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21 正常歩行時の床反力で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.垂直分力は2峰性の波形を示す。
2.垂直分力の最小値は体重と等しくなる。
3.左右分力は立脚中期には外向きに働く。
4.前後分力は荷重反応期には前向きに働く。
5.前後分力のピーク値は速度が遅くなると小さくなる。
解答1・5
解説
1.〇 正しい。垂直分力は2峰性の波形を示す。歩行時には、①足が地面に接地し体重を支える際(踵接地)と、②足が地面から離れる際(踵離地)に2つの主要な峰がある。
・直抗力(垂直分力)とは、物体が接触している他の物体や地面等の固体の面を押しているとき、その力の面に垂直な成分に対し、同じ大きさで反対向きの、固体の面が物体を押し返す力のことである。
2.× 垂直分力の最小値は、体重と等しく「ならない」(体重よりやや小さくなる)。正常歩行の垂直分力は、2つのピーク(2峰性の波形)の間である立脚中期に最小となる。このとき、身体重心は上方へ移動し、床反力の垂直成分は体重そのものと完全に等しいわけではなく、通常は体重未満になる。
3.× 左右分力は、立脚中期には、「外向き」ではなく内向きに働く。なぜなら、片脚支持期に重心を足底に乗せて安定性を保つため。
4.× 前後分力は荷重反応期には、「前向き」ではなく後ろ向きに働く。なぜなら、踵接地時から、前進速度を減速するため。つまり、荷重反応期は、踵接地直後に体重を受け入れる時期である。
5.〇 正しい。前後分力のピーク値は、速度が遅くなると小さくなる。なぜなら、歩行速度が遅いほど、制動力と推進力の両方が小さくなり、前後分力のピークも低下するため。基本的に、前後分力は、身体を減速させる力と加速させる力を表す。速く歩くほど、接地直後の制動も、蹴り出し時の推進も大きく必要になり、逆に、ゆっくり歩けば身体重心の前後方向の加減速が小さくなる。
22 松葉杖の一般的な設定で正しいのはどれか。
1.肘関節を伸展位で握る。
2.握りの高さは大転子とする。
3.脇当てと腋窩を隙間なく設定する。
4.杖は身長から50cm引いた長さとする。
5.杖先は立位でつま先の前方5cmに置く。
解答2
解説
2本の松葉杖で身体を支えることができるため、体重をかけないようにする事が目的である。松葉杖のそれぞれの下端を靴の脇約5cm、つま先の前方15cmのところに突き、上端が腋窩から指2~3本分(約5cm)下にくるように松葉杖の長さを調整する。ハンドグリップは肘が20°~30曲がる位置に来るよう調節する。
【松葉杖の適応】
・片方の下肢骨折
・対麻痺障害などの立位保持が困難な場合
・荷重負荷制限
・上腕の筋力が十分であること
【免荷】
1/2~1/3部分免荷:両松葉杖
2/3~3/4部分免荷:片松葉杖
3/4部分荷重以上:T字杖
1.× 肘関節を「伸展位」ではなく30度屈曲位で握る。衝撃吸収と安定性のバランスが最も良い角度である。体重支持を行いやすく、腋窩や肩への負担も軽減できる。
※教科書や文献には、20~30度と幅を持たせてあるものもあるが、肘関節30度屈曲位が最も望ましい設定である。
2.〇 正しい。握り(ハンドグリップ)の高さは、大転子とする。
3.× 脇当てと腋窩を、「隙間なく」ではなく指2~3本分(約5cm)空けて設定する。なぜなら、脇当てを腋窩に密着させると、軟部組織(神経や血管)を圧迫して障害を起こす危険があるため。
4.× 杖は身長から、「50cm」ではなく40cm引いた長さとする。ただし、個人差があるため、最終的には腋窩との隙間や肘関節の軽度屈曲を確認して微調整する。
5.× 杖先は、立位でつま先の「前方5cm」ではなく前方15cmに置く。なぜなら、前外側に適切に置くことで、実用性を保ちつつ、支持基底面が広くとれ安定性が増すため。
したがって、足趾の先端の位置から、前方15cm × 外側15cmに杖をつく。高さは、大転子の高さを目安とする。
23 ロコモティブシンドローム〈ロコモ〉で正しいのはどれか。
1.社会的な脆弱性を含む。
2.サルコペニアは一因となる。
3.ロコモ度には5段階がある。
4.診断には筋力測定が必須である。
