【PT/共通】伸張反射、筋紡錘、H波などの問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

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目次 非表示

PT専門

第41回 午前41問

41 患者がある方向へ運動しようとする際に、運動を行う直前に理学療法士が反対方向へ徒手的な刺激を加えることで、目的とする運動が誘導されやすくなる。
 この現象に関与しているのはどれか。

1. 相反抑制
2. 伸張反射
3. 屈曲反射
4. 遠心性模写
5. 作用・反作用の法則

解答2

解説

1.× 相反抑制とは、筋を収縮させる際に、その筋の拮抗筋が弛緩することである。例えば、肘関節屈曲する際、拮抗筋である上腕三頭筋が弛緩するといった仕組みである。
2.〇 正しい。伸張反射とは、外力により急に筋が引き伸ばされるとその筋が収縮する反射のことである。つまり、目的の筋の伸張方向=反対の方向に外力を加えることで、収縮運動が起こりやすくなっている。
3.× 屈曲反射とは、四肢の皮膚に強い刺激(痛み刺激)を加えると、その肢が屈曲する反射である。
4.× 遠心性模写(遠心性コピー)とは、脳から筋への運動指令信号の模写(コピー)である。このコピー信号により、運動によって起きる外界からの知覚が予測される。予測された知覚と実際の外界からの知覚との比較により、主体的に運動しているという感覚に関わる。
5.× 作用・反作用の法則とは、運動の第3法則である。ある物体Aがある物体Bに力を加えた際には、「AもBから逆向きに同じ大きさの力を加えられる」という法則である。

 

 

 

 

 

 

第47回 午前32問

32 寒冷療法が痙縮を低下させる機序で正しいのはどれか。

1.筋紡錘からの求心性放電の増大
2.γ 神経線維の伝導速度の低下
3.δ 神経線維の伝導速度の低下
4.毛細血管透過性の増大
5.筋組織の代謝の増大

解答2

解説

1.× 筋紡錘からの求心性放電(インパルス発射頻度)は、「増大する」のではなく減少する
2.〇 正しい。γ神経線維の伝導速度の低下は、寒冷療法が痙縮を低下させる機序である。寒冷によって、α運動ニューロンが活性化する一方で、γ運動ニューロンが抑制され筋紡錘の感受性が減弱することで筋緊張減少が起こる。
3.× δ神経(Aδ神経)線維の伝導速度の低下は起こるが、痙縮の低下とは関連がない。なぜなら、神経線維は痛覚伝導に関与する神経線維であるため。
4.× 毛細血管透過性は、「増大」ではなく低下する。したがって、急性浮腫や腫脹を抑制する。
5.× 筋組織の代謝は、「増大」ではなく低下する。したがって、炎症を鎮静させる。

 

 

 

第56回 午後23問

23 随意運動について正しいのはどれか。

1.γ運動ニューロンは、随意的な筋収縮の命令を直接筋肉に伝える。
2.一次運動野では、巧級な動きを必要とする手の領域が小さい。
3.Betzの巨大錐体細胞は、補足運動野のⅤ層に存在する。
4.小脳は、運動をスムーズにする役割を担っている。
5.放線冠の障害で、錐体外路症状が出現する。

解答

解説
1.× γ運動ニューロンは、錘内筋線維の両端を支配しており、筋紡錘が正常に働くように調節する機能がある。ちなみに、随意的な筋収縮の命令を直接筋肉に伝えるのは、α運動ニューロンである。
2.× 一次運動野では、巧級な動きを必要とする手の領域は大きい。penfield(ペンフィールド)脳地図では、顔面や手指といった巧緻な運動が可能な部位ほど、脳運動野に占める面積は大きい。
3.× Betzの巨大錐体細胞は、「補足運動野」ではなく、「一次運動野のV層(内錐体細胞層)」に存在する。Betzの巨大錐体細胞から出た神経線維が下降して随意運動を司る錐体路となる。上位運動ニューロンは、一次運動野のBetz細胞から始まる。ちなみに、補足運動野は自発的に一連の運動をプログラムする。
4.〇 正しい。小脳は、運動をスムーズにする役割を担っている。
5.× 放線冠の障害では、「錐体外路症状」ではなく、錐体路障害が出現する。錐体路(大脳皮質運動野→放線冠→内包後脚→大脳脚→延髄→(錐体交叉)→脊髄側索→脊髄前核細胞)の障害で、対側の運動麻痺などの症状を生じる。

