第52回(H29) 作業療法士国家試験 解説【午前問題41~45】

 

41 統合失調症の精神病後抑うつからの回復初期の指標はどれか。2つ選べ。

1. 億劫感
2. 空腹感
3. 熟眠感
4. 疲労感
5. 不安感

解答2/3

解説

(※図引用:一般社団法人日本健康倶楽部HP様)

 統合失調症の精神病後抑うつの時期には、統合失調症の症状がいくつか残存し、さらにはうつ病エピソードの診断基準(図参照)を満たす症状がみられる。精神病後抑うつから回復するとこれらの症状はなくなるので、回復の指標としては、統合失調症やうつ病にみられる症状ではないものを選ぶ。

1.4.5.× 億劫感・疲労感・不安感はうつ病・統合失調症にみられる症状である。
2.3.〇 正しい。統合失調症の精神病後抑うつからの回復初期の指標は、空腹感・熟眠感である。回復に向かい、基本的な生活リズムを獲得することにより、空腹感・熟眠感などがもたらされる。

 

 

 

 

 

 

42 「自分は劣っている」と自信が持てず、他人からの批判や拒絶に敏感で対人関係や社会参加が損なわれている。
最も考えられるパーソナリティ障害はどれか。

1. 妄想性
2. 依存性
3. 非社会性
4. 統合失調質
5. 不安性(回避性)

解答5

解説

1.× 妄想性パーソナリティ障害は、他人に対して常に疑いをもち、他人の言動を悪い方に解釈する傾向をもつ。
2.× 依存性パーソナリティ障害は、他人に強く依存し、自信に欠けている傾向をもつ。
3.× 非社会性パーソナリティ障害は、他人への配慮がなく、衝動的な反社会的行動の傾向をもつ。
4.× 統合失調質パーソナリティ障害は、他人への関心や関わりへの欲求が乏しく、孤立した生活様式をもち、社会的相互作用の欠落の傾向をもつ。
5.〇 正しい。不安性(回避性)パーソナリティ障害は、自分に自信をもてず、社会的状況で恥をかくことや、相手から拒絶される可能性を常に意識している傾向をもつ。

 

 

 

 

 

 

43 70歳以上を対象にした介護予防事業に用いられる評価で、表に示す質問項目を用いるのはどれか。

1. 作業質問紙
2. 基本チェックリスト
3. 役割チェックリスト
4. NPI興味チェックリスト
5. 障害老人の日常生活自立度

解答2

解説

1.× 作業質問紙 (OQ:Occupational Questionnaire)は、日常生活活動(セルフケア)、仕事、余暇(レクリエーション)、休息について1日(24時間)を評価する。
2.〇 正しい。問題文の質問項目を用いるのは、基本チェックリストである。日常生活関連動作、運動器の機能、低栄養状態、口腔機能、閉じこもり、認知症、うつについて全25項目の評価項目がある。
3.× 役割チェックリストは、学生・勤労者・養育者・友人などの役割ついて、現在・過去・将来の状況と価値について質問し、役割とその価値観を評価する。
4.× NPI興味チェックリストは、80項目の活動(手工芸・スポーツ・レクリエーションなど)についての興味関心を、「強い」「普通」「ない」のいずれかにチェックを入れてもらい、興味・関心の傾向を知るための評価である。
5.× 障害老人の日常生活自立度は、高齢者の自立もしくは寝たきり度を判定するためのものであり、外出や移乗・寝返りなどにより客観的に評価される。

 

 

 

 

 

 

44 アルコール離脱直後の作業療法で最も優先すべきなのはどれか。

1. 内省
2. 仲間づくり
3. 体力づくり
4. 治療への動機付け
5. 生活設計の立て直し

解答3

解説

1.4.× 内省とは、自分の考えや言動、行動について深く省みることである。心理教育などによって治療への動機づけを行う時期が望ましい。
2.5.× 仲間づくりや断酒会などの自助グループへの参加、生活設計の立て直しを行っていくのは、アルコール依存症の初期治療の最終段階である。
3.〇 正しい。アルコール離脱直後の作業療法で最も優先すべきなのは体力づくりである。アルコール依存症の初期治療では、身体的治療・離脱症状の管理と治療が行われる。これらの治療が終わった後は、生活リズムをつくることや、体力づくりが作業療法の中心となる。その後、心理教育や内省へと進む。

 

 

 

 

 

 

45 発病後間もないうつ病患者への対応で適切なのはどれか。

1. 気分転換になる活動を勧める。
2. 自殺についての話題は避ける。
3. 回復の可能性は高いことを強調する。
4. 心構えに問題があることを説明する。
5. 重大な決断は早く済ませるように促す。

解答3

解説

1.× 気分転換になる活動を勧めるのは適切ではない。なぜなら、うつ病患者は、頑張りたいのに頑張れない点に苦痛を感じているためである。励ましや積極性を促すことによってますます患者を追い込みかねない。
2.× 自殺についての話題は避けるのは適切ではない。むしろ希死念慮の確認は必ず行わなければならない。希死念慮を抱いている場合には、具体的な手段を考えているのかを確認し、絶対に自殺をしないことを約束させる。治療者は「自殺を考えるほどつらいのですね」などと共感的な態度をとるように心がけるべきである。
3.〇 正しい。回復の可能性は高いことを強調する。うつ病患者に、調子が悪いのは病気のせいであり、治療を行えば必ず改善することを積極的に説明するべきである。
4.× 心構えに問題があることを説明するのは適切ではない。なぜなら、心構えに問題だと説明すると、患者を追い詰めることにになりかねない(患者の自責感を高める)ため。
5.× 重大な決断は早く済ませるように促すのは適切ではない。なぜなら、うつ病の急性期では、判断力が低下しているためである。重要な事への決定は先延ばしにすることを指導すると良い。

 

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