第57回(R4) 作業療法士国家試験 解説【午後問題26~30】

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26 ICFの構成要素である「環境因子」の第2レベルに分類されるのはどれか。2つ選べ。

1.コミュニケーション
2.資産
3.住居の入手
4.人権
5.福祉用具

解答2・5

解説

国際生活機能分類(ICF)

国際生活機能分類(ICF)は、障害者のみならず、すべての人を対象として、障害を「生活機能」というプラス面からみるように視点を転換した分類法である。この「生活機能」は、「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3レベルに分類されたうえで、さらに「個人因子」「環境因子」の観点が加えられる。

1.× コミュニケーション(コードd3)は、「活動と参加」に分類される。
2.〇 正しい。資産(コードe165)は、ICFの構成要素である「環境因子」の第2レベルに分類される。
3.× 住居の入手(コードd610)は、「活動と参加」に分類される。
4.× 人権(コードd940)は、「活動と参加」に分類される。
5.△ 福祉用具を用いて、物的環境の調整(住宅改修)と考えるのであれば、ICFの構成要素である「環境因子」の第2レベルに分類される。ただし、「活動と参加」に分類される家庭用品の管理(コードd650)において、「家庭用品およびその他の個人用品を維持し、補修すること。その家庭用品等には、家とその内部、衣服、乗り物、福祉用具や、植物と動物の世話を含む。例えば、部屋の壁のペンキ塗り、壁紙貼り、家具の配置。配管の修理。乗り物が正常に動く状態に保っておくこと。植物の水やり、ペットと家畜の毛づくろいや餌をあげること。」と記載されている。今回は、福祉用具以外、他に有力な候補がなかったため選択肢5も正解としている。

(※参考文献:障害者福祉研究会編:ICF 国際生活機能分類-国際障害分類改訂版-.中央法規出版.2002.より)

 

 

 

 

 

27 SIASで使用する検査器具はどれか。2つ選べ。

1.音叉
2.握力計
3.打腱器
4.秒針付き時計
5.30cmメジャー

解答2・3

解説

脳卒中機能評価法<SIAS>は、脳卒中の多様な症状を、運動機能障害だけでなく、言語機能、感覚機能など非麻痺側機能を含めて総合的に評価する方法である。

1.4~5.× 音叉/秒針付き時計/30cmメジャーは、SIASで使用しない
2.〇 正しい。握力計はSIASで使用する。〈健側機能〉の握力の項目の際に、握力計を使用する。座位で握力計の握り幅を約5cmにして計測する。健側の具体的kg数を記載すること。参考として、0:握力0kg、1:握力10kg以下、2:握力10~20kg、3:握力25kg以上となる。
3.〇 正しい。打腱器はSIASで使用する。上肢腱反射、下肢腱反射の項目の際に、 打腱器を使用する。上腕二頭筋反射、上腕三頭筋反射、膝蓋腱反射、アキレス腱反射を実施する。

補足記事です。参考にどうぞ↓

SIASとは?評価方法や評価項目は?【分かりやすく解説します】

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【PT/OT/共通】SIASについての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

28 関節リウマチについて正しいのはどれか。

1.渦流浴は禁忌である。
2.家事の実施は午前中が良い。
3.疼痛の特徴として圧痛がある。
4.疼痛に対して装具は使用しない。
5.非ステロイド性抗炎症薬で疼痛は軽減しない。

解答

解説

”関節リウマチとは?”

関節リウマチは、関節滑膜を炎症の主座とする慢性の炎症性疾患である。病因には、遺伝、免疫異常、未知の環境要因などが複雑に関与していることが推測されているが、詳細は不明である。関節炎が進行すると、軟骨・骨の破壊を介して関節機能の低下、日常労作の障害ひいては生活の質の低下が起こる。関節破壊(骨びらん) は発症6ヶ月以内に出現することが多く、しかも最初の1年間の進行が最も顕著である。関節リウマチの有病率は0.5~1.0%とされる。男女比は3:7前後、好発年齢は40~60歳である。
【症状】
①全身症状:活動期は、発熱、体重減少、貧血、リンパ節腫脹、朝のこわばりなどの全身症状が出現する。
②関節症状:関節炎は多発性、対称性、移動性であり、手に好発する(小関節)。
③その他:リウマトイド結節は肘、膝の前面などに出現する無痛性腫瘤である。内臓病変は、間質性肺炎、肺線維症があり、リウマトイド肺とも呼ばれる。
【治療】症例に応じて薬物療法、理学療法、手術療法などを適宜、組み合わせる。

(※参考:「関節リウマチ」厚生労働省HPより)

1.× 渦流浴(温熱療法)は、禁忌ではない。温熱療法により、こわばりや心理的な安定を図り疼痛の軽減につながる。ちなみに、温熱療法の禁忌は、①急性炎症、②悪性腫瘍、③感覚障害と意識障害、④出血傾向、⑤循環障害・動脈硬化などである。
2.× 家事の実施は、午前中より「午後」が良い。なぜなら、朝、起きたとき(午前中)は、朝のこわばりがみられるため。この関節の動かしにくさを感じることが多い。
3.〇 正しい。疼痛の特徴として圧痛がある。関節リウマチの活動性の指標を評価するものとして、DAS28(disease activity score 28)があげられる。これは、①圧痛関節数、②腫脹関節数、③赤血球沈降速度、④全般的健康状態を評価する。観察対象関節は、肩関節2、肘関節2、手関節2、手指(DIP除く)20、膝関節2で、合計28関節を評価する。
4.× 疼痛に対して装具は使用する。なぜなら、関節保護の観点のため。手関節手指固定装具(オッペンハイマー型)の適応疾患は、関節リウマチや痙性麻痺手、橈骨神経麻痺の下垂手の際に用いる。オッペンハイマー型の特徴としては、MP関節の伸展補助機能がある。
5.× 非ステロイド性抗炎症薬で疼痛は軽減する。非ステロイド性抗炎症薬<NSAIDs>は、炎症などを引き起こすプロスタグランジンの生成を抑え、抗炎症作用や解熱、鎮痛に働く。副作用として、消化器症状(腹痛、吐き気、食欲不振、消化性潰瘍)、ぜんそく発作、腎機能障害が認められる。したがって、非ステロイド性抗炎症薬が効果的であるのは、侵害受容性疼痛である。

