【PT/共通】股関節についての問題「まとめ・解説」

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※問題の引用:厚生労働省より

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

MEMO

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目次 非表示

PT専門

第48回 午前14問

14 62歳の女性。両側の変形性膝関節症で、膝関節に軽度の伸展制限と中等度の内反変形とがみられ、Mikulicz線は膝関節中心の内側に偏位している。
 運動療法で適切でないのはどれか。

解答4

解説

本症例のポイント

・62歳の女性(両側の変形性膝関節症)
・膝関節に軽度の伸展制限と中等度の内反変形がみられる。
・Mikulicz線は膝関節中心の内側に偏位している。
→Mikulicz線(ミクリッツ線)とは、成人の立位荷重線で、大腿骨頭中心から足関節中心を結んだ線である。この線は、正常成人では、膝関節の中心を通過するが、大腿骨頸部の頚体角が大きい場合や、変形性膝関節症で内反変形があると、膝関節中心の内側を通過する。つまり、本症例はO脚変形しているということである。

1~2.〇 正しい。大腿四頭筋の筋力強化である。膝関節の安定性が増す。
3.〇 正しい。自動介助運動での膝関節伸展の関節可動域訓練である。膝関節軽度伸展制限の軽減を図れる。
4.× 内転筋の筋力強化である。O脚の悪化につながるため不適切である。
5.〇 正しい。ハムストリングスの筋力強化である。膝関節の安定性が増す。

 

 

 

 

 

第53回 午前19問

19.股関節の図を示す。臼蓋角はどれか。

1.a
2.b
3.c
4.d
5.e

解答:5

解説

1.× aは、頚体角である。①大腿骨頭中心と頚部の中心を通る頚部軸と、②大腿骨幹部の長軸がなす角度である。
2.× bは、CE角(center edge angle)である。①大腿骨頭中心を通る垂線と、②骨頭中心と臼蓋外側縁を結んだ線とのなす角度である。
3.4.× c.dは、特に基準となる角度の名称はない。
5.〇 正しい。eは、臼蓋角である。臼蓋角とは、①ウォレンベルグ線(両側のY軟骨を結ぶ線)と、②寛骨臼蓋接線を結んだ直線の角である。

 

 

 

共通問題

第40回 13問

股関節について誤っているのはどれか。(一部改訂)

1.腸骨大腿靱帯によって内転が制限される。
2.大腿骨頭靱帯の中を血管が通る。
3.関節包は後方部分が厚い。
4.骨頭と臼蓋は同心円に近い球関節である。
5.関節唇が適合性を高めている。

解答

解説
国家試験では、全部正しいとなり、厚生労働省の発表で採点除外問題となった。今回は、一部改訂させてもらい、問題に答えが出るようにした。
股関節は、寛骨と大腿骨との間の関節で、上肢の肩関節に相当するが体重の支持などに関わるので肩関節に比べ、遙かに安定かつ強固な構造を持つ。

1.〇 正しい。腸骨大腿靱帯によって内転が制限される。腸骨大腿靱帯は、股関節を補強する最も強靭な靱帯である。下前腸骨棘から扇状に広がり、転子間に幅広く付着する。全体で股関節の伸展を制限し、上部の線維は特に内転や外旋を、下部の線維は外転を制限する。
2.〇 正しい。大腿骨頭靱帯の中を血管が通る。大腿骨頭靱帯と平行に閉鎖動脈の枝が通り、骨頭の栄養血管となっている。成人では血管が閉鎖することが多い。
3.× 関節包は「後方部分」ではなく、前方部分が厚い。
4.〇 正しい。骨頭と臼蓋は同心円に近い球関節である。股関節は寛骨臼と大腿骨頭とによってつくられる臼状関節である。大腿骨頭は、その半分以上が寛骨臼におおわれ、そのために運動は著しく制限されている。
5.〇 正しい。関節唇が適合性を高めている。線維性軟骨できている関節唇は,寛骨臼の周りに存在し、骨頭との適合性を良くし、補強している。

