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第52回(H29) 理学療法士国家試験 解説【午後問題11~15】

11 Down症候群で乳児期前半にみられる特徴的な姿勢はどれか。

 

解答:2

解説

乳児期とは、生後1歳から1歳半頃までのことである。ダウン症は、①特異な顔貌、②多発奇形、③筋緊張低下、④成長障害、⑤発達遅滞を特徴とする染色体異常症である。筋緊張低下が観察できる2が正答となる。

1.3.✖ 非対称性緊張性頸反射(ATNR)である。新生児期から出現し、4~6か月ごろに消失する。乳児期前半には見られない。

4.✖ 手で足をつかむことができるのは、5か月である。ダウン症も1歳以前に獲得できている。

5.✖ Landau反射である。3か月ごろに出現し、2歳半で消失する。

 

 

12 58歳の男性。歩行時のふらつきを訴えて受診した。歩隔はやや広いが左右方向は安定しており、前後方向への振り子様の歩容がみられる。検査結果を表に示す。協調運動改善のための理学療法として適切なのはどれか。

注視方向性眼振あり
構音障害あり
鼻指鼻試験測定異常あり
関節位置覚障害なし
Romberg徴候なし

 

1. 自転車エルゴメーターによるペダリング運動

2. rhythmic stabilization

3. 下肢筋群の持続的伸張

4. Frenkel体操

5. Epley法

 

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解答:2

解説

眼振は、小脳障害で見られ、脊髄障害では見られない。Romberg徴候は、小脳障害では陰性、脊髄障害では陽性となる。など、検査結果から小脳障害があることが考えられる。よって、小脳障害に対する協調運動改善のための理学療法を選択すれば正答となる。

1.3.✖ 協調運動改善効果は少ない。

2.〇 正しい。

4.✖ 脊髄障害に対する協調運動改善のための理学療法である。脊髄性運動失調など固有感覚低下による協調運動障害においては、視覚代償などを用い、はじめはゆっくり正確に運動を行い、徐々にスピードを速めていくことが一般的。小脳性運動失調の場合は、ゆっくりとした運動は逆に困難であることが多いため運動のスピードには調整が必要である。

5.✖ Epley法は、良性発作性頭位めまい症(BPPV)の治療である。

 

 

 

13 65歳の男性。被殻出血による右片麻痺。発症後2か月。意識レベル、認知機能および左下肢の機能に問題はない。右足関節の位置覚障害がみられる。起居動作は自立し、座位は安定している。現在、平行棒内での歩行練習中である。歩行中、右下肢の振り出しは可能であるが、踵接地がみられず、右下肢立脚中期に膝折れを認める。Brunnstrom法ステージ右下肢Ⅲ、右下腿三頭筋のMAS(modified AshworthScale)は2である。歩行に用いる最も適切な装具はどれか。

 

解答:3

解説本症例の歩行の特徴として、①右下肢の振り出しは可能である(BrsⅢ)、②踵接地がみられない(MAS2)。③右下肢立脚中期に膝折れがある。いずれも解決した装具を選択する。

1.✖ くつべら型短下肢装具(SHB)は、下垂足・軽度の痙性麻痺に対して選択する。

2.✖ シューホーンは、1.くつべら型短下肢装具(SHB)よりさらに軽度の痙性麻痺に対して選択する。

3.〇 正しい。両側支柱付き短下肢装具は、強い痙性のある場合に用いることが多い。

4.✖ 両側支柱付き長下肢装具は、脳卒中重度の片麻痺(振り出し困難)の患者に用いることが多い。

5.✖ ゲイトソリューション(GS)装具は、より歩行に特化した装具である。油圧の設定によって、軽度~中等度の麻痺がある方でも適応となるが、立脚相に膝折れがみられるため不適当。

 

 

 

 

14 75歳の男性。冠動脈バイパス術後。病棟での運動療法中に胸部不快感を生じた。そのときのモニター心電図を別に示す。この患者にみられるのはどれか。

1. 心房細動

2. 洞性徐脈

3. WPW症候群

4. 心室性期外収縮

5. Ⅱ度房室ブロック

 

解答:1

解説

心電図の読解の問題は、①P波の有無、②R-R間隔が一定か、③QRSの幅の広さ、の3点が読めればOKである。

1.〇 正しい。特徴として、心房の興奮が形・大きさともに不規則であり、基線が揺れている(f波)。心房が正常に収縮しないためにP波が消失し、QRS波が不規則なことより心房細動ということが読み取れる。

2.✖ 洞性徐脈の特徴として、洞結節からの興奮が緩徐となっている状態。

3.✖ WPW症候群は、正常な刺激伝導系以外に心房と心室を連結する伝導路が存在することにより、心室の早期興奮が生じるものであり、しばしば発作性の不整脈を生じる。心電図の特徴として、緩やかに立ち上がった後に急峻なR波。この緩やかな部分をデルタ波といって,WPW症候群の特徴的所見。

4.✖ 心室性期外収縮の特徴として、本来の洞結節からの興奮より早く心室で興奮が開始する(RR間隔が不定)。

5.✖ Ⅱ度房室ブロックの特徴として、心房から心室への伝導が突然途絶える。そのため、P波の後のQRS波が突然脱落する(QRS波の脱落)。

15分でマスターする理学療法士国家試験の心電図問題の勉強の仕方

 

 

15 70歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。線分抹消検査では紙面の左下方の線分抹消が行えず、車椅子駆動時には左側を壁にぶつけることがあった。理学療法として適切なのはどれか。

1. 右側から聴覚刺激を与える。

2. 右後頸部筋へ振動刺激を行う。

3. 頭部は正面を向いたまま体幹を右に回旋させる。

4. 手がかりを与えながら左側にある視覚標的を右へ移動させる。

5. 視野が右へ偏位するプリズム付眼鏡をかけてリーチ動作を行わせる。

 

解答:5

解説

半側空間無視の症状が出ていることが分かる。半側空間無視は、右頭頂葉後部(右中大脳動脈領域)の障害で生じる。リハビリテーションの方法としては、左への注意喚起、左身体への触覚刺激、左方向への体軸回旋運動、左側からの声掛けの励行などを行う。

1~4.✖ 左側へのアプローチを行う。

5.〇 正しい。プリズム適応療法の手順は、①視野を右に偏倚させるプリズムメガネによって目標点が実際より右にずれて見える。②自らの手の軌跡を見ずに目標点に手を伸ばすと実際より右にずれた点を指してしまう。③この動作を何度か繰り返すと実際の目標点を正確にさせるようになる(プリズム適応)④プリズム適応状態でメガネを外すと今度は実際の目標点より左を指差す(after effect)といった具合である。

 

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