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91.胃癌について正しいのはどれか。
1.噴門部に好発する。
2.放射線療法が有効である。
3.組織型で最も多いのは腺癌である。
4.我が国では発症率が増加している。
5.我が国の悪性腫瘍による死因の第一位である。
解答:3
解説
1.× 「噴門部」ではなく、幽門部(胃下部)に好発する。
2.× 「放射線療法」ではなく、手術が有効である。放射線治療は、食物等により胃全体が拡張し、胃の一部や病変部が放射線照射範囲からはずれる可能性が高いため、手術が適応されるケースが多い。したがって、胃がんの放射線感受性は低い。
3.〇 正しい。組織型で最も多いのは腺癌である。
4.× 我が国では発症率が、「増加」ではなく低下している。(2013年胃がん1位⇒2016年胃がん3位に。)なぜなら、ピロリ菌除菌薬の進歩、冷凍技術の発達による食塩での貯蔵減少、喫煙の減少などが要因としてあげられるため。
5.× 我が国の悪性腫瘍による死因の第一位は、肺癌である。1位が肺癌、2位が胃癌である。
92.未梢血に大型の赤血球が出現するのはどれか。
1.再生不良性貧血
2.消化管出血
3.欽欠乏性貧血
4.溶血性貧血
5.葉酸欠乏性貧血
解答:5
解説
巨赤芽球(大型の赤血球)が出来る原因のほとんどは、「ビタミンB12」あるいは「葉酸」の不足によるものである。B12と葉酸はふたつとも核酸合成に必要であることによるため。骨髄に巨赤芽球が出現し、末梢血において貧血になったものを巨赤芽球性貧血というが、巨赤芽球が発生する理由としてはビタミンB12の不足が最も多く97%ほどを占め、次いで葉酸の欠乏が2%ほどある。よって、答えは、選択肢5.葉酸欠乏性貧血である。
1.× 再生不良性貧血は、骨髄の造血幹細胞の減少と、それによる末梢血の汎血球減少を主徴とする症候群である。正球性正色素性貧血を示す。
2.× 消化管出血では、鉄欠乏性貧血を呈する。出血による鉄欠乏性貧血は、小球性であることが典型的であるが、急性期には正球性や大球性を呈することもある。
3.× 欽欠乏性貧血は、鉄欠乏による骨髄でのヘモグロビン合成が障害される小球性低色素性であり、末梢血の赤血球不足を補うために骨髄は過形成になる。
4.× 溶血性貧血は、赤血球の早期破壊亢進により末梢血中の赤血球減少・貧血をきたす病態である。正球性正色素性貧血である。
93.我が国におけるメタボリックシンドロームの診断基準に含まれないのはどれか。
1.中性脂肪
2.空腹時血糖
3.収縮期血圧
4.ウエスト周囲径
5.LDLコレステロール
解答:5
解説
①腹部肥満(ウエストサイズ 男性85cm以上 女性90cm以上)
②中性脂肪値(HDLコレステロール値 中性脂肪値 150mg/dl以上、HDLコレステロール値 40mg/dl未満のいずれか、または両方)
③血圧(収縮期血圧130mmHg以上、拡張期血圧85mmHg以上のいずれか、または両方)
④血糖値(空腹時血糖値110mg/dl以上)
よって、我が国におけるメタボリックシンドロームの診断基準に含まれないのは、選択肢5.LDLコレステロールとなる。
94.肝炎について正しいのはどれか。
1.A型肝炎の慢性化率は約20 %である。
2.B型肝炎ワクチンは感染の予防に有効である。
3.C型肝炎のキャリアはHCV抗原が陽性である。
4.慢性肝炎の原因ウイルスで最も多いのはB型である。
5.慢性肝炎においては急性増悪期を過ぎても運動制限を行う。
解答:2
解説
1.× A型肝炎の慢性化率は、「約20%」ではなく約2~3%である。ただし、頻度は少ないが6か月以上にわたりトランスアミナーゼの異常がみられることがある。A型肝炎は飲料水、生ガキなどにより経口感染することが多い。
2.〇 正しい。B型肝炎ワクチンは、感染の予防に有効である。B型肝炎ウイルスは血液や体液を介して感染する。大人になってから水平感染した場合、急性肝炎を発症することはあっても、慢性化することは通常ない。ちなみに、A型肝炎もワクチンが有効である。
