第53回(H30)理学療法士 国家試験解説【午前問題11~15】

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11.55歳の男性。2型糖尿病。身長170cm、体重85kg。
 BMI<body mass index>を24にするために目標とすべき体重に最も近いのはどれか。

1.65kg
2.67kg
3.69kg
4.71kg
5.73kg

解答:3

解説

公式

BMI<body mass index> = 体重(㎏)÷ [身長(m)]2

1.7(m) × 1.7(m) = 2.89

2.89 × 24(目標BMI) = 69.36(目標体重)

一番近いのは、選択肢3. 69㎏となる。

 

 

 

 

 

12.21歳の女性。バレーボールで着地時に足関節痛を訴えた。検査法を図に示す。
 この検査で調べる靭帯損傷として正しいのはどれか。

1.三角靭帯損傷
2.踵腓靭帯損傷
3.前距腓靭帯損傷
4.前脛腓靭帯損傷
5.二分靭帯損傷

解答:3

解説

 図は「足関節の前方引き出しテスト」である。

足関節の前方引き出しテスト

足関節の前方引き出しテストとは、前距腓靭帯の安定性を見る。足関節は軽度底屈位で、踵を包むようにして前方へ引き出す。陽性の場合、患側の距骨は健側と比較して前方へ引き出される。また距骨が亜脱臼するため、足を戻す際、患者の痛みの訴えとともに「カクッ」という動きを触知できる。

1.×:三角靭帯は、足関節の関節包内側部を補強する。外反ストレステストで検査する。ちなみに、三角靭帯は足関節の内果に三角形状の靭帯ことで、①前脛距靭帯、②脛舟靭帯、③脛踵靭帯、④後脛距靭帯の4つの靭帯から構成されている。
2.×:踵腓靭帯は、足関節の関節包の外側部を補強する。内反ストレステストで検査する。
3.〇:正しい。前距腓靭帯損傷は、関節包の前外側部を補強する。足関節の前方引き出しテストで検査する。
4.×:前脛腓靭帯は、脛腓関節を強固する靭帯である。内反捻挫を起こした際に脛骨腓骨の間が広がるように外力が働くと損傷されやすい。背屈荷重テストで痛みがあれば陽性となる。
5.×:二分靭帯(Y靭帯)は、縦足弓の外側部を支持する。他にも外側の踵骨・立方骨・舟状骨を硬く締結する。つま先立ちやジャンプの着地で内反捻挫をした際に損傷を受ける。

 

 

 

 

13.図に示す両側支柱付長下肢装具について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.外側支柱の高さは大転子から6 cm下にする。
2.膝継手はオフセット式である。
3.下腿半月の位置は膝関節裂隙から2 cm下にする。
4.足継手はダブルクレンザックである。
5.短下肢装具へと変更可能である。

解答:4,5

解説

1.× 外側支柱の高さは、大転子から「6cm」ではなく2~3cm下にする。
2.× 膝継手は「オフセット式」ではなくリングロック(輪止め式)である。オフセット式継手とは、荷重線が軸の後ろを通りにくくすることで膝折れを防ぐものである。側面からみると逆くの字状になっている。
3.× 下腿半月の位置は、「膝関節裂隙から」ではなく腓骨頭から2 cm下にする。
4.〇 正しい。足継手は、ダブルクレンザック(二方向補助付き足継手)である。ダブルクレンザックは、制動範囲の再調節がネジを回すことでバネの強さを調節できるため容易である。ロッド(棒)を利用することにより足関節の角度調節も可能である。
5.〇 正しい。短下肢装具へと変更可能である。下腿部の支柱にネジが2個ずつついており、これを外すと長下肢装具から短下肢装具へと変更可能である。臨床では、重度弛緩性麻痺時には長下肢装具で立位練習を行い、股関節の収縮が得られてきた際に、短下肢装具へ移行しながら練習することも大いにある。

 

 

 

 

 

次の文により14、15の問いに答えよ。
 19歳の男性。基礎疾患はない。自転車エルゴメーターを用いた運動強度を次第に上昇させて運動終点まで運動負荷試験を行ったときの酸素摂取量の測定結果を図に示す。

14.最大酸素摂取量(ml/分)として正しいのはどれか。

1.1,000
2.1,500
3.2,500
4.3,500
5.4,000

解答:4

解説

図から、縦軸の最大酸素摂取量を読み取る問題である。
酸素摂取量が頭打ち(プラトー、レベリングオフなどと呼ばれる)になったときに最大酸素摂取量に到達したといえる。
運動負荷量が最大(350W)のとき、最大酸素摂取量は、選択肢4.3500ml/分と分かる。

 

 

 

次の文により14、15の問いに答えよ。
 19歳の男性。基礎疾患はない。自転車エルゴメーターを用いた運動強度を次第に上昇させて運動終点まで運動負荷試験を行ったときの酸素摂取量の測定結果を図に示す。

15.全身持久力改善のために必要な運動負荷量(ワット)として正しいのはどれか。

1.50
2.100
3.200
4.300
5.350

解答:3

解説

全身持久力を改善するために必要な負荷量は、最大酸素摂取量(3.500ml/分)から50~60%である。(※高齢者の場合は、40%以上という基準値もあるが、本症例は19歳男性であるため、60%で設定するのが妥当である。)

したがって、
3.500(ml/分) × 60(%) = 2100ml/分

2100ml/分となる負荷量が必要になる。
そこから、図を参照すると、答えが、選択肢3. 200ワットとなる。ちなみに、50%で計算すると150 W程度であるが、選択肢になくこれより低い100 Wでは40%の負荷量となるため効果は薄く不適切である。

 

2 COMMENTS

とん

問15は、全身持久力を改善するために必要な負荷量は、最大酸素摂取量(3.500ml/分)から60%です
2100ml/分となる負荷量が必要になるので答えが200ワットだと思います

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