この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
66 血球と機能の組合せで正しいのはどれか。
1.単球:抗体産生
2.顆粒球:酸素運搬
3.血小板:止血
4.赤血球:細胞性免疫
5.リンパ球:細菌貧食
解答3
解説
アレルギー反応の分類法としては、免疫反応による組織傷害の機序から分類したGellとCoombsの分類が使われることが多い。本分類はその反応に関与する抗体や細胞の違いにより分類されるが、現象的には皮膚反応出現にかかる時間と反応の性状により分けられる。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ型は血清抗体が関与する体液性免疫(humoral immunity)、Ⅳ型は感作リンバ球による細胞性免疫(cellularimmunity)と大別される。
(※引用:「アレルギー総論」厚生労働省HPより)
1.× 単球は「抗体産生」ではなく細菌貧食である。ちなみに、抗体産生は、B細胞(形質細胞)である。
単球とは、白血球の一種であり、核をもつ。最も大きなタイプの白血球である。マクロファージなどへ分化し、貧食・消化・殺菌などの機能を発揮する。単球は、末梢血白血球の2~9%を占める。ちなみに、マクロファージとは、単球から分化し、貧食能を有する。異物を貪食して抗原提示細胞になり、抗原情報がリンパ球に伝えられる。直径15~20μmの比較的大きな細胞で、全身の組織に広く分布しており、自然免疫(生まれつき持っている防御機構)において重要な役割を担っている。
2.× 顆粒球は、「酸素運搬」ではなく細胞性免疫である。ちなみに、酸素運搬は、赤血球である。
顆粒球とは、好中球、好酸球、好塩基球、および肥満細胞で構成される不均一な白血球である。自然免疫細胞であり、活性化されると、免疫促進分子を放出してウイルスや寄生虫の感染を撃退する。
3.〇 正しい。血小板:止血
血小板とは、出血の際の一次止血や血液凝固機能に関与する。血液中の細胞成分である。
4.× 赤血球は、「細胞性免疫」ではなく酸素運搬である。
赤血球とは、細胞内にヘモグロビンを含み、主に酸素の運搬を行う。血液中の細胞成分である。
5.× リンパ球は、「細菌貧食」ではなく抗体産生(特にB細胞)である。
リンパ球とは、脊椎動物の免疫系における白血球のサブタイプの一つである。リンパ球には①ナチュラルキラー細胞、②T細胞、③B細胞がある。B細胞は体液性免疫を担当し、B細胞から活性化して形質細胞となり抗体を産生する。
67 胆汁で正しいのはどれか。
1.アルカリ性である。
2.胆嚢で産生される。
3.蛋白質を分解する。
4.リパーゼが含まれる。
5.主に大腸で再吸収される。
解答1
解説
肝臓で合成されるアルカリ性の物質で、胆嚢で濃縮されたうえ、貯蔵される。胆汁中には消化酵素は存在しない。しかし、胆汁中に含まれる胆汁酸は乳化作用とミセル形成作用を有するため、脂肪の消化吸収に重要な役割を果たす。胆汁はビリルビン、胆汁酸、コレステロール、リン脂質からなり、消化酵素は含まれない。胆汁は消化酵素の働きを助ける作用がある。胆汁酸の働きは、脂肪を乳化し、消化・吸収させやすい形に変化させ、脂肪を分解吸収しやすくする。 さらに水に溶けない脂溶性ビタミンの吸収を助ける。排出された胆汁の大部分は小腸から吸収されて、他の吸収された栄養分と一緒に血管を通って肝臓に戻り、再利用される。 これを腸肝循環という。
1.〇 正しい。アルカリ性である。なぜなら、胃から流れてくる酸性の内容物を中和するため。
2.× 「胆嚢」ではなく肝臓で産生される。胆嚢とは、胆汁を貯蔵し、必要に応じて腸に放出する役割を持つ臓器である。肝臓の右葉の下に位置し、長さは10cm、幅は4cm程度で、50〜60mlの胆汁を貯えることができる。
3.× 「蛋白質の分解」ではなく脂肪を乳化する。蛋白質の分解には、胃酸(ペプシン)、膵液(トリプシン)などが関与する。