 

 

第59回 午後28問

28 H反射を導出するために刺激する神経で正しいのはどれか。

1.α運動神経線維
2.γ運動神経線維
3.Ia群求心性線維
4.Ib群求心性線維
5.II群求心性線維

解答

解説

(※図引用:「痙縮発症メカニズム」名古屋大学大学院様HPより)

Hoffmann’s反射(H反射)とは、遠心性のα運動神経線維と求心性のIa群求心性線維の軸索に対し、同時に電気刺激を行う誘発電位反射である。α運動神経線維とIa群求心性線維同時に刺激するため、最初にα運動神経線維の刺激が伝わり筋を収縮させる(これをM波)。その後、Ia群求心性線維の刺激が求心方向に刺激を伝達し、脊髄を介在させ、α運動神経線維の刺激が伝わり筋を収縮させる(これをH波)。

1.× α運動神経線維は、H反射におけるM波を伝える。
2.× γ運動神経線維は、錘内筋線維の両端を支配しており、筋紡錘が正常に働くように調節する機能がある。
3.〇 正しい。Ia群求心性線維は、H反射を導出するために刺激する神経である。
4.× Ib群求心性線維は、腱受容器(Ib自己抑制)の求心性神経線維である。
5.× II群求心性線維は、筋紡錘(伸張反射)の求心性神経線維、感覚神経(触圧覚)の神経線維である。

 

 

共通問題

第40回共通 38問

正しいのはどれか。

1.筋紡錘の求心性神経にはIb群線維がある。
2.筋紡錘と錘外筋線維は直列関係にある。
3.錘内筋線維を支配する運動神経はAa群である。
4.I群線維よりⅡ群線維の方が伝導速度は速い。
5.H波はIa群線維の刺激によって得られる。

解答

解説

(※図引用:「痙縮発症メカニズム」名古屋大学大学院様HPより)

Hoffmann’s反射(H反射)とは、遠心性のα運動神経線維と求心性のIa群求心性線維の軸索に対し、同時に電気刺激を行う誘発電位反射である。α運動神経線維とIa群求心性線維同時に刺激するため、最初にα運動神経線維の刺激が伝わり筋を収縮させる(これをM波)。その後、Ia群求心性線維の刺激が求心方向に刺激を伝達し、脊髄を介在させ、α運動神経線維の刺激が伝わり筋を収縮させる(これをH波)。

1.× 筋紡錘の求心性神経には、「Ib群線維」ではなくIa群線維とⅡ群線維である。
2.× 筋紡錘と錘外筋線維は、「直列」ではなく並列関係である。ちなみに、腱器官は、錘外筋線維と直列関係にある。
3.× 錘内筋線維(核鎖線維、核袋線維)を支配する運動神経は、「Aa群」ではなくγ運動ニューロンである。
4.× 逆である。「Ⅱ群線維」より「I群線維」の方が伝導速度は速い。なぜなら、I群線維は太く、Ⅱ群線維は細いため。
5.〇 正しい。H波はIa群線維の刺激によって得られる

 

 

 

 

43回共通 21問

γ運動ニューロンについて誤っているのはどれか。

1.筋紡錘の感受性を調節する。
2.核袋線維と核鎖線維を支配する。
3.前根の約30%を占める。
4.α運動ニューロンよりも細い。
5.α運動ニューロンから抑制性支配を受ける。

