第53回(H30) 作業療法士国家試験 解説【午後問題36~40】

 

36 骨転移を最も生じやすい悪性腫瘍がどれか。

1.腎癌
2.乳癌
3.肝癌
4.膵臓癌
5.胆嚢癌

解答2

解説

 骨転移の頻度が特に高いのは、女性では乳癌・男性では前立腺癌である。各がん種の骨転移患者の割合を以下にまとめた。参考にしてほしい。①乳がん 21.6(%)、②肺がん 21.2(%)、③前立腺がん 7.6(%)、④腎がん 7.5(%)、⑤胃がん 6.8(%)、⑥子宮がん 6.6(%)、⑦肝臓がん 5.1(%)、⑧大腸がん 4.0(%)、⑨甲状腺がん 3.5(%)、⑩膀胱がん 1.7(%)、⑪食道がん 1.6(%)、⑫膵臓がん 1.4(%)である。よって、選択肢2.乳癌が最も骨転移を生じやすい悪性腫瘍である。。

1.× 腎癌は、7.5(%)である。
3.× 肝癌は、5.1(%)である。
4.× 膵臓癌は、1.4(%)である。
5.× 胆嚢癌は、ランキング外である。

 

 

 

 

 

 

 

 

37 手部の三度熱傷における対応で正しいのはどれか。

1.受傷直後に氷で冷却する。
2.冷却時間は5分未満とする。
3.壊死組織の除去は不要である。
4.変形防止にスプリントを使用する。
5.受傷時に手袋していたら直ちに抜去する。

解答4

解説

 Ⅲ度の熱傷は、皮下組織までの深さであり、疼痛はなく、白く乾燥、炭化水泡形成はない。また治癒には一か月以上かかり、小さいものは瘢痕治癒するが、植皮が必要なレベルである。

1.× 受傷直後に氷ではなく流水で冷却する。Ⅲ度の熱傷は感覚がなく、氷での冷却によって低体温症など二次的な疾病を防ぐためである。
2.× 冷却時間は5分未満ではなく、5~30分間とする。
3.× 壊死組織の除去は必要である。Ⅲ度の熱傷なので、表皮・真皮が壊死に陥る壊死組織の温存は染源になるため。
4.〇 正しい。変形防止にスプリントを使用する。深達性Ⅱ度熱傷とⅢ度熱傷では、熱傷の二次損傷として関節拘縮を伴う熱傷部位に癒着・瘢痕拘縮が起きやすい。そのため熱傷部位と近い関節については、熱傷部位が伸展されるようにポジショニングを考慮してスプリントを使用する。
5.× 受傷時に手袋していても直ちに抜去する必要はない。着衣の上から受傷した場合、無理に抜去すると更なる皮膚の損傷をきたす。そのため、着衣の上から水をかけて冷却するのが良い。

 

苦手な方向けにまとめました。参考にしてください↓

理学療法士国家試験 熱傷についての問題7選「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

 

 

38 介護予防について正しいのはどれか。

1.運動器の機能向上を主目的とする。
2.社会参加意欲の高い人は対象としない。
3.一次予防から三次予防を別に展開する。
4.要介護状態の重度化の防止は三次予防である。
5.一次予防事業の対象者は要支援・要介護状態となる可能性の高い人である。

解答4

解説

 介護予防とは、要支援・要介護状態になることをできる限り防ぎ、また介護が必要になった場合でも、状態がそれ以上悪化しないように維持・改善を図ることである。

1.× 運動器の機能向上が主目的ではなく、健康寿命を延ばすことが主目的である。運動器の機能向上は、目標達成のための手段である。
2.× 社会参加意欲の高い人も対象とする。介護予防の対象者は要支援1~2の者、および要支援・要介護になるおそれのある65歳以上の者である。したがって、要支援1~2の者で、社会参加意欲の高い人がいたら対象となる。
3.× 一次予防から三次予防を別に展開するのではなく、切れ目なく総合的に展開する。これは平成24年4月から導入された介護予防・日常生活支援総合事業によって定められている。
4.〇 正しい。要介護状態の重度化の防止は三次予防である。三次予防は要支援・要介護状態にある高齢者を対象に要介護状態の改善や重度化の予防をするものである。ちなみに、疾病の進行段階に対応した予防方法を一次予防、二次予防、三次予防と呼び、「健康日本21」においては、一次予防を「生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病等を予防すること」、二次予防を「健康診査等による早期発見・早期治療」、三次予防を「疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ること」とそれそれ定義している。
5.× 一次予防事業の対象者は”要支援・要介護状態となる可能性の高い人”ではなく、”健康な者”を対象にしている。一次予防を「生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病等を予防すること」と定義しているためである。

 

 

 

 

 

 

 

 

39 構成的作業としての特徴最も有している描画方法はどれか。

1.屋外の風景を写生する。
2.モデルを見ながら描く。
3.与えられたテーマで描く。
4.想像したものを自由に描く。
5.見本を見ながら塗り絵をする。

解答5

解説

構成的作業とは、図案などが決まっている場合の描画方法である。図案とは、(工芸品などを作る時、その品物にふさわしく考えた)形・色などの組合せ・デザインのことである。

1~2.× 屋外の風景を写生する。モデルを見ながら描く。題材は決まっているものの図案が決まっていないので構成的作業ではない。
3~4.× 与えられたテーマで描く。想像したものを自由に描く。案が決まっていないので構成的作業ではない。
5.〇 正しい。見本を見ながら塗り絵をする。見本という図案が決まっており、それを見ながら塗り絵をするのは、構成的作業である。

 

 

 

 

 

 

 

 

40 「昨夜の夕飯のおかずは何でしたか」という質問で評価できる記憶で最も適切なのはどれか。

1.遠隔記憶
2.近時記憶
3.作業記憶(ワーキングメモリー)
4.即時記録
5.手続き記憶

解答2

解説

1.× 遠隔記憶は、年余にわたる記憶で、個人の生活史歴史的事件に関する記憶のことである。 
2.〇 正しい。近時記憶は、24時間以内のエピソードに関する記憶のことである。前夜の食事内容を尋ねることや単語の遅延再生により評価される。
3.× 作業記憶(ワーキングメモリー)とは、物事を思考・実行する際に情報を一時的に(数秒程度) 保持しながら、それを意識的に操作する能力のことである。
4.× 即時記録は、近時記憶よりも短期の記憶である。数字や単語の復唱などで評価を行う。
5.× 手続き記憶は、身体が覚えている記憶のことである。自転車の乗り方や楽器の演奏の仕方がその例である。

 

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