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21 関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)の運動と基本軸の組合せで正しいのはどれか。
1.肩甲帯挙上:上肩峰を通る床への垂直線
2.肩側方挙上:両側の肩峰を結ぶ線
3.肩水平伸展:肘を通る前額面への垂直線
4.肘屈曲:肘を通る床への垂直線
5.手掌屈:橈骨
解答5
解説
1.× 肩甲帯挙上の【基本軸】は、上肩峰を通る床への垂直線ではなく「両側の肩峰を結ぶ線」である。【移動軸】肩峰と胸骨上縁を結ぶ線、【測定部位及び注意点】背面から測定する。ちなみに、肩峰を通る床への垂直線は、肩関節外転である。
2.× 肩側方挙上(肩関節外転)の【基本軸】は、両側の肩峰を結ぶ線ではなく「肩峰を通る床への垂直線」である。【移動軸】上腕骨、【測定部位及び注意点】体幹の側屈が起こらないように、90°以上になったら前腕を回外することを原則とする。ちなみに、両側の肩峰を結ぶ線は、肩甲帯の屈曲・伸展・挙上・下制である。
3.× 肩水平伸展の【基本軸】は、肘を通る前額面への垂直線ではなく「肩峰を通る矢状面への垂直線」である。【移動軸】上腕骨、【測定部位及び注意点】肩関節を90°外転位とする。ちなみに、肘を通る前額面への垂直線は肩関節内・外旋である。
4.× 肘屈曲の【基本軸】は、肘を通る床への垂直線ではなく「上腕骨」である。【移動軸】手指を伸展した手掌面、【測定部位及び注意点】肩の回旋が入らないように肘を90°に屈曲する。
5.〇 正しい。手掌屈の【基本軸】は、橈骨である。【移動軸】第二中手骨、【測定部位及び注意点】前腕は中間位とする。
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22 改訂水飲みテスト(Modified Water Swallowing Test:MWST)の評価基準で正しいのはどれか。
1.評価基準1:嚥下なし、むせるand/or 呼吸切迫
2.評価基準2:嚥下なし、呼吸切迫(不顕性誤嚥の疑い)
3.評価基準3:嚥下あり、呼吸切迫、むせるand/or 湿性嗄声
4.評価基準4:嚥下あり、呼吸良好、むせる
5.評価基準5:嚥下あり、コップから飲むことが可能
解答1
解説
改訂水飲みテスト〈MWST〉とは、3mlの冷水を口腔内に入れて嚥下を行わせ、嚥下反射誘発の有無、むせ、呼吸の変化を評価する。嚥下あり、呼吸良好、むせない状態で、追加嚥下運動(空嚥下)が2回/30秒可能であれば、最高点数の5点である。このテストでむせや湿声がない場合は30mlの水飲みテストを実施する。反対に3㏄の水で嚥下ができず、むせや湿声がある場合は、機器による嚥下機能の精査が必要となる。
1点:嚥下なし、むせるand/or 呼吸切迫
2点:嚥下あり、呼吸切迫を伴う(不顕性誤嚥の疑い)
3点:嚥下あり、呼吸良好、むせるand/or 湿性嗄声
4点:嚥下あり、呼吸良好、むせない
5点:4点の症状に加え、追加嚥下運動(空嚥下)が30秒以内に2回以上。
1.〇 正しい。評価基準1は、嚥下なし、むせるand/or 呼吸切迫を伴う。
2.× 評価基準2は、嚥下なしではなく「嚥下あり」、呼吸切迫(不顕性誤嚥の疑い)である。
3.× 評価基準3は、嚥下あり、呼吸切迫ではなく「呼吸良好」、むせるand/or 湿性嗄声である。
4.× 評価基準4は、嚥下あり、呼吸良好、むせるのではなく「むせない」。
5.× 評価基準5は、「嚥下あり、コップから飲むことが可能」ではなく「4点の症状に加え、追加嚥下運動(空嚥下)が30秒以内に2回以上」である。
23 手関節屈曲(掌屈)の作用があるのはどれか。2つ選べ。
1.長母指外転筋
2.短母指伸筋
3.方形回内筋
4.母指内転筋
5.深指屈筋
解答1・5
解説
