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31.Heberden結節の好発部位はどれか。
1.遠位指節間関節
2.遠位橈尺関節
3.近位指節間関節
4.近位燒尺関節
5.中手指節関節
解答:1
解説
Heberden結節(へバーデン結節)とは、指の第1関節(DIP関節)が変形し曲がってしまう原因不明の疾患である。中年女性に多い。第1関節の背側の中央の伸筋腱付着部を挟んで2つのコブ(結節)ができるのが特徴。よって、答えは、選択肢1.遠位指節間関節となる。
- Heberden結節(へバーデン結節):DIP関節に生じる。
- Bouchard結節(ブシャール結節):PIP関節に生じる。
32.腱板断裂損傷の徒手検査で陽性となる可能性が最も高いのはどれか。
1.anterior apprehension test
2.drop arm test
3.Morley test
4.Thompson test
5.Yargason test
解答:2
解説
1.× anterior apprehension test(肩不安感テスト)の陽性は、習慣性脱臼を疑う。肩関節90°外転位を取り、背部より上腕骨頭を前方に押し出すテストである。
2.〇 正しい。drop arm test(ドロップ アーム テスト)は、腱板断裂損傷の徒手検査で陽性となる。方法は、座位で被験者の肩関節を90°より大きく外転させ、検者は手を離すテストである。
3.× Morley test(モーレイテスト)は、胸郭出口症候群の誘発テストである。方法は、検者が患者の鎖骨上縁の斜角筋三角部を指先で1分間圧迫する。患側頚部から肩・腕および手指にかけての痛み・しびれ・だるさなどが出現すれば陽性である。
4.× Thompson test(トンプソンテスト)は、陽性の場合、アキレス腱断裂を疑う。腓腹筋をつまみ、足関節の底屈の有無を確認する。
5.× Yargason test(ヤーガソンテスト)は、陽性の場合、上腕筋腱の不安定性か腱炎を疑う。患側上肢を体側につけ、肘関節90°屈曲位で、前腕を回外するように命じる。検者は回内方向に抵抗を加える。上腕骨結節間溝部に疼痛が認められれば陽性である。
33.肘関節屈曲位から伸展方向へ他動的に動かしたときに、可動域の全範囲にわたり抵抗感が感じられたが、運動は容易であった。
MAS (modified Ashworth scale)における筋緊張のレベルはどれか。
1.0
2.1
3.1+
4.2
5.3
解答:4
解説
0:筋緊張の亢進がない
1:軽度の筋緊張亢進があり、ひっかかりや可動域の終末でわずかな抵抗がある
1+:軽度の筋緊張亢進があり、ひっかかりと引き続く抵抗感が残りの可動域(1/2以内)にある
2:さらに亢進した筋緊張が可動域ほぼ全域にあるが、他動運動は可能
3:顕著な筋緊張亢進があり、他動運動は困難
4:他動運動では動かない。
よって、設問の「可動域の全範囲にわたり抵抗感が感じられたが、運動は容易であった」場合、選択肢4. 2が適切である。
34.動脈血ガス分析結果がpH 7.32、PaCO233Torr、PaO288Torr、HCO3−17mEq/Lである場合に予想される呼吸様式はどれか。
1.徐呼吸
2.頻呼吸
3.無呼吸
4.Kussmaul呼吸
5.Cheyne-Stokes 呼吸
解答:4
解説
血液ガス分析では血中のpH・酸素濃度・二酸化炭素濃度・重炭酸濃度などを調べることができる。これらは呼吸数や腎臓の排泄、再吸収などで厳密にコントロールされている。
【基準値】
- pH : 7.40 ±0.05
- PaO2 : 80~100Torr
- PaCO2 : 40±5Torr
- HCO3- : 24 ± 2mEq/l
【本症例の動脈血ガス分析結果】
①pH 7.32 → アシドーシスであると判断できる。
②PaCO233Torr → 炭酸ガスの蓄積はなし、換気障害なしと判断できる。
③HCO3−17mEq/L → HCO3−の減少による代謝性アシドーシスであると判断できる。Kussmaul呼吸(クスマウル呼吸)は、代謝性アシドーシスの病態を補正するための現象である。深大な呼吸を繰り返すことにより、血液の酸塩基平衡はアルカローシスの向きに移動し、結果的にアシドーシスが補正される。
1~3.× 徐呼吸/頻呼吸/無呼吸は、呼吸性アシドーシスなどに見られる。本症例は、上記のことから、代謝性アシドーシスであることが分かる。
4.〇 正しい。Kussmaul呼吸(クスマウル呼吸)とは、異常に深大な呼吸が連続し、規則正しく続く状態。 運動時にも同様の呼吸がみられる。 糖尿病性ケトアシドーシス、腎不全に伴う尿毒症、昏睡時など代謝性アシドーシスに認められる。
5.× Cheyne-Stokes 呼吸(チェーンストークス呼吸:交代性無呼吸)とは、小さい呼吸から一回換気量が漸増し大きな呼吸となった後、一回換気量が漸減し呼吸停止(10~20秒程度の無呼吸)がおこり、その後再び同様の周期を繰り返す呼吸である。中枢神経系が障害(脳出血、脳梗塞、尿度億章、薬物中毒など)され、呼吸中枢の感受性が低下した場合や脳の低酸素状態の際に見られる。
(※図引用:「異常呼吸」日本臨床検査医学会様HPより)
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【PT/OT/共通】酸塩基平衡についての問題「まとめ・解説」
35.がん患者の身体機能評価尺度はどれか。
1.Barthel Index
2.FBS
3.FIM
4.KPS(Karnofsky performance scale)
5.mRS
解答:4
解説
1.× Barthel Indexは、ADL評価である。
2.× FBS(Functional Balance Scale)は、バランスの評価である。高齢者の転倒リスクのスクリーニングや脳卒中患者のバランス機能評価に用いる。
3.× FIMは、ADL評価である。
4.〇 正しい。KPS(Karnofsky performance scale)は、「カルノフスキーの一般全身状態スコア」、「カルノフスキー指数」とも呼ばれる。がん患者の身体機能評価尺度である。日常生活でどの程度活動能力があるかを0~100%までの11段階に分類し、100%(正常で症状も出ていない状態)から数値が下がるにしたがい全身状態が悪いことを示す。
5.× mRS(modified Rankin Scale)は、脳血管障害に限定したADL評価である。
クスマウル大呼吸は、代謝性アシドーシスの呼吸性代償で中和にするためにみられるため、呼吸性アルカローシスの方向に、という表現は間違っていると思います。
コメントありがとうございます。
少々表現の仕方を修正いたしました。
何かありましたら、細かな表現まで指示していただければ幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。