5.ロコモーショントレーニング〈ロコトレ〉として閉眼でスクワットを行う。
解答2
解説
ロコモティブシンドロームとは、運動器の障害により移動能力が低下し、「要介護」のリスクが高い状態のことである。(提唱:日本整形外科学会)予防策として、片脚立位・スクワットからなる「ロコトレ」を行うよう推奨している。対象者がすでに運動器の障害や身体機能低下を有している場合も多いため、トレーニングの際には、疼痛や転倒などに十分配慮して行う必要がある。
1.× 社会的な脆弱性を含むのは、「フレイル」の概念である。一方、ロコモは、運動器(骨・関節・筋・神経など)の問題によって、「歩く」「立ち上がる」などの機能が低下した状態を指す。
・フレイルとは、「虚弱」「脆弱」という意味であり、加齢するにつれて体力や活力が弱まっている状態のことを指す。診断基準に含まれるのは【①体重減少(6か月間で2~3㎏以上)、②主観的疲労度、③日常生活活動量の低下、④歩行速度の低下、⑤握力の減弱】である。
2.〇 正しい。サルコペニアは一因となる。なぜなら、サルコペニアによる筋肉量・筋力低下は、立ち上がりや歩行能力を低下させ、ロコモの原因の一つとなるため。
・サルコペニアとは、加齢に伴う骨格筋量と骨格筋力の低下によって身体的な障害やQOLの低下を招いている状態のことをいう。サルコペニアの診断には、四肢骨格筋量の低下があることに加えて身体機能(歩行速度)の低下または、筋力(握力)の低下、下腿周径、5回椅子立ち上がりテストがある。
3.× ロコモ度には、「5段階」ではなく3段階がある。
ロコモ度1は、移動機能の低下が、始まっている段階である。
ロコモ度2は、移動機能の低下が、進行したている段階である。
ロコモ度3は、移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている段階である。
4.× 診断に、筋力測定が必須「ではない」。なぜなら、ロコモの判定は、①立ち上がりテスト、②2ステップテスト、③ロコモ25(質問票など)を用いて総合的に評価するため。
5.× あえて、ロコモーショントレーニング〈ロコトレ〉として、「閉眼で」スクワットを行う必要はない。なぜなら、ロコトレの基本は、安全性を重視し、転倒のリスクを抑える必要があるため。閉眼スクワットは、転倒リスクが高く一般的ではない。スクワットができない場合は、椅子に腰かけ、机に手をついて立ち上がり動作を繰り返すよう指導する。ちなみに、ロコモーショントレーニング〈ロコトレ〉として代表的なのは、①開眼片脚立ち、②スクワットである(参考:「ロコトレ」日本整形外科学会ロコモOnline様HPより)。
ロコモティブシンドロームとは、運動器の障害により移動能力が低下し、「要介護」のリスクが高い状態のことである。(提唱:日本整形外科学会)予防策として、片脚立位・スクワットからなる「ロコトレ」を行うよう推奨している。対象者がすでに運動器の障害や身体機能低下を有している場合も多いため、トレーニングの際には、疼痛や転倒などに十分配慮して行う必要がある。
ロコモ度1 移動能力の低下が始まっている状態
①立ち上がりテスト値:片脚40cm不可能
②2ステップ値:1.3未満
③ロコモ25総得点:7点以上
いずれか1つでも当てはまるもの
ロコモ度2 移動能力の低下が進行している状態
①立ち上がりテスト値:両脚20cm不可能
②2ステップ値:1.1未満
③ロコモ25総得点:16 点以上
いずれか1つでも当てはまるもの
ロコモ度3 社会生活に支障をきたしている状態
①立ち上がりテスト値:両脚30cm不可能
②2ステップ値:0.9未満
③ロコモ25総得点:24点以上
いずれか 1 つでも当てはまるもの
(※参考:「ロコモ度テスト」ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト)
24 深部感覚検査で使用する器具はどれか。
1.音叉
2.試験管
3.ノギス
4.つまようじ
5.モノフィラメント
解答1
解説
①表在感覚:皮触覚・痛覚・温度覚。
②深部感覚:関節覚(位置覚、運動覚)・振動覚・及び深部痛覚。
③複合感覚:立体覚、皮膚書字感覚、二点識別覚、部位覚、重量覚など。
