第52回(H29) 作業療法士国家試験 解説【午前問題36~40】

 

36 上肢にリンパ浮腫がある乳癌術後患者に対する生活上の指導として最も適切なのはどれか。

1. 日光浴をする。
2. 患肢の挙上を避ける。
3. 高い温度で温浴をする。
4. アームスリングで保護する。
5. 正常なリンパ節へ向けてマッサージを行う。

解答5

解説

1.× 日光浴をするのは避けた方が良い。日光による炎症で皮膚障害が起こりえるためである。リンパ浮腫は、感染を契機に増悪しや
すく、感染のリスクを上げる行動となる。
2.× 患肢の挙上は行うべきである。自動運動ポジショニングによりリンパ還流が改善し、浮腫が軽減する。
3.× 高い温度で温浴をするのは避けた方が良い。浮腫の悪化を招く。表在感覚が障害されている場合、熱傷を負うリスクが高いため避ける。炎症がある場合には入浴やプールなどは控えるがよい、
4.× アームスリングで保護するしても浮腫は改善しない。反対に、上肢をアームスリングで固定してしまうと、浮腫が悪化してしまう可能性がある。
5.〇 正しい。正常なリンパ節へ向けてマッサージを行う。リンパ還流の改善、浮腫の軽減につながる。

乳房切除術後の注意事項

①患側上肢での血圧測定、採血、注射などは避ける。
②袖口のきつい服や腋窩を締め付ける服は避ける。
③スキンケア、虫刺されに注意する。
④患側上肢では重いものを持たないようにする。
⑤患側上肢の過度の負荷や外傷を避ける。

 

 

 

 

 

 

37 ポピュレーションアプローチによる予防の対象として最も適切なのはどれか。

1. 膵臓癌
2. 白内障
3. 生活習慣病
4. 統合失調症
5. 慢性腎臓病(CKD)

解答3

解説

 ポピュレーションアプローチとは、健康障害を起こす危険因子をもつ集団のうち、集団全体に働きかけてリスクを下げる方法である。
対象:主に低リスク群、境界域を含む集団全体である。
役割:一次予防
主な事例:生活習慣病予防キャンペーン(メタボリックシンドローム)や受動喫煙の防止などがある。

よって、選択肢3.生活習慣病が正しい。

 

 

 

 

 

 

38 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)における日常生活用具支給制度の対象となるのはどれか。

1. T字杖
2. 前腕義手
3. 電動車椅子
4. モールド型座位保持装置
5. 重度障害者用意思伝達装置

解答1

解説

 障害者総合支援法により、日常生活用具(種類がたくさんあるため割愛)補装具(図参照)が支給される。

1.〇 正しい。T字杖は、日常生活用具の支給対象となる。補装具の歩行補助杖は、松葉杖、ロフストランドクラッチ、多点杖、プラットフォーム杖があるが、一本杖(T字杖)は含まれていない。
2~5.× 前腕義手・電動車椅子・モールド型座位保持装置・重度障害者用意思伝達装置は、補装具である。

 

 

 

 

 

 

39 ICF の構成要素である活動と参加に関する説明で適切なのはどれか。

1. 情動機能は、活動と参加に含まれる。
2. 実行状況と能力の2つの評価点によって評価する。
3. 活動とは生活・人生場面への関わりのことである。
4. 活動と参加は、それぞれ独立したリストとして示される。
5. 活動制限は、本人の主観的な困難を基準として評価する。

解答2

解説

「活動」とは課題や行為の個人による遂行のこと。
「参加」とは生活・人生場面への関わりのこと。

1.× 情動機能は、活動と参加に含まれず、「心身機能」の第2レベル、「精神機能」に含まれる。
2.〇 正しい。活動と参加は、実行状況と能力の2つの評価点によって評価する。第1評価点で実行状況、第2評価点で能力を評価する。
3.× 活動とは生活・人生場面への関わりのことではなく、課題や行為の個人による遂行のことである。生活・人生場面への関わりのことは「参加」である。
4.× 活動と参加は、それぞれ独立したリストではなく単一のリストとして示される。
5.× 活動制限は、本人の主観的な困難だけでなく客観的な基準としても評価する。なぜなら、障害を心身の問題だけでなく、物理・社会的環境との関わりからとらえるためである。

 

 

 

 

 

 

40 精神障害者の就労と最も関連があるのはどれか。

1. 精神症状の程度
2. 精神障害の診断名
3. 職業前訓練の時間
4. これまでの入院期間
5. 就労へのモチベーション

解答5

解説

1.× 精神症状の程度は重くないことにこしたことはないが、最も就労と関連があるとは言えにくい。
2~4.× 精神障害の診断名・職業前訓練の時間・これまでの入院期間は、就労との関連はほとんど少ない。
5.〇 正しい。本人の就労へのモチベーションが最も大切である。なぜなら、精神症状が落ち着いていても、本人に就労意欲がないと就労への支援は困難であるため。

 

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