解答5

解説


1.〇 正しい。筋紡錘の感受性を調節する。γ運動ニューロンは、筋紡錘内の筋線維を支配する。
2.〇 正しい。核袋線維と核鎖線維を支配する。動的γ運動ニューロンが核袋線維を、静的γ運動ニューロンが核鎖線維を支配する。
3.〇 正しい。前根の約30%を占める。前根には、α運動ニューロンとγ運動ニューロンがあり、前者のほうが多い。
4.〇 正しい。α運動ニューロンよりもγ運動ニューロンの方が細い。
5.× 「α運動」ではなくγ運動ニューロンから抑制性支配を受ける。γ環もしくはγループといい、γ運動ニューロンにはα運動ニューロンを興奮させる作用がある

 

 

第45回 午後54問

54.伸張反射の反射弓を構成するのはどれか。2つ選べ。

1.α運動線維
2.Ⅰa群求心性線維
3.Ⅰb群求心性線維
4.Ⅲ群求心性線維
5.Ⅳ群求心性線維

解答1.2

解説

伸張反射とは?

伸張反射は、筋紡錘に存在する一次終末からのIa線維を介してα運動ニューロンにシナプスを形成するもので、単シナプス性の反射経路をとる。筋を伸張すると筋紡錘も引き伸ばされ、感覚神経の終末が変形する。この機械的刺激が感覚神経に求心性発射活動を引き起こす。

1.〇 α運動線維は、伸張反射の遠心性線維である。
2.〇 Ia群求心性線維は、伸張反射の求心性線維である。
3.× Ib群求心性線維は、腱紡錘に存在するIb自己抑制に働く求心性線維である。
4.× Ⅲ群求心性線維は、温度感覚・痛覚刺激の求心性線維である。
5.× Ⅳ群求心性線維は、温度感覚・遅い痛覚刺激の求心性線維である。

 

 

 

 

第47回 午後62問

自原抑制について正しいのはどれか。

1.受容器は筋紡錘である。
2.単シナプス反射である。
3.効果器は同名筋である。
4.反射の中枢は中脳にある。
5.求心性神経はIa群である。

解答

解説

自原抑制とは?

自原抑制(自己抑制)とは、筋が過剰に収縮し、健にかかる張力が大きくなったときに腱紡錘(ゴルジ腱器官)がそれを感知し、その健の筋が弛緩しにかかる張力を小さくする反射である。動筋の抑制性2シナプス反射となる。Ⅰb線維による。

1.× 受容器は、筋紡錘ではなく、腱紡錘(ゴルジ腱器官)である。
2.× 単シナプス反射ではなく、抑制性2シナプス反射である。Ⅰb線維とα運動神経の間に抑制性介在ニューロンが存在する。ちなみに、 Ⅰα線維による伸張反射は、単シナプス反射である。
3.〇 正しい。効果器は同名筋である。ちなみに、自原抑制(自己抑制)のほかに、伸張反射の効果器も同名筋である。
4.× 反射の中枢は、中脳ではなく脊髄にある。
5.× 求心性神経は、Ⅰα群ではなく、Ⅰb群ある。

 

 

 

 

第48回 午後63問

63 筋紡錘について正しいのはどれか。

1.二次終末は核鎖線維に比べ核袋線維との結合が強い。
2.手の虫様筋に比べ上腕二頭筋で高密度に存在する。
3.Ⅱ群線維は筋紡錘の動的感受性を調整している。
4.Ⅰa群線維は核袋線維からの求心線維である。
5.錘内筋はα運動ニューロンに支配される。

解答4

解説

筋紡錘は、筋線維の中にあり、筋が伸ばされたことを感知し、筋を縮ませる働きを持つ。筋紡錘の中には、錘内線維と呼ばれる少数の筋線維があり、核袋線維と核鎖線維からなる。

1.× 逆である。二次終末は、主に核鎖線維(絶対長の変化を検知)に終始する。したがって、核袋線維比べ核鎖線維との結合が強い。
2.× 逆である。上腕二頭筋に比べ手の虫様筋で高密度に存在する。筋紡錘の密度は筋によって異なり、手指を動かす筋肉では筋紡錘の密度が高くなっており、手指の微妙な動きの制御が可能になっている。
3.× 筋紡錘の動的感受性を調整しているのは、Ⅰa群線維である。Ⅱ群線維は、求心線維であり、静的感受性(絶対長の変化)を調節している。
4.〇 正しい。Ⅰa群線維は、核袋線維からの求心線維である。Ⅰa群線維は、筋紡錘の伸展を感知する。錐内線維である核袋線維と核鎖線維にⅠa線維の終末が存在する。
5.× 錘内筋は、「α運動ニューロン」ではなくγ運動ニューロンの支配を受ける。α運動ニューロンは、錘外筋線維を支配する。

