前65

65 呼吸生理について誤っているのはどれか。(※不適切問題:解2つ)

1.強い不安があると呼吸は促進される。
2.O2の運搬は酸化ヘモグロビンが行う。
3.嚥下反射が起こると呼吸が一時停止する。
4.血中CO2分圧が増加すると呼吸が抑制される。
5.呼吸中枢は吸息中枢と呼息中枢とに分かれている。

解答2/4(※複数の選択肢を正解とする。

解説
1.〇 正しい。強い不安があると呼吸は促進される。精神的不安や極度の緊張などにより過呼吸の状態(過換気症候群)となる。若い女性に多い。
2.× O2の運搬は、「酸化ヘモグロビン」ではなく酸素化ヘモグロビンが行う。ヘモグロビンは、酸素と結合して酸素化ヘモグロビンとなって酸素を運ぶ。ちなみに、酸素と結合していないヘモグロビンを還元ヘモグロビンと呼ばれる。
3.〇 正しい。嚥下反射が起こると呼吸が一時停止する。嚥下は、一時的な無呼吸状態となり、その間に咽頭収縮筋によって食塊を食道に送る。
4.× 血中CO2分圧が増加すると呼吸が、「抑制」ではなく促進される。頸動脈小体と大動脈体が、PaO2の低下とPaCO2上昇を感知している。体内にCO2が蓄積すると高CO2となるため、呼吸を促させる。
5.〇 正しい。呼吸中枢は、吸息中枢(吸息筋を支配する運動ニューロンに興奮性のインパルスを送る吸息ニューロン)と呼息中枢(呼息筋を支配する運動ニューロンにインパルスを送る呼息ニューロン)とに分かれている。

 

 

 

47回 午後65

65 頸動脈洞反射で誤っているのはどれか。

1.徐脈になる。
2.血圧が低下する。
3.化学的刺激によって生じる。
4.求心路は舌咽神経を介する。
5.遠心路は迷走神経を介する。

解答3

解説

頸動脈洞反射とは?

頸動脈洞反射(ツェルマーク・へーリング反射)とは、頸動脈を刺激することにより生じる迷走神経反射のことである。脈拍を抑えることを目的として利用されることがある(頸動脈洞マッサージ)。つまり、副交感神経優位になる。
求心路:舌咽神経
遠心路:迷走神経

1~2.〇 徐脈になる/血圧が低下する。なぜなら、副交感神経優位になるため。
3.× (化学的刺激)ではなく、物理的刺激(圧刺激)によって生じる。頸動脈洞反射(ツェルマーク・へーリング反射)とは、頸動脈を刺激することにより生じる迷走神経反射のことである。頸動脈マッサージ、絞首などの物理的刺激(圧刺激)によって生じる。
4.〇 求心路は舌咽神経を介する。
5.〇 遠心路は迷走神経を介する。

 

 

49回 午前62

62 頸動脈洞反射で正しいのはどれか。

1. 頻脈になる。
2. 血圧が上昇する。
3. 化学的刺激によって生じる。
4. 求心路は舌下神経を介する。
5. 遠心路は迷走神経を介する。

解答5

解説

頚動脈洞反射(ツェルマーク・ヘーリング反射)とは、頚動脈を刺激すること(物理的刺激:圧刺激)により生じる迷走神経反射のこと。臨床では、頻拍に対して、脈拍を抑える(徐脈)ことを目的として利用されることがある(頚動脈洞マッサージ)。

1.× 「頻脈」ではなく徐脈になる。なぜなら、副交感神経優位になるため。
2.× 血圧が、「上昇」ではなく低下する。なぜなら、副交感神経優位になるため。
3.× 「化学的刺激」ではなく物理的刺激(圧刺激)によって生じる。
4.× 求心路は、「舌下神経」ではなく舌咽神経を介する。
5.〇 正しい。遠心路は迷走神経を介する。

 

 

 

 

