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26 検査と評価項目の組合せで正しいのはどれか。
1. GMFM:日常生活活動
2. WISC-Ⅳ:ワーキングメモリー
3. S-M社会生活能力検査:心理的発達
4. フロスティグ視知覚検査:巧緻運動
5. 遠城寺式乳幼児分析的発達検査:粗大運動
解答2
解説
1.× GMFM(Gross Motor Functional Measure:粗大運動能力尺度)は、脳性麻痺児を対象とし、粗大運動脳能力の経時的な変化および医療的な介入の効果をみるために考案された評価尺度である。ちなみに、日常生活能力の検査は、主にFIMやBIなどである。
2.〇 正しい。WISC-Ⅳは、ワーキングメモリーが評価項目に含まれる。WISC-Ⅳ(Wechsler Intelligence Scale for Children-Fourth Edition:児童用ウェクスラー式知能検査第4版)は、知能検査であり、5~16歳11ヵ月までに適応可能で、学習障害の評価にも用いられる。ワーキングメモリー(作業記憶)とは、物事を思考・実行する際に情報を一時的に(数秒程度)保持しながら、それを意識的に操作する能力のことである。
3.× S-M社会生活能力検査は、子どもの社会生活能力を評価する。乳幼児~中学生を対象とし、保護者や担任教師などから聞き取る。6つの領域(①身辺自立、②移動、③作業、④コミュニケーション、⑤集団参加、⑥自己統制)から測定する。
4.× フロスティグ視知覚検査は、視知覚障害の評価検査である。適用年齢は4~8歳である。 個別、集団のいずれの方法でも行える。適応疾患として、問題行動、難聴、脳性まひ、知的発達の遅れ、情緒障害、LD(学力障害)などである。
5.× 遠城寺式乳幼児分析的発達検査は、達の傾向を全般的に渡って分析し、その子の発達の個性を見出すことを目的とした検査である。保護者からの聞き取り調査により、①移動運動、②手の運動、③基本的習慣、④対人関係、⑤発話、⑥言語理解の発達程度を評価するものである。
27 半側空間無視の評価法はどれか。
1. BADS
2. BIT
3. CAT<Clinical Assessment for Attention>
4. FAB
5. WCST
解答2
解説
1.× BADS(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome:遂行機能障害症候群の行動評価)の行為計画検査の項目で、針金やコルクなどを使用する。「このコルクを試験官の外に出してください」と指示する。ちなみに、BADSは、様々な状況下における問題解決能力を、道具やカードを用いた6種類の下位検査と1つの質問紙を用いて検査する。下位検査は0~4点の5段階で点数化し24点満点で評価する。
2.〇 正しい。BIT(Behavioural inattention test:行動性無視検査)は、半側空間無視の評価法である。通常検査と日常生活場面を想定した行動検査の2つからなる。通常検査は、①線分抹消試験、②文字抹消試験、③星印抹消試験、④模写試験、⑤線分二等分試験、⑥描画試験である。行動検査は、①写真課題、②電話課題、③メニュー課題、④音読課題、⑤時計課題、⑥硬貨課題、⑦書写課題、⑧地図課題、トランプ課題である。
3.× CAT<Clinical Assessment for Attention:標準注意検査法>は、注意力の検査である。
4.× FAB(Frontal Assessment Battery:前頭葉機能検査)は、前頭葉機能に対するスクリーニング検査である。
5.× WCST(Wisconsin Card Sorting Test:ウィスコンシンカード分類テスト)は、計画をたてること・計画を達成するためにとるべき行動を決めること、状況の変化に対応すること、衝動的に行動することを抑えるなどの「前頭葉の実行機能」を調べる検査である。提示されたトランプのようなカードを色・数・形のどれに基づいて分類するかを判断する。高次脳機能障害の検査などに用いられる。
28 FIMの点数とADL評価の組合せで正しいのはどれか。
1. 食事4点:自助具を介助者に装着してもらい自力で摂取する。
2. 清拭7点:ループ付きタオルを使用して身体を洗う。
3. 歩行1点:1人の介助で15mまで歩行ができる。
4. トイレ動作3点:日中は自立しているが夜間は介助者が監視している。
5. 更衣(下衣)5点:短下肢装具の装着のみを手伝ってもらう。
解答5
解説
1.× 自助具を介助者に装着してもらい自力で摂取するのは、食事5点(監視・準備)である。介助者が身体に触れないで可能なレベルである。
2.× ループ付きタオルを使用して身体を洗うのは、清拭6点(修正自立)である。補助具を用いて自力で可能なレベルである。
3.× 1人の介助で15mまで歩行ができるのは、歩行2点(最小介助)である。1点は、2人介助など、患者の協力が得られない全介助であるレベルである。
4.× 日中は自立しているが夜間は介助者が監視しているのは、トイレ動作5点(監視・準備)である。時間帯によって介助量が異なる場合は、低い方の点数で評価される。
5.〇 正しい。短下肢装具の装着のみを手伝ってもらうのは、更衣(下衣)5点(監視・準備)である。更衣(下半身)の採点ポイントとして、装具は、主な更衣動作ではないので介助で装着しても5点までしか下がらない特徴がある。
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29 ICFの環境因子に含まれるのはどれか。
1. 人生の出来事
2. 困難への対処方法
3. 社会生活への適応
4. コミュニケーションの能力
5. 障害者に対する人々の態度
解答5
解説
ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)は、人間の生活機能と障害分類法として2001年5月、世界保健機関(WHO)において採択された。これまでの ICIDH(国際障害分類、1980)が「疾病の帰結(結果)に関する分類」であったのに対し、ICF は「健康の構成要素に関する分類」であり、新しい健康観を提起するものとなった。生活機能上の問題は誰にでも起りうるものなので、ICF は特定の人々のためのものではなく、「全ての人に関する分類」である。
1~4.× 人生の出来事/困難への対処方法/社会生活への適応/コミュニケーションの能力は、個人因子である。個人因子は、主に年齢・性別・生活歴・価値観・ライフスタイルなどである。
5.〇 正しい。障害者に対する人々の態度は、環境因子である。環境因子は、主に①物的環境(住宅、福祉用具など)、②人的環境(家族、介護者など)である。
30 Parkinson病で姿勢反射障害および両側性の振戦があり、小刻み歩行でADLが自立している時のHoehn&Yahr重症度分類ステージはどれか。
1. Ⅰ
2. Ⅱ
3. Ⅲ
4. Ⅳ
5. Ⅴ
解答3
解説
ステージⅠ:片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
ステージⅡ:両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
ステージⅢ:歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる。
ステージⅣ:日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
ステージⅤ:寝たきりあるいは車いすで、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。
1.× Ⅰは、片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
2.× Ⅱは、両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
3.〇 正しい。Ⅲは、歩行障害・姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる時期である。本症例は、本症例はADL自立ではあるものの「①姿勢反射障害、②小刻み歩行」が出現している。
4.× Ⅳは、日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
5.× Ⅴは、寝たきりあるいは車いすで、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。
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