3.× C型肝炎のキャリアは、HCV抗原が陽性とは限らない。なぜなら、HCV抗原は高感度ではあるものの、C型肝炎の95%を正確に判定できるが、5%は偽陰性となってしまうため。よって、スクリーニングにはHCV抗体を検査することが多い。ちなみに、C型肝炎キャリアとは、C型肝炎ウイルス持続感染者とも呼ばれることがあり、ウイルスに持続的に感染している状態である。
4.× 慢性肝炎の原因ウイルスで最も多いのは、「B型」ではなくC型である。慢性化することが多く、肝硬変や肝がんといった重い肝臓病になる危険性が高いのはC型、次いでB型である。
5.× 慢性肝炎においては、急性増悪期を過ぎたら運動を制限する必要はない。改善後の運動制限は、肝臓の脂肪化を来たすこともあり、好ましくない。
95.慢性閉塞性肺疾患の患者の胸部エックス線写真で特徵的なのはどれか。
1.横隔膜挙上
2.心陰影拡大
3.肋間腔の狭小化
4.肺野の透過性亢進
5.シルエットサイン
解答:4
解説
(図引用:「第57回作業療法士国家試験 午後問題5」より)
慢性閉塞性肺疾患の典型的な画像である。
①肺の過膨張(ビヤ樽のように肺が外側に膨張している)
②横隔膜の平坦化(肺の過膨張が長軸方向に及ぶため)
③心臓の滴状(肺による心臓の圧迫)
④両側肺野の透過性亢進(肺に空気が入り込んでいるため)
慢性閉塞性肺疾患とは、以前には慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称である。他の特徴として、肺の過膨張、両側肺野の透過性亢進、横隔膜低位、横隔膜の平低化、滴状心などの特徴が認められる。進行性・不可逆性の閉塞性換気障害による症状が現れる。病態の基本は、エアートラッピング(空気捉え込み:最大吸気位から最大呼息をしたときに肺内に空気が残る現象)による「肺の過膨張」であり、その結果として、横隔膜は低下して心陰影は縮小し(滴状心)、肋間腔は拡大する。
1.× 慢性閉塞性肺疾患の横隔膜は、「挙上」ではなく下降する。横隔膜挙上とは、横隔膜が上にあがっている状態である。横隔膜神経の麻痺、横隔膜弛緩症、肝腫大、横隔膜ヘルニアなどの場合でみられる。
2.× 慢性閉塞性肺疾患の心陰影は、「拡大」ではなく縮小する。なぜなら、肺の過膨張・横隔膜低下により滴状心が起こるため。心陰影拡大とは、心臓の陰影の横幅が胸の横幅の50%よりも大きくなっている状態である。肥満、心不全、心臓弁膜症などの場合でみられる。
3.× 慢性閉塞性肺疾患の肋間腔は、「狭小化」ではなく拡大化する。肋間腔の狭小化は、無気肺などの場合に起こる。ちなみに、肋間腔とは、肋骨の間の空間を指す。
4.〇 正しい。肺野の透過性亢進が、慢性閉塞性肺疾患の患者の胸部エックス線写真で特徵である。なぜなら、肺に空気が入り込んでいるためである。
5.× シルエットサインとは、心臓や大動脈などでできる線に隣接して病変ができると、その線が消える現象である。何らかの病態で、(1) 肺胞ガスが漏出液,浸出液,血液,細胞成分など X 線的に水濃度を示す物質で置換されるか、(2) 肺胞が虚脱して肺胞内の空気が失われるか、(3)胸水や腫瘍などがあって肺内ガスが心臓や胸部大動脈などに接することができないと、それらの臓器の鮮明な辺縁の一部や全部がコントラストを失って不鮮明となる。例えば、右下肺野に濃度上昇物を認め、心臓右縁下部が不明瞭になっている場合、「シルエットサイン陽性」と判断し、右中葉に病変部位が存在する。 左横隔膜のシルエットが消失している場合、左横隔膜上に病変があることを示す。
95の3がわからない
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95 4の解説がわからない
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94 3の内容がわかりません。
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