第45回(H22) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題66~70】

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66.嚥下で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.嚥下反射の中枢は橋にある。
2.口腔期に軟口蓋は上方移動する。
3.咽頭期に喉頭が反射的に挙上する。
4.嚥下反射時に呼吸は継続して行われる。
5.食塊が食道に入るときに輪状咽頭筋は緊張する。

解答2.3

解説

嚥下の過程

①先行期・・・飲食物の形や量、質などを認識する。
②準備期・・・口への取り込み。飲食物を噛み砕き、飲み込みやすい形状にする。
③口腔期・・・飲食物を口腔から咽頭に送り込む。
④咽頭期・・・飲食物を咽頭から食道に送り込む。
⑤食道期・・・飲食物を食道から胃に送り込む。

1.× 嚥下反射の中枢は、「橋」ではなく延髄にある。
2.〇 正しい。口腔期に、軟口蓋は上方移動する。咽頭期に完全に挙上し鼻腔と咽頭の間を閉鎖するにより食塊が鼻腔へ流出するのを防ぐ。
3.〇 正しい。咽頭期に喉頭が反射的に挙上する。喉頭蓋が反転(後方に下がり)気道に蓋をする。嚥下時、咽頭に入った食塊が鼻腔や喉頭へ行かないよう、咽頭腔と鼻腔、咽頭腔と喉頭腔の間がそれぞれ反射的に塞がる。
4.× 嚥下反射時に呼吸は、継続せずに一時停止する。
5.× 食塊が食道に入るときに輪状咽頭筋は、「緊張」ではなく弛緩する。蠕動運動と舌根部の働きにより形成された咽頭内圧によって食塊は食道に押し出される。ちなみに、食塊が食道に入るときに上部の咽頭筋は収縮する。

 

 

 

 

 

 

67.腎臓でアミノ酸の大部分が再吸収されるのはどれか。

1.Bowman嚢
2.近位尿細管
3.Henle係蹄
4.遠位尿細管
5.集合管

解答2

解説

ネフロンでの再吸収

ネフロンは、糸球体、近位尿細管、ヘンレ係蹄、遠位尿細管、集合管に分けられる。

①近位尿細管:低分子物質の再吸収(アミノ酸は糸球体で濾過され、100%が近位尿細管で再吸収される)
②遠位尿細管:Naの再吸収、K、Hの分泌。
③集合管:水の再吸収など

1.× Bowman嚢には糸球体からの血液がろ過されて原尿が流れる。アミノ酸は全て濾過される。Bowman嚢は袋状になっており、糸球体を包んでいる。
2.〇 正しい。近位尿細管は、腎臓でアミノ酸の大部分が再吸収される。近位尿細管では、低分子物質の再吸収(アミノ酸は糸球体で濾過され、100%が近位尿細管で再吸収)される。低分子物質は、グルコース、尿酸、H2O、 Na、 K、 Ca2+、HPO42−、CI、 HCO3などである。
3.× Henle係蹄は、H2Oの再吸収が行われる。
4.× 遠位尿細管は、Na、 Ca2+、 CIの再吸収が行われる。
5.× 集合管は Na、 尿素、H2O、 CIの再吸収が行われる。

 

 

 

 

68.ホルモンと産生部位との組合せで正しいのはどれか。

1.プロラクチン放出ホルモン:下垂体
2.サイロキシン:視床下部
3.カルシトニン:上皮小体
4.セクレチン:副腎
5.エリスロポエチン:腎臓

解答5

解説
1.× プロラクチン放出ホルモンは、「下垂体」ではなく視床下部から分泌される。ちなみに、プロラクチンそのものは、下垂体前葉で産生される。
2.× サイロキシンは、「視床下部」ではなく甲状腺から分泌される。
3.× カルシトニンは、「上皮小体」ではなく甲状腺から分泌される。
4.× セクレチンは、「副腎」ではなく十二指腸(小腸のS細胞)から分泌される。
5.〇 正しい。エリスロポエチンは、腎臓で分泌される。赤血球の産生を促進する。

 

 

 

 

 

69.正しいのはどれか。

1.力は質量と速度との積である。
2.仕事は力と距離との積である。
3.ジュールは力の単位である。
4.ワットは仕事の単位である。
5.ニュートンは仕事率の単位である。

解答2

解説
1.× 力は、質量と、「速度」ではなく加速度との積である。カ(N)=質量(kg)×加速度(m/s2)である。
2.〇 正しい。仕事は、距離との積である。仕事 (エネルギー:J:ジュール) =力(N)×距離(m)である。
3.× ジュールは、「力」ではなく仕事の単位である。
4.× ワットは、「仕事」ではなく仕事率の単位である。仕事率(パワー:W:ワット) =仕事(Nm)/時間(s)である。
5.× ニュートンは、「仕事率」ではなくの単位である。

 

 

 

 

 

70.口裂を閉鎖するのはどれか。2つ選べ。

1.頬筋
2.広頸筋
3.口輪筋
4.顎二腹筋
5.顎舌骨筋

解答1.3

解説

咀嚼筋の分類

閉口筋:咬筋、側頭筋、外側翼突筋(上頭)、内側翼突筋
開口筋:顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋、顎二腹筋、外側翼突筋(下頭)

1.〇 正しい。頬筋は、口裂を閉鎖する。頬壁を形成し、これを歯列に押しつける、風船を膨らませるときのような強く空気を吹き出す時に働くしたがって口唇を狭めるときに作用する。
2.× 広頸筋は、頚部、鎖骨下方の皮膚を上に引き、筋膜を緊張させる。【起始】下顎骨縁、【停止】下顎骨縁である。
3.〇 正しい。口輪筋は、口裂を閉鎖する。口輪筋は楕円を描くように走行しており口をすぼめる働きをする。
4.× 顎二腹筋は、下顎骨を固定時は舌骨を引き上げ、舌骨を固定時は下顎骨を引き下げる(開口)。【起始】側頭骨の乳突切痕(後腹)、【停止】(前腹)下顎骨全部後面の二腹筋窩である。
5.× 顎舌骨筋は、舌骨を引き上げ、舌骨を固定すれば下顎骨を引き下げる。【起始】下顎骨体内面の顎舌骨筋線と舌下腺窩の上、【停止】舌骨体と正中の縫線(オトガイ棘と舌骨体との間)である。

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

【暗記用】咀嚼筋、頚部筋の起始・停止・作用・神経を完璧に覚えよう!

 

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