第53回(H30)理学療法士 国家試験解説【午前問題91~95】

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91.Duchenne型筋ジストロフィーの呼吸障害について正しいのはどれか。

1.咳をする力は保たれる。
2.口すぼめ呼吸が有効である。
3.側弯症は呼吸機能に影響しない。
4.動脈血二酸化炭素分圧が上昇する。
5.呼吸不全は5歳以下から生じることが多い。

解答:4


解説

 Duchenne型筋ジストロフィーの呼吸障害は、呼吸筋の筋力低下のために、肺活量の減少を生じる。したがって、拘束性換気障害を生じる(呼吸筋によって肺を膨らませることができない状態)。

 

1.× 進行するとともに、咳をする力も低下する。咳介助が必要になってくる。
2.× 口すぼめ呼吸が有効であるのは、閉塞性換気障害である。Duchenne型筋ジストロフィーは、拘束性換気障害であるため、舌咽頭呼吸法が有効である。
3.× 側弯症は、呼吸機能に影響する。なぜなら、気道や気管支などが狭窄を起こすため。
4.〇 正しい。動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)が上昇する。なぜなら、肺胞の低換気状態となるため。
5.× 呼吸不全は、「5歳以下」ではなく、5歳以降(特に20歳ころ)から生じることが多い。人工呼吸器を装着しない場合、多くは10歳代後半から20歳代前半ころに合併症により死亡する。

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【共通問題飲み】筋ジストロフィーについての問題「まとめ・解説」

 

 

 

 

 

 

92.腎不全における透析療法について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.透析対象者数は年々増加傾向にある。
2.血液透析よりも腹膜透析の割合が多い。
3.昼間透析よりも夜間透析の割合が多い。
4.透析導入の原因疾患は糖尿病性腎症が最も多い。
5.透析対象者の死亡原因として肝不全が最も多い。

解答:1,4


解説

 腹膜透析は日中・夜間を通して数回透析液を交換する。血液透析は血液を体外のダイアライザーを通過させることによって行う透析方法で、一般的には通院が必要であり昼間に行われる。血液透析の方が圧倒的に多い。

 

1.〇 正しい。透析対象者数は年々増加傾向にある。透析対象者数は2005年ごろまで年間1万人ずつ増加していた。近年はその伸びは鈍化しているものの、年間5000人程度の増加がある。
2.× 血液透析よりも腹膜透析の割合が、「多い」のではなく少ない。血液透析の方が多い。
3.× 昼間透析よりも夜間透析の割合が、「多い」のではなく少ない。昼間透析の方が多い。夜間透析患者数は全体の10%程度である。(昼間透析する人は、血液透析が大多数)
4.〇 正しい。透析導入の原因疾患は、糖尿病性腎症が最も多い。次いで、慢性糸球体腎炎、腎硬化症の順で多い。
5.× 透析対象者の死亡原因として、「肝不全」ではなく心不全が最も多い。最も多いのは心不全である。2位は感染症。3位は脳血管障害である。

 

 

 

 

 

 

93.糖尿病の運動療法で正しいのはどれか。

1.食後すぐに運動を開始する。
2.冷汗は高血糖発作の予兆である。
3.インスリン投与中は運動療法を中止する。
4.空腹時血糖値が高いほど運動量を増やす。
5.増殖性網膜症がある場合には運動強度を軽くする。

解答:5


解説

1.× 食後すぐに運動を行う必要はないが、食後30~60分頃までに運動を開始すると食後の高血糖が改善するとされる。
2.× 冷汗は、「高血糖発作」ではなく低血糖症状の予兆である。高血糖症状は、著しい口渇、多飲、多尿、全身倦怠感などがある。
3.× インスリン投与中でも、運動療法を並行して行える。ただし、インスリン投与中は低血糖を防ぐため、注射部位の運動は避け、食後1時間程度経過して行うと良い。
4.× 空腹時血糖値が高い(250mg/dl以上ある)場合は、運動療法は禁忌である。
5.〇 正しい。増殖性網膜症がある場合には運動強度を軽くする。増殖性網膜症による新鮮な眼底出血がある場合は、運動療法は禁忌または制限する必要がある。新鮮な眼底出血がない場合でも、運動強度は軽くした方が望ましい。

