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16 65歳の女性。50歳代後半から振戦や歩行障害が生じ、Parkinson病と診断された。L-dopa服用により症状が改善し日常生活を送れていたが、最近薬の効用時間が短縮し、症状悪化が生じている。
この患者に起きている症状はどれか。
1.Cushing現象
2.On-off現象
3.Pusher現象
4.Raynaud現象
5.Wearing-off現象
解答5
解説
・65歳の女性(Parkinson病)。
・50歳代後半:振戦や歩行障害が生じた。
・L-dopa服用により症状が改善し日常生活を送れていた。
・最近:薬の効用時間が短縮し、症状悪化が生じている。
→パーキンソン病とは、黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変成疾患である。4大症状として①安静時振戦、②筋強剛(筋固縮)、③無動・寡動、④姿勢反射障害を特徴とする。また、自律神経障害による便秘や起立性低血圧、排尿障害、レム睡眠行動障害などが起こる。レム睡眠行動障害とは、レム睡眠の時期に体が動き出してしまう睡眠障害の1つである。 睡眠時随伴症に分類される。
1.× Cushing現象とは、脳ヘルニアの直前状態で、①血圧上昇、②徐脈、③緩徐深呼吸などの症状が出現する。これらは、脳幹下部の脳圧亢進による乏血状態に対する生体の代償作用である。
2.× On-off現象とは、抗Parkinson病薬の長期投与によって生じる合併症の一つで、治療薬の服薬時間や血中濃度によらず、急激な症状の増悪と軽快が繰り返される現象のことである。
3.× Pusher現象(プッシャー現象)とは、脳血管疾患後に生じる姿勢異常の一種である。座位や立位で姿勢を保持させたときに、非麻痺側上肢・下肢で麻痺側へ押し、身体が麻痺側に傾き、他者が修正しようとしても抵抗してしまう現象をいう。右半球損傷に多い。
4.× Raynaud現象(レイノー現象)は、四肢(特に手指)が蒼白化、チアノーゼを起こす現象(末梢循環障害)である。膠原病(特に強皮症や混合性結合組織病)で起こりやすい。寒冷療法は禁忌である。ちなみに、強皮症とは、全身性の結合組織病変で、手指より始まる皮膚の硬化病変に加え、肺線維症などの諸臓器の病変を伴う。病因は不明であり、中年女性に多い。症状は、仮面様顔貌、色素沈着、ソーセージ様手指、Raynaud現象(レイノー現象)、嚥下障害、間質性肺炎、関節炎、腎クリーゼなどがある。
5.〇 正しい。Wearing-off現象が本症例に起きている症状である。なぜなら、本症例(Parkinson病)は、L-dopa服用しており、最近は薬の効用時間が短縮し、症状悪化が生じているため。つまり、薬の効いている時間が短くなり、次の内服前に症状が再び悪化する現象(Wearing-off現象)である。
・wearing-off現象とは、薬効時間が短縮し、内服してから短時間でパーキンソニズムが出現する現象である。薬効不安定さによる突然の症状悪化や軽快することをいう。対策としては、服薬の減量を行う。
※抗Parkinson病薬の長期投与によって生じうる症状に関する参考問題:第49回(H26) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午前問題84】
wearing-offが出現する原因は、「ドパミン神経細胞の減少」である。病気の初期は、ドパミン神経が比較的残存しているため、L-dopaから作られたドパミンを貯蔵庫に保存して、必要に応じて使う事が可能である。しかし、病気が進行すると「ドパミン神経が減少」し、ドパミンを貯蔵庫に保存できなくなる。したがって、薬と薬の合間にドパミンを使い切ってしまい、欠乏状態が生じる。これがwearing-offの仕組みである。
17 6歳8か月の女児。痙直型両麻痺。床上の座位は体幹が崩れるため座位保持ができない。立位保持や移乗にはいずれも介助が必要である。屋内は車輪付きの歩行器を使用して介助で10mほど移動できる。学校や屋外移動は介助者による手動車椅子での移送、または電動車椅子を自立操作している。