4.× リパーゼが含まれるのは、「膵液」である。膵液とは、膵臓から十二指腸に分泌される消化液である。糖質を分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するトリプシン、脂肪を分解するリパーゼなどの消化酵素、核酸の分解酵素を含んでいる。
5.× 主に「大腸」ではなく小腸の末端部(回腸)で再吸収される。これを腸肝循環という。脂肪の消化、吸収という役目を果たした胆汁は、一部が便や尿として排泄されるが、90〜99%は小腸の下部で吸収され、門脈を通って肝臓に戻る。そして、再び胆汁として分泌され、胆嚢に蓄えられることになる。こうして胆汁がリサイクルされることを腸肝循環という。
①胆汁の生成とビリルビンの代謝
②血漿蛋白質と尿素の合成
③脂質代謝
④糖の貯蔵と放出
⑤ビタミンDの代謝
⑥ホルモンの代謝
⑦解毒・薬物の代謝である。
関連問題です↓
68 月経で誤っているのはどれか。
1.分泌期は10日間である。
2.月経血は非凝固性である。
3.月経期は黄体の退縮により生じる。
4.エストロゲンは子宮内膜の再生に作用する。
5.プロゲステロンは子宮内膜の分泌活動に作用する。
解答1
解説
(※画像引用:日本医師会様HPより)
・卵胞期:1回の月経周期が始まると脳の底の方にある下垂体というところから、卵を包んでいる卵胞を刺激する卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されはじめ、卵胞は大きくなると同時に女性ホルモン(エストロゲン)を分泌する時期。
・増殖期:女性ホルモン(エストロゲン)が新しい子宮内膜を成長させていく時期。卵胞期と増殖期とはだいたい同じ時期。
・黄体期:排卵した後の卵胞(黄体)から黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されるようになる時期。
・分泌期:子宮内膜が成長を止めて受精卵が着床できるよう準備をする時期。
1.× 分泌期は、「10日間」ではなく約14日間である。例えば、28日周期の場合、排卵は約14日目に起こり、月経は約28日目に始まるため、分泌期は約14日間となる。
2.〇 正しい。月経血は、非凝固性である。なぜなら、月経血は、子宮内でフィブリン溶解系が働くため。これは、子宮内で大きな血栓が形成されるのを防ぐための生理的メカニズムである。
3.〇 正しい。月経期は、黄体の退縮により生じる。なぜなら、排卵後に受精が起こらなければ、黄体は短命となり、ホルモンレベルの低下が(子宮内膜が剥がれ落ち)月経の引き金となるため。ちなみに、月経期とは、出血が始まってから終わるまでの期間(子宮内膜が剥がれ落ちる期間)をさす。
4.〇 正しい。エストロゲンは、子宮内膜の再生に作用する。月経周期の増殖期にエストロゲンの作用により子宮内膜が厚くなり、受精卵が着床しやすい環境を整える。ちなみに、一般的に、エストロゲンとは、主に卵巣から分泌される女性らしさをつくるホルモンで、成長とともに分泌量が増え、生殖器官を発育・維持させる働きをもっている。女性らしい丸みのある体形をつくったり、肌を美しくしたりする作用もあるホルモンである。分泌量は、毎月の変動を繰り返しながら20代でピークを迎え、45~55歳の更年期になると急激に減る。
5.〇 正しい。プロゲステロンは、子宮内膜の分泌活動に作用する。なぜなら、排卵後、黄体から分泌されるプロゲステロンにより、子宮内膜は受精卵の着床環境が整えられるため。
プロゲステロン(黄体ホルモン)は、基礎体温を上げ、受精卵が着床しやすい状態にする作用を持つ。プロゲステロン(黄体ホルモン)は、性周期が規則的で健常な成人女性において、着床が起こる時期に血中濃度が最も高くなるホルモンである。着床が起こる時期とは、月経の黄体期である。黄体期は、排卵した後の卵胞(黄体)から黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されるようになる時期である。