51回 午後66

66 呼吸循環調節系について正しいのはどれか。

1. 頸動脈小体は血中の酸素分圧の低下を感知する。
2. 頸動脈小体は総頸動脈と鎖骨下動脈の分岐部にある。
3. 大動脈弓の圧受容器からの求心路は舌咽神経である。
4. 頸動脈洞の圧受容器からの求心路は迷走神経である。
5. 血中の酸素分圧の低下は化学受容体を介して脊髄に伝えられる。

解答1

解説

1.〇 正しい。頸動脈小体は血中の酸素分圧の低下を感知する。また、二酸化炭素分圧の上昇も感知する。
2.× 頸動脈小体は、「総頸動脈と鎖骨下動脈の分岐部」ではなく、内頚動脈と外頚動脈の分岐部にある。
3.× 大動脈弓の圧受容器からの求心路は、「舌咽神経」ではなく迷走神経である。
4.× 頸動脈洞の圧受容器からの求心路は、「迷走神経」ではなく舌咽神経である。
5.× 血中の酸素分圧の低下は、化学受容体を介して「脊髄」ではなく延髄に伝えられる。

 

 

54回 午後60

60. 頸動脈洞反射で正しいのはどれか。

1. 血圧が上昇する。
2. 心拍数が増加する。
3. 求心路は舌下神経を介する。
4. 遠心路は迷走神経を介する。
5. 血中酸素濃度の上昇によって生じる。

解答

解説
 頸動脈洞反射(ツェルマーク・へーリング反射)とは、頸動脈を刺激することにより生じる迷走神経反射のことである。頻脈に対して、脈拍を抑えることを目的として利用されることがある(頸動脈洞マッサージ)。副交感神経優位になると覚えておく。

1. ×:副交感神経優位になるため、血圧は「上昇する」のではなく低下する。
2. ×:副交感神経優位になるため、心拍数は「増加する」のではなく低下する。
3. ×:求心路は、「舌下神経」ではなく、舌咽神経を介する。
4. 〇:正しい。遠心路は迷走神経を介する。
5. ×:「血中酸素濃度の上昇によって生じる」のではなく、頸動脈マッサージ・絞首などの物理的刺激(圧刺激)によって生じる。メカニズムは、物理的刺激で血圧の上昇し、頸動脈洞・大動脈弓などにある圧受容体が刺激されると頸動脈洞反射が誘発され、迷走神経を介して心臓の洞房結節や房室結節が抑制されて、徐脈・血圧低下が起こる。

 

 

 

55回 午前64

64 呼吸生理の説明で正しいのはどれか。

1.呼吸中枢は視床下部にある。
2.外肋間筋は安静呼吸の呼気筋として作用する。
3.内呼吸とは肺胞と毛細血管との間のガス交換をいう。
4.動脈血二酸化炭素分圧が上昇するとヘモグロビンから酸素が解離しやすくなる。
5.頚動脈小体は動脈血酸素分圧よりも動脈血二酸化炭素分圧の変化を感知しやすい。

解答
解説
1.× 呼吸中枢は、「視床下部」ではなく橋・延髄にある。
2.× 外肋間筋は、肋骨を引き上げて胸郭を広げる(吸息する)よう働く。つまり、安静呼吸の「呼気筋」ではなく、吸気筋として作用する。
3.× 内呼吸とは、組織内部で行われるガス交換のことである。細胞呼吸ともいう。肺胞と毛細血管との間のガス交換を外呼吸という。
4.〇 正しい。動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)が上昇すると、ヘモグロビンから酸素が解離しやすくなる。動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)とは、動脈血中の二酸化炭素の分圧を表す。
5.× 逆である。頚動脈小体は、動脈血二酸化炭素分圧よりも動脈血酸素分圧の変化を感知しやすい。なぜなら、末梢化学受容器(頸動脈小体と大動脈小体)は、動脈血二酸化炭素分圧よりも動脈血酸素分圧の変化のセンサーとして機能しているため。これに対して、延髄ある中枢化学受容器は、主に動脈血二酸化炭素分圧の上昇に反応する。

 

 

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