第55回(R2) 作業療法士国家試験 解説【午前問題36~40】

 

36 脳性麻痺の痙縮の治療として適切でないのはどれか。

1. バクロフェン髄腔内投与療法
2. 筋緊張抑制ギプス療法
3. ステロイド薬経口投与
4. フェノールブロック
5. ボツリヌス療法

解答3

解説

痙縮の治療

①経口抗痙縮薬
②ボツリヌス療法
③フェノールブロック
④バクロフェン髄腔内投与療法
⑤選択的脊髄後根切断術
⑥末梢神経縫縮術
⑦整形外科的選択的軟部組織離開術など

また、リハビリテーションと併用することにより、可動域の改善や姿勢の改善を見込める。

1.〇 正しい。バクロフェン髄腔内投与療法は、中枢性筋弛緩薬の一つである。主に脊髄においてGABAB受容体を刺激し、単および多シナプス反射を抑制することにより、過剰な筋収縮を抑制する。髄腔内投与療法は、体内に埋め込んだポンプにバクロフェンを数ヵ月に1回注入すると、持続的にポンプから髄腔内にバクロフェンが注入される。
2.〇 正しい。筋緊張抑制ギプス療法は、痙縮に対して行う。単独では痙縮に対する効果が十分な科学的根拠はないが、A型ボツリヌス毒素注射との併用療法は、効果を増強する報告がある。
3.× ステロイド薬経口投与は、抗炎症薬免疫抑制薬としては用いられる。神経疾患においては、多発性硬化症や脳浮腫に対して用いられることがあるが、脳性麻痺の治療に適応はない。
4.〇 正しい。フェノールブロック(フェノールによる末梢神経ブロック治療)は、末梢神経を破壊し、短縮・筋緊張、痙縮を改善する効果がある。
5.〇 正しい。ボツリヌス療法は、シナプス小胞の膜融合を阻害し、運動神経終末におけるアセチルコリンの放出を抑制する。ボツリヌス毒素を筋に注射することで、過剰な筋収縮を抑える治療法である。効果は3~4か月程度である。

 

 

 

 

 

 

37 尿閉患者が使用する排尿関連用具で最も適切なのはどれか。

1. コンドーム型集尿器
2. 自動吸引式集尿器
3. ポータブルトイレ
4. 尿道カテーテル
5. おむつ

解答4

解説

尿閉とは?

尿閉とは、膀胱内に貯留している尿を排泄できない状態である。尿閉患者は、膀胱破裂を来さないように強制的に排尿する必要がある。
尿閉がある場合は、間欠的導尿、膀胱留置カテーテル、膀胱瘻が適応となる。
尿閉がない場合は、おむつ、コンドーム型集尿器、(間欠的)自己導尿が適応となる.

1.× コンドーム型集尿器は、①尿失禁があり、かつ②尿閉がない場合に適応となる。
2.× 自動吸引式集尿器は、尿意の有無にかかわらず、自己にて排尿処理ができない場合に適応となる。
3.× ポータブルトイレは、①尿意があり、かつ②尿失禁しない場合に適応となる。
4.〇 正しい。尿道カテーテルは、尿閉がある場合に適応となる。尿道にカテーテルを留置する方法であるが、デメリットとして尿路感染症を起こしやすいことがあげられる。
5.× おむつは、尿意の有無にかかわらず、②尿失禁がある場合に適応となる。

 

 

 

 

 

 

38 地域包括支援センターの説明で正しいのはどれか。

1. 設置主体は国である。
2. 福祉用具を販売する。
3. 24時間体制で業務を行っている。
4. 業務内容には高齢者の権利擁護を含む。
5. 人員基準の3職種に作業療法士が含まれる。

解答4

解説

地域包括支援センターとは?

地域包括支援センターとは、介護保険法に基づき各市町村によって設置されており、地域の高齢者の医療・福祉・介護・虐待など様々な事柄に関する相談窓口となっている。地域包括支援センターの人員基準は、「第1号被保険者(65歳以上の高齢者)3000人~6000人ごとに、保健師、社会福祉士及び主任介護支援専門員(準ずる者を含む)を最低限それぞれ各1人」である。

1.× 設置主体は、国ではなく、市町村・在宅介護支援センターの運営法人その他の市町村から委託を受けた法人である。
2.× 福祉用具を販売するのは、受けた事業者である。
3.× 必ずしも24時間体制で業務を行っているわけではない。ただし、虐待への対応などの場合も想定し、センター職員に緊急に連絡が取れるような体制を整備しておく必要がある。
4.〇 正しい。業務内容には高齢者の権利擁護を含む。地域包括支援センターの業務内容には、①総合相談支援、②権利擁護、③包括的・継続的マネジメント支援、④介護予防ケアマネジメント、⑤地域ケア会議の充実が挙げられる。
5.× 人員基準の3職種に作業療法士が含まれない。原則として①保健師、②主任ケアマネジャー、③社会福祉士の3職種を配置しなければならない。

 

 

 

 

 

 

39 変数と尺度の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

1. MMT:順序尺度
2. 性別:順序尺度
3. 体温:間隔尺度
4. 知能指数:比率尺度
5. 暦年:比率尺度

解答1/3

解説
1.〇 正しい。MMTは、順序尺度である。順序尺度とは、順位に従い数値化したものである。がんのステージ分類、MMTなどがあげられる。
2.× 性別は、順序尺度ではなく、名義尺度である。名義尺度とは、性別・血液型などの質的な違いに対して数値や名前を割り振った尺度である。
3.〇 正しい。体温は、間隔尺度である。間隔尺度とは、気温・知能指数のように目盛りが等間隔になっている尺度である。
4.× 知能指数は、比率尺度ではなく、間隔尺度である。比率尺度とは、量的データのうち、ゼロ(原点)が決まっているものに用いる。
5.× 暦年は、比率尺度ではなく、間隔尺度である。比率尺度とは、量的データのうち、ゼロ(原点)が決まっているものに用いる。

 

 

 

 

 

 

40 地域障害者職業センターの役割で適切なのはどれか。

1. 就労定着支援
2. 職業準備訓練
3. 求人の開拓
4. 適応訓練
5. 職業紹介

解答2

解説

地域障害者職業センターの主な業務

障害者に対し、
①職業相談・職業評価
②職業指導(ジョブガイダンス)
③職業準備支援
④職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援
⑤リワーク支援 など。

1.× 就労定着支援は、就労定着支援事業所が実施する。障害者の就労や就労に伴って生じている生活面での課題を解決し、長く働き続けられるようにサポートするものである。
2.〇 正しい。職業準備訓練は、地域障害者職業センターの役割である。障害者に対し、①職業相談・職業評価、②職業指導(ジョブガイダンス)、③職業準備支援、④職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援、⑤リワーク支援など行っている。
3.× 求人の開拓は、ハローワーク(公共職業安定所)が行っている。
4.× 適応訓練は、ハローワーク(公共職業安定所)が窓口となっている。障害者に実際の職場で職業訓練を実施して現場への適応を図り、訓練終了後はその事業所に引き続き雇用してもらう制度である。
5.× 職業紹介は、ハローワーク(公共職業安定所)が行っている。

①職業相談
②職業紹介
③求人確保
④事業主に対する助言・窓口業務
⑤就職後の障害者に対する助言・指導 など。

 

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