69 運動単位で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.運動単位には求心性線維が含まれる。
2.神経支配比が大きいほど精密な動きができる。
3.活動電位の大きな運動単位が先に活動を始める。
4.同じ運動単位に属する筋線維は同期して興奮する。
5.運動ニューロンとそれに支配される筋線維群を運動単位という。
解答4・5
解説
外眼筋:13
虫様筋:110
前脛骨筋:610
上腕二頭筋:750
側頭筋:930
腓腹筋:1720
1.× 運動単位には求心性線維は「含まれない」。1つの運動単位とは、①1つのα運動ニューロン、②軸索、③それが支配する筋線維群を指す。したがって、1つのα運動ニューロン(脊髄前角細胞)が活動したとき、この単位に属するすべての筋線維群は同時に収縮する。
2.× 神経支配比が「大きい」ではなく小さいほど、精密な動きができる。神経支配比とは、1つの運動神経が支配する筋線維の数のことをいう。
①粗大運動を行う筋:神経支配比が大きく、運動単位は大きい。
②精巧な運動を行う筋:神経支配比が少なく、運動単位は小さい。ちなみに、神経支配比とは、1つの運動神経が支配する筋線維の数のことをいう。
3.× 活動電位の「大きな」ではなく小さい運動単位が、先に活動を始める。通常、小さな運動単位から活動を開始し、ついで閾値の高い大きな運動単位が順次活動していく。これをサイズの原理という。例えば、軽い力を必要とする動作では、小さい運動単位がまず発火し、負荷が増すと大きな運動単位が順次動員される。
4.〇 正しい。同じ運動単位に属する筋線維は、同期して興奮する。なぜなら、運動単位に属するすべての筋線維は、同じ運動ニューロンからの信号を同時に受け取り、一斉に収縮するため。つまり、一つの運動ニューロンを刺激すると、その支配下にある筋線維が同時に収縮する。言い換えると、1つのα運動ニューロン(脊髄前角細胞)が活動したとき、この単位に属するすべての筋線維群は同時に収縮する。
5.〇 正しい。運動ニューロンとそれに支配される筋線維群を運動単位という。運動単位の定義は、1つの運動ニューロンと、その運動ニューロンが支配する全ての筋線維から構成される。
関連問題です↓
70 肺気量分画のうちの2つを用いて肺胞換気量を算出する場合、使用するのはどれか。2つ選べ。
1.残気量
2.1回換気量
3.死腔換気量
4.予備吸気量
5.予備呼気量
解答2・3
解説
(※図引用:「呼吸機能検査 フロー・ボリューム曲線」医學事始様HPより)
肺胞換気量とは、肺と血液の間で実際にガス交換に関与している呼吸気量のことである。有効換気ともいう。
例えば、1回換気量が500mL、死腔換気量が150mLの場合、1回あたりの肺胞換気量は350mLとなる。
【式】肺胞換気量=1回換気量-死腔換気量
1.× 残気量とは、最大に呼出させた後、なおも肺内に残っている空気量のことをいう。
2~3.〇 正しい。1回換気量/死腔換気量は、肺胞換気量を算出する場合に使用する。
1回換気量とは、一回の呼吸運動(呼気と吸気)で気道・肺に出入りするガスの量のことを指す。単位はmL。
1回換気量のうち、①有効換気量(350mL)と②死腔換気量(150mL)に分けられる。
①有効換気とは、量ガス交換が可能な領域(呼吸細気管支と肺胞)を出入りする分のことである。肺胞換気量ともいう。
②死腔換気量とは、ガス交換が行われない領域(鼻腔・口腔・気管・気管支・終末細気管支)を出入りする分である。
4.× 予備吸気量とは、正常1回換気量を超えて吸気可能な最大空気量である。
5.× 予備呼気量とは、安静時呼息位から強制呼息によって呼出できる量のことをいう。
関連問題です↓