GMFCSによるレベルはどれか。
1.レベルⅠ
2.レベルⅡ
3.レベルⅢ
4.レベルⅣ
5.レベルⅤ
解答4
解説
・6歳8か月の女児(痙直型両麻痺)。
・床上の座位:座位保持ができない。
・立位保持や移乗:介助が必要。
・屋内移動:車輪付きの歩行器を使用し介助で10mほど。
・屋外移動:介助者による手動車椅子での移送、または電動車椅子を自立操作。
→ほかの選択肢の消去できる理由も上げられるようにしよう。
【GMFCSのそれぞれレベルの大きな見出し】
レベルⅠ:制限なしに歩く
レベルⅡ:制限を伴って歩く
レベルⅢ:手に持つ移動器具を使用して歩く
レベルⅣ:制限を伴って自力移動;電動の移動手段を使用しても良い
レベルⅤ:手動車椅子で移送される
1.× レベルⅠは、「制限なしに歩く」レベルである。本児は、車輪付きの歩行器を使用し介助で10mほど(屋内移動)であるため否定できる。
2.× レベルⅡは、「制限を伴って歩く(階段や長距離で制限をきたす)」レベルである。本児は、車輪付きの歩行器を使用し介助で10mほど(屋内移動)であるため否定できる。
3.× レベルⅢは、「手に持つ移動器具を使用して歩く」レベルである。本児は、屋外歩行で、介助者による手動車椅子での移送、または電動車椅子を自立操作しているため否定できる。
・レベルⅢの特徴として、座位保持は可能であるが、杖や歩行器を用いて歩くことができる(歩行器の方向転換が難しい場合は、介助してもよい)。
4.〇 正しい。レベルⅣ(制限を伴って自力移動;電動の移動手段を使用しても良い)が該当する。
・レベルⅣの特徴として、座位保持は困難で、体幹にバンドが必要となる。歩行器は、要介助となる。
5.× レベルⅤは、「手動車椅子で移送される」レベルである。本児は、車輪付きの歩行器を使用し介助で10mほど(屋内移動)であるため否定できる。
・レベルⅤの特徴として、座位保持は困難(頭部保持も困難)で、体幹・頭部にもバンドが必要となる。自力移動ができず、車いす全介助である。
【各レベル間の区別】
• レベル I および II の区別
レベル I の子ども達と青年達に比べて、レベル II の子ども達と青年は、長距離を歩くことやバランスを保つことに制限があり、歩行を習得する最初の頃に手に持つ移動手段を必要とすることがあり、屋外や近隣で長い距離を移動するときに車輪のついた移動手段を使用することがあり、階段を上がったり、下りたりする時に手すりの使用を必要とし、走ったり跳躍したりする能力が劣っている。
• レベル II および III の区別
レベルⅡの子ども達と青年達は、4 歳以降は手に持つ移動器具を使用せずに歩く能力がある(時には使用することを選択するかもしれないが)。レベルⅢの子ども達と青年達は、屋内を歩くために手に持つ移動器具を必要とし、屋外や近隣で車輪のついた移動手段を使用する。
• レベル III および IV の区別
レベルⅢの子ども達と青年達は、一人で坐るか、坐るために最低限の限定的な外的支持を必要としている、立位での移乗においてより自立しており、手に持つ移動器具で歩く。レベルⅣの子ども達と青年達は、(普通支えられての)坐位で活動できるが、自力移動は制限される。レベルⅣの子ども達と青年達は、手動車椅子で移送されるか、電動の移動手段を使用することがおそらくより多い。
• レベル IV および V の区別
レベルⅤの子ども達と青年達は、頭と体幹のコントロールが非常に制限されており、広範な補完的な技術と身体的介助を必要とする。自力移動は、もし子ども達や青年達がどのように電動車椅子を操作するかを習得した時だけに、達成される。
苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓
18 83歳の男性。大動脈弁狭窄症に対するTAVI術後。自転車エルゴメーターの運動療法で、連続して一定の負荷強度を加えると下肢疲労と血圧の上昇が顕著となるため、高強度負荷のペダル運動45秒と低強度でのペダル運動90秒を交互に組合せて実施した。
この負荷様式で正しいのはどれか。
1.Ramp負荷
2.インターバルトレーニング
3.コンディショニング