1.〇 正しい。長母指外転筋は、母指外転、(手関節屈曲・橈屈)に働く。【起始】尺骨と橈骨の中部背側面、前腕骨間膜背面、【停止】第1中手骨底背面外側付近である。
2.× 短母指伸筋は、母指の基節骨の伸展、母指の外転、(手関節橈屈)に働く。【起始】橈骨中部背面、前腕骨間膜の背面、【停止】母指基節骨底背外側部、一部は指背腱膜に加わる。
3.× 方形回内筋は、前腕の回内に働く。【起始】尺骨下部1/4前面、【停止】橈骨下部1/4前面である。
4.× 母指内転筋は、母指の内転に働く。【起始】横頭:第3中手骨掌面の全長、斜頭:有頭骨を中心とした手根骨、第2~3中手骨底の掌側面、【停止】種子骨、母指基節骨底、一部は指背腱膜である。
5.〇 正しい。深指屈筋は、第2~5指の両指節間関節の屈曲に働く。【起始】尺骨の内側面と前面、前腕骨間膜の一部、【停止】第2~5指末節骨底である。
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24 片麻痺にみられる動作とBrunnstrom法ステージの組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1.対向つまみが可能:ステージⅣ
2.手指の伸展がわずかに可能:ステージⅢ
3.坐位で踵を床から離さずに足関節の背屈が可能:ステージⅣ
4.麻痺側上肢を腰の後ろに持っていくことができる:ステージⅤ
5.肩関節屈曲・肘関節伸展位で回内と回外とができる:ステージⅤ
解答3・5
解説
(※引用:脳卒中治療ガイドライン2009)
1.× 対向つまみが可能は、ステージⅣではなく「ステージⅤ」である。
2.× 手指の伸展がわずかに可能(手指の随意的な伸展)は、ステージⅢではなく「ステージⅣ」である。ちなみに、ステージⅢでは反射的伸展に限られる。
3.〇 正しい。坐位で踵を床から離さずに足関節の背屈が可能は、「ステージⅣ」である。
4.× 麻痺側上肢を腰の後ろに持っていくことができるは、ステージⅤではなく「ステージⅣ」である。
5.〇 正しい。肩関節屈曲・肘関節伸展位で回内と回外とができることは、「ステージⅤ」である。
25 簡易上肢機能検査(STEF)について正しいのはどれか。2つ選べ。
1.60歳までが適応となる。
2.評価としての再現性が高い。
3.項目によって配点が異なる。
4.他の項目との比較が容易にできる。
5.「できる・できない」で評価する。
解答2・4
解説
上肢の動作能力、特に動きの速さを客観的に、しかも簡単かつ短時間(20~30分)に把握するための評価法である。10種類のテストからなり、それぞれ大きさや形の異なる物品を把持して移動させ、一連の動作に要した時間を計測し、所要時間を決められた点数(1~10点)に当てはめて、右手と左手との差を左右別に合計点数を算出する。また参考値との比較も可能である。
1.× 適応となる年齢は、「60歳まで」といった上限はない。
2.〇 正しい。評価としての再現性が高い。簡易上肢機能検査(STEF)は、上肢の動作能力、特に動きの速さを客観的に、しかも簡単かつ短時間(20~30分)に把握するための評価法である。
3.× 項目によって配点は、異なるのではなく「同じ」である。10種類のテストからなり、それぞれ大きさや形の異なる物品を把持して移動させ、一連の動作に要した時間を計測し、所要時間を決められた点数(1~10点)に当てはめて、右手と左手との差を左右別に合計点数を算出する。
4.〇 正しい。他の項目との比較が容易にできる。
5.× 「できる・できない」で評価するのではなく、「所要時間を決められた点数(1~10点)」で評価する。
いつも利用しています。わかりやすい解説ありがとうございます。
21番の選択肢1に誤字があります。
コメントありがとうございます。
ご指摘通り間違えておりました。
修正致しましたのでご確認ください。
今後ともよろしくお願いいたします。