 

 

第46回 午後72問

72.正しいのはどれか。2つ選べ。

1.腸骨大腿靱帯は股関節外旋を制限する。
2.坐骨大腿靱帯は股関節屈曲を制限する。
3.小殿筋の収縮は股関節外旋を制限する。
4.半膜様筋の収縮は膝関節内旋を制限する。
5.大腿二頭筋の収縮は膝関節屈曲を制限する。

解答1/3

解説

1.〇 正しい。腸骨大腿靱帯は、股関節外旋を制限する。他にも、股関節の伸展、内・外転を制限する。
2.× 坐骨大腿靱帯は、股関節「屈曲」ではなく、伸展・内旋・外転を制限する。坐骨大腿靱帯は、股関節屈曲時に弛緩する。
3.〇 正しい。小殿筋の収縮は、股関節外旋を制限する。なぜなら、小殿筋の作用は股関節外転・内旋であるため。
4.× 半膜様筋の収縮は、膝関節「内旋」ではなく外旋を制限する。なぜなら、半膜様筋の作用は股関節伸展・内転・内旋、膝関節屈曲であるため。
5.× 大腿二頭筋の収縮は、膝関節「屈曲」ではなく伸展を制限する。なぜなら、大腿二頭筋の作用は股関節伸展・外旋、膝関節屈曲であるため。

 

 

 

第47回共通 午後72問

72.正しいのはどれか。2つ選べ。

1.腸骨大腿靱帯は股関節外旋を制限する。
2.坐骨大腿靱帯は股関節屈曲を制限する。
3.小殿筋の収縮は股関節外旋を制限する。
4.半膜様筋の収縮は膝関節内旋を制限する。
5.大腿二頭筋の収縮は膝関節屈曲を制限する。

解答1/3

解説

1.〇 正しい。腸骨大腿靱帯は、股関節外旋を制限する。他にも、股関節の伸展、内・外転を制限する。
2.× 坐骨大腿靱帯は、股関節「屈曲」ではなく、伸展・内旋・外転を制限する。坐骨大腿靱帯は、股関節屈曲時に弛緩する。
3.〇 正しい。小殿筋の収縮は、股関節外旋を制限する。なぜなら、小殿筋の作用は股関節外転・内旋であるため。
4.× 半膜様筋の収縮は、膝関節「内旋」ではなく外旋を制限する。なぜなら、半膜様筋の作用は股関節伸展・内転・内旋、膝関節屈曲であるため。
5.× 大腿二頭筋の収縮は、膝関節「屈曲」ではなく伸展を制限する。なぜなら、大腿二頭筋の作用は股関節伸展・外旋、膝関節屈曲であるため。

 

 

 

 

 

第47回 午後70問

股関節について正しいのはどれか。

1.関節窩には骨頭の1/3が入る。
2.臼蓋角は成人の方が小児よりも大きい。
3.運動範囲は内転の方が外転よりも大きい。
4.大腿骨頭靱帯は内転時に緊張する。
5.恥骨筋の収縮は外旋を制限する。

解答

解説

1.× 関節窩には骨頭の1/3ではなく2/3が入る。さらに、先天性股関節脱臼では関節窩に入っている骨頭の割合が低くなっている。
2.× 逆である。臼蓋角は、小児の方が成人よりも大きい。臼蓋角は成長が進むにつれて小さくなる。臼蓋の形成不全ではこの角度が大きいままである。臼蓋角とはX線写真より測定可能な①ウォレンベルグ線両側のY軟骨を結ぶ線と②寛骨臼蓋接線を結んだ直線の角である。正常は20~25°であり、30°以上あるものを臼蓋形成不全とする。
3.× 逆である。運動範囲は外転の方が内転よりも大きい。ROMでの参考角度は、内転20°、外転45°である。
4.〇 正しい。大腿頭靱帯は、内転時に緊張する。大腿骨頭靱帯は、大腿骨頭と寛骨を結ぶ靱帯であり、股関節内転時にのみ緊張する。
5.× 恥骨筋の収縮は、外旋を制限するのではなく、外旋作用を持つ。恥骨筋は屈曲・内転・外旋に働く。このため恥骨筋の収縮は伸展・外転・内旋を制限する。