2型糖尿病の理学療法

 1型糖尿病の原因として、自己免疫異常によるインスリン分泌細胞の破壊などがあげられる。一方、2型糖尿病の原因は生活習慣の乱れなどによるインスリンの分泌低下である。運動療法の目的を以下に挙げる。

①末梢組織のインスリン感受性の改善(ぶどう糖の利用を増加させる)
②筋量増加、体脂肪・血中の中性脂肪の減少。(HDLは増加する)
③摂取エネルギーの抑制、消費エネルギーの増加。
④運動耐容能の増強。

【糖尿病患者に対する運動療法】
運動強度:一般的に最大酸素摂取量の40~60%(無酸素性代謝閾値前後)、ボルグスケールで『楽である』〜『ややきつい』
実施時間:食後1〜2時間
運動時間:1日20〜30分(週3回以上)
消費カロリー:1日80〜200kcal
運動の種類:有酸素運動、レジスタンス運動(※対象者にあったものを選択するのがよいが、歩行が最も簡便。)

【運動療法の絶対的禁忌】
・眼底出血あるいは出血の可能性の高い増殖網膜症・増殖前網膜症。
・レーザー光凝固後3~6カ月以内の網膜症。
・顕性腎症後期以降の腎症(血清クレアチニン:男性2.5mg/dL以上、女性2.0mg/dL以上)。
・心筋梗塞など重篤な心血管系障害がある場合。
・高度の糖尿病自律神経障害がある場合。
・1型糖尿病でケトーシスがある場合。
・代謝コントロールが極端に悪い場合(空腹時血糖値≧250mg/dLまたは尿ケトン体中等度以上陽性)。
・急性感染症を発症している場合。

(※参考:「糖尿病患者さんの運動指導の実際」糖尿病ネットワーク様HPより)

 

 

 

 

 

 

 

94乳癌について正しいのはどれか。

1.月経前に疼痛が増悪する。
2.好発部位は乳房の外側上部である。
3.好発年齢は20歳代である。
4.5年生存率は40 %前後である。
5.我が国における発症率は欧米の3倍である。

解答:2


解説

 乳癌は乳管や小葉上皮から発生する悪性腫瘍である。乳管起源のものを乳管癌といい、小葉上皮由来のものを小葉癌という。年々増加しており、女性のがんで罹患率第1位、死亡率は第2位である。40~60歳代の閉経期前後の女性に多い。

1.× 月経前に疼痛が増悪しない。乳房の腫瘤、硬結、疼痛または乳頭分泌などの諸症状は乳癌とは無関係である。ちなみに、月経前に疼痛が増悪するのは、乳腺症である。
2.〇 正しい。好発部位は乳房の外側上部である。次いで、内側上部、外側下部、内側下部、乳輪部の順である。
3.× 好発年齢は、「20歳代」ではなく、40歳代後半から50歳代前半がピークである。
4.× 5年生存率は、「40%前後」ではなく、90%以上である。
5.× 我が国における発症率は、「欧米の3倍」ではなく、近年は、欧米と同様の人数となっている。ただし、乳癌の罹患率は国や地域によって大きく異なっている。

 

 

 

 

 

 

 

95.介護保険について正しいのはどれか。

1.要介護認定の申請は都道府県に対して行う。
2.65歳未満では給付を受けられない。
3.要介護認定には主治医意見書が必要である。
4.要介護状態区分等は要支援と要介護を合わせて6段階ある。
5.ケアプランを作成できるのはケアマネジャーのみである。

解答:3


解説

1.× 要介護認定の申請は、「都道府県」ではなく、市町村役所に対して行う。
2.× 65歳未満でも給付を受けられる。40歳から64歳の第2号被保険者のうち老化が原因とされる病気(16の特定疾患)により介護が必要であると認定された人であれば、給付を受けられる。
3.〇 正しい。要介護認定には主治医意見書が必要である。
4.× 要介護状態区分等は要支援と要介護を合わせて、「6段階」ではなく7段階である。要支援1,2・要介護1,2,3,4,5と全部で7段階ある。
5.× ケアプランを作成できるのは、ケアマネジャーのみでなく、ご本人またはご家族も作成することできる。

 

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