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29 WeeFIMについて正しいのはどれか。

1.5段階で評価される。
2.総得点は100点である。
3.対象年齢は0~18歳である。
4.移動の「階段」を「伝い歩き」で評価する。
5.評価は生活場面の直接観察や聴取で行う。

解答

解説

WeeFIMとは?

WeeFIM(Functional Independence Measure for children:子供のための機能的自立度評価法)とは、子どものための機能的自立度評価法でFIMをもとに子ども用に作られたADL評価法である。

評価項目:18項目(運動項目13、認知項目5)
段階:介護度に応じて7段階
総得点:18点~126点
対象年齢:6か月~7歳未満
※備考:6項目で小児への応用を考慮した修正が加えられている。

1.× 5段階ではなく「7段階」で評価される。
2.× 総得点は、100点ではなく「126点」である。
3.× 対象年齢は、0~18歳ではなく「6か月~7歳未満」である。
4.× 移動の「階段」を「伝い歩き」で評価しない。移動の「歩行」において、車椅子移動や這い這いが認められている。6項目で小児への応用を考慮した修正が加えられている。
5.〇 正しい。評価は生活場面の直接観察聴取で行う。所要時間は15~20分で、十分に実用的なスクリーニングおよび経過観察の手順として利用可能である。

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【OT/共通】FIMについての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

30 上腕能動義手の適合検査項目とその不適合の原因との組合せで正しいのはどれか。

1.義手装着時の肩関節可動域:肘プーリーユニット取り付け位置の不良
2.前腕部(肘継手)の屈曲可動域:ソケットのトリミング不良
3.肘の最大屈曲に要する肩関節の屈曲角度:ケーブルの長さの不良
4.回旋力に対する安定性:ハーネスの調整不良
5.引っ張り荷重(下垂力)に対する安定性:リテーナーの位置不良

解答

解説

1.× 肘プーリーユニット取り付け位置の不良では、義手装着時の「肩関節」ではなく「肘関節」可動域に影響を与える。肘継手部にプーリーユニット(滑車)を装着した継手である。プーリーの利用により、伝達効率が向上し、肩甲胸郭間切断、肩離断、上腕短断端などの高位切断でも適応できる。
2.× 前腕部(肘継手)の屈曲可動域は、ソケットのトリミング不良ではなく、「①前腕ソケットの屈曲側のくりが不十分、②肘継手の調整が不良、③コントロールケーブルシステムの問題」である。
3.〇 正しい。肘の最大屈曲に要する肩関節の屈曲角度は、ケーブルの長さの不良で起こる。主に、「①ハーネスの調整不良、②コントロールケーブルシステムの問題、③肘継手の問題、④断端や肩関節の問題」があげられる。
4.× 回旋力に対する安定性は、ハーネスの調整不良ではなく、コントロールケーブルシステムの問題が考えられる。ちなみに、回旋力に対する安定性の検査は、上腕・肩離断義手検査において行う。なぜなら、上腕切断において、回旋機能は重要な問題として考えられていない(機能的損失として、回旋運動が少ないのが特徴である)ため。つまり、コントロールケーブルシステムや解剖学的な構造上、回旋の運動が生かされない。
5.× 引っ張り荷重(下垂力)に対する安定性は、リテーナーの位置不良ではなく「コントロールケーブルシステムの問題」があげられる。ケーブルの走路問題や余計な摩擦・干渉によって伝達が妨げられると効率は悪化する。

適合検査項目

【上腕・肩離断義手検査】
①義手装着時の断端の可動範囲、②義手の肘屈曲範囲、③義手装着時の肘の能動屈曲範囲、④肘完全屈曲に要する肩の屈曲角、⑤肘を(90°から)屈曲するのに必要な力、⑥コントロールシステム操作方法の効率、⑦肘90°屈曲位でのフックの開大あるいは閉鎖、⑧口及びズボンの前ボタンの位置でのフックの開大と閉鎖、⑨トルクに対するソケットの安定性、⑩下垂力に対する張力安定性、⑪適合感とソケット圧迫時の快適さ、⑫義手の重さ

【前腕義手検査】
①義手装着時及び除去時の肘の屈曲度、②義手装着時及び除去時の前腕の回旋度、③コントロールシステム操作方法の効率、④肘90°屈曲位でフックまたは手の開大率あるいは閉鎖率、⑤口及びズボンの前ボタンの位置でのフックまたは手の開大あるいは閉鎖、⑥下垂力に対する張力安定性(移動の長さ)、⑦適合とソケット圧迫時の快適さ、⑧義手の重さ

(※参考書:「切断と義手」著:澤村誠志より)

 

 

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