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46.未梢神経障害による猿手で使用する装具はどれか。
1.コックアップ・スプリント
2.短対立装具
3.虫様筋カフ
4.手関節駆動式把持装具
5.BFO
解答:2
解説
猿手は、正中神経麻痺で起こる。正中神経麻痺に適応する装具を選択する問題である。ちなみに、「鷲手:尺骨神経麻痺」「下垂手:橈骨神経麻痺」である。
1.× コックアップ・スプリントは、手関節の背屈困難な橈骨神経麻痺で使用する装具である。
2.〇 正しい。短対立装具は、正中神経麻痺で使用する装具である。母趾と他の四指を対立位に保持するための装具である。
3.× 虫様筋カフは、尺骨神経麻痺で使用する装具である。虫様筋カフは指の基節骨の背側に装着し、MP関節の伸展を防止する。
4.× 手関節駆動式把持装具は、ピンチ動作が困難な第6頚髄損傷で使用する装具である。
5.× BFO(非装着式上肢装具)は、第4,5頚髄損傷で使用する装具である。前腕を支持することにより、上肢の重さを軽減させ、弱い力で上肢の動きを引き出す自助具である。
47.Down症児の初期の腹臥位での移動の特徴はどれか。
1.股関節の外転
2.伸展側下肢の尖足傾向
3.上肢の過剰な引き込み
4.緊張性迷路反射の残存
5.下肢運動の交互性の欠如
解答:1
解説
ダウン症候群(Down症候群)とは、染色体異常が原因で知的障害が起こる病気である。常染色体異常疾患の中で最多である。Down症候群になりうる異常核型は、3種に大別される。①標準トリソミー型:21トリソミー(93%)、②転座型(5%)、③モザイク型(2%)である。発症率は、平均1/1000人である。しかし、35歳女性で1/300人、40歳女性1/100人、45歳女性1/30人と、出産年齢が上がるにつれて確率が高くなる。症状として、①特異な顔貌、②多発奇形、③筋緊張の低下、④成長障害、⑤発達遅滞を特徴とする。また、約半数は、先天性心疾患や消化管疾患などを合併する。特異顔貌として、眼瞼裂斜上・鼻根部平坦・内眼角贅皮・舌の突出などがみられる。
乳児期の特徴としては、全身の筋緊張が低く、発達の遅れを伴う。理学療法では、バランスボールなどダウン症児の興味関心を抱きやすい環境で筋緊張を高められる運動(主に体幹筋群)を提供する。スカーフ徴候陽性や、シャフリング移動がみられる。スカーフ徴候の正常(陰性)の場合、腕を首に巻きつけるようにすると抵抗するが、陽性の場合は抵抗がみられない。シャフリング移動とは、お座り姿勢のまま移動する(いざり)ことである。脚の動かし方、手の使い方のバリエーションが少なかったり、下半身の筋肉の張りが弱く、筋肉量も少ないために行うことがある。Down症候群の子供では、立位歩行の獲得が遅れるため、シャフリング移動がみられる。正常発達の乳児期前半では、背臥位にて手で足をつかむ動作を行うようになるが、ダウン症乳児の場合、全身の筋緊張が低下しているため、背臥位では股関節外転・外旋した「蛙様肢位(蛙状肢位)」となり、足の持ち上げが難しくなる。読み方は、そのまま「カエルヨウ肢位、カエルジョウ肢位、カエル肢位」などと読む。
1.〇 正しい。股関節の外転する。なぜなら、ダウン症は「筋緊張の低下」が特徴であるため。
2.× 伸展側下肢の尖足傾向にならない。なぜなら、ダウン症は「筋緊張の低下」が特徴とするため。
3~5.× 上肢の過剰な引き込み/緊張性迷路反射の残存/下肢運動の交互性の欠如は、脳性麻痺児の特徴である。特に、下肢運動の交互性の欠如は、脳性麻痺などの「筋緊張の亢進」を特徴とする児にみられやすいが、ダウン症児は下肢運動の交互性は保たれやすい。
48.摂食嚥下障害に対するShaker法について正しいのはどれか。
1.喉頭挙上筋群の筋力増強を行う。
2.食道入口部を閉鎖する。
3.呼吸を数秒間止める。
4.頭部を伸展する。
5.端座位で行う。
解答:1
解説