 

 

第53回 午前62問

伸張反射について正しいのはどれか。

1.侵害受容反射である。
2.単シナプス反射である。
3.求心性線維はIb群線維である。
4.遠心性線維はγ運動線維である。
5.筋紡錘内の錘内線維を支配するのはα運動線維である。

解答:2

解説
1.× 侵害受容反射ではない。侵害反射は、痛みや組織の損傷をするような刺激が与えられた時に生じる反射である。筋紡錘は骨格筋の収縮を感知する感覚器(筋の長さとそれが変化する速さを感知する感覚器)として機能する。
2.〇 正しい。単シナプス反射である。
3.× 求心性線維は、Ib群線維ではなく、Ia群線維ある。ちなみに、Ib群線維は腱受容器の求心性線維である。
4.× 遠心性線維は、γ運動線維ではなく、α運動線維ある。
5.× 筋紡錘内の錘内線維を支配するのは、α運動線維ではなく、γ運動線維である。

 

 

 

第55回 午後64問

64 筋紡錘の感覚神経線維で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.Ia
2.lb
3.II
4.α
5.γ

解答1,3
解説


1.〇 正しい。Ia群求心性線維(Aα)は、筋紡錘を支配している。筋が伸張したことを伝える。
2.× lb群求心性線維(Aα)は、腱器官を支配している。腱が伸張したことを伝える。
3.〇 正しい。II群求心性線維(Aγ)は、筋紡錘を支配している。筋が伸張したことを伝える。
4.× α運動線維(Aα)は、錘外筋線維を支配する。収縮命令を伝える。
5.× γ運動線維(Aγ)は、錘内筋線維を支配する。筋紡錘の感度を調節する。

 

 

 

 

第56回 午後63問

63 伸張反射について誤っているのはどれか。

1.筋紡錘が筋の長さを検知する。
2.痙縮では伸張反射が低下する。
3.伸張反射は単シナプス反射である。
4.Ⅰa群神経線維はα運動神経に結合する。
5.錘外線維が伸ばされると錘内線維は活動を増す。

解答

解説

1.〇 筋紡錘が筋の長さを検知する。筋紡錘は、骨格筋の収縮を感知する感覚器(筋の長さとそれが変化する速さを感知する感覚器)であり、腱をたたいて骨格筋を急速に伸ばすと起こる筋単収縮(伸張反射)に関与する。
2.× 痙縮は、伸張反射が亢進する。痙縮は「腱反射亢進を伴った緊張性伸張反射(tonic stretch reflex)の速度依存性増加を特徴とする運動障害で、伸張反射の亢進の結果生じる上位運動ニューロン症候群の一徴候」と定義されている。痙縮は、上位運動ニューロン障害に生じる症状の一つであり、上位運動ニューロンによる抑制が効かなくなるために、伸張反射が出続けることで生じる。下位運動ニューロン障害では、痙縮は出現しない。
3.〇 伸張反射は、単シナプス反射である。伸張反射とは、外力により急に筋が引き伸ばされるとその筋が収縮する反射のことである。
4.〇 正しい。Ⅰa群神経線維は、α運動神経に結合する。筋紡錘が引き延ばされたことをⅠa群神経線維が伝え、a運動神経が筋を収縮させる。
5.〇 錘外線維が伸ばされると錘内線維(筋紡錘)は活動を増す。筋紡錘(錘内筋線維)は、筋力を出す錘外筋線維(いわゆる骨格筋)と平行になっており小さいのが特徴である。錘外筋線維は長いものでは30cmにもなるが、筋紡錘は1cm程度である。錘外筋線維が伸張されると筋紡錘(錘内筋線維)も伸張されて、感覚神経終末で受容器電位が発生する。

伸張反射とは?

