第56回(R3) 理学療法士/作業療法士 共通問題解説【午後問題51~55】

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51 脳底動脈から直接分岐する血管はどれか。2つ選べ。

1.前大脳動脈
2.中大脳動脈
3.後交通動脈
4.上小脳動脈
5.前下小脳動脈

解答4・5

解説

(画像引用:慶應義塾大学医学部 解剖学教室様HPより)

脳底動脈から直接分岐する血管は、選択肢4~5.上小脳動脈/前下小脳動脈である。

 

 

 

 

 

 

52 脳構造について正しいのはどれか。

1.小脳テントは脳底槽にある。
2.脳静脈洞は硬膜下腔の中を通る。
3.大脳鎌はSylvius裂内に位置する。
4.くも膜と軟膜の間がくも膜下腔である。
5.透明中隔は第三脳室と第四脳室の間にある。

解答

解説
1.× 小脳テントは、「脳底槽」ではなく、大脳と小脳の間に存在する厚い硬膜である。脳底槽(鞍上槽:ペンタゴン)は、鞍上部周囲のくも膜下腔にヒトデ型の領域である。
2.× 脳静脈洞は、「硬膜下腔の中を通る」のではなく、硬膜内層と硬膜外層の間、または、硬膜内層と硬膜内層が合わさった部分に静脈血が流れる管腔構造が存在する。ちなみに、硬膜下腔の中を通るのは、架橋静脈である。架橋静脈は、脳表と硬膜をつなぐ血管である。
3.× 大脳鎌は、Sylvius裂内には位置していない。大脳鎌とは、脳硬膜の内層が合わさり、正中線に沿って幕状に垂れ下がって大脳半球を左右に分けている部分である。大脳縦裂内に大脳鎌が位置する。ちなみに、Sylvius裂(外側溝)は側頭葉の上縁に位置する。
4.〇 正しい。くも膜と軟膜の間がくも膜下腔である。「頭蓋骨→硬膜→くも膜→クモ膜下腔(この中に脳脊髄液が存在)→軟膜」という構造となっている。
5.× 第三脳室と第四脳室の間にあるのは、「透明中隔」ではなく、中脳水道である。透明中隔とは、脳梁上部にあり、両側側脳室を隔てる板状構造をしている。

 

 

 

 

 

 

53 骨について正しいのはどれか。

1.皮質骨は骨梁から形成される。
2.幼児期の骨髄は黄色骨髄である。
3.海綿骨の表面は骨膜で覆われている。
4.皮質骨にはHavers〈ハバース〉管が存在する。
5.骨は軟骨よりもプロテオグリカンを豊富に含む。

解答

解説
1.× 骨梁から形成されるのは、「皮質骨(緻密骨)」ではなく海綿骨である。骨は、皮質骨(緻密骨)と海綿骨からなる。
2.× 幼児期の骨髄は、「黄色骨髄」ではなく赤色骨髄である。全骨髄が造血作用をもつ赤色骨髄であるが、骨格発育が進み必要な造血領域を越えるようになると脂肪髄である黄色骨髄に置き換わっていく。黄色骨髄は、造血機能はない。
3.× 骨膜で覆われているのは、「海綿骨の表面」ではなく皮質骨(緻密骨)である。つまり、海綿骨の表面は、骨膜ではなく皮質骨(緻密骨)で覆われており、その外層に骨膜が存在する。
4.〇 正しい。皮質骨には、Havers〈ハバース〉管が存在する。骨の長軸方向に伸びている血管が通る管をHavers〈ハバース〉管という。ちなみに、海綿骨にはハバース管が存在しない。Havers〈ハバース〉管を中心に同心円状に層をなし、骨単位となっている。
5.× プロテオグリカン(タンパク質と糖からなる軟骨成分)を豊富に含むのは、骨より軟骨(関節軟骨)である。大量の水と結合してコラーゲンとのすき間を埋めるクッションのような働きをする。関節を衝撃から保護する。

類似問題です↓
【PT/OT/共通】骨(構造/解剖)についての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

 

54 腱板を構成する筋はどれか。

1.肩甲下筋
2.三角筋
3.上腕筋
4.僧帽筋
5.大円筋

解答

解説

 腱板(回旋筋腱板:ローテーターカフ)とは、肩甲骨と上腕骨をつないでいる4つの筋肉の腱の総称である。① 棘上筋、②棘下筋、③小円筋、④肩甲下筋から成る。したがって、選択肢1.肩甲下筋が正しい。ちなみに、腱板(回旋筋腱板:ローテーターカフ)は、関節の安定化に関与する。上腕骨頭の関節窩に対する求心性の力を常に働かせている。

 

 

 

 

 

 

 

55 足関節外側面において、外果の前方を走行する筋はどれか。

1.後脛骨筋
2.短腓骨筋
3.長腓骨筋
4.第3腓骨筋
5.長母指屈筋

解答

解説

外果の前方を走行する筋=足関節背屈に作用すると考えられる。ちなみに、足関節背屈筋は、①前脛骨筋、②第三腓骨筋、③長趾伸筋、④長母指伸筋である。

1.× 後脛骨筋の作用は、足関節底屈・内返しである。
2.× 短腓骨筋の作用は、足関節底屈・外返しである。
3.× 長腓骨筋の作用は、足関節底屈・外返しである。
4.〇 正しい。第3腓骨筋の作用は、足関節背屈・外返しである。
5.× 長母指屈筋の作用は、足関節底屈・母趾屈曲である。

 

2 COMMENTS

大川 純一

コメントありがとうございます。
ご指摘通り間違えておりました。
修正致しましたのでご確認ください。
今後ともよろしくお願いいたします

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