【目的】喉頭挙上筋群の筋力強化を行い、喉頭の前上方運動を改善して食道入口部の開大を図る。食道入口部の食塊通過を促進し、咽頭残留(特に下咽頭残留)を少なくする効果がある。
【やり方】背臥位に横になり、肩を床につけたまま頭だけを足の指が見えるまで挙上する。疲れない程度で30秒程度持続し、休憩を入れながら5~10回繰り返す。施行中、口を閉じて行う。
1.〇 正しい。喉頭挙上筋群(喉頭挙上に関わる筋)の筋力増強を行う。
2.× 食道入口部を「閉鎖」ではなく、開大を図る。
3.× 呼吸を数秒間でも止めずに行う。
4.× 頭部を「伸展」ではなく、挙上・屈曲する。
5.× 「端座位」ではなく背臥位で行う。
49.人工呼吸器を使用している重症心身障害児の気管吸引を実施する上で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.気管吸引後、聴診する。
2.気管吸引時にはSpO2を確認する。
3.吸引圧は20kPa(150mmHg)以上に設定する。
4.吸引カテーテルは気管分岐部の先まで挿入する。
5.気管吸引は1回の吸引につき30秒間程度持続して行う。
解答:1,2
解説
1.〇 正しい。気管吸引後、聴診する。聴診することで、気胸などの合併症や痰の残存の有無が確認できる。
2.〇 正しい。気管吸引時にはSpO2を確認する。低酸素状態になっていないか確認する。
3.× 吸引圧は、「20kPa(150mmHg)以上」ではなく最大20 kPa(150 mmHg)に設定する。傷つけないようこれを超えないように設定する。
4.× 吸引カテーテルは、気管分岐部の先まででなく、気管分岐部に当たらない位置まで挿入する。
5.× 気管吸引は1回の吸引につき、「30秒間程度」ではなく10秒以上吸引しない。
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【PT/OT】口腔内・鼻腔内吸引についての問題「まとめ・解説」
50.問診で用いる質問の種類とその具体例の組合せで正しいのはどれか。
1.閉じた質問(クローズド・クエスチョン):「痛むのは膝内側ですか?外側ですか?それとも前ですか?」
2.開いた質問(オープン・クエスチョン):「今日の具合はいかがですか?」
3.中立的質問(ニュートラル・クエスチョン):「痛みはありますか?」
4.多項目の質問(マルチプル・クエスチョン):「膝の痛みについて詳しく教えてください」
5.焦点型質問(フォーカスト・クエスチョン):「お名前を教えてください」
解答:2
解説
1.× 閉じた質問(クローズド・クエスチョン)とは、『はいorいいえ』で答えられる質問のことである。「痛むのは膝内側ですか?外側ですか?それとも前ですか?」は、「多項目の質問(マルチプル・クエスチョン)」である。
2.〇 正しい。「今日の具合はいかがですか?」は、開いた質問(オープン・クエスチョン)である。
3.× 中立的質問(ニュートラル・クエスチョン)とは、患者さんの名前や生年月目・職業・住所などを尋ねる質問のことである。「痛みはありますか?」は「閉じた質問(クローズド・クエスチョン)」である。
4.× 多項目の質問(マルチプル・クエスチョン)とは、質問にたいする回答を、あらかじめ医師が限定して聞く質問方法である。「膝の痛みについて詳しく教えてください」は「焦点型質問(フォーカスト・クエスチョン)」である。
5.× 焦点型質問(フォーカスト・クエスチョン)とは、特定のテーマに焦点を絞った質問であり、閉じられた質問よりは自由に、しかし開かれた質問よりは自由度の低い質問である。「お名前を教えてください」は「中立的質問(ニュートラル・クエスチョン)」である。
- 開かれた質問
患者の自由な答えを求める質問
例:「他に気になるところはありますか?」 - 閉じられた質問
「はい・いいえ」で答えられる質問
例:「吐き気はありますか?」 - 中立的な質問
1つの答えしか求めない質問法
例:「水分はいつからとれていないですか?」 - 焦点型質問
1つの事柄を深く掘り下げる質問法
例:「頭痛についてもう少し詳しく教えてください。」