4.サーキットトレーニング
5.多段階漸増負荷
解答2
解説
・自転車エルゴメーターの運動療法
・【高強度負荷のペダル運動45秒】と【低強度でのペダル運動90秒】を交互に組合せて実施した。
→高強度運動と低強度運動(または休息)を一定時間ごとに交互に行う負荷様式のこと(インターバルトレーニング)。
1.× Ramp負荷(連続的多段階負荷法)とは、数秒から1分以内で負荷強度を少しずつ増やすことにより、ほぼ直線的に負荷強度を増加させる方法である。この方法の特徴は、無酸素性作業閾値(AT)を求める負荷法として、主に心肺運動負荷試験(CPX)に用いられる。
2.〇 正しい。インターバルトレーニングが設問文の負荷様式である。
・インターバルトレーニングとは、高強度運動と低強度運動(または休息)を一定時間ごとに交互に行う負荷様式のことである。特徴として、休息をはさみ、心肺の負担が少なく低体力者や高齢者にも安全に実施できる(インターバルトレーニングでは持続トレーニングと比べて心臓への負担が少ない)。
3.× コンディショニング(Conditioning)の主な訳は、「調整」「体調管理」「調子を整えること」である。身体機能や体調を整える広い概念であり、特定の負荷様式そのものを指す言葉ではない。※コンディショニングという用語が、特定の運動負荷様式でご存じの方がいらしたら、コメント欄にて教えてください。
4.× サーキットトレーニングとは、数種類のトレーニング(腕立て伏せ・腹筋・スクワットなど)を休息をとらずに連続して繰り返し行うことを指す。目的は、①筋力、②筋持久力、③持久力など総合的に向上させることである。
5.× 多段階漸増負荷(多段階負荷試験)とは、トレッドミルや自転車エルゴメーターを用いて運動強度を一定時間ごとに増加させる方法である。Astrand法やBruce法(ブルース法)が有名。
運動負荷試験は、主に負荷の種類として3種類ある。
①単一水準定量負荷試験(固定負荷法):一定強度の運動を一定時間負荷する方法。等尺性負荷試験(ハンドグリップ法)やマスター2段階試験(Master two step test)があり、トレッドミルや自転車エルゴメーターによる一定強度負荷も可能。
②Ramp負荷試験(連続的多段階負荷法):数秒から1分以内で負荷強度を少しずつ増やすことにより、ほぼ直線的に負荷強度を増加させる方法。この方法の特徴は、無酸素性作業閾値(AT)を求める負荷法として、主に心肺運動負荷試験(CPX)に用いられる。
③多段階負荷試験:トレッドミルや自転車エルゴメーターを用いて運動強度を一定時間ごとに増加させる方法で、Astrand法やBruce法(ブルース法)が有名。
19 8歳の男児。二分脊椎。麻痺レベルはL5。装具なしでも歩行可能であるが、バランスを崩し不安定である。歩行を安定させるため筋力増強運動を行う。
増強する筋で最優先するのはどれか。
1.腸腰筋
2.大殿筋
3.中殿筋
4.大腿四頭筋
5.前脛骨筋
解答3
解説
・8歳の男児(二分脊椎、麻痺レベルはL5)。
・装具なしでも歩行可能であるが、バランスを崩し不安定である。
・歩行を安定させるため筋力増強運動を行う。
→本児(二分脊椎で麻痺レベルL5)は、バランスを崩し不安定である理由が、中殿筋の筋力低下=骨盤の不安定により起こっていると考えられる。
→二分脊椎とは、神経管閉鎖障害のうち腰仙部の脊髄・脊椎・皮膚などにみられる先天奇形であり、特に脊髄髄膜瘤では約90%に水頭症、ほぼ前例にChiariⅡ型奇形(小脳扁桃、小脳中部下部、延髄、第4脳室が大孔を通って頸椎管内へ下降変位したもの。第2頚髄を越えて陥入することが多い)を合併する。二分脊椎症には①開放性(表面からはっきりわかるもの)と②潜在性(わかりにくいもの)がある。前者には脊髄披裂あるいは脊髄髄膜瘤などが含まれる。
1.× 腸腰筋より優先されるものが他にある。なぜなら、本児(二分脊椎で麻痺レベルL5)の場合、腸腰筋(L1~L4)の支配神経範囲外であり、機能低下するとは考えにくいため。
・腸腰筋とは、①腸骨筋と②大腰筋の2筋からなる筋肉である。
①腸骨筋:【起始】腸骨窩全体、【停止】大腿骨の小転子、【作用】股関節屈曲、外旋、【神経】大腿神経(L2~L4)である。