1.〇 正しい。音叉は、深部感覚検査(振動覚)で使用する。振動覚の検査は、音叉を骨突出部に当てる。具体的な部位として、皮下に骨が容易に触知できる鎖骨・胸骨・外果などの骨の突出部に音叉を振動させて当てる。
2.× 試験管は、温覚検査で使用する。試験官に温水(40~50°)・冷水(10°)を入れ、患者の皮膚に触れさせて、温かさや冷たさを感じるか聞く試験である。
3.× ノギスは、2点識別覚検査で使用する。二点識別覚は、ディスク・クリミネーター(2点識別計)やスピアマン式触覚計(ノギスでも可)を利用する。
4.× つまようじは、痛覚検査で使用する。つまようじやピンのような先の細い器具を用い、「痛いか」を確かめる。
5.× モノフィラメントは、(静的)触覚検査で使用する。最も細い「#1」から最も太い「#20」までの計20本のフィラメントを用いる。ノックしないで4~5秒間でゆっくりと当てて離す部位を答えてもらう。

(※写真:モノフィラメント 引用元:酒井医療株式会社様HP)
・再現試験:障害側を他動的または自動的に動かし、再び同じ動作をしてもらうものである。
・模倣試験:再現試験を反対肢(健側を動かす)で同じ動作を示すことによって評価できる。
・関節定位覚(母指探し)検査:対象者の検査する上肢の親指のみを伸展させ、閉眼させた状態でその母指を他側の手でつまませる検査である。つまむ方の上肢の運動を観察することで、対側の関節位置覚(関節定位覚)の障害の程度を見極める検査である。
25 Guillain-Barré症候群で適切なのはどれか。
1.深部腱反射は亢進する。
2.小児期に多い疾患である。
3.神経伝導速度は保たれる。
4.感覚障害は四肢中枢部に強くみられる。
5.呼吸器の感染症を契機に発症することが多い。
解答5
解説
Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群は、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。一般的には細菌・ウイルスなどの感染があり、1~3週後に両足の筋力低下(下位運動ニューロン障害)や異常感覚(痺れ)などで発症する。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。初期症状として、歩行障害、両手・腕・両側の顔面筋の筋力低下、複視、嚥下障害などがあり、これらの症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要になる。症状が軽い場合は自然に回復するが、多くの場合は入院により適切な治療(免疫グロブリン静注療法や血液浄化療法など)を必要とする。症状は6か月から1年程度で寛解することが多い。臨床検査所見として、①髄液所見:蛋白細胞解離(蛋白は高値,細胞数は正常)を示す。②電気生理学的検査:末梢神経伝導検査にて、脱神経所見(伝導ブロック、時間的分散、神経伝導速度の遅延、複合筋活動電位の低下など)がみられる。複合筋活動電位が消失あるいは著明な低下し、早期から脱神経所見を示す症例は、一般に回復が悪く機能的予後も不良である。
(※参考:「重篤副作用疾患別対応マニュアル ギラン・バレー症候群」厚生労働省様HPより)
1.× 深部腱反射は、「亢進」ではなく低下(または消失)する。なぜなら、Guillain-Barré症候群は末梢神経障害であるため。
2.× 「小児期」ではなく成人(50~60歳代)に多い疾患である。なぜなら、加齢に伴い免疫機能の変化や感染リスクが高まるため。ただし、全年齢で発症しうる疾患である。
3.× 神経伝導速度は、「障害される(低下する)」。なぜなら、Guillain-Barré症候群では、脱髄や軸索障害により末梢神経の伝導が障害されるため。そのため、神経伝導検査では、伝導速度低下、遠位潜時延長、伝導ブロックなどがみられる。
4.× 感覚障害は、「四肢中枢部」ではなく四肢末梢部に強くみられる。なぜなら、Guillain-Barré症候群の感覚障害は、末梢神経が障害されるため。ただし、主症状は運動麻痺である(しびれ感や異常感覚などの感覚症状を伴うこともある)。
5.〇 正しい。呼吸器の感染症を契機に発症することが多い。なぜなら、Guillain-Barré症候群は、上気道感染や胃腸炎などの先行感染の後に,自己免疫反応を介して発症することが多いため。