 

 

第49回 午後52問

大腿骨について正しいのはどれか。(※不適切問題:解答2つ)

1.頸部は後捻している。
2.骨幹部は後弯している。
3.外側顆は内側顆より大きぃ。
4.骨頭窩は骨頭の外側にある。
5.大転子は小転子より近位にある。

解答3,5

解説

1.× 頸部は、「後捻」ではなく前捻している。その角度が前捻角(10~30°)である。ちなみに、小児では前捻が強く、成長とともに減少する。
2.× 骨幹部は、「後弯」ではなく前弯している。
3.〇 正しい。大腿骨の外側顆は、内側顆より大きい。ちなみに、関節面の内側顆は、外側顆より大きい。
4.× 骨頭窩は骨頭の、「外側」ではなく内側にある。骨頭窩に大腿骨頭靭帯が付着し、寛骨臼と接続される。
5.〇 正しい。大転子は小転子より近位(上部)にある。

 

 

 

 

第50回 午後72問

72 基本肢位からの股関節の運動について正しいのはどれか。

1. 屈曲時に腸脛靱帯は緊張する。
2. 伸展時に坐骨大腿靱帯は緊張する。
3. 外転時に大腿骨頭靱帯は緊張する。
4. 内旋時に恥骨大腿靱帯は緊張する。
5. 屈曲時に腸骨大腿靱帯は緊張する。

解答2

解説

1.× 「屈曲時」ではなく、伸展時に腸脛靱帯は緊張する。腸脛靭帯は、大腿筋膜張筋の停止部である。つまり、大腿筋膜張筋を伸張させることで、腸脛靭帯も緊張する。大腿筋膜張筋の作用は、股関節屈曲、内旋、外転、膝関節伸展である。したがって、股関節伸展時に緊張する。
2.〇 正しい。伸展時に坐骨大腿靱帯は緊張する。他にも、腸骨大腿靭帯・恥骨大腿靭帯・坐骨大腿靭帯が緊張する。
3.× 外転時に緊張するのは、「大腿骨頭靱帯」ではなく、腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯である。大腿骨頭靱帯は、股関節内転時に緊張する。
4.× 「内旋時」ではなく、外旋時に恥骨大腿靱帯は緊張する。
5.× 屈曲時は、すべての靭帯が弛緩する。腸骨大腿靱帯は、伸展時内外転外旋時に緊張する。

 

 

 

 

第53回51問

股関節で正しいのはどれか。

1.顆状関節である。
2.大腿骨頸部は関節包外にある。
3.寛骨臼は前外側を向いている。
4.寛骨臼は腸骨のみで構成される。
5.腸骨大腿靭帯が関節包後面から補強している。

解答:3

解説
1.×:股関節は、顆状関節ではなく、臼状関節である。ちなみに、顆状関節は、橈骨手根関節や中手指節関節などである。
2.×:大腿骨頚部は、関節包外ではなく、関節包内(一部)にある。前面では完全に関節包に包まれているが、後面ではその上部だけが関節包に包まれている。関節包は大腿骨頭・頚部を覆うように大転子・小転子基部に付着する。
3.〇:正しい。寛骨臼は前外側を向いている。
4.×:寛骨臼は腸骨のみではなく、腸骨・恥骨・坐骨が結合して形成されている。
5.×:腸骨大腿靭帯が関節包の後面からではなく、前面から補強している。腸骨大腿靭帯は股関節を補強する最も強靭な靭帯である。下前腸骨棘から、扇状に広がり、転子間に幅広く付着する。

 

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