単シナプス性である。筋紡錘に存在する一次終末から、Ⅰa群神経線維を介して、α運動神経にシナプスを形成する。伸張反射以外のほとんどの反射は多シナプス反射である。

 

 

第57回 午後62問

62 深部腱反射について正しいのはどれか。

1.感覚入力はⅢ群求心性線維を介する。
2.運動出力はα運動神経を介する。
3.錘外筋線維が受容器となる。
4.反射闘値は一定である。
5.高齢者では亢進する。

解答

解説

深部腱反射とは?

 深部腱反射は、骨格筋につながる腱をハンマーなどでたたいた時、筋が不随意に収縮する反射である。筋紡錘が腱の伸びを筋の伸びとして感知したことにより、筋の収縮(緊張)を生み出すことが原因である。単収縮は単一の刺激によって引き起こされる筋収縮である。

1.× 感覚入力は、Ⅲ群求心性線維ではなく「Ia群求心性線維」を介する。ちなみに、Ⅲ群求心性線維は、温度感覚・痛覚刺激の求心性線維である。
2.〇 正しい。運動出力はα運動神経を介する。筋紡錘が引き延ばされたことをIa群神経線維が伝え、a運動神経が筋を収縮させる。
3.× 受容器となるのは、錘外筋線維ではなく「筋紡錘」である。Ia群求心性線維(Aα)は、筋紡錘を支配している。筋が伸張したことを伝える。一方、α運動線維(Aα)は、錘外筋線維を支配する。収縮命令を伝える。
4.× 反射闘値は一定ではない。Jendrassik法(イェンドラシック法)を用いることで機能的に低下した反射を増強できる。
5.× 高齢者では亢進ではなく「低下」する。ただし、非対称である場合と増強法を用いても反射がみられない場合は異常である。反射が低下する要因の一つとして、神経の伝達速度の低下があげられる。これは、加齢により神経を取り囲む髄鞘に変性が起きるためといわれている。

伸張反射とは?

伸張反射は、筋紡錘に存在する一次終末からのIa線維を介してα運動ニューロンにシナプスを形成するもので、単シナプス性の反射経路をとる。筋を伸張すると筋紡錘も引き伸ばされ、感覚神経の終末が変形する。この機械的刺激が感覚神経に求心性発射活動を引き起こす。

 

 

 

第59回 午前61問

61 伸張反射で正しいのはどれか。

1.侵害受容反射である。
2.多シナプス反射である。
3.求心性線維はIa群線維である。
4.α運動線維は筋紡錘内の錘内線維を支配する。
5.γ運動線維は伸張された筋の拮抗筋を支配する。

解答

解説

伸張反射とは?

伸張反射は、筋紡錘に存在する一次終末からのIa線維を介してα運動ニューロンにシナプスを形成するもので、単シナプス性の反射経路をとる。筋を伸張すると筋紡錘も引き伸ばされ、感覚神経の終末が変形する。この機械的刺激が感覚神経に求心性発射活動を引き起こす。

1.× 侵害受容反射であるのは、逃避反射(屈曲反射)である。逃避反射とは、屈曲反射、逃避反射、防御反射、侵害受容反射ともいい、四肢の皮膚に強い刺激(痛み刺激)を加えると、その肢が屈曲する反射である。
2.× 「多」ではなく単シナプス反射である。多シナプス反射とは、筋を弛緩するため、抑制性ニューロンを介在しなければならない反射である。したがって、伸張反射以外のほとんどの反射は多シナプス反射である。
3.〇 正しい。求心性線維はIa群線維である。ちなみに、遠心性線維はα群線維である。
4.× 筋紡錘内の錘内線維を支配するのは、「α運動線維」ではなくγ運動線維である。γ運動線維とは、錘内筋線維の両端を支配しており、筋紡錘が正常に働くように調節する機能がある。
5.× 伸張された筋の拮抗筋を支配するのは、「γ運動線維」ではなくα運動線維である。拮抗筋に関係なく、随意的な筋収縮の命令を直接筋肉に伝えるのは、α運動線維ある。

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