②大腰筋:【起始】第12胸椎~第4腰椎の椎体と椎間円板、すべての腰椎の肋骨突起、第12肋骨、【停止】大腿骨の小転子、【作用】股関節屈曲、【神経】腰神経叢の枝(L1~L4)である。
2.× 大殿筋より優先されるものが他にある。なぜなら、大殿筋の機能低下による歩行(大殿筋歩行)は、主に筋ジストロフィーで起こるため。大殿筋歩行は、患側において踵接地時に頚部・体幹が伸展し、骨盤が前方へ移動する。両側の障害では体幹を常に後方へ傾けた歩行となる。
・大殿筋の【起始】腸骨翼の外面で後殿筋線の後方、仙骨・尾骨の外側縁、仙結節靭帯、腰背筋膜、【停止】腸脛靭帯、大腿骨の殿筋粗面、【作用】股関節伸展、外旋、骨盤の下制、上部線維:外転、下部線維:内転、【支配神経】下殿神経:(L4)、L5~S2である。
3.〇 正しい。中殿筋を増強する筋で最優先する。なぜなら、本児(二分脊椎で麻痺レベルL5)は、バランスを崩し不安定である理由が、中殿筋の筋力低下=骨盤の不安定により起こっていると考えられるため。中殿筋が筋力低下している場合は、トレンデレンブルグ徴候もしくはデュシェンヌ歩行を呈する。
・中殿筋の【起始】腸骨翼の外面で前および後殿筋線の間、腸骨稜外唇および殿筋筋膜、【停止】大転子の外側面、【作用】股関節外転、前部:内旋、後部:外旋、【支配神経】上殿神経:L4~S1である。
4.× 大腿四頭筋より優先されるものが他にある。なぜなら、本児(二分脊椎で麻痺レベルL5)の場合、大腿四頭筋(L2~L4:大腿神経)の支配神経範囲外であり、機能低下するとは考えにくいため。ちなみに、大腿四頭筋の筋力低下している場合は、立脚期に膝折れが生じ、「バランスを崩し不安定」という表現より、装具なしでは歩行自体が困難になる可能性が高い。
5.× 前脛骨筋より優先されるものが他にある。なぜなら、前脛骨筋の機能低下が、本症例の歩行のように「バランスを崩し不安定である」という全身のバランスに影響を及ぼすまでは至らない筋であるため。また、本症例では「装具なしでも歩行可能」とあり、前脛骨筋を選択するほどの根拠に乏しい。ちなみに、前脛骨筋の機能低下により、鶏歩が起こる。
・鶏歩とは、垂れ足になり、踵を高く上げつま先から投げ出すように歩くこと。
・前脛骨筋の【起始】脛骨外側面、下腿骨間膜、【停止】内側楔状骨と第1中足骨の底面、【作用】足関節背屈、内返し、【支配神経】深腓骨神経(L4~S1)である。
20 61歳の女性。脳梗塞による失語症。言語理解は良好である。発語は流暢であるが錯語や保続は認められた。呼称では「時計」を「ト、トチ、、、」と誤りに気づき自己修正を繰り返すが、失敗に終わる。復唱も不良である。
失語症のタイプで正しいのはどれか。
1.Broca失語
2.Wernicke失語
3.健忘性失語
4.全失語
5.伝導失語
解答5
解説

・61歳の女性(脳梗塞による失語症)。
・復唱:不良。
・言語理解:良好。
・発語:流暢。
→伝導失語とは、言語の理解や発話の機能が保たれているものの、言葉を繰り返す能力が障害される失語症の一種である。つまり、発話の流暢性・言語理解は可能だが、復唱が困難である失語症である。
1.× Broca失語は、復唱:不良、言語理解:良好、発語:非流暢である。
・Broca失語は、Broca野を中心とする前頭葉の障害でみられる。
2.× Wernicke失語は、復唱:不良、言語理解:不良、発語:流暢である。
・Wernicke失語は、左側頭葉(Wernicke野)の障害で伴いやすい。
3.× 健忘性失語は、復唱:良好、言語理解:良好、発語:流暢である。
・失名詞失語(健忘性失語) とは、流暢に言葉は出て、言語理解・復唱も行えるものの、物の名前を思い出せないなど、 言葉に関する記憶の喪失が特徴的である。物の名前が出てこないため、回りくどい話し方が多くなる。
4.× 全失語は、復唱:不良、言語理解:不良、発語:非流暢である。
5.〇 正しい。伝導失語が該当する。
・伝導失語は、復唱:不良、言語理解:良好、発語:流暢である。
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